老人ホームの費用を6万件のデータから解説!実費負担になる項目はどれ?

老人ホームの費用を6万件のデータから解説!実費負担になる項目はどれ?

アンケート結果:老人ホームについて不安に思うこと【費用】

老人ホームを探す際、費用はいくらかかるのか不安になる方も多いはずです。

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】の調査でも、半数以上(50.3%)が費用に関する不安を抱えていることがわかります。

そのほかにも、「介護の質」や「トラブル・事故への不安」「施設の雰囲気が合うかどうか」など、入居後の生活に直結する悩みが続いています。老人ホーム選びは人生において大きな決断だからこそ、不安を感じるのは当然です。

本記事では、調査結果で判明した不安を一つひとつ丁寧に解説し、特に多くの方が心配している費用の仕組みや考え方について分かりやすくご紹介します。

数字や実例を交えながら、老人ホーム選びへの不安が和らぐようサポートしますので、ぜひ最後までお読みください。

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老人ホームの費用はいくら?

老人ホームの費用は「入居一時金(入居するときに一度だけ払うお金)」「月額費用(毎月かかるお金)」の2種類に分かれます。

ケアスル 介護に掲載中の老人ホーム(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム・ケアハウス・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設)のプランデータ60,588件を集計したところ、月額費用の平均は178,881円、入居一時金の平均は2,165,854円でした。

施設の種類によって金額の幅は大きく異なるため、まずは種類別の目安を確認しましょう。

施設ごとの月額費用・入居一時金

施設種別ごとの月額費用・入居一時金(ケアスル 介護掲載施設の集計)
施設種別月額費用入居一時金
介護付き有料老人ホーム平均274,411円
中央値235,000円
平均5,818,413円
中央値822,000円
住宅型有料老人ホーム平均179,703円
中央値140,000円
平均2,532,620円
中央値100,000円
サービス付き高齢者向け住宅平均169,779円
中央値155,000円
平均368,185円
中央値126,000円
グループホーム平均102,443円
中央値99,000円
平均62,715円
中央値0円
ケアハウス平均110,096円
中央値103,000円
平均366,406円
中央値0円
特別養護老人ホーム平均85,133円
中央値78,480円
平均108,222円
中央値0円
介護老人保健施設平均87,164円
中央値88,000円
平均0円
中央値0円
全体(7種別合計)平均178,881円
中央値144,000円
平均2,165,854円
中央値100,000円

平均額は一部の高額な施設に引き上げられやすいため、中央値(金額を順に並べたときの真ん中の値)も合わせて見るのがおすすめです。

例えば介護付き有料老人ホームは平均の入居一時金が581万円と高く見えますが、中央値では82万2,000円ほどで、実際にはこちらに近い施設が多くなっています。

公的施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、入居一時金がかからないケースが多く、月額費用も比較的抑えられています。

※上記はケアスル 介護に掲載中の施設情報を集計したものです(2026年8月時点、極端な入力誤りを除外して算出)。個々の施設の費用は、部屋タイプや地域によって変わりますので、あくまで目安としてご確認ください。

老人ホームの費用体系

先ほどご紹介したように、老人ホームの費用は「入居一時金」と「月額費用」の2つに分かれています。

それぞれの内容を理解しておくことで、入居後の家計の見通しが立てやすくなるでしょう。

月額費用には家賃・食費・介護費など複数の項目が含まれており、施設の種類によって費用の増え方が異なるため注意が必要です。

まずは入居一時金について詳しくご紹介していきます。

入居一時金

入居一時金とは、老人ホームに入居するときに一度だけ支払うまとまったお金です。賃貸における、敷金や礼金に近いものになります。

毎月払う月額費用とは別に、入居契約のタイミングで一括で支払うのが一般的です。

入居一時金の概要
目安の金額0円〜数百万円程度(施設によっては数千万円以上)
支払うタイミング入居契約時に1回のみ
返金の有無短期間で退去した場合、一部が返金される場合あり

入居一時金は0円の施設も多く、必ずしも高額を準備しなければならないわけではありません。金額の幅が大きい理由は、施設の設備やサービスの充実度によって異なるためです。

また、入居後に「施設が合わない」と感じて短期間で退去した場合でも、一定の割合は返金されない(初期償却)ケースが多いため、契約前に返金条件を確認しておきましょう。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
「入居一時金がとりあえず払えるから月額も大丈夫か」と考えるよりは、基本的には「月額費用」をベースに見る方が良いと思っています。
3年や5年といった長期で考える方もいますが、ご高齢なので何があるか分からないということもあります。
あまり長期を見据えて今の生活をないがしろにするよりは、月額を基準に考えたほうが納得しやすいかなと思います

月額費用

月額費用は、毎月施設に支払う費用の合計です。主に家賃・食費・管理費・介護サービス費などが含まれます。

月額費用の主な内訳(介護付き有料老人ホームの場合)
費用の項目費用目安
家賃6~15万円
食費1~3万円
水道・光熱費5,000~1万円
介護サービス費0.9~6万円(介護サービスの内容や自己負担割合により変わる)
その他(理美容・医療費等)1~5万円

今回例に挙げた「介護付き有料老人ホーム」は、介護保険の自己負担額の上限が決まっています。そのため、介護度が上がっても月額費用はほぼ一定です。

一方、住宅型有料老人ホームやサ高住は「使った分だけ」費用が増えます。将来のことも考えて、施設選びの段階でシミュレーションしておくと安心です。

ケアマネージャーであり社会福祉士でもある桐島さんに、老人ホームの月額費用の考え方についてお話を伺いました。

専門家_桐島慎治
介老人ホームの月額費用について、介護保険の扱いについて理解しておく必要があると話す桐島さん
監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ
社会福祉士・元ケアマネージャー 桐島さん
現在の費用だけでなく、将来介護度が上がった時の費用までしっかりシミュレーションしておく必要があります。
介護付き有料老人ホームであれば、介護保険の自己負担額が定められているので一定額で利用できますが、住宅型有料老人ホームやサ高住になると、在宅の介護保険サービスと同じように「使った分だけ」費用がかかってきます。
全く使わなければ0円ですが、保険の単位数の上限を超えてしまうと10割負担です。そのため、たとえば介護付きより住宅型の方が月額費用が高くなる可能性は十分あります。
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老人ホームの月額費用に含まれるもの、含まれないもの

老人ホームの費用内訳ガイド

老人ホームの月額費用には、多くの施設で「含まれる費用」と、実費で別途かかる「含まれない費用」があります。何がどちらに当たるかは施設の種類によって異なるため、契約前に確認しておくことが大切です。

多くの施設で月額費用に含まれるのは、居住費(家賃)・食費・管理費・共益費・介護サービス費の自己負担分です。一方、おむつ代や医療費、理美容代などは実費として別途かかることが多くなっています。項目ごとに詳しく見ていきましょう。

老人ホームに払う費用に含まれるもの

まずは、多くの施設で月額費用に含まれている4つの費用を紹介します。

居住費(家賃)

居住費は、老人ホームの部屋を使うための費用です。目安は6万〜15万円程度で、個室か多床室(相部屋)か、部屋の広さ、立地(都市部か地方か)によって金額が変わります。

一般的に、都市部にある施設や、個室・広い部屋ほど居住費は高くなる傾向があります。

食費

食費は、朝食・昼食・夕食の3食分の費用で、目安は1万〜3万円程度です。

多くの施設では、栄養バランスを考えた食事が提供されており、きざみ食やミキサー食など、入居者の状態に合わせた食事形態にも対応しています。

管理費・共益費

管理費・共益費は、共用スペースの清掃や設備の維持にかかる費用です。家賃に含めて設定している施設が多く、別立てで請求される場合でも数千円〜1万円程度が目安です。

契約時に「家賃」の中に管理費が含まれているのか、別項目になっているのかを確認しておくと、費用の比較がしやすくなります。

介護サービス費の自己負担分

介護サービス費の自己負担分は、施設で受ける介護サービスにかかる費用のうち、利用者が支払う分です。目安は0.9万〜6万円程度で、介護度や自己負担割合(1〜3割)によって変わります。

1割負担の場合、要介護1で月16,260円程度、要介護5で月24,390円程度が目安です(介護保険の給付基準による)。

なお、介護付き有料老人ホームのように自己負担額の上限が決まっている施設では、介護度が上がっても月額費用がほぼ一定になる場合があります。一方、住宅型有料老人ホームやサ高住は「使った分だけ」費用が増える仕組みのため、注意が必要です。

老人ホームに払う費用に含まれないもの

続いて、月額費用に含まれず実費で別途支払うことが多い7つの費用を紹介します。ただし特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設では、一部の費用(おむつ代など)はそもそも保険給付の対象となっており、施設側の負担と定められているため、利用者に請求することはできません。

おむつ代・日用品費

おむつ代は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院などの介護保険施設では保険給付の対象となっており、原則0円です(厚生労働省の通知により、施設側が負担するものとされています)。

一方、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サ高住、グループホームなど介護保険施設以外では実費負担が一般的で、使用量によって金額が変わります。

医療費(通院費・薬代など)

通院費や薬代などの医療費は、公的な医療保険(後期高齢者医療制度など)の対象となり、老人ホームの月額費用とは別に、個人の通院状況に応じてかかります。

持病の有無や通院頻度によって大きく異なるため、一律の目安を示すことは難しく、入居前にかかりつけ医と相談しておくと安心です。

理美容代

理美容代は、施設が契約している理美容師によるカットやパーマなどの費用です。実際の施設の重要事項説明書には、カット1回2,000円前後、パーマ4,000〜6,000円前後といった記載が多く見られます。

利用は任意で、利用した分だけ実費がかかる仕組みです。

レクリエーション参加費

習字やお花、絵画などの任意参加のクラブ活動は、材料費として数百円程度の実費がかかることがあります。

一方、施設が入居者全員向けに実施する定例行事の費用は施設側の負担となっており、利用者から個別に徴収されることはありません。

通信費

施設の電話やテレビのレンタルを利用する場合にかかる費用です。金額は施設ごとに異なるため、契約時にレンタル料や通話料の仕組みを確認しておきましょう。

個人の携帯電話を持ち込んで使う場合は、通常の通信費が別途かかります。

有料オプションサービス費

見守りサービスや外出付き添いなど、施設が独自に用意しているサービスを利用した場合にかかる費用です。

サービスの内容や料金は施設ごとに大きく異なるため、必要なサービスがあるかどうかも施設選びのポイントになります。

入院・外出外泊・退去時にかかる費用

入院した場合の部屋代(一部)や、外出・外泊時の食費の調整、退去時の原状回復費などが該当します。

これらは契約書に個別の規定が定められているため、入居前に確認しておくとトラブルを避けやすくなります。

【確認しておきたいポイント】実費になる費用の具体的な金額は施設ごとに大きく異なります。入居前に重要事項説明書や契約書で必ず確認しましょう。

老人ホーム入居までにかかる主な費用

老人ホームには、入居一時金や月額費用のほかにも、見学から入居手続きまでの間にかかる準備費用があります。具体的には、施設見学・体験入居の費用、引っ越し費用、実家の片付け・家財処分費用、入居審査に必要な診断書・書類の取得費用、身元保証会社の利用料の5つです。

これらは月額費用や入居一時金には含まれないため、あらかじめ準備しておくと安心です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

【入居までにかかる主な費用チェックリスト】
施設見学・体験入居の費用(見学は無料が多い/体験入居は1泊数千円〜2万円程度)
引っ越し費用(家財の量や距離により変動)
実家の片付け・家財処分費用(業者依頼の場合は見積もりが必要)
入居審査に必要な診断書・書類の取得費用(3,000円〜1万円程度)
身元保証会社の利用料(利用する場合は総額100万円〜150万円程度)

施設見学・体験入居の費用

施設見学は、多くの老人ホームで無料で対応しています。費用の心配なく複数の施設を実際に訪れて、雰囲気や職員の対応を比較できます。

一方、実際に施設に泊まって生活を体験する「体験入居」は有料の施設が多く、宿泊費・食事代・介護サービス費などを含めて1泊あたり数千円〜2万円程度が目安です。金額は施設の種類やサービス内容によって幅があります。

体験入居は、写真や説明だけでは分かりにくい食事の味や職員との相性、他の入居者の雰囲気などを確認できる貴重な機会です。気になる施設が絞れてきたら、入居を決める前に利用を検討するとよいでしょう。

引っ越し費用

老人ホームへの引っ越しでは、持ち込める荷物が「1週間分の旅行に持っていく量」程度に限られる施設が多く、大型の家具・家電はほとんど持ち込めません。

そのため、引っ越し費用自体よりも、後述する家財の処分費用の方が大きな負担になりやすい点に注意が必要です。テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの家電リサイクル法対象品を処分する場合は、1台あたり500円〜5,000円程度のリサイクル料金がかかります。

荷物量や運搬距離によって費用は大きく変わるため、引っ越し業者やサービス付きの引っ越しプランに事前に見積もりを依頼しておくと安心です。同じ市区町村内や近隣への引っ越しであれば、費用を抑えやすくなります。

実家の片付け・家財処分費用

入居にあたって実家を引き渡す場合や、部屋を空ける場合には、家財の片付け・処分費用がかかります。

自分たちで片付けられる分は費用を抑えられますが、家財が多い場合や遠方に住んでいて時間が取れない場合は、不用品回収業者や遺品整理業者に依頼するケースも少なくありません。費用は荷物の量や作業内容によって大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。

粗大ごみとして自治体に回収してもらえるものもあるため、すべてを業者に依頼する前に、自治体のルールを確認しておくと費用を抑えられる場合があります。

入居審査に必要な診断書・書類の取得費用

老人ホームに入居する際は、健康状態を確認するための診断書の提出を求められることが一般的です。

診断書の発行料は医療機関によって異なりますが、3,000円〜1万円程度が目安です。かかりつけ医がいる場合は、事情を伝えたうえで発行を依頼するとスムーズです。

このほか、要介護認定を受けている場合は介護保険被保険者証、既往歴や服薬状況が分かる書類なども求められることがあります。入居審査の詳しい実態については、

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身元保証会社の利用料

身元がいない、あるいは家族に頼れない事情がある場合、身元保証会社を利用するという選択肢があります。

身元保証会社を利用すると、契約金・身元保証料・預託金などを合わせて総額100万円〜150万円程度かかるのが一般的です。サービス内容によって費用の内訳や総額は変わるため、複数社を比較することが大切です。

身元保証会社の費用の内訳や選び方については、

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老人ホームの費用例を実際の請求書を基に解説

本章では実際の請求書を参考に、各施設における費用の詳細を解説していきます。なお、費用例はあくまで各項目の月額費用についてです。施設や要介護度によっても費用は変わるため注意しましょう。

また、入居一時金についても、施設や契約内容によって変動します。

介護付き有料老人ホームの費用例

介護付き有料老人ホーム(要介護2)の請求書例

項目単価日数及び数量単位金額
【生活費】
家賃50,000円150,000円
管理費30,000円130,000円
電気代50円281,400円
洗濯代4,00010
【食費】
(朝食・昼食・夕食)36,000円136,000円
【水道光熱費】18,000円118,000円
【出張費用】1,500円時間0円
【立替え費】
受診料5,970円15,970円
理美容代0円
生活用品0円
【おむつ費】
尿とりパッド1,000円0円
夜間用尿とりパッド1,000円0円
リハビリパンツ1,500円34,500円
紙おむつ1,800円0円
合計145,870円

この請求書は、要介護2の方が利用した介護付き有料老人ホームの月額費用で、合計は145,870円です。内訳は家賃5万円、管理費3万円、食費3.6万円、水道光熱費約1.9万円の基本項目に加え、医療費立替分やオムツ代等の実費が含まれています。

ただし、今回の請求書には介護保険サービスの自己負担分が含まれていないため注意が必要です。実際の支払額は、総額に加えて数万円ほど加算される可能性があります。

住宅型有料老人ホームの費用例

住宅型有料老人ホーム(要支援2)の請求書例

項目金額
家賃36,000円
食費48,600円
共益費9,000円
生活相談状況把握費6,171円
洗濯代3,531円
金銭管理代1,100円
合計104,402円

この請求書は、要介護2の方が住宅型有料老人ホームに入居した際の月額費用で、総額は104,402円です。

内訳を見ると、居室料36,000円と給食費48,600円で合計84,600円となり、全体の約8割を占めています。老人ホームにかかる費用は「家賃+食費」を中心に、複数のサポート費が上乗せされる仕組みであることが分かります。

サ高住の費用例

サ高住(要介護4)の請求書例

項目単価 / 月額日数金額
家賃55,000円28日55,000円
共益費14,300円28日14,300円
基本サービス費22,000円28日22,000円
朝食代226円28日6,328円
昼食代562円28日15,736円
夕食代562円28日15,736円
合計129,100円

この請求書は、要介護4の方がサ高住に入居した際の月額費用です。基本料金内訳を見ると、2月分の合計は129,100円で、そのうち家賃55,000円が最も金額が高い項目です。

次いで共益費14,300円、基本サービス費22,000円が続き、住居と生活支援にかかる固定費が中心であることが分かります。食費は朝・昼・夕で日額計算され、利用日数に応じて変動しています。

グループホームの費用例

グループホーム(要介護2)の請求書例

項目金額
家賃70,000円
食費58,320円
管理費51,500円
寝具リース代3,048円
洗濯代5,296円
金銭管理代1,100円
電気代7,536円
水道代1,650円
欠食返金▲6,804円
介護保険自己負担17,375円
合計209,021円

この請求書は、要介護2の男性がグループホームに入居した際の月額費用です。

総額は209,021円となっており、内訳は家賃70,000円、食費58,320円、管理費51,500円で約18万円を占め、住居費と生活費が中心です。介護保険サービスの自己負担額は17,375円と、比較的抑えられています。

特養の費用例

特養(要介護2)の請求書例

項目単価日数金額
家賃
(ユニット型個室)
1,310円31日40,610円
食費650円31日20,150円
合計60,760円

この請求書は、要介護2の方が特養に入居した際の月額費用です。ユニット型個室は1日1,310円を31日分で40,610円、食費は1日650円を31日分で20,150円となっています。

居住費と食費を合わせても約6万円台に収まっており、月額15万〜20万円前後になる有料老人ホームやサ高住と比べると、特養は公的施設のため費用が抑えられている点が大きな特徴だと分かります。

老健の費用例

老健(要介護2)の請求書例

項目単価金額
介護保険自己負担額10.14円 × 31,75132,196円
食費1,360円 × 31日42,160円
家賃(多床室)430円 × 31日13,330円
日用品費150円 × 31日4,650円
教養娯楽費月額4,500円
合計金額96,836円

この請求書は、要介護2の女性が老健に入居した際の月額費用です。

総額の内訳は介護保険自己負担額32,196円、食費42,160円、家賃(多床室)13,330円、日用品費4,650円、教養娯楽費4,500円です。月額は約9万円台と、グループホーム約20万円、有料老人ホーム約15万円前後と比べると大きく抑えられています。

老健は公的保険適用が中心のため、自己負担が比較的軽い点が特徴です。

ケアハウスの費用例

介護付き有料老人ホーム(要介護2)の請求書例

項目金額
生活費48,764円
サービス提供費10,000円
住居費13,650円
冬期加算料(11月~3月)2,160円
電気料(75kW/12月分)2,625円
水道料居室分(12月分)2,000円
食費値引分▲2,600円
合計76,599円

この請求書は、要介護2の男性がケアハウスに入居した際の月額費用です。内訳は生活費48,764円、サービス提供費10,000円、住居費13,650円が中心です。これに加え、電気代2,625円、水道代2,000円、冬期加算2,160円などが加算されています。

月額約7万円台と、有料老人ホームやグループホームと比べて大幅に抑えられています。

老人ホームの費用を考える際のポイント

老人ホームの費用を考える際は、以下の4つのポイントを確認してみてください。

  • 親の資産を確認する
  • 自分が援助できる金額を確認する
  • 補助制度を確認する
  • エリアの安い地域を確認する

本章では費用を考える際の主なポイントを3つ解説します。

親の資産を確認する

まず最初に行うべきは、親の資産状況を正確に把握することです。

  • 年金の受給額
  • 預貯金
  • 不動産の有無
  • 生命保険の内容

上記を整理し、毎月の収入と支出のバランスを確認しましょう。

老人ホームの月額費用は平均15万円前後といわれますが、医療費や日用品費などの追加費用も発生します。

貯蓄がどのくらいの期間持つのかを試算し、長期入居を想定した資金計画を立てておくと安心です。早めに家族で話し合い、現実的な予算ラインを共有しておきましょう。

自分が援助できる金額を確認する

親の資産だけで費用をまかなえない場合、子どもの支援が必要になることがあります。

しかし、無理な援助は家計を圧迫し、長期的に続かなくなる可能性があります。

自分の住宅ローン、教育費、老後資金などを踏まえ、毎月いくらまでなら安定して支援できるのかを明確にすることが大切です。

また、兄弟姉妹がいる場合は分担方法も話し合い、公平かつ継続可能な支援体制を整えることが重要です。

補助制度を確認する

老人ホームの費用負担を軽減するためには、公的制度の確認も欠かせません。主な補助制度は以下の6つです。

制度名概要主な対象
医療費控除年間で支払った介護・医療費が一定額を超えた場合、確定申告で所得控除が受けられる制度。所得税の負担が減り、結果的に費用負担を軽減できる。
特養・老健などの施設サービス費の一部も対象。
特定入所者介護サービス費所得・資産が一定以下の方の居住費・食費の負担を軽減する制度。低所得者を中心に月の居住費・食費の自己負担が減額される。
高額介護サービス費支給制度1か月の介護保険自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が支給される制度。自己負担が所得に応じた上限値を超えたときに払い戻される。
高額医療・高額介護合算療養費制度医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、基準額超過分を払い戻す制度。医療費と介護費が高額になった世帯を対象に年間で負担軽減。
自治体による地域支援・助成制度市区町村ごとに独自の助成制度・負担軽減制度を提供。高齢者支援、介護保険の自己負担助成、社会福祉法人による負担軽減など。
各自治体で内容が異なる。
生活保護による介護扶助・医療扶助生活保護受給者に対して自己負担額を実質0にする制度。生活保護の介護扶助・医療扶助として、介護サービス費の自己負担が免除される。

入居前にケアマネジャーや市区町村窓口へ相談し、利用可能な制度を漏れなく把握することが重要です。

高額介護サービス費制度を利用する

高額介護サービス費制度は、介護保険を使ったサービスにかかる1ヶ月の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合、申請により払い戻される制度です。なお、上限額は所得区分に応じて異なっています。

ただし、この制度で払い戻しの対象となるのは、介護保険が適用される介護サービスの自己負担額(1〜3割)に限られます。居住費・食費・日常生活費・福祉用具購入費・住宅改修費などは対象外のため注意が必要です。

一度申請すれば以降は自動的に払い戻しが行われますが、受け取り漏れがないよう、ケアマネジャーや市区町村窓口で事前に制度の詳細を確認しておきましょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度を利用する

高額医療・高額介護合算療養費制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間に支払った医療費と介護費の合計が、所得に応じた上限額を超えた場合に払い戻される仕組みです。

住宅型有料老人ホームでは医療費と介護費が同時に発生することも多いため、この制度を知っておくと実際の負担額を抑えられる可能性があります。

申請には医療保険と介護保険の支払額の証明が必要なので、領収書や明細書はしっかり保管し、自治体への申請に備えましょう。

医療費控除を利用する

医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告でその分を所得控除できる制度です。

ただし、住宅型有料老人ホームの月額利用料(施設サービス費・食費・居住費など)は、医療費控除の対象外のため注意しましょう。

医療費控除の対象・非対象については以下を参考にしてください。

対象非対象
  • 診察料
  • 薬代
  • 入院中の食事、部屋代
  • 保険適用外の医療費
  • 介護サービス費の一部
  • 介護サービス費
  • 賃料や管理費
  • 人間ドッグなどの健康診断の費用

表にも記載がある通り、住宅型有料老人ホームへ入居している場合に医療費控除の対象となるのは、入居者が別途利用した医療系の介護保険サービス(訪問看護・訪問リハビリテーションなど)の自己負担額や、医療機関への通院費、薬代などに限られます。

なお、ケアプランに医療系サービスが組み込まれている場合は、併用した一部の福祉系サービスも対象となる場合があります。

生活保護の利用を検討する

生活保護制度では、経済的に自立が困難な高齢者に対して介護扶助や医療扶助が提供され、介護サービス費の自己負担が実質ゼロになる場合があります。住宅型有料老人ホームでの滞在費についても、生活保護の支給対象になるケースがあります。

ただし、生活保護で入居できる施設は、生活扶助費の範囲内で対応可能な費用設定の施設に限られるため注意が必要です。市区町村の福祉窓口やケースワーカーに相談し、本人の状況に合った支援策として利用できるかどうかを確認しましょう。

エリアの安い地域を選ぶ

アンケート結果:介護施設の費用を抑えるためにした工夫

住宅型有料老人ホームの費用は、都市部・郊外・地方などエリアによって大きく変わります。

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】では、介護施設の費用を抑えるために「入居金・月額費用が安い地域や施設を選んだ」という回答が最も多い結果でした。

東京都心や人気エリアでは月額費用が高くなる傾向がありますが、郊外や地方都市では同程度のサービスでも比較的安い料金で提供されている施設もあります。

費用を抑えたい場合は、生活環境や医療機関との距離、アクセスなども含めてエリアごとの価格差を比較し、本人の生活の質も損なわない範囲で選択肢を広げることが重要です。

老人ホームの費用についてよくある質問

本章では老人ホームの費用に関するよくある質問をまとめています。

ケアスル 介護が独自に行った調査結果と詳細な数値を用いて解説しているので、ぜひ参考にしてください。

みんなの予算はいくら?

アンケート結果:みんなの予算はいくら?

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】を見てみると、最も多いのは「15万〜20万円以下」で32.9%(10,954人)という結果でした。

次いで「10万〜15万円以下」が30.3%(10,070人)となっており、全体の6割以上が月額20万円以下を予算としています。「10万円以下」は18.6%(6,199人)で、30万円超は少数派です。

多くの家庭が、現実的な負担額として15〜20万円前後を想定していることが分かります。

老人ホームの費用は予想と現実でギャップはあった?

老人ホームの費用予想

老人ホームへ実際に入居する前に、「老人ホームの月額費用はいくらかかると思うか」という質問への回答結果で最も多かったのは「10〜15万円未満」26.8%でした。

一方で「5万円未満」や「5〜10万円未満」と考える人も一定数おり、実際の相場より低く見積もっている層も少なくないことが分かります。

入居前事前説明vs実際の月額費用

実際に入居後、「入居後の実際の月額費用が事前説明と比べてどうだったか」の回答として「ほとんど変わらなかった」が34.0%で最も多く、想定より高くなった人が全体の半数近くなりました。

一方で「逆に安かった」は少数で、説明と実費に差が出るケースも多いことが分かります。

老人ホームの費用相場の印象の差

上記のグラフでは、老人ホーム探しの前後で費用相場の印象がどう変わったかを示しており「4〜5万円高かった」が27.0%で最多でした。

次いで「ほとんど変わらなかった」25.0%、「1〜3万円高かった」19.0%となっています。全体として「思っていたより高かった」と感じた人が多数を占め、事前のイメージと実際の相場にギャップがあることが分かります。

一方で「逆に安かった」は少数にとどまりました。

費用を抑えるためにしていることは?

介護施設の費用を抑えるためにした工夫

介護施設の費用を抑えるために行った工夫としては「入居金・月額費用が安い地域や施設を選んだ」が19.3%で最多でした。次に「公的制度(減免制度・補助金・生活保護等)を活用した」が18.0%となっています。

ほかにも家族対応の拡大や相部屋や低グレードの部屋選択、オプション削減、複数施設の比較などが挙げられており、制度活用や施設選びの工夫が大きなポイントであることが分かります。

生活保護を受給しても入居できる?

生活保護を受給しても受け入れられる

このグラフは、施設種別ごとの生活保護受給者の受け入れ状況を示しています。介護付き有料老人ホームは「受け入れ不可」が88.52%と大半を占め、受け入れ可は7.89%にとどまります。

一方、住宅型有料老人ホームは受け入れ可が30.86%と比較的高く、最も柔軟な傾向が見られました。サービス付き高齢者向け住宅も一定の受け入れがありますが、不可が66.06%を占めています。

なお、特養や老健などの公的施設も生活保護を受給していても受け入れは可能です。

費用が安いエリアはある?

費用が安い都道府県ランキング

このグラフは都道府県別の老人ホーム月額費用(平均・中央値)を示しています。

最も高いのは東京都で、平均は25万円前後と突出しています。神奈川・兵庫・千葉など都市部も比較的高水準です。

一方、九州や四国、東北の一部地域は10万円前後〜12万円台と低めで、特に宮崎、青森、長崎などは安い水準にあります。

全体として都市部ほど高く、地方ほど費用を抑えやすい傾向が読み取れます。

年金だけで払える?

老人ホームの費用は高額な印象ですが、特養や老健などの公的施設であれば、年金のみで入居できる可能性があります年金には国民年金と厚生年金があり、両方を受給している場合は合計で月約20万円前後になることもあります。

以下の表は、各年度の平均受給額です。

厚生年金国民年金
2016年度145,638円55,373円
2017年度144,903円55,518円
2018年度143,761円55,708円
2019年度144,268円55,946円
2020年度144,366円56,252円

特養の月額費用は多床室で約4.4万〜12万円、ユニット型で約6.8万〜15万円が目安とされており、受給額によっては十分にまかなえる水準です。

施設の種類や居室タイプを選べば、年金内での入居も現実的な選択肢です。

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老人ホームの費用についてのまとめ

老人ホームの月額費用は施設種別によって大きく異なり、特養・老健などの公的施設は6〜10万円台と比較的安価な一方、有料老人ホームやグループホームは15〜20万円前後が目安です。

費用を抑えるためには、高額介護サービス費制度や医療費控除などの公的補助制度を積極的に活用することが重要です。

また、都市部より地方エリアの施設を選ぶことで、費用を大幅に抑えられる場合があります。

なお、老人ホーム探しが初めての場合、費用相場や注意点がわからず不安な方も多いでしょう。施設選びや費用に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひケアスル 介護へご相談ください。

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