• 在宅介護
  • 【公開日】2021-01-12
  • 【更新日】2023-03-13

在宅介護の基本の知識!サービスや費用、家族の負担を徹底解説

在宅介護の基本の知識!サービスや費用、家族の負担を徹底解説

自分の家族が高齢となり介護について考え始めた時に、最初に在宅介護の可能性について検討を始める家族は少なくないはずです。さらに在宅介護は周囲の家族の負担が大きくなる傾向があることから、できれば介護サービスを積極的に利用して、在宅介護を効率的に行いたいと願う家族も多いことでしょう。

在宅介護を行う場合、具体的にどのような支援サービスを受けることができるのでしょうか。ここでは、在宅介護を始める前に知っておきたい、在宅介護時に利用できるサービスや月にかかってくる費用、また介護する側の心理的・肉体的な負担について解説して行きます。

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 在宅介護の基本

そもそも介護サービスには、大きく分けて3つの種類があります。具体的には「訪問介護」と「通所介護」、さらに「訪問介護と通所介護の複合型」の3つのサービスとなります。

自宅で介護を受けている方が利用できる介護サービスの幅は比較的広く、現在の心身の状態や家族環境、介護を受ける本人の希望などに沿って柔軟に介護サービスを受けることが可能となっています。

ここでは、在宅介護時に利用できる具体的な介護サービスや、在宅介護のメリットやデメリット、さらに在宅介護を行う際に家族が抱える悩みについて解説していきます。

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 在宅介護時に利用できる介護サービス

在宅介護を行う場合、実際の介護は同居している家族が行うことが大半です。全ての介護を家族だけで行おうとすると、家族の心理的・肉体的な負担が大きくなる可能性があります。

在宅介護時に利用できる介護サービスには様々な種類があることから、状況に応じて上手に利用することで家族の介護に対する負担を大幅に減らすことが可能となります。

ここでは、在宅介護時に利用できる介護サービスの具体的な内容について紹介します。

自宅で受けられる介護サービス

自宅で受けられる介護サービスとして、訪問介護や訪問看護があげられます。訪問介護の場合は自宅にホームヘルパーなどの介護者が訪問し、食事や排せつ、入浴などの介助、買い物や洗濯などの生活支援を行います。

訪問看護は看護師が自宅に訪問し、血圧や脈拍の測定や注射、点滴などの医療行為を行います。さらに必要に応じて、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが自宅に訪問し、適切な処置を行います。

また、自宅で受けられる介護サービスとして、事業者が利用者の自宅に浴槽を用意して、利用者の入浴の介助を行う「訪問入浴介護」というサービスもあります。訪問入浴介護サービスは、自宅の浴槽での入浴が困難な場合や、デイサービスの利用が難しい方が利用するサービスとなっています。

 施設に通う形のサービス

施設に通う形の介護サービスとしてデイケアやデイサービスなど、利用者が施設に通って利用するサービスがあります。

デイサービスには1日型や半日型があり、施設で食事や入浴、排せつの介助や様々なレクリエーションを行います。

デイケアは、病院や診療所などに通い日帰りでリハビリや入浴、食事などを行うサービスです。送迎車で送り迎えをしてもらいます。デイケアは通所リハビリテーションと呼ばれており、理学療養士や作業療養士、言語聴覚士などのリハビリの専門職が在籍しており、施設でリハビリテーションを受けることができます。

施設に通う形のサービスとしては、この他にも認知症に特化した「認知症対応型デイサービス」や、医療と介護の連携が行われる「療養型デイサービス」などが設置されています。

なおデイケアやデイサービスは、いずれも施設スタッフによる送迎が行われます。

 ショートステイ

「ショートステイ」とは、1日~30日までの短期間、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに入所してケアを受けるサービスです。

具体的には、介護する家族の負担軽減や、仕事や出張などで一時的に介護ができない場合の対応策として、在宅介護中の高齢者の心身の状態に応じて短期間施設に入所し、日常生活全般の介護を受ける支援サービスとなります。

ショートステイは、65歳以上で「要支援」「要介護」と認定された方が利用することが可能となっています。

 混合型

「混合型」とは、基本的にはデイサービスを利用しますが、必要に応じて自宅の訪問介護や訪問看護、ショートステイへと柔軟に切り替えられるサービスです。

混合型サービスは具体的には、「小規模多機能型居宅介護」「看護小規模多機能型居宅介護」があげられます。

いずれも地域密着型サービスであり、当該サービスを利用している間は、訪問リハビリテーションや居宅療養管理指導、他の事業所によるデイサービスや訪問介護を利用することはできないことから注意が必要です。

 在宅介護のメリット

上記で紹介したように、在宅介護にはいくつかの支援サービスが用意されています。しかし実際に介護の現場に直面した場合、在宅介護を行うかどうか頭を悩ませる家族も決して少なくはありません。

在宅サービスのメリットは、以下の3つがあげられます。

  1. 要介護者が住み慣れた場所で生活するため安心できる
  2. 施設への入居に比べて介護費用がかからない
  3. 家族や本人の状況に合わせて必要に応じたサービスを利用できる

現在は訪問介護の際に利用できる支援サービスが充実しており、上手に使いこなすことにより自宅にいても手厚い介護を行うことができる環境になっています。

 在宅介護における家族の悩み

在宅介護では様々な支援サービスを活用できることから、同居している家族も柔軟に介護生活を組み立てることができる反面、現実問題として在宅介護における家族の悩みは尽きることがありません

介護に直面している家族の多くは、具体的にどのような悩みを抱えているのでしょうか。ここからは、在宅介護における家族の悩みについて解説します。

 肉体的負担

在宅介護における家族の悩みとして、肉体的な負担があげられます。要介護者を抱きかかえたりお風呂に入れたりする作業は大きな肉体労働であり、長期間継続していると腰痛を発症してしまったり、介護をする側が肉体的なダメージを負ったりする可能性もあるのです。

 時間的負担

在宅介護における家族の悩みとして、時間的な負担もあげられます。家族が日常生活を送る中で、仕事や家事をこなす必要があります。忙しい日常の中でさらに介護に時間を割かれることになり、場合によっては仕事を辞めて収入源が途絶えた結果、生活が破綻することもあるのです。

 精神的負担

実際に介護生活は24時間365日続くことから、昼夜問わず世話をしなくてはならず精神的に大きな負担となります。

さらに、要介護者が認知症の場合は十分に意思疎通を取ることができず、場合によっては感情的な対応をされることもあります。家族の精神的な負担はさらに大きくなり、ストレスを抱えることになるでしょう。

介護離職とは

高齢者の増加とともに在宅介護をする方も増え、その中には介護離職の問題に直面する方もおられます。総務省「就業構造基本調査」によると、2017年に介護・看護を理由に離職した介護離職者数は9万9000人であり、年間約10万人の方が介護離職をしています

親の介護に時間や精神を消耗して仕事が続けられなくなるケースや、介護のために都会の仕事を辞めて親のいる田舎に帰り、新たな仕事を見つけることができないといったケースもあります。

介護離職に直面している方は年々増加傾向にあり、現在介護離職は社会問題となっています。

限界になる前に

ここまで紹介してきたように、在宅介護を行なっている家族は、精神的・肉体的な負担をかけています。長期間在宅介護が続けばやがて限界に達してしまう恐れもあるでしょう。

介護を行う際は、担当のケアマネジャーと相談してケアプランの見直しを行ったり、場合によっては在宅介護だけでなく老人ホームなどの施設入所も検討することをおすすめします。

介護を行う家族が倒れてしまうと、介護そのものが継続できなくなってしまいます。そうなる前に現在すでに存在している様々な介護支援サービスを活用して、少しでも家族の負担を減らすよう心がけましょう。

また老人ホーム・介護施設を探す際には、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では全国で約5万もの施設から、入居相談員がご本人様にぴったりの介護施設を紹介しています。

「幅広い選択肢から納得のいく施設を探したい」という方は、まずは無料相談をご利用ください。

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在宅介護で介護するなら

在宅介護を行う場合に気になるのが、介護にかかる費用です。施設での介護の場合は、初期費用や月々にかかる費用は施設によって決まっているためイメージが湧きやすい一方で、在宅介護の場合は個々の介護度合いなどによって変わってくることから、どの程度費用がかかるのか分かりにくい側面があります。

在宅介護を行う家族としても、介護に取り掛かる前にどの程度経済的な負担があるのか把握しておくことにより、計画的に介護に取り組むことができるので安心です。

ここでは、在宅介護を行う際に負担する費用やその内訳について具体的に解説します。

費用は?

在宅介護にかかる費用は、介護の期間や介護を受ける方の要介護度によって影響を受けます。介護の期間が長くなればなるほど、当然その期間に応じて介護にかかる費用は増えていきます。

さらに要介護度が高ければ使用する物品が増えるとともに、介護保険の負担割合が増加することから費用がさらにかかる傾向があります。介護を行う家族にとっても、費用面での負担が大きくなるのはできれば避けたいところです。

ここでは、在宅介護にかかる費用の内訳として、初期費用や月額の費用などについて解説していきます。

 初期費用は?

一般企業が行った介護費用に関する調査結果によれば、介護の初年度にかかった費用は平均98.1万円という結果が出ています。

とりわけ住宅の改修工事に費用がかかり、手すりやスロープの設置など自宅のリフォーム代金に平均132万円程度かかっています。

さらに医療費や福祉用具の購入代金・レンタル代金などにお金がかかる傾向があります。人によっては施設への入居を検討し、入所一時金として数十万円前後のお金がかかっている方も多くおられます。

月額でかかる費用は?

在宅介護を行なった場合、毎月介護に関連して発生する金額は平均5万円前後と言われています。月額でかかる費用は、大きく「介護サービス利用代金」と「介護サービス以外の費用」に分かれます。

介護サービス利用代金としては、主にデイケアやデイサービス、ホームヘルパーなどの利用料金となります。介護サービス以外の費用としては、おむつ代や福祉用品のレンタル代、リフォームの分割支払い金などがあげられます。

 一概に在宅介護が安いと言えない理由

介護を始める方の多くが、施設での介護よりも在宅介護の方が費用を安く抑えられると認識してますが、一概に在宅介護が安いと言えないため注意が必要です。

介護期間は平均して5~10年ほど続くと言われています。たとえ毎月の介護費用の支出がそれほど多くなくとも、介護の期間が長くなるほど結果として負担する費用の額は大きくなるのです。

さらに介護期間が長くなれば要介護度も上がっていく傾向があります。要介護度が上がるにしたがって支給金額が増えますが個々のサービスによっては利用料金も高くなり、要介護度4や5になると大きく支出が増えることになります。

 ケアマネジャーとの関係性が大切

在宅介護の場合には、担当のケアマネジャーとの関係性が大切になります。ケアマネジャーは要介護者のケアプランを作成してくれたり、要介護認定の手続きを手伝ってくれたりする重要な役割を担っており、在宅介護を行う要介護者のパートナーと言えるでしょう。

介護を受ける方やその家族の中には、ケアマネジャーに必要以上に気を使い、要望や抱えている不安を完全に伝えきれない方もいるようです。

しかし、在宅介護は長期化する傾向があることから、ケアマネジャーとはしっかりと連携して介護を進めることが必要です。ケアマネジャーに自分の希望を伝えたり、質問をするのは介護に向き合う上でとても大切になるのです。

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在宅介護で介護負担を軽減しよう

今回は在宅介護に関する基本的な知識を解説しました。まだまだ元気だと思っていた親も、やがて年老いて介護を必要とする時がやってきます。多くの方は介護に直面するまでは介護に関する知識がないことから、中には自分たちで抱え込んでしまう場合があります。

在宅介護は思っている以上に家族の肉体的・精神的な負担が大きいものです。また費用の面でも負担は大きくなることから、全て自分たちで行うのではなく必要な支援サービスを利用することをおすすめします。

現在は介護に関する公的な支援も豊富に用意されており、介護のスタイルや要介護度に応じて柔軟に対応できるようになっています。在宅介護の人が利用できるサービスも多いことから、それらの支援をうまく使いながら介護生活を送ると家族の負担も軽減することでしょう。

在宅介護の負担は大きいものの、介護を受ける側にとっては安心した環境下で介護を受けることができるメリットもあります。今回の記事を参考にして、在宅介護に関する基礎知識を深めてみてはいかがでしょうか。

在宅介護時に利用できる介護サービスに何がありますか?

「訪問介護」や「訪問看護」などの自宅で受けられる介護サービスや、「デイケア」や「デイサービス」など利用者が施設に通って利用するサービスがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

在宅介護と施設に入れるとで、どちらの方が安いでしょうか?

一般的には、施設での介護よりも在宅介護の方が費用を安く抑えられます。しかし、たとえ毎月の介護費用の支出がそれほど多くなくとも、介護の期間が長くなるほど結果として負担する費用の額は大きくなります。詳しくはこちらをご覧ください。

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