サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、安否確認と生活相談サービスが付いた、自由度の高い高齢者向けの賃貸住宅です。
「サ高住ってどんな施設なの?」「老人ホームと何が違うの?」「費用はいくらかかる?」など、疑問を感じている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、サ高住の入居条件・暮らしの実態・サービス内容・設備・費用・老人ホームとの違い・メリットとデメリットまで、気になる情報を分かりやすくまとめて解説していきます。

【概要】サ高住丸わかりガイド

サ高住は安否確認と生活相談サービスが付いた高齢者向けの賃貸住宅です。自由度の高い暮らしができる一方で、費用や入居条件は施設によって差があります。
サ高住は平成23年(2011年)に創設された高齢者向け住宅の制度で、令和8年5月末時点で全国に約29万戸が登録(※)されています。バリアフリー構造の賃貸住宅に、安否確認と生活相談のサービスが付帯している点が特徴です。
施設のタイプは大きく2つに分かれます。安否確認・生活相談を基本とする「一般型」と施設内で介護サービスを提供する「介護型」です。
現在あるサ高住のほとんどは一般型で、こちらでは介護サービスは付帯していません。そのため、必要であれば身体介護や医療行為などは外部の介護保険サービスを別途契約する必要があります。
費用の目安として、入居時にかかる入居金(敷金)は約12万円(全国の中央値)、月額費用は全国平均で約17万円(全国の中央値)です。入居金は0円の施設もあり、費用構成は施設ごとに異なります。
サ高住について知りたい内容がある場合は、以下の目次からご覧ください。
(※)出典:サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(R8.5末時点) | 厚生労働省

【入居条件】サ高住丸わかりガイド
サ高住の入居条件は年齢と契約内容が中心で、要介護度に関する制限はありません。
賃貸住宅としての契約を基本としているためです。60歳以上、または要介護・要支援認定を受けた40歳以上60歳未満の方が対象になります。
サ高住の主な入居条件
サ高住の入居条件は、他の老人ホームに比べて日常生活における制限が少ない点が特徴です。
サ高住の年齢条件は原則60歳以上ですが、要介護認定または要支援認定を受けていれば40歳以上60歳未満でも入居できます。また、要介護度についての制限は定められておらず、制度上は自立した高齢者から要介護5の方まで入居の対象です。
ただし、施設ごとに介護サービスの提供体制が異なるため、要介護度が高い場合は事前に対応可能かどうかを確認する必要があります。
ケアマネージャーであり社会福祉士でもある桐島さんに、サ高住のと入居条件についてお話を伺いました。


できることはご自身でやっていただき、できない部分だけ外部の介護保険サービスを利用していくというのが、一般的に望ましい形かなと思います。

心身の状態が悪化したら退去になる?
サ高住は、認知症の発症や症状の悪化を理由に退去や転居を求められる場合があります。具体的には、認知症や医療行為が必要な場合などは入居を拒否される可能性が高いでしょう。
サ高住の入居条件には要介護度の定めがありませんが、自立した生活ができる方が対象のため日常生活が難しい場合は受け入れが難しくなります。
入居後に認知症を発症した場合や、症状が進行して見守りが必要になった場合も、施設によっては契約の見直しや退去を求められることがあります。
退去要件についても施設ごとに定められているため、契約時点で確認しておきましょう。

ただ、リスクを承知の上で、今元気に過ごせているからその生活を維持する方を選ぶ、という方もいらっしゃいます。


【暮らしの実態】サ高住丸わかりガイド
サ高住の暮らしは自由度が高く基本的な生活動作は自分で行うのが前提のため、安否確認と生活相談を中心としたサービス設計となっています。
なお、こちらも個室設備や食事の提供内容は施設によって差があるため、事前に確認する必要があります。
本章では、一般的な住まいの環境について「お部屋」「外出」「食事」「レクリエーション」に分けて詳しくご紹介していきます。
居室は個室でトイレやキッチンも完備

出典:サービス付き高齢者向け住宅 にこにこライフ高松 | ケアスル 介護
一般的なサ高住のお部屋は個室となっており、広さは原則25㎡以上です。お部屋にはトイレやキッチン・収納・浴室などがあります。なお、共同利用型の場合は部屋の広さは18㎡以上、トイレやキッチンは共用になります。
サ高住の個室は賃貸住宅を基本としているため、プライバシーが確保された設計になっています。
また、施設によっては各部屋のグレード・設備が違う、一部は共用スペースになる、といったケースもありますので、お部屋は見学時に確認しておきましょう。
玄関は施錠されていないことが多い
一般型のサ高住は自由度が高く、施錠されていないことが多いです。
ベースは通常の賃貸住宅のため、昼夜問わず外出自体は自由である施設がほとんどになります。

外出する場合は玄関の職員さんに声をかければいつでも出入りOKということが多いですが、外泊となると事前申請が必要になるなど、ある程度のルールはあります。
施錠されていない環境は、活動的に暮らしたい人にとっては魅力的ですが、認知症による外出時の見守りに不安がある場合は注意が必要です。

食事はいつどこで食べてもOK
サ高住では、食事の時間や場所は本人に任せられています。自分で料理を作って食べる、買ってきて食べるなど、本人の自由にできます。
施設によっては食事を提供しているところもありますが、こちらも義務ではなくオプションであるケースが一般的です。


レクリエーションも行われている
多くのサ高住ではレクリエーションを実施していますが、こちらも内容や頻度は施設ごとに差があります。
サ高住は安否確認・生活相談を基本サービスとしており、レクリエーションは必須のサービスではありません。
そのため、レクリエーションがほとんどない施設もあるでしょう。レクリエーションを重視する場合はご注意ください。


【サービス内容】サ高住丸わかりガイド
サ高住の標準サービスは安否確認と生活相談の2つです。身体介護などは外部サービスを別途契約する必要があります。
本章では、サ高住で受けられるサービス内容についてご紹介していきます。
付帯サービス
サ高住の付帯サービスは、安否確認と生活相談が基本で、緊急時の対応範囲は施設によって差があります。
安否確認は日中の見守りが基本で、常時の巡回や医療的対応を伴うものではありません。体調不良や倒れているなどの場合でも家族への連絡にとどめる場合もあります。
最近では、緊急通報システムや看護師配置、24時間の巡回体制を整えている施設も多いです。
別途契約が必要なサービス
サ高住で提供されない身体介護などのサービスは、外部の介護保険サービスを別途契約して利用する形になります。
別途契約する介護保険サービスは、在宅看護と同様に使った分だけ費用が発生する仕組みです。場合によっては保険の単位数上限を超え、超過分が全額自己負担になることもあります。

【設備】サ高住丸わかりガイド


出典:ヘーベルVillage 北浦和公園 | ケアスル 介護
サ高住の設備は、高齢者住まい法によりバリアフリー構造や安否確認のための機器の設置が義務付けられています。また、エントランスや共用スペースなどがある施設も多いです。
施設全体の主な設備は以下の通りです。
個室だけでなくエントランスや食堂などの共用部分も含めた間取り図を確認しておくと、入居後の生活イメージを掴みやすくなるでしょう。

【費用】サ高住丸わかりガイド

サ高住の費用は、初期費用(敷金)と月額費用の2つがあります。
初期費用の全国中央値は12万円、月額費用の全国中央値は17万円となっています。サ高住の入居金は「敷金」として扱われ、家賃の数ヶ月分が一般的です。
なお、月額費用として施設に支払うものは家賃や管理費などが大部分を占めています。食費や交際費などは実費としてその都度払うのが基本です。
以下の表で月額費用の内訳とその金額をまとめていますので、参考としてご覧ください。
月額費用には、外部の介護保険サービスを利用した分の費用は含まれていませんのでご注意ください。

【老人ホームとの違い】サ高住丸わかりガイド
サ高住と老人ホームの主な違いは、制度上の位置づけとサービス内容とその提供方法、費用構造です。
サ高住は賃貸住宅、介護付き有料老人ホームといった老人ホームは福祉施設という制度上の位置づけとなります。手厚い介護サービスを受けられるのは老人ホームの方です。
ただし、老人ホームでも住宅型有料老人ホームとサ高住では、ほとんど違いがない場合も多いです。施設によっては介護サービスの扱いや自由度において、サ高住と同じになるケースが多くあります。
看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんに、老人ホームとサ高住の違いについてお話を伺いました。


実際、運営する側の制度的な違いが少しあるぐらいで、生活する分には一緒なので、施設を探す時は同じものだと思って一緒に探した方が良いですね。


【メリット・デメリット】サ高住丸わかりガイド
サ高住のメリットは自由度の高い暮らしができる点、デメリットは費用や介護体制に施設差が大きい点です。
本章では、サ高住のメリットとデメリットをご紹介していきます。
サ高住のメリット
サ高住のメリットは、これまでの生活の延長線上で自由度の高い暮らしができる点です。
サ高住は賃貸住宅を基本としているため、これまでの生活スタイルを大きく変えずに暮らせるでしょう。
できることは自分で行い、できない部分だけ外部の介護保険サービスを利用する形になるため、必要な分だけ費用を負担しながら自分のペースで生活できます。
サ高住のデメリット
サ高住のデメリットは、介護体制や費用に施設差が大きい点です。
サ高住は自由度が高い一方、施設によって受け入れ体制や費用構造に差があります。
介護保険サービスの利用量が増えると月額費用の負担が大きくなり、対応できる範囲を超えた場合は退去を求められる可能性がある点にはご注意ください。
まとめ
サ高住は、安否確認と生活相談サービスが付いた自由度の高い賃貸住宅です。
入居条件に要介護度の制限はなく、個室でのプライバシーも確保されますが、緊急時の対応範囲や食事・レクリエーションの充実度は施設によって差があることは把握しておく必要があるでしょう。
・入居条件は原則60歳以上、要介護度の制限はない
・安否確認は基本的に見守り中心で、緊急時の対応は施設ごとに差がある
・身体介護などは外部の介護保険サービスを別途契約する
・入居金の中央値は12万円、月額費用の中央値は17万円
・住宅型有料老人ホームとの生活面での違いは小さい
・認知症の受け入れや介護度上昇時の対応は施設差が大きい
サ高住を検討する際は、費用や入居条件だけでなく、緊急時の対応体制や食事・レクリエーションの実施状況まで施設ごとに確認することが重要です。
見学時に個室の設備や共用スペースの利用状況を確認し、介護保険サービスを使ったときの費用も含めて考えるのが大切になります。
