グループホームの費用はいくら?47都道府県の相場から内訳、軽減制度について紹介

グループホームの費用はいくら?47都道府県の相場から内訳、軽減制度について紹介

グループホームでかかる初期費用(入居一時金又は敷金)の目安は0~20万円程度月額費用の目安は12~18万円程度です。月額費用のうち2~3万円が介護サービス費、その他が居住費や食費などの日常生活費用として掛かると想定しておきましょう。

また、グループホームでは軽減制度を利用して費用を抑えることができます。本記事では、グループホームでかかる費用から月額費用の抑え方まで徹底解説していきます。

在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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グループホームとは

グループホームとは

グループホームとは、認知症の高齢者が1ユニットにつき5~9人定員という家庭にいるような環境の中で共同生活を送り、入浴や排せつ、食事などの介助や機能訓練、レクリエーションなどを受けることができる施設です。

認知症は脳への刺激が少ないと進行が早まるリスクがあります。グループホームは自宅に近い環境で生活をすることで進行を遅らせつつ、自分らしい生活も送れる施設です。1つの施設は1~3ユニットの少人数体制となっているので、一人一人にスタッフの目が行き届くのがメリットです。

また2021年度介護報酬改定で、グループホームのユニット数が3以下に緩和されましたが、現在は、1~2ユニットというところがほとんどです。

グループホームは、いわゆる介護保険施設(特養・老健・介護医療院)ではなく、地域密着型サービス※に属するので特養などで利用できる軽減制度が利用できない他、入居条件は厳しく原則として施設がある市区町村に住民票がある方が対象です。

したがって、特養や老健(介護保険老人施設)などの施設とは違い、半分近くは民間企業による運営ですが、NPO法人や社会福祉法人によって運営されているところも多いのが特徴です。

地域密着型サービスとは?
「地域密着型サービス」とは、平成18年4月にできた介護保険サービスのひとつであり、高齢となり介護が必要な状態になった方が自宅や住み慣れた地域で暮らしていけるように、市区町が事業者の指定や監督を行い運営しているサービスです。
地域によって、高齢化の度合いや介護施設の充実度が異なります。地域密着型サービスでは、地域ごとのニーズや実情を踏まえながら、その地域の特徴にあった支援サービスを提供しているのです。

グループホームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

またグループホームを検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているためご希望に沿った施設を探すことが可能です。

「幅広い選択肢から選びたい」という方は、ご気軽に活用ください。

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グループホームの費用相場

グループホームの費用の仕組み

グループホームでかかる費用には入居時に支払う入居一時金又は敷金と毎月支払う月額費用の2種類の費用があります。初期費用の目安は0~20万円月額費用の目安は12~18万円ほどが多くなっています。

 

費用項目 目安
初期費用 入居一時金 0~20万円
月額費用 家賃 6~8万円
管理費 0~2万円
食費 3~4万円
水道・光熱費 1.0~2.5万円
介護サービス費用 2.28~2.57万円
その他費用 1~2万円

施設によって家賃や食費などの細かい費用は異なりますがおおむね目安は上記の表のとおりとなります。上記の表以外にも医療費や日常生活費用としてオムツ代や理美容代などが別途で1~2万円かかることを覚えておきましょう。

グループホームは正式名称を「認知症対応型共同生活介護」と言い、地域密着型サービスになります。市区町村が事業所の指定や監督を行うので、全国一律とは言えませんが民間の有料老人ホームほど費用の差分はありません。

ですが、地域によって地価や人件費が異なるので地方に比べると都心部はやはり費用が高くなっています。

47都道府県別のグループホームの費用相場

グループホームの費用は他の民間の介護施設ほどの開きはありませんが、やはり地価や人件費の影響で都心部の費用は高くなりがちです。

「自分の住んでいる地域だったら費用はいくらくらいのになるの?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ここではケアスル介護に掲載されている施設データから集計し、お住まい市町村で費用のシュミレーションができるため、ぜひご活用ください

グループホームの
費用シミュレーター
入居金
???万円
月額費用
???万円
選択した市区町村
老人ホーム全体の費用相場
入居金
???万円
月額費用
???万円
※費用はケアスル介護の掲載施設から独自に集計した平均値です

続いて、47都道府県別の入居金・月額費用の平均値、中央値※を紹介します。

※中央値とは、データを小さい順位に並べた際にちょうど真ん中に来るデータのことです。

入居費用 月額費用
平均値 中央値 平均値 中央値
北海道 ¥35,701 ¥0 ¥176,269 ¥98,500
青森県 ¥0 ¥0 ¥60,637 ¥60,000
岩手県 ¥13,977 ¥0 ¥95,240 ¥96,100
宮城県 ¥67,894 ¥68,500 ¥119,059 ¥122,150
秋田県 ¥18,675 ¥0 ¥83,525 ¥77,000
山形県 ¥9,425 ¥0 ¥87,274 ¥90,500
福島県 ¥52,750 ¥40,000 ¥108,858 ¥103,700
茨城県 ¥572,071 ¥0 ¥121,950 ¥102,500
栃木県 ¥34,722 ¥0 ¥105,964 ¥104,000
群馬県 ¥5,708 ¥0 ¥94,200 ¥98,000
埼玉県 ¥95,862 ¥102,550 ¥137,469 ¥136,000
千葉県 ¥132,149 ¥128,000 ¥135,160 ¥137,000
東京都 ¥107,514 ¥129,000 ¥152,819 ¥151,650
神奈川県 ¥153,519 ¥164,000 ¥143,771 ¥139,500
新潟県 ¥58,722 ¥61,500 ¥110,747 ¥110,500
富山県 ¥45,738 ¥0 ¥112,454 ¥113,000
石川県 ¥28,333 ¥0 ¥85,833 ¥88,000
福井県 ¥25,000 ¥0 ¥118,250 ¥121,500
山梨県 ¥117,500 ¥100,000 ¥127,472 ¥132,500
長野県 ¥58,189 ¥52,000 ¥109,126 ¥111,000
岐阜県 ¥55,810 ¥90,000 ¥113,825 ¥114,000
静岡県 ¥87,944 ¥55,000 ¥136,402 ¥124,700
愛知県 ¥89,067 ¥100,000 ¥126,910 ¥128,000
三重県 ¥73,022 ¥50,000 ¥116,644 ¥111,000
滋賀県 ¥131,333 ¥150,000 ¥140,338 ¥144,900
京都府 ¥109,322 ¥90,000 ¥155,061 ¥153,000
大阪府 ¥120,123 ¥116,000 ¥132,997 ¥132,000
兵庫県 ¥136,793 ¥140,000 ¥140,893 ¥137,800
奈良県 ¥105,758 ¥100,000 ¥128,413 ¥127,200
和歌山県 ¥138,136 ¥140,500 ¥100,205 ¥100,000
鳥取県 ¥4,500 ¥0 ¥86,167 ¥79,000
島根県 ¥81,091 ¥102,000 ¥96,258 ¥96,240
岡山県 ¥24,699 ¥0 ¥96,365 ¥99,500
広島県 ¥89,226 ¥100,000 ¥121,666 ¥121,350
山口県 ¥31,077 ¥0 ¥101,692 ¥102,900
徳島県 ¥0 ¥0 ¥88,258 ¥89,500
香川県 ¥39,143 ¥0 ¥100,690 ¥102,000
愛媛県 ¥8,854 ¥0 ¥91,655 ¥92,750
高知県 ¥5,882 ¥0 ¥80,684 ¥84,000
福岡県 ¥77,360 ¥60,000 ¥105,248 ¥105,000
佐賀県 ¥38,857 ¥0 ¥95,257 ¥93,000
長崎県 ¥0 ¥0 ¥72,230 ¥66,000
熊本県 ¥47,778 ¥0 ¥89,922 ¥89,000
大分県 ¥20,500 ¥0 ¥87,295 ¥85,500
宮崎県 ¥13,048 ¥0 ¥75,295 ¥67,000
鹿児島県 ¥7,556 ¥0 ¥77,610 ¥76,000
沖縄県 ¥43,333 ¥30,000 ¥93,167 ¥90,000

都道府県別の費用相場を見るとやはり東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県などの都心部においては入居費用・月額費用共に高く入居費用の平均は9.5~15.3万円月額費用の平均は13.5~15.2万円となっています。

一方で、東北地方や九州南部などの人口が少ないエリアにおいては入居費用・月額費用共に安いのが特徴入居費用の平均は2~5万円、月額費用の平均額も7~9万円となっています。また、入居費用を0円としている施設も少なくないので、初期費用を抑えたい方は地方部で探すのも選択肢に入ってくるでしょう。

グループホームの費用パターンと費用例

次に、実際のグループホームの費用例についてみていきましょう。上述したようにグループホームには初期費用を支払う場合と支払わない場合があります。

以下では初期費用が掛からない月払い方式のグループホーム、初期費用・月額費用を共に支払う併用方式のグループホームの費用例を紹介します。

月払い方式のグループホームの費用例

施設名 初期費用 月額費用 費用内訳
シャローム本天沼 0円 14.5万円
  • 家賃:5.3万円
  • 管理費:1.7万円
  • 食費:3.3万円
  • 水道・光熱費:1.8万円
  • その他:0万円
  • 介護サービス費用:2.4万円
せらび池上 0円 17.5万円
  • 家賃:7.5万円
  • 管理費:0万円
  • 食費:3.1万円
  • 水道・光熱費:1.8万円
  • その他(共益費):2.8万円
  • 介護サービス費用:2.3万円
グループホーム立川富士見町の家 0円 14.8万円
  • 家賃:6万円
  • 管理費:1万円
  • 食費:4.1万円
  • 水道・光熱費:1.3万円
  • その他:0万円
  • 介護サービス費用:2.4万円

月払い方式のグループホームの場合は初期費用(入居一時金・敷金)が掛かりません

初期費用がかからないからと言って、施設が古かったり介護サービスの質が落ちるといったことはありません。料金体系が異なるだけで、サポート体制は充実しているので安心しましょう。

併用方式のグループホームの費用例

施設名 初期費用 月額費用 費用内訳
愛の家 グループホーム 中野上高田 12万円(入居一時金) 14万円
  • 家賃:6万円
  • 管理費:0万円
  • 食費:3.7万円
  • 水道・光熱費:2万円
  • その他:0万円
  • 介護サービス費用:2.3万円
グループホームつどい「島田家」 15.6万円(敷金) 17.5万円
  • 家賃:7.8万円
  • 管理費:1万円
  • 食費:4.2万円
  • 水道・光熱費:2.1万円
  • その他:0万円
  • 介護保険料:2.4万円
グループホームソラスト碑文谷 15.6万円(敷金) 17万円
  • 家賃:7.8万円
  • 管理費:0.9万円
  • 食費:3.9万円
  • 水道・光熱費:2万円
  • その他:0万円
  • 介護保険料:2.4万円

併用方式のグループホームの費用としては初期費用と月額費用が両方かかります

初期費用の内訳については後ほど解説しますが、大きく分けて敷金と入居一時金が掛かります。敷金は退去後のクリーニング費用に充てられる費用で退去時に余った分は返還されます。

また、入居一時金は家賃の前払い金として支払う費用なので、入居後の家賃に一定期間充てられます。したがって、入居一時金が高いからと言って高級な施設であるとは限らないことに注意しましょう。

グループホームの費用を抑える軽減制度

グループホームにかかる費用は軽減制度を利用することで抑えることができます。具体的には、以下の3つの軽減制度を利用できます。

  1. 高額介護サービス費
  2. 自治体独自の助成金
  3. 認知症高齢者グループホーム利用者負担軽減制度

それぞれの制度について紹介していきます。

高額介護サービス費

グループホームで利用できる費用の軽減制度の1つ目は「高額介護サービス費」と呼ばれる軽減制度です。

高額介護サービス費とは、介護保険の対象となる介護保険サービスの1カ月の自己負担額が負担上限額を超過した場合に、その超過分が支給される制度です。

高額介護サービス費の仕組み

対象者と支給額

高額介護サービス費の支給限度額は所得による区分によって上限額が変わってきています。また、2021年8月から負担能力に応じた負担を図る観点から、一定年収以上の高所得者世帯については負担限度額認定の見直しが実施され、以下のように整理されています。

区分 負担の上限額(月額)
市町村民税課税世帯 課税所得690万円(年収約1160万円)以上 140,100円(世帯)
課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満 93,000円(世帯)
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 44,400円(世帯)
市町村民税非課税世帯 合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方 24,600円(世帯)
・合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方・老齢福祉年金を受給している方 24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給している方 15,000円(世帯)

(出典:厚生労働省の資料より抜粋 )

申請方法

高額介護サービス費の支給制度では、利用料が自己負担額を超えている場合は自治体から通知書が届きます。

書類に必要事項を記入し、市区町村窓口に提出すれば申請は完了です。

認知症対応型の施設に入れたいがお金が無い時の対処法について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

認知症高齢者グループホーム利用者負担軽減制度

自治体によっては、認知症により在宅での生活が困難な低所得の方に対し、市区町村内の認知症対応型共同生活介護事業所(認知症高齢者グループホーム)を利用する際にかかる家賃及び食材料費が軽減される制度を実施しています。

軽減される方の条件は、各自治体によって異なります。軽減を受けるには、自治体に申請を行い、助成の対象として認定を受ける必要があります。

大阪府茨木市 https://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/kenkoi/kaigohoken/menu/kaigohokenseido/iryouhikoujo_gassanseido/45621.html

東京都八王子市https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/welfare/004/004/001/p023623.html

国民年金で入れる老人ホームはあるかどうかについて気になる方はこちらの記事もご覧ください。

グループホームの費用の内訳

ここではグループホームでかかる費用の内訳を解説していきます。入居時にかかる初期費用から施設に支払う月額費用の内訳を解説していきます。

グループホームでかかる月額費用の内訳

初期費用の内訳

グループホームでは初期費用として入居一時金または敷金が掛かります。

入居一時金又は敷金の全国平均は9万5055円、中央値は5万円となっています。

グループホーム 平均値 中央値
初期費用費用 ¥95,055 ¥50,000

入居一時金:家賃の前払い金として支払う費用。払った入居一時金は毎月少しずつ家賃に充足されていくため(償却)、想定よりも前に退去した場合は返還金を受け取ることができる。

敷金:一般の賃貸住宅と同じく、退去時に修繕費用や清掃費に充てられる費用。清掃などを終えて残った金額は返金される。

施設によっては初期費用(入居一時金・敷金)が0円というケースもありますが、その分だけ月々の月額費用が高くなる傾向にあります。

したがって、初期費用が大きいからといって損をしている・トータルの負担が大きくなるというわけではないため、安心してください。

月額費用の内訳

グループホームでは月額費用として家賃、管理費・共益費、そして食費などが掛かります。月額費用の全国平均は12万6687円、中央値は12万3000円となっています。

グループホーム 平均値 中央値
月額費用 ¥126,687 ¥123,000

家賃:生活する施設の利用料として払う費用。賃貸住宅と同じく地価が高く立地が良いところであればあるほど賃料も高くなる傾向にある。

管理費・水道光熱費:施設の共用部分や共用設備の管理に充てられる費用。施設によっては「その他費用」や「管理費」として計上されていることもある。

食費:1日3食分の食事にかかる費用。グループホームでは入居者とスタッフが自分たちで料理をすることも多いため、ここで言う食費は材料費。

食費に関しては施設によって配食サービスと契約していたり、おやつ代などは別途費用が必要になる場合もあるので、事前に施設に確認しておきましょう。

グループホームの食事で大切な事とは?役割や献立例も併せて紹介

介護サービスの自己負担額

グループホームでは入居者3人に対して1人の介護士の設置義務があり、食事や入浴、排せつなどの日常生活介護を受けることが出来ます。

介護サービス費用は介護保険の自己負担額となっておりグループホームが1施設当たり1ユニット制の施設か2ユニット制の施設かによっても異なります。

具体的には、利用者の要介護度に応じた基本サービス費と、看取り、介護体制を充実させるなどの加算で構成されています。

各サービス内容に応じて、1日、1か月ごとの単位が決まっており、合計に単価を乗じて報酬額を計算します。1単位の単価は地域によって変わってくるので注意してください。

1ユニット制の施設の場合の費用は、介護度ごとに決められており自己負担額1割の場合の月額費用目安は以下の通りです。

要介護度 自己負担額
要支援2 22,800円
要介護1 22,920円
要介護2 24,000円
要介護3 24,690円
要介護4 25,200円
要介護5 25,740円

※出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

※自己負担割合が1割の方の場合

次に、2ユニット制の施設の介護度ごとの自己負担額の目安は以下の通りです。

要介護度 自己負担額
要支援2 22,440円
要介護1 22,560円
要介護2 23,610円
要介護3 24,330円
要介護4 24,810円
要介護5 25,320円

※出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

※自己負担割合が1割の方の場合

その他日常生活費

そのほかにかかる費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • オムツ代
  • 嗜好品代
  • 理美容代
  • レクリエーション費用
  • 薬代・診察代

中でも多くの費用を占めるオムツ代ですが施設によっては持ち込み可能な場合もあるので、費用を節約したいという方は施設に事前に確認しておきましょう。

また、グループホームでは定期健診を実施している施設も多く、定期健診の際に処方してもらった薬代や診察料も費用として掛かることを覚えておきましょう。

よくある質問

ここではグループホームの費用にまつわるよくある質問に回答していきます。費用の支払い方法からグループホームを選ぶ際の注意点まで解説していきます。よくある質問は以下の通りです。

  1. 費用の支払い方式はどれがいい?
  2. 入居一時金・敷金は返ってくる?
  3. 他の介護施設と比較して高い?
  4. ショートステイでも利用できる?
  5. 入居条件は?生活保護でも入居できる?
  6. グループホームに入居する流れは?
  7. グループホームを選ぶ時の注意点は?

費用の支払い方式はどれがいい?

グループホームの費用の支払い方式は、基本的に月払い方式で敷金として初期費用がかかるケースが多いのですが、有料老人ホームで採用されている方法も含めて、解説します。グループホームでも採用されている施設もあるかもしれないので、契約時に確認してみてください。

費用の支払いは、「前払い方式」「併用方式」「月払い方式」の3種類の支払い方式があります。それぞれ家賃の前払いとして支払う入居一時金の支払い方によって変わり、全額入居一時金で支払うのが前払い方式、一部支払うのが併用方式、入居一時金0円で支払うのが月払い方式となります。

それぞれ向いている人としては、まず終身に渡って長く住む予定がある方は前払い方式又は併用方式で入居一時金を最初の段階で払うのが向いています。というのも、前払い方式は、入居期間を想定し、その期間の家賃を全額前払いするので入居後に家賃負担が発生しません。想定入居期間よりも長く入居した場合も追加費用はかかりません。併用方式は、一部を入居時に前払いする方式ですが毎月の家賃は安くなります。

一方で特養(特別養護老人ホーム)(特養)などに移るための一時的な入居を検討している場合は、前払いのメリットが特にないため毎月費用を支払う月払い方式で入居するのが向いていると言えるでしょう。

グループホームの入居期間によってどのような支払い方式が向いているか変わるため、自分がどのような目的で入居するのかを考えて支払う方法を検討しましょう。

入居一時金・敷金は返ってくる?

家賃の前払いとして支払う入居一時金は毎月家賃に充足されていきますが充足(償却)が終わる前に退去した場合は余った費用が返還されます。これを返還金制度と言います。

また、退去後のクリーニング費用として入居時に支払う敷金も同様に部屋をきれいに使用していてクリーニングが必要ない場合や、余った分の費用は同様に返ってくることとなります。

例えば、入居一時金として300万円支払い、初期償却として25%、償却期間が60カ月ある場合の入居一時金の償却金の推移を表したグラフとなります。1カ月ごとに3.75万円ずつ償却されていくので、家賃が5万円の場合は毎月1,25万円の支払いで良いこととなります。

グラフの青い部分が未償却額となりますので、例えばちょうど2年後に退去した場合は90万円が未償却分として返還されることとなるのです。

入居一時金の返還金シミュレーション

クーリングオフ制度で返還してもらうことも可能

入居一時金を支払う前払い方式や併用方式で契約した場合でも契約してから3カ月(90日)以内であれば無条件に契約を解除でき、支払った入居一時金も入居した日数の利用料や原状復帰のために発生する費用が徴収され、余った分は返還してもらうことが可能です。

ただし、入居一時金なしで月払い方式で契約している場合はクーリングオフによる返還金は当然ないことに注意しましょう。

他の介護施設と比較して高い?

認知症の方が入居できるグループホームですが、他の認知症対応施設と比較して費用は高いのでしょうか。ここでは、認知症対応可能な老人ホームである特養(特別養護老人ホーム)、介護付き有料老人ホーム、介護型サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とグループホームの費用を比較します。

それぞれの施設の初期費用および月額利用料の平均値・中央値をケアスル介護の掲載施設から算出した表は以下の通りです。

初期費用(入居一時金・敷金) 月額利用料
名称 要介護度 平均値 中央値 平均値 中央値
特養(特別養護老人ホーム)(特養) 要介護3以上 ¥0 ¥0 4.0~12万円※
介護付き有料老人ホーム 要支援1以上 ¥8,040,802 ¥2,525,000 ¥301,331 ¥248,000
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)(サ高住) 自立~中度 ¥1,409,658 ¥160,000 ¥254,075 ¥171,000
グループホーム 要支援2以上 ¥95,055 ¥50,000 ¥126,687 ¥123,000

※特養(特別養護老人ホーム)の費用は基準額が定まっているほか、収入額によって大幅に変わるためここでは平均値・中央値は算出していません。

上の表を見るとやはり認知症を受け入れている施設では、民間施設である介護付き有料老人ホーム、介護型サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の費用が高くなっていることがわかります。

一方でグループホームや公的施設である特養(特別養護老人ホーム)では費用も抑えられ、他の民間施設と比較するとグループホームの費用は安くおさまることがわかります。

特養(特別養護老人ホーム)においては収入額によって費用が変わり、住民税課税世帯の場合は10万円以上かかることが一般的なので、住民税課税世帯の場合は特養(特別養護老人ホーム)とグループホームの費用はほとんど同じである可能性が高いことも覚えておきましょう。

ショートステイでも利用できる?

長期間に渡って入居することもあるグループホームですが、短期入所としてショートステイでも利用することが出来るのも特徴です。正式には短期利用認知症対応型共同生活介護といいます。認知症介護における介護者の負担を軽減したり、在宅介護から別の施設に移るまでの移行期間で入居してもらうなどの利用方法があります。

ショートステイで利用できる日数は最大で連続30日間と決まっているので、連続で長期間にわたって利用することはできないことに注意しましょう。

ショートステイの費用は、介護サービス費は介護保険を利用できるため負担は少ないですが、この他に食材料費、水道光熱費、暖房費などが加算されます。また、理美容、歯ブラシ、おむつ代等は実費となるため注意しましょう。一般的には1日利用で1,500~5,000円程度が費用の目安となります。

費用項目 概要
滞在費 施設に滞在するための費用で、1日あたりの計算となるので1泊2日の場合は2日分の費用が掛かることに注意しましょう。
食費 滞在中の食費。一般的な目安は朝食が600円程度、昼食・夕食が800円程度
日用品 歯ブラシや髭剃りなどの備品を使用した場合は利用料がかかる。持ち込み可能な場合は費用が掛からない。

次に、介護保険適用となる介護保険サービスの自己負担額について解説していきます。以下の表は自己負担割合1割の場合の1日当たりの費用一覧となります。

要介護度 2ユニット(加算込み)
要支援2 約930円
要介護1 約934円
要介護2 約974円
要介護3 約1001円
要介護4 約1020円
要介護5 約1038円

※1単位10円として計算

※出典:介護報酬の算定構造(令和3年4月施行版)

入居条件は?生活保護でも入居できる?

グループホームの入居条件は次の通りです。

  • 要支援2以上である
  • 医師から認知症と診断されている
  • 住民票がグループホームと同じ市区町村であること
  • 原則65歳以上
  • 集団生活に支障のない方

グループホームは介護保険施設と呼ばれる介護保険の施設サービスとして提供されている施設ではなく、地域密着型サービスに入るので住民票がグループホームと同じ市区町村にあることが条件となっています。

また、グループホームは生活保護を受給していていても入居することは可能です。生活保護受給者は生活保護対応型のグループホームのみ入居できるため、生活保護を受給している場合は地域包括支援センターや自治体の担当部門にて入居可能な施設を紹介してもらいましょう。

グループホームの入居条件について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

グループホームに入居する流れは?

グループホームに入居するまでの流れは以下の通りです。

  1. 条件の絞り込み
  2. 資料請求
  3. 見学・体験入居
  4. 面談
  5. 入居

グループホームに入居する際はまずは地域包括支援センターなどでお住いの自治体のグループホームについて紹介してもらいましょう。その際に資料としてパンフレットなどをもらっておくのも重要です。直接施設に連絡して、郵送してもらうことも可能です。

施設の絞り込みが完了したら見学や体験入居を実施します。共同生活を送ることになるので、雰囲気が悪くないかや職員の様子、入居者が楽しそうに生活しているかをチェックしておきましょう。

最後に、グループホームの職員と入居者の面談があります。面談にて介護度や普段の状況を確認し、共同生活に問題ないと判断されればあとは契約のみとなります。

グループホームでは住宅地特例は使える?
介護保険制度の一つに「住宅地特例」があります。住宅地特例とは、他の市区町村の施設に入所・入居するに伴って施設所在地に住民票を移動した場合に、施設入所前のもともと住んでいた市区町村の被保険者のままとなる制度です。
ここで気になるのが、グループホームでも住宅地特例は使えるのかという点ですが、グループホームやそのほか地域密着型サービスは介護保険の住宅地特例の対象外となります。したがって、他の市区町村に移動した場合は施設著在地の市区町村の被保険者となることに注意しましょう。

グループホームを選ぶ時の注意点は?

グループホームを選ぶ際は以下の観点に注意して選ぶようにしましょう。

  • 費用の確認
    • 初期費用・月額費用共に支払える範囲内か
    • 支払えない場合は軽減制度を利用できないか
  • 立地条件の確認
    • 交通の便が良いか
    • 家族が通える範囲か
    • 住み慣れた地域か
  • 施設の設備の確認
    • 車椅子でもゆったりと生活できるか
    • 非常用の通報装置などが完備されているか
  • スタッフや入居者の様子
    • 施設長の介護理念はどうか
    • スタッフは人数が足りていて、疲弊していないか
    • 入居者は楽しそうに生活をしているか
  • 医療体制
    • 医療ケアを出来る看護師が配置されているか
    • リハビリが必要なら、理学療法士などとの連携体制が整っているか

細かく挙げればもっと確認するべきポイントはありますが、最低限グループホームを選ぶ際に必要な観点は上となります。場合によっては終身に渡って利用する可能性もある施設であるため、選び際は慎重に選ぶようにしましょう。

良いグループホームの見分け方について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

グループホームの費用のまとめ

グループホームは認知症ケアの拠点としてニーズが高まっており、高齢化が進行する日本においては、今後ますます重要な役割を担うと考えられます。グループホームのニーズは高まるものの、初期費用や月額費用を考えると、利用するのは決して安いものではありません。

そのため、無理なく利用するためには、現役時代から貯蓄をしたり、助成制度を上手に活用するなど、資金面での不安を解消しておくことが大切です。

費用負担を賢く軽減するためにも、制度は積極的に利用して、認知症の高齢者にも対応した、介護ケアをグループホームで受けることも選択肢にいれてみてください。老人ホームの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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