サービス付き高齢者向け住宅の利用にかかる費用を徹底解説!

サービス付き高齢者向け住宅の利用にかかる費用を徹底解説!

サービス付き高齢者向け住宅(住宅型)の費用の目安は初期費用が5~50万円、月額費用が8~20万円です。また、各都道府県から「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の認定を受けているサービス付き高齢者向け住宅の費用は初期費用が5~1億円(一括前払いの場合)、月額費用が12~25万円が相場です。

サービス付き高齢者向け住宅の費用の内訳は大きく分けて初期費用と月額費用の二つです。初期費用は、家賃の2カ月程度の敷金(保証金)、施設によっては前払い金を支払うところもあります。月額費用は、家賃などの居住費、食費や安否確認などの基本サービス費、最後にオプションで支払う生活支援サービス費用が内訳です。

サービス付き高齢者向け住宅の費用の支払い方法も一括前払い方式と月払い方式の2種類ある他、自治体によっては家賃補助などの補助金が出ている自治体もあります。

本記事では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)にかかる費用とその内訳、さらに支払方法・補助金まで徹底解説します。有料老人ホームとの費用の違いについても解説するので、サービス付き高齢者向け住宅での費用の全体像を知りたいという方は必見です。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用の目安

サービス付き高齢者向け住宅の費用は入居時に支払う費用と毎月支払う費用の2つに分けることができます。第一章では、住宅型のサ高住と介護型(特定施設)のサ高住の費用の目安について解説していきます。

住宅型(自立型)の費用

住宅型(自立型)の初期費用は5~50万円、月額費用は8~20万円が費用の相場です。サ高住では権利金・礼金・更新料の受け取りは禁止されているため、初期費用としては家賃約2か月分の敷金を支払うことが一般的です。入居後は居住費・生活支援サービス費・オプションの生活支援サービス費を支払います。

そもそもサービス付き高齢者向け住宅とは、ケアの専門職による安否確認や生活相談サービスを受けることができる高齢者専門のバリアフリー賃貸住宅です。ネーミングから高齢者向け施設かと思われがちですが、一般的な賃貸住宅と近いものとなっています。

サービス付き高齢者向け住宅には都道府県から「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の認定を受けているサ高住もありますが、全体の90%以上は特定移設の認定を受けていない自立している方向けのサ高住であることがわかっています。(特定施設を受けているサ高住は全体の8.5%を占めている。※一般社団法人高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」より)

特定施設・特定施設介護者生活介護
・・・特定施設とは、都道府県や市区町村から厚生労働省が定めた基準(要介護者と看護・介護職員の割合が3:1であるなど)を満たしている介護施設を指します。特定施設では、「特定施設介護者生活介護」という介護保険サービスを受けることができます。認定を受けていないサ高住では、個別に事業者と契約し訪問介護などの「居宅サービス」として介護保険を利用しますが、特定施設ではその都度契約することはなく24時間体制で内部の職員が介護サービスを提供します。したがって、自立型のサ高住と特定施設のサ高住は全く別物であると考えておきましょう。(参考:国土交通省 社保審-介護給付費分科会「特定施設入居者生活介護」)

自立型のサ高住では高齢者住まい法第5条に基づき「安否確認」と「生活相談サービス」のいずれかを提供することが義務付けられており、それ以外の介護サービスは各自事業者と契約することになるため、自宅にいる時と同じように介護保険の居宅サービスを利用できます。

サ高住では、食事の提供や家事支援などオプションでの生活支援サービスを提供しているところもあります。

介護型(特定施設)の費用

介護型(特定施設)の費用は初期費用が5~1億円(一括前払いの場合)、月額費用が12~25万円が相場です。住宅型と同じように敷金を支払いますが、特定施設であればサ高住であっても通常の浴槽と車椅子のまま入浴できる機械浴などを備えているところも少なくなく、住宅型と比較すると若干高めになっているのが特徴です。

また、月々に支払う介護サービス費用は個別に事業者と契約するのではなく、内部の職員が24時間体制で介護してくれるため要介護度によってそれぞれ毎月一定額を支払います。

住宅型と比較すると費用の内訳は似ていますが、介護サービス費用などの費用の中身が異なっていることがわかります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の初期費用の内訳

サービス付き高齢者向け住宅の初期費用の内訳は敷金が主です。施設によっては、前払い形式(入居一時金方式)として想定居住期間内の月額費用を一括で支払う施設もあるのが特徴です。

敷金

サ高住では、有料老人ホームなどでかかる入居一時金が必要なく家賃の2~3カ月分の費用を敷金として支払うことが一般的です。また、敷金0円で入居できるサ高住も珍しくありません。

敷金は部屋を退去する際に原状回復のためのクリーニング費用や修繕費用にあたられ、余った分は返還されることが特徴です。

入居前の前払い金のケースも

サ高住の中には、想定される居住期間の家賃を全額前払いで支払う前払い方式をとっている施設もあります。計算式は以下の通りです。

「1カ月分の家賃等の額」×「想定居住年数」+「想定居住年数を超えて契約が継続する場合に備えて需要する額」

※厚生労働省「家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示について」より

前払いをすることによって想定機関の家賃は初期費用から賄われるので、月額の支払いは管理費や食費だけで済ますことができるのが特徴です。また、初期費用の支払いから3カ月以内に退去した場合は、クーリングオフを利用することができます。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の月額費用の内訳

サービス付き高齢者向け住宅の月額費用の内訳は、

  • 居住費
    • 家賃
    • 水道光熱費
    • 共益費(管理費)
  • 生活支援サービス費
    • 基本サービス費
    • 食費
  • オプションの生活支援サービス費

となります。それぞれ内訳となる費用について解説していきます。

居住費

サ高住の家賃は、近隣のマンションやアパートなどを参考にして算出されていることが多く、マンションなどと同様に駅チカとなればなるほど家賃が高くなるという特徴があります。人口が多く人気のエリアは当然その分だけ家賃が高くなる傾向にあることに注意しましょう。

居室は一人用と二人用があります。広さは原則として25㎡となっていますが、実際には18㎡のところが多いのが実情です。(高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則 第8条より)

生活支援サービス費

生活支援サービス費用は安否確認や生活相談サービスなど、もともと備わっている介護サービスのための費用となります。そのため、個別で介護事業者と居宅サービスを利用した際の自己負担分とは別の金額となることに注意しましょう。

食費は1日1,000円~1,500円程度が相場です。月額に換算すると30日間で3~4.5万円が相場となっています。サ高住に備え付けのキッチンもあるので、自立型を利用している場合は部屋のキッチンで自炊することも可能です。自炊をする場合は食べたい時だけの与作をして、その分だけ食事代を支払うのが一般的です。

オプションの生活支援サービス費

オプションの生活支援サービス費としては、買い物代行や家事支援などのサービスがあります。介護度合によってオプションサービスを利用する場合は費用を追加で支払う点に注意しましょう。

また、それ以外にも

  • 消耗品代
  • 理容費
  • 服飾費
  • アクティビティ・レクリエーション費用

などの費用が発生するため、毎月サ高住に対して支払う費用以外にも支払いが発生する点に注意しましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の支払い方式

サービス付き高齢者向け住宅の支払い方法には月払い方式と前払い方式の2つがあり、それぞれで特徴が異なります。

月払い方式 前払い方式
入居時負担 少ない まとまった資金が必要
短期間で退去した場合の負担額 費用の総額は前払い方式より少ない 費用の総額は月払い方式より多い
長期間入居した場合の負担額 費用の総額は前払い方式より多い 費用の総額は月払い方式より多い

方式ごとの違いを知り、どちらのほうが入居者にとってのメリットになるのかを判断しましょう。

ほとんどの物件は月払い方式を採用

サービス付き高齢者向け住宅は多くの物件がありますが、ほとんどの場合で月払い方式を採用しています。月払い方式は、家賃などの費用を毎月支払うものであり、入居の際には一時金などの支払いが不要な場合も多いです。

家賃などの利用料を前払いしないため、前払い方式よりは月額のコストが高くなりやすいです。ただし、短期間での入居の場合はコストはそれほど高くないため、一定期間でサービス付き高齢者向け住宅を利用する人は、月払い方式の物件がおすすめでしょう。

前払い方式のルール

先に家賃の一部をまとめて支払うことが、前払い方式の特徴です。前払い方式は入居時にまとまった資金が必要であり、初期費用は大きくなりやすいです。しかし、家賃は月払い方式よりも安いことが多く、長期利用するならコスト負担は抑えられます。

短期間の入居の場合は、初期費用の高さからコストは高額になりやすいですが、長期間住む場合は、月払い方式よりも安価で住める点がメリットです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用を安くする方法

サービス付き高齢者向け住宅の費用は収入等に応じて家賃補助の支給を受けることで費用を安くすることができます

家賃補助は自治体などによっても支給されるかどうかが異なりますが、例えば東京都の千代田区、中央区、港区、墨田区、品川区、中野区、豊島区、北区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区などで提供されている家賃補助の入居資格は以下の通りです。

  • 原則として都内在住の方
  • 申込本人が60歳以上の単身者、又は60歳以上で同居者が配偶者若しくは60歳以上の親族
  • 収入制限あり(月額38万7千円以下もしくは48万7千円以下)

※市区町村により在住要件を課すなど多少条件が異なる場合があります。(東京都住宅政策本部「サービス付き高齢者向け住宅等の供給」)

家賃補助の適用を希望する場合は、お住いの自治体や入居を検討している地域のHPを確認してみましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの費用の違い

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いとして最も大きな違いは契約形態にあります。サービス付き高齢者向け住宅では住宅部分については建物賃貸借契約を結ぶとともに生活支援サービスを受ける場合はサービス利用契約を別途契約します。

一方で有料老人ホームは、利用権方式を採用しています。利用権方式とは、就寝に渡って居室と共用施設を利用する権利と介護や生活支援サービスを受けることができる権利です。

また、費用の違いは以下の通りです。

一般型(サ高住) 介護型(サ高住) 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム シニア向け分譲マンション
入居条件 自立~軽度の要介護度 要支援1~要介護5 施設により異なる 自立~軽度の要介護度 自立
介護
医療
月額利用料 13万~25万円 15万~35万円 15万~35万円 15万~35万円 5万~20万円
認知症の受け入れ ×
終の棲家になるか
契約方式 賃貸借契約 賃貸借契約 利用権方式 利用権方式 所有権方式

入居の条件や利用できるサービス、月額利用料などは施設によって異なります。また、サービス付き高齢者向け住宅の一般型とシニア向け分譲マンションは、月額利用料は食費を除いたものです。他にも認知症の受け入れが施設によって異なるなど、△に該当するものは施設ごとに確認しておきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用にまつわる注意点

単身での入居だけではなく、夫婦で入居できるサービス付き高齢者向け住宅もあります。夫婦での老後の生活を考えているなら、揃ってサービス付き高齢者向け住宅に入居することも、選択肢の1つです。

ただし、夫婦で入居する際にはさまざまな注意点があるため、これを把握して入居するかどうかを決めましょう。

夫婦での入居は可能だが2人部屋は少ない

サービス付き高齢者向け住宅は夫婦で入居することも可能ですが、2人部屋がある物件は少ないです。そのため、2人部屋の物件が見つからない場合は、同じ物件に入居しても別々の部屋に住むことになります。この場合は、コストが高くなるため注意しなければなりません。

ただし、一時金を倍額支払う必要はなく、夫婦で折半して支払うことが可能です。2人で入居できる物件なら月額利用料も折半できるため、より経済的に住める点が魅力です。コストを抑えたいなら、夫婦で入居できる物件を探してみると良いでしょう。

夫婦の身体状況が違う場合は入居できないことも

仮に2人部屋で入居する、あるいは夫婦別々で契約することを考えていても、お互いの身体状況次第では、どちらか一方が入居できないこともあります。例えば夫が自立可能な健康な状態でも、妻が重度の要介護者の場合は、妻はサービス付き高齢者向け住宅には入居できません。

もちろん、介護型を選ぶなら妻の入居は可能ですが、この場合は自立している夫が入居できなくなる点には注意しましょう。

一方が自立、もう一方が軽度の要介護度などの場合は、外部の介護サービスを利用することで入居は可能ですが、それぞれの身体状況に大きな違いがあると、同じ物件での同居は難しくなります。

サービス付き高齢者向け住宅について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

住み替えも視野に入れて余裕のある資金計画を立てよう

よりよいシニアライフを送るためには、サービス付き高齢者向け住宅への住み替えも検討して、資金計画を立てることが大切です。老後の生活では資金面での不安を抱える人は多いため、将来かかる費用を試算したり、現役時代に貯蓄を作っておいたりする必要があります。

人によってサービス付き高齢者向け住宅が向いているのか、他の施設が適しているのかは異なります。経済的な事情や身体状況などを考慮し、高齢者にもっとも適した選択肢を見つけましょう。