ケアハウスの費用はいくら?初期費用・月額費用の平均額も紹介

ケアハウスの費用はいくら?初期費用・月額費用の平均額も紹介

ケアハウスにかかる費用の全国平均は初期費用が30万円前後、月額費用が10万円前後となっています。施設によって初期費用が掛からないケアハウスもあります。

ケアハウスでかかる初期費用は保証金や入居一時金と呼ばれる費用が掛かります。また、月額費用では食費、居住費、サービス提供費、介護サービス費用などの費用が掛かります。

本記事では、ケアハウスとはそもそも何かから初期費用、月額費用の内訳まで解説します。他の介護施設と比較して安く利用することができるので、この機会に費用について理解しておきましょう。

ケアハウスとは

軽費老人ホームの種類

ケアハウスとは、自立して生活するのが難しい60歳以上の高齢者を対象にした介護施設です。夫婦で入居する場合は、どちらか一方が60歳以上であれば入居することができ、安価で食事や介護などのサービスを受けることができます。

主に社会福祉法人や医療法人、民間企業などが運営している施設であり、他の介護施設や有料老人ホームよりも安価で利用しやすい点が特徴です。これは経済的な不安がある高齢者に向けたサービスであり、運営者の公的な性質が強いことが関係しています。

軽費老人ホームにはA型・B型・C型・都市型の4種類に分けることができます。

A型は食事サービスや洗濯・掃除などの日常生活支援サービスを受けることができます。B型は食事サービスの提供が無いため、自炊をする必要があります。食事サービスが無い以外はA型と同じサービスで、掃除や洗濯などの日常生活支援サービスを受けることができます。

A型・B型の施設は1990年以降新設・既存施設の建て替えが認められていないため、現存するほとんどの軽費老人ホームはケアハウスとなっており、東京都では軽費老人ホーム全体の約15%がA型、約1%がB型、約83%がケアハウスとなっています。(※情報元 東京都福祉保健局)

ケアハウスと呼ばれているC型では食事と生活支援のサービスを受けることができます。さらにケアハウスは自立型と介護型に分かれており、介護型のケアハウスでは介護サービスを受けられる場合もあります。

また都市部の地価の高さを鑑みて、居住面積の基準を下げその分低料金でサービスを提供している都市型軽費老人ホームもあります。

種類 A型 B型 C型
初期費用 なし なし 入居一時金
月額利用料の目安 6~17万円 3~4万円 9.2~13.1万円

ケアハウスの種類と費用

ケアハウスの種類には自立型と介護型の2種類あります。それぞれかかる費用の合計額や内訳が異なることに注意しましょう。

ケアハウスの種類

自立型

自立型のケアハウスは、自立した生活が困難な60歳以上の高齢者が入居できる高齢者向けの施設です。介護型のサービスとは違い、入浴や排せつなどの介護サービスは提供されておらず、食事や日常生活の支援サービスが主なものになります。

自立型のケアハウスでも介護サービスを利用することはできますが、その際は外部の介護事業者と居宅サービスを契約し入居者が必要な介護サービスを利用することとなります。したがって、介護サービスを利用した分費用が掛かります。

自立型では入居時に保証金(一般的な不動産賃貸契約の際の敷金)が掛かります。月額費用は事務費などに充てられるサービス提供費、食費や共用部分の水道光熱費などの生活費、居室ごとの管理費・賃料などの居住費などが掛かります。

介護型

介護型のケアハウスは、要介護1以上の高齢者の入居を想定している施設で食事や生活支援サービスから、入浴や排せつなどの介護サービスも提供しています。

介護型のケアハウスは、厚生労働省が定めた介護保険法の基準(人員基準・設備基準・運営基準)を満たしている特定施設入居者生活介護(通称;特定施設)の認定を都道府県や市区町村から受けている介護施設です。

介護サービスを利用した分だけ費用が発生する自立型のケアハウスと違い、要介護度に応じて毎月介護サービス利用料を支払います

介護型のケアハウスは保証金ではなく居住費用の前払い金である入居一時金を支払う以外は、基本的には自立型と同じ内容で月額費用を支払います。

ケアハウスでかかる初期費用

ケアハウスで支払う初期費用は施設によって異なりますが、相場は0~30万円、平均して30万円ほどかかります。

後に解説する書客期間や償却率も施設によって異なるため注意が必要です。一般型と介護型でかかる初期費用の違いにも注目しながら見ていきましょう。

自立型では保証金がかかる

自立型のケアハウスに入居する場合は初期費用として保証金が掛かります。保証金とは、一般的な不動産の賃貸借契約における敷金と同じ役割の費用で、退去時に居室内の清掃・修繕などの現状回復費用に充てられます。また、家賃が滞った場合の滞納分に充てられることもある費用です。残金は退去時に利用者や家族に返還される費用となっています。

なお、施設によっては保証金を支払わずに初期費用0円で入居できる施設もあるので、入居前に施設に確認しておきましょう。

タイプ 初期費用の相場
一般型 0~30万円
介護型 数十~数百万円

介護型では入居一時金がかかる

介護型のケアハウスでは施設の家賃および管理費の前払い金として入居時に入居一時金が掛かります。

入居一時金は施設ごとに償却期間と償却率が定まっており、支払った入居一時金がすべて償却される前に退去した場合は、施設ごとに定められているルールに従って返還金を受け取ることができます。法律などで償却期間と償却率の基準が定められていないので、施設によって決め方が異なることに注意しましょう。

以下の例では、入居一時金が100万円、初期償却30%、償却期間が60カ月(5年間)の場合の償却額となっています。表は一番左が契約時、2番目が1年目、3番目が2年目…となっています。

表を見ると5年間で入居一時金をすべて償却しています。1年あたりの償却額が45万円、1カ月あたり3.75万円を償却します。したがって、入居2年目で退去した場合は135万円が返還金として帰ってきます。

また、2年5か月後に退去した場合は、135万円から5か月分の償却費である56.25万円をさしひいた、78.75万円が返還金としてかえってきます。

入居一時金の返還金シミュレーション

 

ケアハウスでかかる月額費用

ケアハウスでかかる月額費用としては、

  • 生活費
  • 居住費
  • サービス提供費
  • 介護保険サービス利用料
  • 介護保険サービスの加算費用

などがかかります。ここでは一般型と介護型で共通してかかる生活費、居住費、サービス提供費について解説していきます。

タイプ 月額利用料の相場
一般型 7~13万円
介護型 16~20万円

生活費

ケアハウスでかかる生活費は、食費や共用部分の水道光熱費や電話代などが該当します。食費は提供される3食分を支払います。

また、おむつ代や理美容代などのその他日常生活費用も当然自己負担として生活費にかかってくることに注意しましょう。

居住費

ケアハウスでかかる居住費は、居室の賃料や管理費、個室の水道光熱費などです。一般的な賃貸住宅での家賃・管理費としてとらえておきましょう。

サービス提供費

ケアハウスでかかるサービス提供費とは、施設に払う事務費用として払うもので施設の人件費や共用部分の維持管理費などに充てられる費用です。

生活費や居住費は入居者全員が同じ金額を支払いますが、サービス提供費に関しては本人の収入に応じて支払額が決まります。施設ごとに定められているサービス提供費から収入に応じて定められている自己負担額を引いた差分は、自治体からの補助金によって賄われます。

収入 徴収額
150万円以下 10,000
150万1円~160万 13,000
160万1円~170万 16,000
170万1円~180万 19,000
180万1円~190万 22,000
190万1円~200万 25,000
200万1円~210万 30,000
210万1円~220万 35,000
220万1円~230万 40,000
230万1円~240万 45,000
240万1円~250万 50,000
250万1円~260万 57,000
260万1円~270万 64,000
270万1円~280万 71,000
280万1円~290万 78,000
290万1円~300万 85,000
300万1円~310万 92,000
310万1円以上 全額

(出典:東京都福祉保健局「軽費老人ホームサービスの提供に要する費用補助」)

ケアハウスの介護サービス費用

ケアハウスの介護サービス費用は一般型と介護型で異なる他、介護型の場合は加算費用として追加費用が掛かってくることもあります。ここではケアハウスでかかる介護サービス費用について解説していきます。

一般型か介護型かで自己負担額は異なる

一般型ケアハウスの場合は、入居者の介護度など必要に応じて外部の事業者と契約し居宅サービスとして利用します。したがって月額の基本料には含まれておらず、入居者によって利用した分だけ介護サービス費用が加算されます。

一方で介護型ケアハウスの場合は、要介護1以上を入居条件としているため、介護サービス費用は毎月定額でかかります。費用は介護度によって異なります。

介護型ケアハウスを利用した場合の自己負担額は以下の通りです。

区分 介護保険報酬 自己負担額(1割) 自己負担額(2割) 自己負担額(3割)
要介護1 161,400 16,140 32,280 48,420
要介護2 181,200 18,120 36,240 54,360
要介護3 202,200 22,200 40,440 60,660
要介護4 221,400 22,140 44,280 66,420
要介護5 242,100 24,210 48,420 72,630

(出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」)

介護保険サービスの加算費用

ケアハウスに限らず、介護保険サービス費用は職員の配置や体制、対応する医療サービスなどに応じて介護サービス費用が加算されることがあります。具体的な加算費用の例としては、機能訓練を行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を1名以上配置して入居者一人一人に合った個別機能訓練を実施する個別機能訓練加算などがあります。

介護型ケアハウスで加算される介護保険サービス加算は以下の通りです。

個別機能訓練加算

機能訓練を行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を1名以上配置して、入居者一人一人に合った個別機能訓練計画に基づいたリハビリをおkのあっている施設に対して加算されるものです。

個別機能訓練加算は、リハビリに力を入れたい入居者にとってリハビリサービスの充実度を測るための一つの加算となります。

夜間職員配置加算

夜間職員配置加算とは、夜間の人員基準よりも多い介護職員等を配置して、安心して生活ができる環境を構築している移設を評価するための加算です。

厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」に加えて、夜勤を行う介護職員又は看護職員を1名以上配置していることなどが条件とされています。また、看取りを行うための看取り機器を利用者の10%以上設置していることなど、看取りに対応するための基準なども満たしておく必要があります。

看取り介護加算

看取り介護加算とは、医師が回復の見込みがないと判断した入居者に対して、身体的又は精神的な苦痛を緩和するためのケアを実施している事業所に対して適用される加算費用です。

入居者が人生の最期まで自分らしく人生を送れるように、医師や看護師、ケアマネージャー、介護職が連携して24時間体制で入居者をケアしていきます。

医療機関連携加算

医療機関連携加算とは、看護職員が入居者の健康状況を継続的に記録している場合において、入居者の同意を得て協力している医療機関又は当該入居者の主治医に対して、健康情報を月一回以上情報を提供した場合に貸される加算費用です。

ケアハウスを安価に利用できる3つの理由

他の介護施設と比較すると、ケアハウスは安価で利用できる点が魅力です。低価格でサービスを受けられることには理由があり、それは次の3つです。

  • 施設が自治体の助成を受けている
  • 収入に応じて費用の減額がある
  • 高額介護サービス費の補助を受けることができる

なぜ安価でサービスできるのかを知り、ケアハウスのコスト面での魅力についてさらに理解を深めていきましょう。

施設が自治体の助成を受けている

公的な性質が強いケアハウスは、自治体からの助成を受けて施設を運営しています。つまり、公的な資金のサポートを受けて施設を運営できているため、民間企業のみで運営する施設よりもコストが下がっています。

資金面でのサポートが手厚いことで、その分利用料金を安く設定することができ、入居者も低価格でサービスを受けることが可能です。

収入に応じて費用の減額がある

低所得者や資産が少ない人を優先的に入居させるケアハウスは、入居者の収入に応じた費用の減額を行うことも多いです。減額の幅や要件は施設によって異なりますが、低所得の人ほどより安価でサービスが受けられます。

ただし、所得が高いと減額は受けられず、場合によっては高額な費用がかかってしまうこともあるため、この点には注意しなければなりません。また、高所得者の場合は申し込みをしても入居が後回しにされてしまい、待期期間が長引く可能性があることも理解しておきましょう。

高額介護サービス費の補助を受けることができる

もし月々の介護サービスが利用限度額を超えた場合は、高額介護サービスの制度を受けることで、限度額を超過した分が返金してもらえます。市区町村の役場にて申請することで返金を受けられるため、介護サービス費が高額な場合は、積極的に活用しましょう。

ただし、高額介護サービスの補助が受けられるのは、あくまで介護保険が適用できるサービスが高額になった場合です。そのため、一般型などで介護サービスを受けておらず、月額利用料などが高額に感じたとしても、この制度は利用できないことは理解しておきましょう。

ケアハウス以外の介護施設との費用の比較

最期に、ケアハウス以外の介護施設との費用を比較していきましょう。民間が運営している施設の場合は比較的安く価格が設定されている介護施設から高いところまで様々ありますが、公的機関が運営している介護施設は費用が安く設定されています。

費用が安い介護施設を検討している場合は、以下の一覧表から候補の施設を探しましょう。

種類 運営 名称 初期費用(入居一時金・敷金) 月額利用料
介護型 公的 特別養護老人ホーム(特養) なし 5~15万円
公的 老人保健施設(老健) なし 6~17万円
公的 介護療養型医療施設(療養病床) なし 6~17万円
公的 介護医療院 なし 6~17万円
民間 介護付き有料老人ホーム【特定施設】 0~1億円 10~40万円
民間 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)【特定施設】 0~1億円 12~25万円
民間 グループホーム 0~100万円 12~18万円
公的 ケアハウス(軽費老人ホーム)【特定施設】 0~数百万円 10~30万円
民間 小規模多機能型介護施設(小規模多機能) 居宅サービスのため不要 介護度によって定額(要介護1で約1万円など)
住宅型 民間 住宅型有料老人ホーム 0~1億円 10~40万円+介護費用
民間 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 0~数十万円 8~20万円+介護費用
公的 ケアハウス(軽費老人ホーム) 0~数百万円 8~20万円+介護費用

老人ホームの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ケアハウスは費用面で不安がある人におすすめの介護施設

介護施設の利用にはコストがかかり、高額な費用が必要となることも少なくありません。数ある介護施設の中でも、公的な性質が強いケアハウスは、低価格で利用できる点が魅力です。

そのため、老後資金の予算で不安がある人におすすめであり、費用を抑えながら施設を利用できます。入居先を決める際には費用面や施設ごとの特徴を比較することが大切です。ケアハウスも選択肢に入れながら、費用負担とサービスの内容が釣り合った介護施設を見つけましょう。