軽費老人ホームの費用はいくら?A型・B型・C型それぞれの費用を解説

軽費老人ホームの費用はいくら?A型・B型・C型それぞれの費用を解説

高齢者が入所できる施設の一つに軽費老人ホームがあります。他の介護施設よりも費用が安い点も魅力であり、経済状況が苦しい人でも利用しやすいことが特徴です。

軽費老人ホームにはA型・B型・C型・都市型の4種類あります。それぞれ入居時にかかる費用、月額でかかる費用が異なっているので利用する前に費用がどれくらいかを把握しておくことが重要です。

本記事では、軽費老人ホームそれぞれの費用から他の介護施設との費用の比較まで解説していきます。

在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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軽費老人ホームとは

軽費老人ホームとは、老人福祉法によって定められている施設で60歳以上で身寄りがない、もしくは自立した生活を営むことができない高齢者が入所することができる施設です。

地域によって入所の条件が異なってきますが、「月収34万円まで」「共同生活に難が無い」などの条件もあります。

軽費老人ホームにはA型・B型・C型・都市型の4種類あります。それぞれの特徴は以下の通りです。

タイプ 特徴
A型 食事サービスの提供に加えて、洗濯や家事などの生活支援サービスの提供を受けることができます。基本的に介護サービスの提供はありません。
B型 A型と提供サービスはほとんど同じですが、食事サービスの提供がないのがA型との違いです。洗濯や家事などの生活支援サービスのみ提供している施設です。
C型(ケアハウス) 食事サービスの提供や洗濯・家事などの提供を行う点でA型と同じですが、C型(ケアハウス)では介護サービスの提供があります
C型(ケアハウス)でも施設で入浴・排泄などの介護サービスを受けられる「介護型」と、必要があれば外部の介護サービスを利用する「自立型」があります。
都市型 都市部などの地価が高い地域における軽費老人ホーム。専用の個室がある他、入居一時金が掛からないというメリットがある。

A型・B型の施設は1990年以降新設・既存施設の建て替えが認められていないため、現存するほとんどの施設はC型の軽費老人ホーム(ケアハウス)となっています。

C型の軽費老人ホームは別名ケアハウスとも呼ばれており、自立型のケアハウスと介護型のケアハウスに分かれています。

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軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用

まず最初に、軽費老人ホームとして現在最も一般的な施設である軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用について紹介していきます。

自立型ケアハウスの費用

自立型ケアハウスの初期費用の全国平均は40.7万円月額費用の全国平均は11.0万円となっています。

平均値 中央値
敷金 40.7万円 30万円
月額費用 11.0万円 10.5万円

自立型ケアハウスでは入居時に「敷金」という形で初期費用が掛かります敷金は退去時のクリーニング費用や修繕費用として使われる費用で家賃の3カ月分が敷金の相場となります。

クリーニング費用などとして使用して余った分は退去時に返金されます。

毎月かかる月額費用は、家賃や管理費などの居住費用(施設によって定められています)と食費などの生活費用(自治体の長によって決められています)、さらに掃除や洗濯などの生活支援サービスを含めた事務費用(収入額で決まっています)が掛かります

以上の施設に支払うお金に加えてデイサービスやデイケアなどの外部の介護サービスを利用した場合は介護サービス費用の自己負担額が別途かかることに注意しましょう。

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自立型ケアハウスの費用例:要介護3、自己負担1割の方

自立型ケアハウスの費用例

入居一時金は返ってくる?

「介護型」のケアハウスへの入居時に支払う入居一時金ですが、一定期間に家賃として償却される前に退去した場合は返還金として手元に戻ってくることが制度によって決められています

入居一時金は施設ごとに償却期間と償却率が決まっており、支払った入居一時金はそれによって償却されていきます。

例えば入居一時金が300万円、初期償却が25%、償却期間が60カ月(5年間)の場合の償却期間は以下のグラフのようになっています。

表を見ると5年間で入居一時金をすべて償却しています。1年あたりの償却額が45万円、1カ月あたり3.75万円を償却します。したがって、入居2年目で退去した場合は135万円が返還金として返ってきます。

入居一時金とは入居後の家賃の前払い費用となっており、入居時に支払った入居一時金は家賃として一定期間毎月充足されていくので、入居時に払った分入居後の家賃は安くなります。

入居一時金は施設に払う「申込金」や「権利金」などの施設に払う手数料などの性質をもつお金ではないので、入居時に支払った入居一時金が高いからといってその施設のトータルの費用が高くなるというわけではないことに注意しましょう。

入居一時金の返還金シミュレーション

介護型ケアハウスの費用

介護型ケアハウスの入居一時金の全国平均は11.6万円月額費用の全国平均は12.2万円となっています。

この金額は平均ですが、中には入居一時金が数百万となる施設もありますので入居時にはよく確認をしてください。

平均値 中央値
入居一時金 11.6万円 12万円
月額費用 12.1万円 11.2万円

介護型ケアハウスでかかる費用は入居時に入居一時金がかかる他、月額費用も家賃・管理費などの居住費、食費、収入毎にかかる生活支援サービス費がかかります

介護型ケアハウスでは、自立型ケアハウスとは違い使った分だけ介護サービス費用の自己負担額がかかるのではなく、毎月定額で介護度ごとに費用が掛かります。

したがって、食事や入浴、排せつなどの生活介助をどれだけ受けても一定額となることが特徴となっています。

介護型ケアハウスの費用例:要介護3、自己負担1割の方

軽費老人ホームC型(介護型)の費用例

軽費老人ホームA型、B型の費用

軽費老人ホームはA型~C型、都市型の4種類あります。それぞれの費用の比較表は以下の通りです。

A型 B型 C型(一般型) 都市型
初期費用 入居一時金

敷金

0~30万円
月額費用 居住費(賃料+管理費) 収入によって異なる 6.0~8.0万円 6.0~8.0万円
食費 収入によって異なる
介護サービス費※ ※利用した分のみ
合計 6.4~17.1万円 3.7~5.4万円 7.9~16.1万円 11.7~19.5万円

以下ではそれぞれのタイプごとの費用を解説していきます。

軽費老人ホームA型でかかる費用

軽費老人ホームのA型では初期費用が掛からず、毎月の費用は食費や事務費などはまとめて「生活費」として収入毎に一定額が決まっています(家賃に相当する費用項目はありません)。いわば、娯楽費等の日常生活費を除いた費用は「パック料金」として毎月こみこみで年収ごとに費用が決まっているのです。

東京都であれば年収150万円未満の場合は家賃や食費、利用にあたる事務費用すべて合わせて64,230万円、対象収入が340万円以上の場合は基本利用料全額となり、17万1230円以上の金額が掛かります。

というのも、軽費老人ホーム(A型,B型)は施設が正規に定めている金額の足りない分を利用者の収入額に応じて自治体からの補助金でカバーする形になるので、収入が多すぎると補助金でカバーすることなく正規料金全額を出すことになるのです。

以下は東京都の軽費老人ホームA型の対象収入毎の利用額の一覧表となります。

階層 対 象 収 入 費用徴収額 (月額)
1 ~1,500,000円 64,230円
2 1,500,001円~1,600,000円 67,230円
3 1,600,001円~1,700,000円 70,230円
4 1,700,001円~1,800,000円 73,230円
5 1,800,001円~1,900,000円 76,230円
6 1,900,001円~2,000,000円 79,230円
7 2,000,001円~2,100,000円 84,230円
8 2,100,001円~2,200,000円 89,230円
9 2,200,001円~2,300,000円 94,230円
10 2,300,001円~2,400,000円 99,230円
11 2,400,001円~2,500,000円 104,230円
12 2,500,001円~2,600,000円 111,230円
13 2,600,001円~2,700,000円 118,230円
14 2,700,001円~2,800,000円 125,230円
15 2,800,001円~2,900,000円 132,230円
16 2,900,001円~3,000,000円 139,230円
17 3,000,001円~3,100,000円 147,230円
18 3,100,001円~3,200,000円 155,230円
19 3,200,001円~3,300,000円 163,230円
20 3,300,001円~3,400,000円 171,230円
21 3,400,001円以上 基本利用料全額

(出典:令和4年「東京都軽費老人ホーム利用料等取扱要綱」)

対象収入ってなに?
・・・対象収入とは、前年の収入(社会通念上収入として認定することが適当でな
いものを除く。)から、租税、社会保険料、医療費、当該施設における特定施設入居者生活介護の利用者負担分等の必要経費※を控除した後の収入のことです。
※特定施設入居者生活介護の利用者負担分等の必要経費とは、24時間体制で介護を受けられる施設で毎月定額で介護保険サービス費用の自己負担額のことです。

軽費老人ホームB型でかかる費用

軽費老人ホームB型の場合はA型とは違い食費が掛からない分費用が安くなっています。

軽費老人ホームB型施設もA型と同様に事務費用と居住費等が「生活費」として年収ごとに規定されており、東京都の場合は対象年収150万円以下の場合は37,100円、対象収入が200万円1円以上の場合は54,200円となります。

対象年収ごとの毎月の費用徴収額の一覧表は以下の通りです。

階層 対象収入 費用徴収額 (月額)
1 1,500,000円以下 22,000円
2 1,500,001円~1,600,000円 25,000円
3 1,600,001円~1,700,000円 28,000円
4 1,700,001円~1,800,000円 31,000円
5 1,800,001円~1,900,000円 34,000円
6 1,900,001円~2,000,000円 37,000円
7 2,000,001円~ 39,100円

(出典:令和4年「東京都軽費老人ホーム利用料等取扱要綱」)

軽費老人ホームの費用は全国一律?
・・・軽費老人ホームの費用は各自治体の市区町村長が定める金額による、とされているので全国一律ではありません

また、自治体の中でも人口の多いエリアは地価が高かったり、人件費も同様に高いため若干の費用の補正が掛かっています。
したがって、東京都でも入所定員と地域の4段階の補正で厳密には費用が異なっています。ただし、幅は数千円程度なのでそこまで大きな金額の開きがあるわけではありません。

都市型軽費老人ホームの費用

東京都などの都市部においてはどうしても地価や人件費が高く費用が高くなってしまう、という問題に備えてできたのが都市型軽費老人ホームです。

都市型軽費老人ホームの費用も同様に事務費用と生活費が年収ごとに定められており居住費も入居一時金が不要であることなどから最も低い場合で8万円程度から利用することが出来ます

以下の表は、東京都の都市型軽費老人ホームの対象年収ごとの費用一覧となります。軽費老人ホームC型費用と同様に居住費は上述した調査より23,116円として置いています。

事務費用 生活費 居住費(家賃・管理費) 合計
1,500,000円以下 10,000 46,090円※1 23,116円 79,206円
1,500,001円~1,600,000円 13,000 82,206円
1,600,001円~1,700,000円 16,000 85,206円
1,700,001円~1,800,000円 19,000 88,206円
1,800,001円~1,900,000円 22,000 91,206円
1,900,001円~2,000,000円 25,000 94,206円
2,000,001円~2,100,000円 30,000 99,206円
2,100,001円~2,200,000円 35,000 104,206円
2,200,001円~2,300,000円 40,000 109,206円
2,300,001円~2,400,000円 45,000 114,206円
2,400,001円~2,500,000円 50,000 119,206円
2,500,001円~2,600,000円 57,000 126,206円
2,600,001円~2,700,000円 64,000 133,206円
2,700,001円~2,800,000円 71,000 140,206円
2,800,001円~2,900,000円 78,000 147,206円
2,900,001円~3,000,000円 85,000 154,206円
3,000,001円~3,100,000円 92,000 161,206円
3,100,001円以上 全 額 69,206円+事務費用全額

(出典:令和4年「東京都軽費老人ホーム利用料等取扱要綱」)

※1 東京都の23区の生活費となります。

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軽費老人ホームの費用例

ここまで軽費老人ホームの種類と費用について解説してきましたが、ここでは実際の施設を例に入所した場合にかかる費用についてシミュレーションしていきます。軽費老人ホームA型から都市型まで4つに分けて解説していきます。

軽費老人ホームA型の費用例

まず初めに軽費老人ホームA型に入所したAさんを例に費用例について紹介していきます。Aさんと入所する際の状況については以下の通りです。

【設定条件】
収入:年間に年金収入が100万円のみ(月に9万円程度)
介護度:自立
入居するA型軽費老人ホーム:軽費老人ホーム東京老人ホーム泉寮(東京都)

まず、軽費老人ホームA型に入所する際は入居一時金や敷金などの初期費用は一切かかりません

そのため、かかる費用は月額費用のみとなっており、具体的には生活費として54,230円、そして「サービス提供に要する費用」として年収が100万円なので10,000円かかります。サービス提供に要する費用は介護スタッフの人件費や生活援助(食事や入浴など)などの介護サービス費用として充てられます。

軽費老人ホームA型では家賃が込みとなっているため施設に支払う費用は以上となります。したがって、毎月の合計金額は64,230円となりますが、これに加えてレクリエーション費用や娯楽費用などが追加でかかることには注意しましょう。

軽費老人ホームA型の費用例

軽費老人ホームB型の費用例

次に、軽費老人ホームB型に入所するBさん夫妻の場合の費用例を紹介していきます。入所する際の条件は以下の通りです。

【設定条件】
収入:夫、妻共に年間に年金収入が200万円、株の配当が50万円ある
介護度:自立
入居するA型軽費老人ホーム:大田区立軽費老人ホームおおもり園(東京都)

まず、軽費老人ホームB型においても入居一時金や敷金などの費用が掛からないので初期費用は0円です。

今回はBさん二人の夫婦が入所することとなるので、居室は二人部屋となります。二人部屋の居住費は20,000円、そしてそれぞれ対象年収が250万円となり二人部屋の場合はサービス提供に要する費用がそれぞれ16,000円ずつかかります。B型の場合は食費が掛からないので、生活費はそれぞれ4,000円となっています。

したがって、夫婦で軽費老人ホームB型に入所する場合の費用はそれぞれ40,000円となり、合計で毎月8万円の出費となります。

軽費老人ホームB型の費用例

軽費老人ホームC型の費用例

次に、軽費老人ホームC型に入所するCさんの場合の費用例を紹介します。入所条件は以下の通りです。

【設定条件】
収入:年金収入が200万円
介護度:自立
入居するC型軽費老人ホーム:ケアハウス 神田紺屋町(東京都)

まず軽費老人ホームC型(ケアハウス)では初期費用として入居一時金または敷金がかかることが一般的です。ケアハウス 神田紺屋町では、入居時の入居保証金として10万円が必要となっています。入居保証金は滞納や返済が無い場合は退去時に返金される費用となっています。

次に月額費用ですが、家賃が70,000万円、そして日常生活費用が46,090円かかります。そして年金収入が200万円なのでサービス提供に要する費用は20,000万円です。したがって月額費用の合計は136,090円となります。

他の施設と同様に、これに加えて日常生活費用として1~2万円分の費用を見積もっておきましょう。

軽費老人ホームC型の費用例

初期費用は返ってくる?
・・・
軽費老人ホームC型(一般型)で支払った保証金は退去する際に室内清掃やクリーニング代などに充てられ、余った分は返金されます。また、軽費老人ホームC型(介護型)で払った入居一時金は、家賃に全額充てられる前に退去した場合は余った分を返還金として受け取ることが出来ます

都市型軽費老人ホームの費用例

最後に、都市型軽費老人ホームに入所を検討しているDさんの場合の費用例について検討していきます。入所条件は以下の通りです。

【設定条件】
収入:年金収入が200万円と、子供からの仕送りが50万円
介護度:自立
入居するC型軽費老人ホーム:ケアハウス赤堤(東京都)

まず、都市型軽費老人ホームでは初期費用が掛からないので初期費用は0円です。

次に、月額費用ですがケアハウス赤堤では所得によって家賃が変わる料金形態となっており150万円以下は特別プランが用意されています。今回は250万円の対象収入となるので、家賃は67,000円、食費などの日常生活費用は46,090円、最後にサービス提供に要する費用として57,000円かかります。

したがって月額費用の合計金額は170,090円となります。やはり対象収入が多い分サービス提供に関する費用が高くなる他、ケアハウス赤堤のように家賃を年収ごとに区切っている場合もあるので軽費老人ホームとは言え高額となることに注意しましょう。

都市型軽費老人ホームの費用例

軽費老人ホームの費用が安い4つの理由

他の介護施設と比較すると軽費老人ホームの費用は安く抑えられていますが、軽費老人ホームの費用が安い理由は以下が考えられます。

  • 施設が自治体の助成を受けている
  • 収入に応じて費用の減額がある
  • 高額介護サービス費によって費用を抑えられる
  • 自治体が都市型軽費老人ホームを運営している

それぞれの理由について解説していきます。

施設が自治体の助成を受けている

公的な性質が強い軽費老人ホームは、自治体からの助成を受けて施設を運営しています。つまり、公的な資金のサポートを受けて施設を運営できているため、民間企業のみで運営する施設よりもコストが下がっています。

資金面でのサポートが手厚いため、その分利用料金を安く設定することができ、入所者も低価格でサービスを受けることが可能です。

収入に応じて費用の減額がある

低所得者や資産が少ない人を優先的に入所させる軽費老人ホームは、入所者の収入に応じた費用の減額を行うことも多いです。減額の幅や要件は施設によって異なりますが、低所得の人ほどより安価でサービスが受けられます。

具体的には、「サービス提供費」として軽費老人ホームに支払う事務費用は対象年収によって徴収額が変わります。

例えば年収が150万円以下の場合は徴収額が10,000円以下ですが、310万円以上であれば施設の提示した費用を全額支払わなくてはなりません。

高額介護サービス費によって費用を抑えられる

軽費老人ホームに限った話ではありませんが、軽費老人ホームを利用する場合でも高額介護サービス費という軽減制度が利用できます。

高額介護サービス費とは介護保険の対象となる介護保険サービスの1カ月の自己負担額が負担限度額を超過した場合に、その超過分が支給される制度です。

高額介護サービス費の仕組み

介護サービスを利用する場合は介護にかかった費用の1~3割の自己負担額で利用できますが、要介護認定の段階によって利用しても良い限度額が決まっています。そこで、限度額を超えて介護サービスを利用した場合にその超過分が払い戻してもらえるのです。

自治体が都市型軽費老人ホームを運営している

軽費老人ホームは経済的な事情などで自宅で生活するのが難しい高齢者向けに比較的低額で利用できるメリットがある一方、東京都心部などの地価が高い地域では結果的に費用が高くなってしまうという問題がありました。

そこで、東京都などが推進しているのが都市部においても比較的費用を低額で利用できる「都市型軽費老人ホーム」です。都市型軽費老人ホームの特徴は以下の通りです。

  • 入居一時金が不要
  • 月額利用料が低額(10~12万円程度)
  • 専用の個室がある
  • 24時間体制の見守り体制がある

比較的費用が安いことをメリットに感じ軽費老人ホームの利用を検討している方は、都市型軽費老人ホームも検討してみましょう。

軽費老人ホームの費用が高くなる人の特徴

軽費老人ホームの費用を調べている人の中には、「軽費」という名前の割には費用が高くないか気にしている方も少なくないと思います。そこで、本章では軽費老人ホームの費用が高くなる人の特徴について紹介していきます。

都心部で探している

軽費老人ホームの費用はA型・B型に関しては市区町村ごとに、C型の場合は施設ごとに家賃相当が定められているので、やはり都心部で地価の高いエリアや人件費が高いエリアで探そうと思うと費用が高くなってしまいます

以下の表はケアスル介護に掲載されている軽費老人ホームC型(ケアハウス)の都道府県ごとの平均費用および中央値となります。

以下の表を見ると赤字で表記されている東京都、大阪府、兵庫県などの首都圏は入居費用・月額費用共に他の県と比較して高くなっていることがわかります。

東京都などの都心部で探している場合はやはり費用が高くなってしまうことに注意しましょう。

入居費用 月額費用
平均値 中央値 平均値 中央値
北海道 ¥2,124 ¥0 ¥94,720 ¥91,000
青森県 ¥0 ¥0 ¥105,212 ¥86,400
岩手県 ¥2,363,636 ¥0 ¥117,401 ¥110,900
宮城県 ¥16,667 ¥0 ¥96,030 ¥91,500
秋田県 ¥0 ¥0 ¥138,400 ¥138,400
山形県 ¥262,500 ¥300,000 ¥93,063 ¥90,000
福島県 ¥101,132 ¥0 ¥118,006 ¥110,000
茨城県 ¥214,286 ¥300,000 ¥103,777 ¥101,500
栃木県 ¥96,429 ¥0 ¥113,732 ¥115,500
群馬県 ¥0 ¥0 ¥88,000 ¥98,000
埼玉県 ¥70,345 ¥0 ¥102,076 ¥100,000
千葉県 ¥291,000 ¥300,000 ¥105,836 ¥102,000
東京都 ¥115,789 ¥100,000 ¥138,800 ¥136,000
神奈川県 ¥2,542,146 ¥0 ¥131,719 ¥126,000
新潟県 ¥196,721 ¥0 ¥104,213 ¥102,000
石川県 ¥112,048 ¥0 ¥109,253 ¥106,000
福井県 ¥500,000 ¥500,000 ¥100,143 ¥97,500
山梨県 ¥321,429 ¥300,000 ¥105,571 ¥102,500
長野県 ¥149,074 ¥250,000 ¥104,769 ¥100,000
岐阜県 ¥132,692 ¥0 ¥98,615 ¥96,500
静岡県 ¥264,000 ¥300,000 ¥115,920 ¥114,000
愛知県 ¥465,500 ¥375,000 ¥106,520 ¥104,000
三重県 ¥17,561 ¥0 ¥126,732 ¥119,000
滋賀県 ¥1,759,071 ¥1,600,000 ¥119,714 ¥111,500
京都府 ¥171,667 ¥200,000 ¥111,600 ¥104,500
大阪府 ¥339,203 ¥0 ¥116,570 ¥109,000
兵庫県 ¥2,066,274 ¥300,000 ¥184,651 ¥186,000
奈良県 ¥1,160,323 ¥0 ¥117,504 ¥120,600
和歌山県 ¥129,032 ¥0 ¥130,065 ¥122,000
鳥取県 ¥0 ¥0 ¥115,500 ¥106,500
島根県 ¥0 ¥0 ¥134,315 ¥138,000
岡山県 ¥44,186 ¥0 ¥104,408 ¥100,400
広島県 ¥202,538 ¥0 ¥104,604 ¥100,000
山口県 ¥278,571 ¥300,000 ¥105,246 ¥102,500
徳島県 ¥0 ¥0 ¥133,750 ¥128,000
香川県 ¥0 ¥0 ¥112,600 ¥109,000
愛媛県 ¥14,286 ¥0 ¥92,804 ¥88,500
高知県 ¥133,333 ¥0 ¥150,278 ¥138,000
福岡県 ¥441,462 ¥0 ¥101,882 ¥97,000
長崎県 ¥0 ¥0 ¥100,571 ¥97,000
熊本県 ¥181,250 ¥0 ¥100,578 ¥98,000
大分県 ¥198,333 ¥200,000 ¥83,667 ¥82,500
宮崎県 ¥300,000 ¥300,000 ¥105,833 ¥92,000
鹿児島県 ¥30,952 ¥0 ¥113,833 ¥110,000
沖縄県 ¥300,000 ¥300,000 ¥101,857 ¥99,000

所得が多い

軽費老人ホームでかかる費用は所得によって変わることが多いため、所得が大きい世帯の方が合計費用もやはり高くなってしまいます

軽費老人ホームC型ケアハウスを例にとると、掃除や洗濯などの生活支援費用などを含めた事務費用は所得ごとに大きく変わります。

以下の表は東京都の23区外の市町村の年収ごとの軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用となります。

事務費用 生活費 居住費(家賃・管理費) 合計
1,500,000円以下 10,000 43,700※1 23,116※2 76,816円
1,500,001円~1,600,000円 13,000 79,816円
1,600,001円~1,700,000円 16,000 82,816円
1,700,001円~1,800,000円 19,000 85,816円
1,800,001円~1,900,000円 22,000 88,816円
1,900,001円~2,000,000円 25,000 91,816円
2,000,001円~2,100,000円 30,000 96,816円
2,100,001円~2,200,000円 35,000 101,816円
2,200,001円~2,300,000円 40,000 106,816円
2,300,001円~2,400,000円 45,000 111,816円
2,400,001円~2,500,000円 50,000 116,816円
2,500,001円~2,600,000円 57,000 123,816円
2,600,001円~2,700,000円 64,000 130,816円
2,700,001円~2,800,000円 71,000 137,816円
2,800,001円~2,900,000円 78,000 144,816円
2,900,001円~3,000,000円 85,000 151,816円
3,000,001円~3,100,000円 92,000 158,816円
3,100,001円以上 全額負担 66,816円+事務費用

(出典:令和4年「東京都軽費老人ホーム利用料等取扱要綱」)

※1 東京都の23区の生活費となります。都下の場合は43,700円となります。

※2 施設によって居住費が異なるので、ここでは一般財団法人日本総合研究所「軽費老人ホームのサービス提供に要する費用の基準等のあり方に関する調査研究事業」より居住費の平均費用が23,116円であるため、以下の一覧表でも居住費は23,116円として計算しています。

一覧を見るとわかるように所得が多くなるごとに費用が高くなっており、合計費用もそれに応じて多くかかってくることがわかります。

よくある質問

ここからは軽費老人ホームに関するよくある質問に回答していきます。軽費老人ホームを将来検討しているという方は是非ご覧ください。

軽費老人ホームのメリット・デメリットは?

軽費老人ホームのメリット・デメリットは以下の一覧表のとおりです。

軽費老人ホームのメリット 軽費老人ホームのデメリット
費用が安い 入所難易度が高い
個室が提供される 医療ケアの対応をしていない場合がある
入所者間の交流がある

軽費老人ホームのメリット

軽費老人ホームのメリットは、

  1. 費用が安い
  2. 個室が提供される
  3. 入所者間の交流がある

の3つです。

まず、費用に関しては上述したように自治体の助成を受けていることや収入によって軽減制度を利用することが出来るので、C型ケアハウスでも10~17万円と比較的安価に利用することが出来ます。

次に軽費老人ホームは入所者全員個室となっており、プライベートを確保することが出来ます。公的施設である特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)の場合は相部屋となることも少なくありませんが、軽費老人ホームは個室でプライベートを確保することが出来ます。

最後に、軽費老人ホームは入所者同士の交流を図るためのレクリエーションが盛んにおこなわれています。施設全体のイベントや季節ごとのクリスマス会などレクリエーションが盛んなので、孤独感を感じずに娯楽を享受することが出来ます。

軽費老人ホームのデメリット

軽費老人ホームのデメリットは、

  • 入所難易度が高い
  • 医療ケアの対応をしていないことがある

の2点です。

まず、軽費老人ホームは民間企業が運営している老人ホームと比較して費用が安く人気が高いため入所難易度が高いことがデメリットです。

入所待ちとして短くとも1カ月、長ければ1年以上かかることも珍しくなく早くから準備をしなくてはいけない点に注意が必要です。

次に、軽費老人ホームはC型(介護型)を除き高度な医療ケアには対応していないのがデメリットです。自立した高齢者を対象としている施設のため、服用管理や医療機関との提携こそあれど、常に重度の医療ケアを必要としている場合は入所に向かないと言えるでしょう。

軽費老人ホームの入所条件は?

軽費老人ホームは種別によってそれぞれ入所条件が異なります。以下の表は軽費老人ホームの入所条件の一覧表です。

軽費老人ホームA型 軽費老人ホームB型 軽費老人ホームC型(自立型) 軽費老人ホームC型(介護型)
年齢 60歳以上※ 60歳以上※ 60歳以上※ 65歳以上
介護度 要介護1以上
所得制限 月34万円以内 月34万円以内 所得制限なし 所得制限なし
その他 自立した生活を送れる方 自立した生活を送れる方 自立した生活を送れる方

※ 軽費老人ホームA型、B型、C型(一般型)は夫婦どちらかが60歳以上で入居可能

軽費老人ホームA型、B型、C型(自立型)はすべて60歳以上の高齢者又は夫婦で入る場合はどちらかが60歳以上であるという年齢制限の他、自立した生活を送れる方という条件があります。

また、軽費老人ホームA型、B型は所得が月34万円以内という制限があります。ただし、1990年以降新設・建て替えが認められていないので、入所するなら軽費老人ホームC型(ケアハウス)の入所条件を満たしているかどうか確認しましょう。

軽費老人ホームで提供されるサービスは?

軽費老人ホームで提供されるサービスは主に以下の5つです。

  1. 食事サービス
  2. 生活支援サービス
  3. レクリエーション
  4. 緊急時の対応
  5. 医療・介護サービス

入所条件と同じ類型ごとに提供サービスは異なっており、軽費老人ホームC型(介護型)以外は医療・介護サービスを利用する場合は必要に応じて外部の介護事業者と契約しなくてはなりませんまた、軽費老人ホームB型は食事サービスの提供が無いので自炊しなくてはなりません。

軽費老人ホームC型(介護型)は、介護職員が入所者3人に対して1人配置されており、施設内のスタッフから介護を受けることが出来ます。また、医療面でも協力医療機関と提携しているので、訪問診療などで体調管理を行ってもらえます。

軽費老人ホームA型 軽費老人ホームB型 軽費老人ホームC型(自立型) 軽費老人ホームC型(介護型)
食事サービス ×
生活支援サービス
レクリエーション
緊急時の対応
医療・介護サービス 外部の事業者と契約 外部の事業者と契約 外部の事業者と契約

軽費老人ホームの設備はどのくらい充実している?

軽費老人ホームの設備は、厚生労働省によって基準が定められています。原則として各設備はバリアフリーとなっており、居室のほかに談話室や食堂・調理室、浴室・洗面所、トイレなど生活に必要な設備が整っています。

また、上述したように軽費老人ホームの居室はすべて個室となっているのでプライバシーを確保することが出来ます。また、施設によっては居室内にトイレ・浴室・洗面所がついている施設もあり、プライベートを重視しながら生活することが出来ます。

軽費老人ホームに入所する流れは?

軽費老人ホームに入所するには、資料請求を行ったのち見学・体験入居を経て契約する流れで進めていきます。全体の流れは以下の通りです。

軽費老人ホームに入居する流れ

軽費老人ホームに入所する際はまず地域包括支援センターの相談窓口やケアマネージャーから情報収集したり、ケアスル介護などのポータルサイトからお近くの軽費老人ホームを探しましょう。

軽費老人ホームの資料請求が完了したら施設の見学、体験入居と進めていきます。実際に見学をしたり、体験入居を通じて施設の雰囲気を感じたりすることが重要です。

入所したいと思ったら入所申込書の提出後、面談を行います。面談後住民票や健康診断書、所得証明書を提出し、要介護度や介護の必要性、介護者の状況を総合的に判断して入所を決定します。

この際に軽費老人ホームは費用が安く人気が高いことから、入所の必要性が低いと判断されれば順番が遅れる可能性があることに注意しましょう。

初めての老人ホーム探しで何から始めればよいかわからないという方はケアスル介護がおすすめです。

入居相談員が日程調整から見学予約まで全て無料で代行しているので、スムーズに施設探しができます。

すぐに施設に入らないといけないという方はぜひ利用してみてください。

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軽費老人ホームの費用はいくら?

軽費老人ホームA型の費用は毎月10万~17万、軽費老人ホームB型の費用は10~12万円、軽費老人ホームC型(自立型)は10~17万円、そして軽費老人ホームC型(介護型)は11.7~19.5万円が相場となっています。軽費老人ホームC型(ケアハウス)では入居一時金が必要な場合もあるので注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

軽費老人ホームが安いのはなぜ?

軽費老人ホームが安い理由は以下の4つの理由があります。①施設が自治体の助成を受けている ②収入に応じて費用の減額がある ③高額介護サービス費によって費用を抑えられる ④自治体が都市型軽費老人ホームを運営している詳しくはこちらをご覧ください。

軽費老人ホームは厚生労働省によって、「軽費老人ホームは、低額な料金で家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な老人を入所させ、日常生活上必要な便宜を供与し、もって老人が、健康で明るい生活を送れるようにすることを目的とすること。」とされているので、低所得者の強い味方であるのは間違いないでしょう。(厚生労働省「○軽費老人ホームの設備及び運営について」)

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