介護をしている家庭であっても、出張や冠婚葬祭など、数日家を留守にしないといけない場合は多々あります。また、連日の介護負担を軽くするためのリフレッシュ期間を定期的に設けることも大切です。そんな時に頼れる、ショートステイという介護サービスをご紹介します。
ショートステイを利用するためには、どれくらいの費用が必要になるのでしょうか。ここでは、ショートステイを利用するなら知っておきたい、費用の相場やできるだけ安く抑える方法などを簡単にご紹介します。
ショートステイとは
ショートステイとは、一時的に特養などの介護施設に入居することで、介護や生活支援を受けられるサービスのことです。
ショートステイには、短期入所生活介護と、短期入所療養介護の2種類があります。短期入所介護では入浴、排泄、食事などの日常生活上の世話や機能訓練、レクリエーションなどの介護を中心としたサービスを受けることができます。一方、短期療養介護では、日常生活の支援やリハビリだけでなく、医療サービスを受けることができます。
これらのサービスは、主に要支援・要介護認定を受けた人が利用することができます。利用する目的は「介護者の休養のため」「急用のため」「体調不良のため」のほか、介護施設の入居待ち期間を快適に過ごすためなどさまざまです。
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ショートステイの費用
ショートステイの費用は、1日あたり3000~8000円程度が相場です。
長期的に利用する場合には、1週間あたり約2.5万円が、2週間あたり約5万円程度が相場だと考えられます。(参考:厚生労働省 短期入所生活介護 1事業所1月あたりの受給者数・費用額、1人1月あたりの費用額)
ショートステイの費用にはさまざまな種類があり、介護保険が適用されるものと、適用されないものがあります。介護保険が適用されない日用品費や理美容費などを抑えることによって、できるだけ安くショートステイを利用することができるでしょう。
介護保険が適用される費用
介護保険が適用される費用には、介護サービスの利用にかかる基本料金と加算料金があります。
基本の介護サービスにかかる基本料金
基本料金とは、基本的な介護サービスを利用した際にかかる費用です。食事や入浴介助にかかる費用などが含まれていて、必ず払わなくてはならない費用です。また、ショートステイを利用する施設によって、細かく金額が決められています。
- 短期入所生活介護を利用する場合
特養(特別養護老人ホーム)の場合 | |||
---|---|---|---|
要介護度 | 従来型個室 | 従来型多床室 | ユニット型居室 |
要介護1 | 596円 | 596円 | 696円 |
要介護2 | 665円 | 665円 | 764円 |
要介護3 | 737円 | 737円 | 838円 |
要介護4 | 806円 | 806円 | 908円 |
要介護5 | 874円 | 874円 | 976円 |
出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」
- 短期入所療養介護を利用する場合
老健(介護老人保健施設)の場合 | |||
---|---|---|---|
要介護度 | 従来型個室 | 従来型多床室 | ユニット型居室 |
要介護1 | 752円 | 827円 | 833円 |
要介護2 | 799円 | 876円 | 879円 |
要介護3 | 861円 | 939円 | 943円 |
要介護4 | 914円 | 991円 | 997円 |
要介護5 | 966円 | 1045円 | 1049円 |
出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」
※自己負担額が一割の場合
※地域・サービスの内容によって異なる場合があります
ショートステイの費用は、特養などの短期入所生活介護を利用する場合に安く、老健などの短期入所療養介護を利用する場合に高くなる傾向があります。
追加の介護サービスにかかる加算料金
加算料金とは、送迎などのオプションを利用した際にかかる費用です。加算の対象のサービスには、次のような項目があります。
加算の種類 | 説明 | 料金 |
---|---|---|
送迎加算(片道) | 自宅と施設間を送迎する場合 | 184円/日 |
機能訓練加算 | 個別にリハビリを行う場合 | 240円/日 |
療養食加算 | 糖尿病などを考慮する場合 | 8円/回 |
夜間職員配置加算 | 専門の夜間職員が配置される | 24円/日 |
緊急短期入所受け入れ加算 | 利用者や家族の事情により、緊急で入所する場合 | 90円/日 |
認知症ケア加算 | 認知症専門棟に入所する場合 | 76円/日 |
※自己負担額が一割の場合
※地域や施設、要介護度などによって実際の金額は異なります
上の表における料金は費用例であり、実際に利用する施設によって、加算の対象のサービスや料金は異なることがあります。このようなサービスを利用したい場合には、施設で提供しているサービスの種類をよく調べるとよいでしょう。
介護保険が適用されない費用
介護保険が適用されない費用には、滞在費や食費、日用品費などがあります。これらの費用はすべて自己負担であり、滞在費は必ず払わなくてはならない費用です。
サービスの種類 | 説明 | 料金 |
---|---|---|
滞在費 | 従来型個室の場合 | 1500円/日 |
多床室の場合 | 500円/日 | |
ユニット型個室の場合 | 800円 | |
食費 | 間食代も含む | 1800円/日 |
日用品費 | ティッシュ、シャンプーなど | 110円/日 |
理美容費 | 洗髪、カットなど | 2000円/回 |
レクリエーション費 | 催し物、施設外の行事など | 500円/回 |
※地域や施設、要介護度などによって実際の金額は異なります
この表も費用例として参考にしてください。ショートステイを1泊2日利用する場合、費用は2日分請求されるため注意が必要です。また、これらの介護保険が適用されない費用は、すべて自己負担で高額になりやすいため、日用品は持ち込むなど工夫して安く抑えることができます。
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ショートステイの費用例
それでは、実際にショートステイを利用する際にかかる費用を確認していきましょう。
例えば、以下のような人が2週間ショートステイを利用する場合、費用は全部でおよそ6万円となります。
- 要介護3の認知症の方
- 特養(特別養護老人ホーム)の個室を利用する
- 認知症の症状のため、夜間も職員による対応を必要としている
この金額は、制度を利用することで安くできる可能性があります。
ショートステイの費用を安く抑える方法もある
ショートステイの費用を安くするために利用できる制度には、主に3つが存在します。どれもすべての人が利用できるわけではなく、利用の対象者が決められているため、興味のある方は詳しい条件を確認しましょう。
利用者負担軽減制度
社会福祉法人等による利用者負担軽減制度とは、低所得で生活が困難な方がサービスを受ける際に、利用者自己負担額が軽減される制度です。
軽減される金額
利用者自己負担額の1/4が軽減されます。
利用の対象者
下記の条件を満たす方は、利用者負担軽減制度を利用することができます。
- 住民税非課税世帯
- 年間収入150万円(単身世帯の場合。世帯人数が1人増えるごとに50万円加算した額)以下
- 預貯金などの資産が350万円(単身世帯の場合。世帯人数が1人増えるごとに100万円加算した額)以下
- 日常生活に必要とされる資産以外に活用できる資産がない
- 扶養されていない
- 介護保険料を滞納していない
特定入居者介護サービス費
特定入居者介護サービス費とは、低所得の方がサービスを受ける際に、介護保険適用外の費用が一部軽減される制度です。
軽減される金額
個人差はありますが、一日あたり1000~2500円程度の費用が軽減されます。
利用の対象者
下記の条件を満たす方は、特定入居者介護サービス費を利用することができます。
- 介護認定を受けている
- 世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が住民税非課税である
- 利用者負担段階が下記の「第1段階」~「第3段階」に該当する
段階 | 条件 |
---|---|
第1段階 | 老齢福祉年金受給者、又は生活保護受給者である |
第2段階 | 課税年金収入額と合計所得額が80万円以下 |
第3段階① | 課税年金収入額と合計所得額が80万円超120万円以下 |
第3段階② | 課税年金収入額と合計所得額が120万円超 |
高額介護サービス費
高額介護サービス費とは、 1ヵ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えたときに、 超えた分が払い戻される制度です。
負担限度額
一般的な方の負担限度額はひと月あたり約44000円です。
利用の対象者
介護認定を受けている方は、高額介護サービス費を利用することができます。
このうち、対象者は区分によって分類されており、区分ごとに負担上限額が異なります。
対象者区分 | 負担額上限 |
---|---|
課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 | 140,100円(世帯) |
課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1,160万円)未満 | 93,000円(世帯) |
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 | 44,400円(世帯) |
世帯の全員が市町村民税非課税 | 24,600円(世帯) |
世帯の全員が市町村民税非課税
かつ前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額が80万円以下の方等 |
24,600円(世帯)
15,000円(個人) |
生活保護を受給している方等 | 15,000円(世帯) |
制度を上手に利用してショートステイにかかる費用を抑えよう
本格的に介護施設に入所するまでではないものの、何らかの理由で在宅介護が難しくなってしまった場合に、ショートステイは大変心強いサービスです。
短期的に利用することを前提とされたサービスなので、まずは介護保険の適用内で賢く利用することがおすすめです。
ショートステイの費用は、施設によって異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
ショートステイを利用する際の費用には、基本料金、加算料金、介護保険適用外のサービス費の3つがあります。詳しくはこちらをご覧ください。