老後の生活を考えるなら、老人ホームに入居することも1つの選択肢です。しかし、ひとくちに老人ホームといっても種類は多く、施設によって特徴は異なります。そのため、それぞれの違いを知り、自分に合った老人ホームを見つけることが大切です。
老人ホームの選び方のポイントは以下の10個です。
- 医療・ケア体制
- 契約内容・費用
- 人員体制・提携医療機関
- 立地・交通アクセス
- 施設・入居者の様子
- 施設の運営方針
- 運営法人
- 共用設備の充実度
- 食事
- レクリエーションの頻度と内容
本記事ではそれぞれのポイントについて解説していきます。
老人ホームの選び方のポイント①:医療・ケア体制
介護のケア体制はもちろん、医療サービスの提供の有無は老人ホームでチェックしておきたいポイントです。
どの程度の要介護度に対応したケアを実施しているか、提携している医療機関があるか、また医療サービスはどの範囲まで受けられるのかなどは、見学の際に確認しておきましょう。また認知症でも対応してもらえるか、看取り看護があるかなどは確認しておきたいポイントです。
受けられるサービスが不足していると、入居後に不満を抱えてしまうことも少なくありません。より良い老後を過ごすためにも、サービス内容は必ず確認しておき、必要なケアが受けられる老人ホームを見つけましょう。
老人ホームの選び方のポイント②:契約内容・費用
入居にあたってどれくらいの費用がかかるのか、その内訳や契約内容は念入りにチェックしておくことがおすすめです。総額の費用はもちろん、オプションでサービスやケアを追加した場合の費用も確認しておきましょう。
また、入居期間における定めや健康状態が変化した場合の対応などもチェックしておきたいポイントであり、契約内容は担当者に確認して、疑問点はすべて解消しておく必要があります。
施設によって支払いの方法やタイミングが違ったり、別途サービスを追加してもらうことで上乗せして料金を支払ったりすることがあります。必要とするケアやサービスを含めた費用がいくらになるのか、内訳を見ながら総額のコストをチェックしておくことが重要です。
老人ホームの選び方のポイント③:人員体制・提携医療機関
老人ホームにどれくらいのスタッフがいるのか、またいかなる体制で施設運営をしているかもチェックしておきましょう。人員不足やスタッフ1人に対する負担が大きい施設だと、十分にサービスが受けられない可能性があるため注意が必要です。
また、医療サービスを必要とするなら、提携している医療機関も確認しておきましょう。高齢になるといつ医療サービスが必要になるかはわからないため、医療機関と提携した老人ホームを選ぶことがおすすめです。
老人ホームの選び方のポイント④:立地・交通アクセス
家族や親族が訪問しやすいように、立地や交通アクセスを調べておくことも重要です。仮に入居の条件が良かったとしても、立地が悪く、交通アクセスも不便な場所だと家族は訪問しづらくなります。
老人ホーム内で交友関係を持つことも大切ですが、家族とのつながりを持ち続けることも重要です。特に見学や入居の際には実際に施設に足を運ぶことになるため、現在の住居からスムーズに移動しやすい場所を選んだほうが良いでしょう。遠方にあったり、交通アクセスが悪かったりすると、入退去の移動に手間がかかるだけではなく、家族も訪問しづらくなるため注意が必要です。
老人ホームの選び方のポイント⑤:施設・入居者の様子
すでに入居している人の様子や、施設の雰囲気も見学の際にチェックしておくべきポイントです。入居者と円満な関係を築けそうか、コミュニケーションはどの程度取れるのかなどは確認しておきましょう。施設の雰囲気を気に入るかどうかも重要であり、特に入居期間が長い場合は、自分好みの雰囲気かを確認しておくことも大切です。
また、施設で働いているスタッフの表情や仕事の様子なども、チェックしておきたいポイントです。明るい表情でテキパキと働いているなら信頼度は高いでしょう。反対に暗い雰囲気だったり、明らかに疲れが見て取れるようなスタッフが多いなら、その施設は避けたほうが無難です。
老人ホームの選び方のポイント⑥:施設の運営方針
施設によって運営方針は異なるため、これもパンフレットで確認しておきましょう。例えば看取り看護を見据えた終身入居の施設もあれば、自立を目的として、老人ホームで余生を過ごす、あるいは一時的な入居で退去を前提としている施設もあります。
運営方針次第で入居し続けるのか、一定期間で退去して元の生活に戻るかは違うため、将来のライフプランに合った施設を選ぶことが大切です。
老人ホームの選び方のポイント⑦:運営法人
施設以外の経営を多角的に行っている事業者も多くありますので、運営法人の経営状況などを確認しておくことも重要です。
事業者の主要な事業を確認し、必要であれば財務諸表などの経営状況の掲示を求め、その事業者の事業全体の経営状況を確認することもできます。また、公益社団法人全国有料老人ホーム協会では、加盟ホームの決算書などの閲覧が可能です。
そのほかにも職員の定着状況や入居率が著しく低くないか(80%ラインが目安)なども確認しておきましょう。
老人ホームの選び方のポイント⑧:共用設備の充実度
老人ホームでは個室や相部屋などで部屋が用意されていますが、それ以外にも入居者全員が利用できる共用設備もあります。
これがどの程度充実しているかも、見学の際には確認しておきましょう。共用設備が充実していると、施設での暮らしも豊かになりやすく、入居者は満足度を高めやすいです。
老人ホームの選び方のポイント⑨:食事
食事つきの施設の場合は、どのようなメニューが提供されているかも確認しておきましょう。食事の内容を自分で決められるか、あるいは施設が決めた献立で出されるのかはチェックしておく必要があります。
また、健康管理を考えたメニューか、食事の楽しみを味わえるメニューかなども確認しておくことが大切です。
老人ホームの選び方のポイント⑩:レクリエーションの頻度と内容
老人ホームでは入居者全員が参加できるレクリエーションを実施していることが多く、その頻度や内容もチェックしておくことがおすすめです。
自分が楽しめるレクリエーションが実施されているか、また多すぎず少なすぎない頻度であるかは確認して、日々の楽しみを見つけられるかも考えておきましょう。