老人ホームの選び方は?施設の種類から見学時のポイントまで徹底解説

老人ホームの選び方は?施設の種類から見学時のポイントまで徹底解説

老人ホームの選び方は以下の10ステップあります。

  1. ステップ①入居の目的を明確にする
  2. ステップ②施設の種類を絞る
  3. ステップ③条件の優先順位を決める
  4. ステップ④予算の目安を決める
  5. ステップ⑤情報収集する
  6. ステップ⑥候補の施設を絞り込む
  7. ステップ⑦親・兄弟と入居の意思を確認する
  8. ステップ⑧見学に行く
  9. ステップ⑨体験入居をする
  10. ステップ⑩重要事項説明を受け、契約

「老人ホーム」と一口に言っても公的(非営利)施設・民間(営利)施設を含めて12種類あります。被介護者(実際に入居する人)の介護度合いによってそもそも受け入れが不可能な施設がある他、施設によって初期費用や月額費用が異なるため介護内容だけではなく費用面でも老人ホームを選んでいかなくてはなりません。

施設に入る被介護者の好みによっても選ぶ老人ホームは変わってくるので見学や体験入居も重要です。

本記事では

  • 「初めての老人ホーム選びで何から初めていいかわからない」
  • 「どのタイプの施設に入居するかはわかっているけれど、見学時に何を見ていいかわからない」

などいろんな状況の人にもわかりやすいようにステップごとに老人ホームの選び方を解説していきます。老人ホームの選び方や次に何をしたらいいのかわからないという方はぜひご覧ください。

老人ホームの選び方の全体像

老人ホームの選び方は以下の10ステップあります。

老人ホームの選び方

老人ホームの選び方は大きく分けて4つ、①希望条件を整理する段階②希望条件(費用・医療体制・立地など)から施設を絞り込む段階③資料請求・施設の見学をする段階④体験入居から契約までの段階に分けることができます。

また、ステップ⓪として予行演習として家の近くの老人ホームを2~3程見学するというのもおすすめです。というのも、ほとんどの方が初めて入居する老人ホームはやはりネットや本の知識だけでは実感が沸かず、老人ホーム選びが前に進めないというケースも少なくありません。

もちろん見学は無料で出来ますので、まずは老人ホームを見てみたいという方は老人ホームを2~3見学することから始めるのもおすすめです。

老人ホームの選び方①入居の目的を明確にする

老人ホームの選び方の最初のステップは、老人ホームに入居する目的を明確にすることです。入居する目的として代表的なものは、

  • 同居家族などによる介護が困難になったため
  • 介護する家族がいないため
  • 施設・医療機関から退所・退院する必要があるため

などがあります。

一般財団法人 日本総合研究所の「特別養護老人ホームの入所申込者の実態把握に関する調査研究」によると、平成30年どの新規入所申し込み者のうち最も多い理由が「介護者が高齢、障害、疾病、要介護状態等の理由により、十分な介護が困難」で37.3%、次に「介護者が就労しており、十分な介護が困難」で36.5%となっています。

入所申し込み理由とその割合

例えば介護者の就労によって老人ホームへの入居を検討している場合は、想定以上に介護度が上がっている可能性もあるので住宅型ではなく「介護付き」「ケア付き」※の老人ホームへの入居が考えられます。逆に、「比較的軽度ではあるが現在の住まいでの暮らしは多少負荷がかかる」という場合は住宅型の老人ホームへの入居も考えられます。

「介護付き」「ケア付き」
・・・介護付き有料老人ホームなど「介護付き」「ケア付き」表記がついているものは、各都道府県から介護保険の「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の指定を受けている施設です。介護サービス計画(ケアプラン)に基づいて、入浴・排泄・食事などの介護、そのほかの日常生活上並びに療養上の世話、機能訓練を24時間体制で施設の職員が行います。
「住宅型」
・・・住宅型有料老人ホームなど、「介護付き」「ケア付き」の表記が無く特定施設の認定が無い施設は一般的に住宅型などと呼ばれています。基本的には食事のサービスと緊急時の対応などの日常生活の支援、レクリエーションの提供などをしています。介護については敷地内に介護サービスを提供する関連事業者が入っていることが多く、個別に契約して利用します。

ポイントは「大は小を兼ねる」と考えて自立している被介護者を介護度の高い施設などに入れたりしないことです。施設によっては外出の制限があったりすることもあるので、自立しているにもかかわらず将来のためと言って介護度の高い方を対象とした施設に入れないようにしましょう。老人

老人ホームの選び方②施設の種類を絞る

老人ホームの選び方の次のステップは施設の種類を絞ることです。老人ホームの種類は以下の表のとおり12種類あります。

種類 運営 名称 要介護度 ※1 初期費用(入居一時金・敷金) 月額利用料 負担軽減 認知症の受け入れ 看取り対応
介護型 公的 特別養護老人ホーム(特養) 要介護3以上 なし 5~15万円
公的 老人保健施設(老健) 要介護1以上 なし 6~17万円
公的 介護療養型医療施設(療養病床) 要介護1以上 なし 6~17万円
公的 介護医療院 要介護1以上 なし 6~17万円
民間 介護付き有料老人ホーム【特定施設】 要支援1以上 0~1億円 10~40万円 ×
民間 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)【特定施設】 要支援1以上 0~1億円 12~25万円 ×
民間 グループホーム 要支援2以上 0~100万円 12~18万円
公的 ケアハウス(軽費老人ホーム)【特定施設】 要支援1以上 0~数百万円 10~30万円
民間 小規模多機能型介護施設(小規模多機能) 要支援1以上 居宅サービスのため不要 介護度によって定額(要介護1で約1万円など) ×
住宅型 民間 住宅型有料老人ホーム 自立~中度 0~1億円 10~40万円+介護費用 ×
民間 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 自立~中度 0~数十万円 8~20万円+介護費用 ×
公的 ケアハウス(軽費老人ホーム) 自立~中度 0~数百万円 8~20万円+介護費用 ×

 

公的施設は、老人福祉法によって規定された老人福祉施設として弱者救済の使命があります。そのため、困っている人から助けていくという責務を負っているので民間と比較して重度の介護者や低所得者の支援の観点から比較的費用が安いのが特徴です。費用が安い一方で、人気が高いので特別養護老人ホームなどは入居待ちの状況が続いているのが現状です(入居順は先着ではなく、介護度などの優先度順)

民間施設は、民間企業が営利で運営しているので、施設やサービスのバリエーションが多岐にわたります。費用も高額なものから低額なものまで様々です。

また、老人ホームは介護度によって入居できる施設とできない施設があります。介護度は国が管轄している要介護認定を受けることによってそれぞれ自立、要支援1~2、要介護1~5の8段階に分かれます。要介護5になるにつれ、介護保険サービスを利用する際の自己負担額の上限額が上がっていくので、利用できるサービスもおのずと増えていきます。

老人ホームはこれらの介護度によって入居できる施設・入居できない施設がある他、認知症が進行してきた場合などでは退去しなくてはいけなくなることがあります。そのため、あらかじめ介護度が上がった場合を想定して老人ホームを選んでいくのがポイントです。

以下は、それぞれの施設の特徴や費用について紹介していきます。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は要介護3以上の認定を受けた高齢者が利用できる、公的な介護保険施設の一つです。

重度の認知症の方でも受け入れが可能となっており、日常的な生活支援やレクリエーション・リハビリテーションなどの介護サービスのほか、施設によっては看取りにも対応しています。

公的施設となっているため入居一時金は不要です。月額費用は以下の計算方法で算出され、平均相場は5~15万円ほどかかります。

居住費+食費+施設サービス費用の1割または2割、3割+日常生活費(医療費・理美容・服飾費)

地域によっては待機者が多く、入居までに数カ月~数年かかることがあるので注意が必要です。

特別養護老人ホーム(特養):常時介護が必要な方で、在宅での生活が困難な場合に入居できる公的施設
費用 初期費用は無し、月額利用料は5~15万円
要介護度 原則、要介護3以上(入居状況によっては要介護1からなどでも可)
認知症対応 受け入れあり
看取り対応 施設によって異なる
介護・看護職員の割合 3:1配置
居室タイプ 個室、多床室
住民登録の有無 住民登録者を優先させることが多い
申し込み 直接施設へ申し込み(自治体によっては役所での申し込み)

特別養護老人ホーム(特養)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は自宅に復帰することを目的としている施設のため、理学療法士や作業療法士などによるリハビリテーションが充実しています

さらに、医師や看護師が24時間常駐しているので医療ケアも充実していますが、入居期間は3~6ヶ月と限定されており「終の棲家(ついのすみか)」として利用することはできません。ただし、厚生労働省の調査によると実際の平均滞在期間は281日と3カ月を大きく上回っていることがわかります。(厚生労働省「令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況」)

入居一時金は不要で月額費用の平均相場は6~17万となっており、認知症の方も施設によっては受け入れが可能です。

入居にあたっては施設に直接申し込みます。現在の状態・病状・生活歴や診療情報提供書などを提出すると「入所判定会議」で入居の可否が決定されます。限定された期間の未入居できるので、特別養護老人ホーム(特養)と比較すると入りやすいのが特徴と言えるでしょう。

老人保健施設(老健):退院となった後に自宅に戻るためのリハビリが必要な場合に入居する公的施設
費用 初期費用は無し、月額利用料は6~17万円
要介護度 要介護1以上
認知症対応 受け入れあり
看取り対応 あり
介護・看護職員の割合 ・3:1配置

・医師が常勤

・リハビリテーションの専門職員も配置

居室タイプ 個室、多床室
住民登録の有無 住民票が無くても入居可
申し込み 直接施設へ申し込み

老人保健施設(老健)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

介護療養型医療施設・介護医療院

介護療養型医療施設・介護医療院は急性期(病気になりたての時期)の治療を終えたものの、寝たきりなどで在宅介護が難しい方を対象に入浴・排泄・食事から療養上の世話までを行う施設です。

特養や老健と同じように要介護者を受け入れており、主に医療法人によって運営されていることもあり医療ケアが充実しています。外見は老人ホームというよりも病院に近い施設です。

医師は医療法に定められた規定数を配置する必要があり、看護職員も入所者6人に対して1人を配置しなければなりません。

認知症の方の受け入れやみ取りも可能で入居一時金は不要です。月額費用の平均相場は6~17万円ですが、所得が少ない方は住居費や食費などの負担軽減措置制度を利用すれば減免が受けられます。

医療保険が適用される「医療療養病床」もありますが、区別があいまいなことや医学的には入院が不要ではあるが家庭の事情で入院生活をしている「社会的入院」が多いことが問題視され2024年3月までに廃止されることになっています

そのため、介護療養型医療施設の転換先として介護医療院が2018年に創設されました

介護療養型医療施設・介護医療院:急性期の治療が終わり、中長期の療養が必要な場合に入居できる公的施設
費用 初期費用は無し、月額利用料は6~17万円
要介護度 要介護1以上
認知症対応 受け入れあり
看取り対応 あり
介護・看護職員の割合 ・3:1配置

・医師が常勤

居室タイプ 個室、多床室
住民登録の有無 住民票が無くても入居可
申し込み 直接施設へ申し込み

介護療養型医療施設・介護医療院について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

介護付き有料老人ホーム【特定施設】

介護付き有料老人ホームは、民間の施設ですが各都道府県から介護保険の「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の指定を受けており「介護付き」と表記されている施設です。要介護者のみ入居できる「介護専用型」と、自立~要介護の方まで幅広く対応している「混合型」があり認知症の方でも入居可能です。

介護サービスは24時間施設の職員が行うので、特定施設として指定を受けていない「住宅型有料老人ホーム」とは違って基本的なサービスについては介護保険の限度額を超えて追加料金は発生しません。

入居金は「前払い方式」と「月払い方式」などがありますが、入居一時金の返金トラブルを防ぐために、入居後3カ月以内に解約した場合は「クーリングオフ(90日ル―ル)」で入居一時金を返還することが法律で決められています

介護付き有料老人ホーム:特定施設の指定を受け、食事から介護サービスまで24時間施設の職員が対応する施設。
費用 初期費用は0~1億円、月額利用料は10~40万円
要介護度 要支援1以上、「入居時自立型」「介護専用型」「混合型」などがある
認知症対応 対応しているところが多い
看取り対応 対応しているところが多い
介護・看護職員の割合 ・3:1配置

・より手厚い場合は「上乗せ介護サービス費」「横出し介護サービス費」※として別途費用が掛かる

居室タイプ 個室が中心
住民登録の有無 民間施設のため、どこでも入居可
申し込み 直接施設へ申し込み

※「上乗せ介護サービス費」とは指定基準の3:1の割合を超えた基準より手厚く人員を配置している場合に発生する人件費のことです。
※「横出し介護サービス費」とは規定回数以上の病院への付き添いや買い物代行などのオプションの生活支援サービス費用のことです。

介護付き有料老人ホームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)【特定施設】

サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリー構造の高齢者向け住宅で特定施設の指定を受けているところ以外は一般的な賃貸住宅に近い介護施設です。(特定施設を受けているサ高住は※全体の8.5%を占めている。※一般社団法人高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」より)

必ずついているサービスは「安否確認」と「生活相談サービス」のみです。日中はケアの専門職※が対応しますが、夜間は対応していないこともあります。ケアの内容はサ高住ごとに異なり、食事の提供や家事支援などのオプション料金を支払うことが一般的です。(※社会福祉法人・医療法人等の職員、医師、看護師、介護福祉士など)

敷地内に介護事業者が入っていることも多く、介護が必要となった場合は各自契約し、自宅にいる時と同じように居宅サービスを受けることができます。入居対象となるのは、要支援1など自立から軽度に近い方ですが施設によっては要介護5でも受け入れることも少なくありません。

多くは入居一時金が不要なので、退去の決断がしやすいのも特徴と言えるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):自立した生活ができる人向けのバリアフリー付きの高齢者向け賃貸住宅
サ高住 サ高住【特定施設】
費用 初期費用は0~100万円、月額利用料は12~18万円。
要介護度 要支援2以上 「介護専用型」「混合型」がある
認知症対応 施設によって異なる 対応するところが多い
看取り対応 対応不可が多い 施設によって異なる
介護・看護職員の割合 ・ユニットごとに3:1以上 ・3:1以上

・より手厚い場合は「上乗せ介護サービス費」「横出し介護サービス費」※として別途費用が掛かる

居室タイプ 個室
住民登録の有無 民間施設のため、どこでも入居可
申し込み 直接施設へ申し込み

サービス付き高齢者向け住宅費用(サ高住)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

グループホーム

グループホームとは、地域密着型サービスの一つで「自治体に住民票を持つ方が入居できる」施設となっており、認知症高齢者を対象に少人数で共同生活を行います

介護職員の目が届きやすく臨機応変に対応してもらえますが、重度の介護や医療ケアが必要になってくると施設によっては退去しなくてはなりません。

入居一時金の平均相場は0~数百万円、月額費用は家賃・光熱費・食費を中心に約10~15万円ほどかかります。

グループホーム:認知症の高齢者が1ユニット9人までで入浴や食事、排せつなどの介助を受けながら共同生活を送る施設
費用 初期費用は0~100万円、月額利用料は12~18万円。
要介護度 要支援2以上
認知症対応 対応あり
看取り対応 対応不可が多い
介護・看護職員の割合 ・ユニットごとに3:1以上
居室タイプ 個室
住民登録の有無 住民票登録者のみ利用できる
申し込み 直接施設へ申し込み

グループホームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

 ケアハウス(軽費老人ホーム)

ケアハウス(軽費老人ホーム)とは、身寄りのない高齢者や諸事情により家族からの支援、または介護してもらうのが難しい高齢者を対象として受け入れを行っている施設です。

住宅型と特定施設の指定を受けた介護型があり、食事や安否確認、レクリエーションなどのサービスを提供しています。

住宅型は身の回りのことができる60歳以上の高齢者又は夫婦のどちらか一方が60歳以上、介護型は要支援1・2または要介護1~5までの高齢者を対象としています。住宅型で介護を受ける場合は各自が事業者と契約して居宅サービスを利用、介護型では24時間ケアハウスの職員が介護してくれます。

ケアハウス(軽費老人ホーム):家庭での生活が困難な高齢者がサポートを受けられる施設
住宅型 介護型
費用 初期費用は0~数百万円、月額利用料は8~20万円+介護費用 初期費用は0~数百万円、月額利用料は10~30万円
要介護度 自立しているひとを対象 要支援1・2または要介護1~5
認知症対応 中度以上は対応不可のところが多い 対応するところが多い
看取り対応 対応不可が多い 施設によって異なる
介護・看護職員の割合 配置基準無し 3:1で配置
居室タイプ 1人部屋、2人部屋 個室
住民登録の有無 住民登録者を優先させることが多い
申し込み 直接施設へ申し込み

ケアハウスについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

 小規模多機能型居宅介護施設

小規模多機能型居宅介護施設とは、利用者が可能な限り自立した生活ができるように施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」などを組み合わせ日常生活の支援や機能訓練を行うサービスです。

利用料金は要介護度によって決められ、他の事業所の訪問介護やデイサービスなどを利用することはできなくなります。ケアマネージャーも小規模多機能型居宅介護施設のケアマネージャーに代わるので、現在担当しているケアマネージャーが存在を教えてくれないこともあるので、地域包括支援センターで所在地などを伺いましょう。

小規模多機能型居宅介護施設:「通い」や「宿泊」、「訪問」を組み合わせる月額性の介護施設
費用 初期費用は居宅サービスのため不要、月額費用は介護度によって異なる(要介護1で約1万円など)
要介護度 要支援1以上
認知症対応 対応あり
看取り対応 対応不可が多い
介護・看護職員の割合 3:1以上
居室タイプ 原則宿泊室の定員は1名
住民登録の有無 住民登録者のみ入居可能
申し込み 直接施設へ申し込み

小規模多機能型居宅介護施設について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

老人ホームの選び方③条件の優先順位を絞る

老人ホームの選び方の3つ目のステップは老人ホーム選びの条件の優先順位を絞ることです。

優先順位を決める際のポイントとしては、以下の4つの観点に対して親・子それぞれの視点で評価をつけていくことです。

  • 立地
  • 生活環境
  • 医療・介護
  • 周囲との交流

というのも、例えば子は「子供と近い環境に住みたい」と考えていても必ずしも親は「親の近くで暮らしたい」と考えていないこともあるからです。親と子で意思が食い違った場合は落としどころを見つけるためにもしっかりと話し合いましょう。

以下の表は参考として上の4つの観点で話し合うべき具体的な項目について整理した表です。

観点 話し合うべきこと
立地 親の現在の生活圏内と近いところを選びたいか
子が住んでいる自宅周辺に住みたい(子供が複数いる場合はどの子か)
駅から徒歩数分圏内である
生活 個室であること
自由に散歩、買い物に出かけることができる
自室にキッチンがあること
毎日入浴できること
家具の持ち込みが可能であること
自炊することも選択できること
ペットを連れていけること
建物の築年数が新しく、きれいであること
医療・介護 医療の診療体制が整っていること
看護師が常駐していること
認知症の受け入れが可能であること
施設職員から介護サービスを受けられること
看取りまで対応していること
周囲との交流 レクリエーションが豊富であること
小規模なコミュニティが形成されていること
大規模で人間関係があっさりとしていること

老人ホームの選び方④予算の目安を決める

老人ホームの選び方の4つ目のステップは予算の目安を決めることです。老人ホームの予算は、①親の預貯金・収入を把握する②100歳まで生きる前提で計画を立てる③子や行政からの援助などを検討するという3つのステップで決めましょう。

ステップ①親の貯蓄・収入を把握する

老人ホームの入居施設を探す際はまず預貯金と収入額を把握しましょう。

総務省統計局の調査によると、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の1カ月の収入は217,214円となっており、そのうち9割は社会保障給付(年金)となっています。一方で消費支出が246,085円と、所得より高い金額となっておりこの差額分は金融資産の取り崩しで賄われています。(総務省統計局:「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-」より)

平均値こそ上の数値になっていますが、重要なのは本人の状況です。子どもが老人ホームを選ぶ場合は少々聞きづらいかもしれませんが、今後のためにも必ず話し合っておきましょう。

ステップ②100歳まで生きる前提で計画を立てる

次に、100歳まで生きる前提で計画を立てましょう。

例えば、以下の事例を想定してみましょう。

  • 80歳の男性
  • 貯蓄は800万円
  • 毎月の収入(年金)が10万円
  • 予備費(入院など)として100万円確保しておく

上のAさんの例:貯蓄が1000万円、収入が月額10万円

①入居一時金が150万円の施設を選んだ場合

1000万円-150万円=850万円

②予備費は100万円確保しておくとして、
850万円-100万円=750万円

③100歳まで生きると考えると、

750万円÷20年間=37.5万円(1年間に使える費用)
37.5万円÷12カ月=3.1万円(1カ月に使える費用)

④年金と合わせて毎月使える金額は、

3.1万円+10万円=13.1万円

ステップ③子や行政からの援助などを検討する

親の預貯金が少ない場合などは子供からの援助や親が所有している不動産の売却や生活保護などを検討するのも一つの選択肢です。

全国有料老人ホーム協会が実施した「有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究」によると、入居者に生活保護を受けている人がいる施設の割合は全体の32%となっており生活保護を受けていても入居可能な施設は少なくありません。

また、親の所有している不動産の売却は相続問題にもなりうるので一つの選択肢としてリバースモーゲージなどを検討するのも一つの手です。リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金を借り入れて持ち家に継続して住み続け、借入人が死亡したタイミングで担保となっていた不動産を売却し借入金を返済する仕組みです。

他にもマイホームの借り上げ制度など様々な制度があるため、所有している資産や介護度によって個別に何が良いかを検討しましょう。

老人ホームの選び方⑤情報収集する

老人ホームを探す際には情報収集を念入りに行うことが大切であり、その方法は次の3つがあげられます。

  • インターネットで情報収集する
  • ケアマネージャーに相談する
  • 自治体の高齢者支援センターで情報をチェック
  • 第三者の紹介窓口に相談する

これら3つの方法で情報を集めて、入居者の状態に合った老人ホームを見つけましょう。

インターネットで情報収集する

老人ホームはホームページを持っている施設も多いため、インターネットで検索して情報を収集するという方法があります。自宅近くのエリアにどのような施設があるのかを確認し、気になるものは積極的に資料を請求しておくと良いでしょう。

また、ネット上では情報が豊富に見つかるため、どの施設を見学するのかを選定するためにも、実績や運営している企業の評判、口コミの意見なども参考にすることがおすすめです。

検索してトップページに表示される施設が必ずしも優良とは限らないため、実際の利用者の意見なども参考にしながら、入居先を絞り込むことが選び方のポイントです。

ケアマネージャーに相談する

介護のサポートをしてくれるケアマネジャーに相談して、老人ホームを探すこともおすすめです。ケアマネジャーに要介護度やどれくらいのケアが必要なのかを確認してもらうことで、自分に合った老人ホームをスムーズに見つけやすくなります。

専門家の意見を聞きながら老人ホームを選ぶことで失敗は少なく、施設ごとの違いなどの説明も受けながら入居先を選びやすい点は魅力です。

自治体の高齢者支援センターで情報をチェック

自治体ごとに設置されている、高齢者支援センターでも老人ホームの情報はチェックできます。その地域にどのような老人ホームがあるのかを確認でき、最寄りの施設をスムーズに見つけやすい点は魅力です。

施設の情報を確認し、気になるものがあれば積極的に資料請求を行いましょう。資料請求のみなら無料でできるため、できるだけ多くの施設を比較して、入居先を検討することが大切です。

第三者の紹介窓口に相談する

本人と介護施設以外の第三者の紹介窓口としてケアスル介護などの紹介窓口を利用するのも一つの手です。相談から入居まで紹介窓口には最後まで費用を払うことなく完全無料で使えるので、

  • 「何から調べたらいいのかわからない」
  • 「条件は決まってきたけれど、施設が見つからない」
  • 「施設の候補は見つかったが、相場と比較して高くないかなど相談したい」

という方はぜひケアスル介護の相談窓口から無料で問い合わせをしてみましょう。

老人ホームの選び方⑥候補の施設を絞り込む

老人ホームの選び方の6つ目のステップは、候補の施設を絞りこむことです。情報収集をして施設のパンフレットなどが届いたら、条件に合致しているかや予算内に収まるかだけではなく、運営者が信頼のおける団体かなどの視点を持って資料を見比べましょう。

具体的には、

  • 運営主体が何をしている企業・団体か?
  • 立地・生活面でのこだわりは満たしているか?
  • 医療・介護面で親のニーズを満たしているか?
  • 周囲との交流観点で親のニーズを満たしているか?
  • 費用の内訳はどのようになっているか?
  • 介護による追加費用は発生する可能性があるか?

などの観点で届いた資料を確認しましょう。

老人ホームの選び方⑦親・兄弟と入居の意思を確認する

老人ホームの選び方の7つ目のステップは、親・兄弟と入居の意思を確認することです。

子どもが老人ホームを調べていたとしても実際に入居をするのは親です。したがって、入居前は親との入居の最終意思確認をしておきましょう。

兄弟がいる場合は兄弟間でも意思を統一しておくことが重要です。というのも、老人ホームへの入居は入居一時金だけではなく月々の費用も掛かるので、今後無くなった時の相続額にも関係します。

相続だけではなく、費用が足りなくなった場合は子供から援助をするケースもあるので、そうなった時に意思の統一ができていないと兄弟間で必ずもめることとなります。

入居前は施設側だけではなく、身内でも老人ホームへの入居について話し合っておきましょう

老人ホームの選び方⑧見学に行く

老人ホームの選び方の8つ目のステップは見学に行くことです。

施設との相性を確認するという意味でも子供が老人ホームを探している場合は、必ず親といくようにしましょう。子どもが良いと思っても親が相性が合わないと思ったら、今後のQOLが下がる原因ともなります。

見学の際は以下の6つのポイントを意識しながら見学するようにしましょう。

  1. 第一印象
  2. 医療・介護の充実度
  3. 食事
  4. 居室や共用スペース
  5. 外出・面会
  6. 退去

見学のポイント①第一印象

施設を見学した際は、施設長やケアマネージャーの考え方だけではなく、入居者や働いている方の表情や言葉遣いなどにも気を付けて見学をしましょう

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 老人ホームの運営方針や理念に共感できるか?
  • 入居者の接し方に暴力的なところや事務的なところがないか?
  • 職員の表情は明るいか?
  • どの程度の介護を必要としている人が入居しているか?
  • 入居者の男女比や年齢層はどのくらいか?

見学のポイント②医療・介護の充実度

医療・介護の医療の充実度も見学時にチェックしておきましょう。上にも述べたように、介護の倍は「大は小を兼ねる」というわけではないので、本人の介護度とマッチした介護サービスを受けられる施設を選ぶようにしましょう。

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 嘱託医の専門分野、提携している病院の場所、診療科目、送迎の有無や費用など
  • 看護師の体制はどうか(24時間対応か、夜間の対応はしているか)
  • 入院時のサポートはあるか?また、入院時に免除される費用はあるか?
  • 退院後のサポート体制はあるか?
  • 看取りまで対応できるか?

見学のポイント③食事

老人ホームは食事も重要です。見学時には試食が出来るかも尋ねてみましょう。また、ランチタイムは入居者が食堂に集まるので雰囲気や年齢層、介護の必要度合いを測るのによいタイミングです。

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 入居者へのサポートの様子はどうか?
  • 食事介助の様子はどうか?
  • 食事中の職員や入居者の対話の雰囲気は良いか?
  • 食事はどこで育てられているか?
  • 介護職や療養食の用意はあるか?
  • メニューは選べるか?

見学のポイント④居室や共用スペース

見学時には空いている居室や入居者の実際の居室を見学させてもらうことができます。多床室(相部屋)ではお互いのプライバシーを確保するためにもカーテンで仕切られているところも少なくありません。

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 居室の間取りや広さ、収納スペースは十分か?
  • 窓からの景色はどうか?(墓や病院などが見えないか?)
  • トイレや洗面スペースへの動線は悪くないか?
  • 居室以外で楽しめる共用スペースはあるか?
  • 食堂や大浴場などへの動線はどうか?
  • 多床室はプライバシーが確保されているか?

見学のポイント⑤外出・面会

介護型の老人ホームなどでは一人で外出することを認めていない施設も少なくありません。また、認知症の高齢者を受け入れている施設は扉を施錠していたリ、自動ドアの電源を切っているところも少なくありません。

睡眠薬や安定剤でコントロールする施設もあるので、事前に施設の方針を確認しておきましょう。

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 外出に施設の許可は必要か?
  • 入居者一人での外出を認めているか?
  • 認知症などの高齢者の俳諧防止のために取られている策は何か?
  • 家族のためのゲストルームなどはあるか?
  • 家族との面会は時間指定か?(24時間可能か?)

見学のポイント⑥退去

最後に、退去通告に関して確認しておきましょう。施設によっては認知症の具合が進んでくると退去しなくては行けなかったり、長期入院で退去となるケースも少なくありません

具体的にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 長期入院で退去となるケースはあるか?
  • 認知症が進んだ場合に、退去となるケースはあるか?
  • これまでに退去を通告したケースではどのようなケースがあったか?
  • グループ内の施設に転居することはできるのか?

老人ホームの選び方⑨体験入居

老人ホームの選び方の9つ目のステップとしては体験入居があります。老人ホームに確認し、体験入居が可能であれば申し込んでみましょう。

ポイントは1泊ではなく1週間ほど入居してみることです。1泊であれば施設側もゲストとして対応してきますが、1週間程度であれば良くも悪くも他の入居者と同じような扱いとなります。1週間程度の体験入居に問題が無ければ、そのまま入居に移行するケースもあります。

一方で、特別養護老人ホームなどの介護保険で入る施設には体験入居が無いので、介護保険の居宅サービスの一つであるショートステイとして利用してみるのも一つの手です。ショートステイであれば何日間か連続で滞在できるので施設との相性も確認できるでしょう。

最後に、体験入居の際にチェックしておくとよいポイントは以下の通りです。

  • 入居者とのコミュニケーションがとりやすいか?
  • 職員とのコミュニケーションがとりやすいか?
  • 食事が口に合うか?
  • 普段の生活や行動が制限されてつらくないか?
  • 居心地は悪くないか?

老人ホームの選び方⑩入居先を決定し、契約する

入居先が決定したら申込書と介護保険証の写しなどの必要書類を提出します。有料老人ホームなどでは、空きがあればこの時点で施設側と入居者の面談を実施します。近場であれば施設の担当者が自宅に来てくれたり、入院先に来てくれるケースもあります。

一方で特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、空きが出たら「入所判定会議」が行われます。本人の要介護度や介護者の状況などを審査し、必要性の高い申込者が優先して入居することができます。

その後、施設での生活が可能であると判断されたらいよいよ契約です。契約日は、重要事項の説明を受け、問題が無ければ契約書に捺印し、契約完了となります。