在宅で親の介護をしている方や親に認知症の兆候が出始めたという方の中には、自宅での生活が難しくなると感じ、有料老人ホーム(以下、老人ホームという)などの高齢者施設(以下、施設という)への入居を検討する時期がくることがあります。親を施設に入れるにあたっては施設入居の全体観を把握しておくことが重要です。
親を施設に入れるまでの流れとしては、以下の5つの手順があります。
- 本人・家族で話し合う
- 施設の情報を収集する
- 条件に合った施設を選ぶ
- 施設の見学・体験入居
- 契約して入居する
施設に入居するまでの期間は平均1カ月程度と見積もっておきましょう。
今回は親を施設に入れるまでの手順から、施設に入るタイミング、また親が施設への入居を嫌がった場合の対処法まで解説していきます。
親を施設に入れるまでの手順
親を施設に入れるまでの手順は以下の5ステップです。
- 本人・家族で話し合う
- 施設の情報を収集する
- 条件に合った施設を選ぶ
- 施設の見学・体験入居
- 契約して入居する
それぞれのステップごとに具体的な方法を説明していきます。
本人・家族で話し合う
親の施設入居を検討する時にまず最初にするべきことは、本人を含めた家族全員での話し合いです。
実際に施設に入居するのは親本人なので、認知能力が衰えていない場合は親を含めて話し合いをしておくことが重要です。場合によっては本人が施設への入居を拒んでしまう場合もありますが、その場合は在宅介護が難しくなってきていることや施設に対するイメージや先入観などを親の気持ちに寄り添いながら慎重に対応説得しましょう。
また、親だけではなく兄弟姉妹と話し合っておくことも重要です。施設に入居する場合は入居一時金だけではなく月額費用も高額になる可能性があるので、親の資産で不足が出た際に、兄弟や姉妹がいくらなら出せるのかを確認しておくことも重要です。
遠方に住んでいて在宅介護にかかわっていない兄弟姉妹や親せきがいる場合は施設への入居に難色を示すこともありますが、その場合は在宅介護の大変さを知ってもらい後から「なぜ勝手に入居させたのか」と言われないように事前に相談しておきましょう。
施設の情報を収集する
親を施設に入れるまでの2ステップ目は、入居する施設の希望条件をまとめ施設の情報を収集することです。希望条件はマストで満たしておくべき必須条件と、必須ではないが希望している条件を切り分けて整理しましょう。
具体的な希望条件として代表的なものは以下のものが挙げられます。
- 立地・周辺環境
- 費用
- 入居条件
- 医療・介護体制
- 居室のタイプ
- 共用施設
それぞれの条件について簡単に説明していきます。
立地・周辺環境
まず最初に整理しておくべき希望条件は立地・周辺環境です。というのも、仮に施設のサービスが良かったとしても立地が悪く面会に行きづらいなどの問題が起こると、家族も訪問しづらくなるからです。立地・周辺環境を選ぶポイントとしては、
- 自宅に近い立地を選ぶ
- 駅から交通の便が良い立地を選ぶ
- 周辺に公園や商業施設などが充実した立地を選ぶ
- 自然環境が豊かな立地を選ぶ
など上げられます。家族が訪問しやすいかどうかという観点と、入居する親が快適に過ごしやすいかどうかという観点から整理していきましょう。
費用
次に整理しておくべき希望条件は費用です。主に老人ホームに入居する時にかかる費用は、入居時の入居一時金と月額費用の二つの費用があります。金額は施設によって千差万別で、入居一時金は0~数千万円、月額費用は10~数十万円と幅があるのが現実です。
入居一時金・月額費用の予算を出す際は、現在、親の貯金・年金がいくらあるのかを確認し不足分を誰が賄うのかを事前に整理しておきましょう。
その際に入居年数の見通しを立てておくことは重要です。生命保険文化センターの2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると平均介護期間は5年1カ月とされており、年金だけで費用が足りず貯金を切り崩して支払う場合は、何年間賄えるのかを逆算して月額費用の目安を立てておきましょう。
入居条件
次に、各施設の入居条件を確認・整理しておくことも重要です。施設によっては認知症の方や24時間常時医療的なケアが必要な方を受け入れられない施設もあります。
また、終身に渡って利用することを検討している場合は、看取りまで受け入れている施設を選ぶ必要があります。要介護認定を受けている場合や特別な処置を必要とする場合は、各施設のポータルサイトなどで「要介護○以上」「胃ろう/痰の吸引」などの条件を使って絞り込みをしてみましょう。
医療・介護体制
介護施設によって医療・介護スタッフが24時間対応している施設や、近隣の医療機関と提携している施設もあります。
現在の親の状況から24時間体制で介護を受ける必要があるのか、もしくは食事や入浴などの日常生活介助で事足りるのかを判断し、入居する施設の医療・介護体制を確認していきましょう。
居室のタイプ
老人ホームなど高齢者向けの施設の居室は、大きく分けて4種類あります。まず個室か多床室(相部屋)か、従来型かユニット型かという二つの観点から4つのタイプに分けることができます。
ユニット型とは、10人前後の「ユニット」という少人数のグループごとに介護する「ユニットケア」に則った部屋で、中央に共同生活室を備えているのが特徴です。
名称 | 特徴 |
---|---|
ユニット型個室 | 9人程度のユニットを組み、中央に共同生活室を置いた完全個室型の部屋。 |
ユニット型個室的多床室 | 9人程度のユニットを組み中央に共同生活室を置いている。部屋は大部屋を簡易的な壁で仕切っているので、完全個室ではない部屋。 |
従来型個室 | ユニット型の介護を取り入れておらず、壁で区切られた完全個室のタイプの部屋 |
従来型多床室 | 病院のようなイメージで、カーテンなどで区切られた相部屋タイプの部屋 |
共用施設
老人ホームによっては共用設備に温泉やジム、リハビリ施設などが併設されていることがあります。
費用面で余裕がある場合は、親が充実した暮らしをするためにどのような共用設備があると嬉しいか事前に親に確認し整理しておきましょう。
条件に合った施設を選ぶ
親を施設に入れるまでの3つ目のステップは、老人ホーム紹介センターなどの施設が掲載されているポータルサイトから条件に合致している施設を選ぶことです。まずは希望しているエリアの相場がどのくらいかを把握しながら、自分の予算と合っているところはどこかを選んでいきましょう。
施設を絞り込む際のポイントとしては、
- 入居一時金・月額費用が予算内か
- 自分の住んでいる家から施設までどのくらいかかるか
- 共用設備にはどのような設備があるのか
- 看取り・認知症、医療ケアなどが十分か
などの観点で絞り込んでいきましょう。
老人ホームの施設の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
施設の見学・体験入居
親を施設に入れるまでの4つ目のステップは、施設の見学と体験入居です。施設を絞り込んだら、気になる施設を2~3施設ほど見学してみましょう。
見学時は施設のスタッフがはきはきとしているかどうかや、臭いや設備環境などをチェックしておきましょう。具体的にチェックするべきポイントは以下の通りです。
- 介護スタッフの表情が明るいか
- どの程度の介護度の方が入居しているか
- 入居者の男女比や年齢層はどのくらいか?
- 看護師の体制はどうか?(24時間サポートか)
- 食事のバリエーションが少なくないか
- 居室の間取りや広さは十分か
- 多床室(相部屋)はプライバシーが担保されているかどうか
また、施設の概要や職員の配置、サービス内容をまとめた「重要事項説明書」をパンフレットとともに入手しましょう。見学が終了したら体験入居ができる施設もあるので、実際に体験入居をしてみていくつかの施設を比較して入居する施設を決めましょう。
契約して入居する
親を施設に入れるまでの5つ目のステップは、契約して入居をすることです。介護施設が決まったら申込、面談を経て契約を結び入居することとなります。
契約の際は、戸籍謄本や住民票に加えて
- 健康診断書
- 診断情報提供書
などの現在の身体の状況を把握することができる書類の提出が必要となることに注意しましょう。
施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
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なお、老人ホームに入るにはほかにも様々な条件があります。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
親を施設に入れるタイミング
親を施設に入れるタイミングとしては、以下のような場合が挙げられます。
- 介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時
- 在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時
- 在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時
中でも、内閣府の世論調査によると「家族の肉体的負担を減らすため」が全体の71.9%と最も多く、次に「家族の精神的負担を減らすため」で61.6%と介護者の負担がタイミングとして最も多いことがわかります。
それぞれの場合について具体的なシチュエーションをもとに紹介していきます。
介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時
親を施設に入れるタイミングとしてよく挙げられるのが、身体的な衰えによる事故です。ホームヘルパーや家族など介護者がそばにいない時に起こる転倒などによる「けが」などがあたります。
具体的には以下のようなシチュエーションが挙げられます。
- 散歩をしていて転倒してけがをした
- 家の中で階段から転落してけがをした
- 一人で家にいる時に病気の発作などが起きてしまった
やはり、介護者がいないときに身体的な危険を感じた時は、親を施設に入れるタイミングと言えるでしょう。
認知症の方を施設に入れるタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時
親の介護を子供がしている時に、子供が身体的に限界を感じてしまった時などは親を施設に入れるタイミングとして適していると言えるでしょう。
例えば、介護者である子供が腰などを痛めて介護ができなくなった場合、過度な身体的な疲れから介護者である子供が入院してしまい介護者がいなくなってしまった時などが挙げられます。
介護保険サービスを利用してホームヘルパーが家に訪問する場合でも、最も親と時間を過ごすことが多いのは子供などの主介護者です。その介護者が身体に不調をきたし介護することができなくなった場合は施設に入るタイミングと言えるでしょう。
親がパーキンソン病で施設に入れるタイミングが知りたい方はこちらもご覧ください。
在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時
親施設に入るタイミングとして多いと言えるのが、介護者が精神的な限界を感じた時です。例えば、以下のような場合が挙げられます。
- 認知症の親が夜中に歌を大声で歌ったり、奇声を発したりしている
- 介護のために夜中夜なかでもトイレに付き添っているたりしなくてはならない
- 認知症の症状として、暴言や暴行が頻発している
このように介護者のストレスが蓄積されていった場合、ネグレクトや介護者による家庭内暴行にもつながりかねないため、精神的ストレスが限界を感じたときは親を施設に入れるタイミングとして適していると言えるでしょう。
親の介護のストレスを解消する方法を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
親が施設に入りたがらない時の対処法
次に、親が施設に入りたがらない時の対処法について解説していきます。親によっては、「親を介護施設に入れるなんて親を捨てるのと同然だ」と考える方がいるのも事実です。
そこで親が施設に入りたがらない理由と説得の方法、説得以外で親に施設に入ってもらうための対処法について解説していきます。
親が施設に入りたがらない理由
親が施設に入りたがらない理由としては、「家族に捨てられる」「家族は自分を邪魔ものだと思っている」などの親の被害者意識からくる不安感や、「住み慣れた家で最期まで暮らしたい」という環境を変えたくない気持ちが多くあります。
内閣府の調査では、親が施設に入りたがらない理由として「住み慣れた自宅で生活を続けたいから」が85.6%、「施設で他人の世話になるのは嫌だから」が21.8%、「他人との共同生活をしたくない」からが21.7%と、住み慣れた自宅で生活を続けたいという気持ちが最も大きいことがわかります。
親が施設に入りたがらない理由を掘り下げて考えてみましょう。
見捨てられたと感じる
親の世代によっては、「親の介護は子供や義理の息子・娘が行うべき」という価値観を持っている世代もあります。また、地域によってもこのような価値観が根強い地域もあります。
そのため、親が介護施設に入りたがらない理由として「見捨てられた」と感じることによる不安感などがあります。施設への入居は「子供が自分に対して愛情を持っていない証」として解釈してしまうことも多いので、そのことに対する怒りから強烈な反発が起こることもあるのです。
住み慣れた家で最期まで暮らしたい
親が施設に入りたがらない理由として「住み慣れた家で最期まで暮らしたい」という気持ちから、介護施設に入ることを拒否していることがあります。
人間は誰でも今ある環境から離れるのにストレスを感じるものですが、その環境に長くいればいるほどその気持ちは高まります。したがって高齢の親で長く現在の家に住んでいた場合は、住み慣れた家で暮らしたいという気持ちから入居を断ることがあるのです。
自分に介護は必要ないと思っている
親が施設に入りたがらない理由として多いのが、「まだまだ自分は大丈夫」など介護される自分を受け入れられないというケースです。
これまでに大きなけがや病気をしてこなかった親にとっては、自尊心や今までの経験から自分は元気で介護は必要ないと考えていることも少なくありません。
自尊心から介護される自分を受け入れられないという気持ちで施設に入りたがらないこともあるのです。
施設に入りたがらない親を説得する方法
施設に入居したくないと考えている親を説得する方法としては、子供から親に愛情を伝えたうえで話し合いをしたり、第三者に話をしてもらう方法があります。
それぞれ具体的に説明していきます。
子供からの愛情を伝えて話し合う
施設に入りたがらない親を説得する方法としては、まずは介護者である子供や孫がいるなら孫からも愛情を伝えることが重要です。
調査では「住み慣れた家で過ごしたい」という気持ちが最も多くなっていますが、その根底にはやはり子供と離れたくない気持ちや見捨てられたくないという気持ちがあることが多くあります。それらを打ち消すためにはやはりご家族からの愛情を伝えることが重要です。
- 「いつまでも元気でいてほしいからもっと良い環境で過ごしてほしい」
- 「もっと元気になってまた一緒に過ごしたい」
など、施設に入るのは介護者である子供の負担を軽減するためではなくて、親のためだということを伝えましょう。
第三者から話をしてもらう
次に、子供以外の第三者から話をしてもらうことも一つの方法です。自分で親を説得できないときは、親戚や主治医、やケアマネジャーから親に伝えてもらいましょう。
特に主治医やケアマネジャーなどの第三者が伝えることによって、子供に言われるよりも受け入れやすくなる場合があります。「子供に見捨てられた」と感じさせないためにも、自分で伝えられないときは第三者を頼りにしてみましょう。
施設での生活を親に伝える
親を説得する3つ目の方法は、施設での生活が具体的にどのようなものであるのかを親に伝えることです。
老人ホームによっては、温水プールや温泉、ジムを備えている施設もあります。また、他の入居者を友人を増やすものとして伝えるなど、必ずしも施設への入居がネガティブではないということを伝えましょう。
説得する以外で親に施設に入ってもらう方法
説得する以外で親に施設に入ってもらう方法としては、事前にショートステイなどを用いて家以外の環境に適応してもらう他、多少無理にでも入居を進めていく方法があります。
ショートステイを利用する
説得以外で施設に入ってもらう方法として、ショートステイから利用して徐々に環境に慣れさせる方法があります。
施設に入りたくない親としては見知らぬ施設に抵抗感を覚えていることもあるため、まずは慣れさせることが重要です。いきなり入居は難しくとも、前に行ったことがある施設なら入居を考えてくれることもあります。
ショートステイが利用できる施設が知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。
「施設選びで失敗したくない」という方は、ご気軽に活用ください。
ピッタリの施設の見学を相談
多少無理にでも入居を進める
次に、多少無理にでも入居してもらう方法ですが、嫌がっていたとしても実際に入居してみると案外楽しそうにしているというケースは少なくありません。現実的には、喜んで入居する親は少なく、どちらかというと仕方なくというケースの方が多いとも言えます。施設側も入居を嫌がる親の対応はある程度想定内であり、対応もスムーズに行うことができます。
ただし、多少無理に入居を進める方法は後々施設側に迷惑をかけて強制退去となったりトラブルを引き起こすリスクもあるので、よく考慮して進めるようにしてください。
認知症の方の強制入所について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
親を施設に入れるを施設に入れる時の注意点
親を施設に入れる時にやってはいけない注意点としては、感情的な説得です。
- 「もう家では見てられないから施設に入って!」
- 「このままだと私が壊れてしまう!」
など、感情的な議論は親の入りたくない気持ちを激化させることがあります。高齢の親にとっては、住み慣れた家から離れることの不安感があることを受け止めたうえで、じっくりと話を聞くことが必要です。
親を施設に入れる時は感情的にならず、冷静に親のためを思っていることを伝えましょう。
介護によっておこる家族崩壊について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
親を施設に入れる時の費用
親施設に入居する際、必要となる費用は、月々10万円程度の比較的費用の安い施設から、50~100万以上の高級老人ホームまで様々です。したがって、親が在宅で生活できた額の年金を受給している場合でも、施設によっては年金だけで賄うことができない場合もあります。
また、高齢者施設には、公的機関が運営する公的施設と各種法人や株式会社が運営する民間施設の2種類があります。公的施設の場合は比較的費用が安くなる場合もありますが、待機者が多く入居待ちとなることもあるので注意しましょう。
以下の表は、高齢者施設の種類ごとの費用一覧です。公的施設では入居一時金がかからない一方で、民間施設は入居一時金が場合によっては数百万円以上かかることに注意しましょう。
運営 | 名称 | 初期費用(入居一時金・敷金) | 月額利用料 |
---|---|---|---|
公的 | 特別養護老人ホーム(特養) | なし | 5~15万円 |
老人保健施設(老健) | なし | 6~17万円 | |
介護療養型医療施設(療養病床) ※2024年3月末に完全廃止 |
なし | 6~17万円 | |
介護医療院 | なし | 6~17万円 | |
民間 | グループホーム | 0~100万円 | 12~18万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 10~35万円+介護費用 | |
介護付き有料老人ホーム | 0~1億円 | 10~40万円+介護費用 | |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 0~数十万円 | 8~20万円+介護費用 | |
ケアハウス(軽費老人ホーム) | 0~数百万円 | 8~20万円+介護費用 |
老人ホームの費用について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
親を施設に入れる時の罪悪感との向き合い方
人によっては親を施設に入れることで罪悪感を感じたり、施設に入れた後に後悔してしまうことも少なくありません。
在宅での介護を続けていると、親が認知症を患ってしまった場合は暴言や暴行など以前の親では想像できなかったような態度で接してきたり、認知症でなくても介護をしている自分には厳しく、介護をしていない兄弟姉妹には優しく接するなど理不尽なことがあるかもしれません。
それによって、「早く介護が終わってほしい」という気持ちが沸き起こってきたり、場合によっては親に対して暴言を吐いたり暴力を振るってしまうこともあります。その時々の状況で施設に入ってもらうという選択肢は一つの正しい選択肢であることをまず念頭に置きましょう。
ケガをしたときに病院に行って医師に診察をしてもらったり、髪が伸びたら美容師に髪を切ってもらったりするのと同様に、介護が必要になったら専門職である介護職員に面倒を見てもらうというのも立派な選択肢なのです。
どうしても親を施設に入れたことへの罪悪感が抜けなければ、身近なケアマネジャーや地域包括支援センターの職員に相談したり、入居後は頻繁に面会に行くなどアフターケアを行って在宅介護以外の形で親の介護に携わりましょう。
親を施設に入れる手順を知ってスムーズに入居を進めよう
最期に、親を施設に入れるための手順をもう一度、振り返りましょう。
まずは、親や兄弟姉妹との話し合いから始めます。
その際は親が施設への入居を嫌がることもあるので、慎重に冷静に親と話し合いをを続けましょう。親にとっても住み慣れた家を離れるのに抵抗感があるのも仕方がないことです。
施設がどのようなところかまずは自分が理解して、親に説明することによって入居をスムーズに進めましょう。
親を施設に入れる手順としては、以下の5つがあります。
- 本人・家族で話し合う
- 施設の情報を収集する
- 条件に合った施設を選ぶ
- 施設の見学・体験入居
- 契約して入居する
詳しくはこちらをご覧ください。
親を施設に入れるタイミングとしては、
- 介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時
- 在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時
- 在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時
などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。