• 親の介護
  • 【公開日】2022-07-08
  • 【更新日】2023-10-18

親を施設に入れる手順は?タイミングから嫌がった時の対処法まで解説!

親を施設に入れる手順は?タイミングから嫌がった時の対処法まで解説!

在宅で親の介護をしている方や親に認知症の兆候が出始めたという方の中には、自宅での生活が難しくなると感じ、有料老人ホーム(以下、老人ホームという)などの高齢者施設(以下、施設という)への入居を検討する時期がくることがあります。

親を施設に入れるにあたっては施設入居の全体観を把握しておくことが重要です。

親を施設に入れるまでの流れとしては、以下の4つの手順があります。

  1. 本人・家族で話し合う
  2. 施設の情報を収集する
  3. 施設の見学・体験入居
  4. 契約して入居する

施設に入居するまでの期間は平均1カ月程度と見積もっておきましょう。

今回は親を施設に入れるまでの手順から、施設に入るタイミング、また親が施設への入居を嫌がった場合の対処法まで解説していきます。

在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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親を施設に入れるまでの手順

親を施設に入れるまでの手順は以下の4ステップです。

  1. 本人・家族で話し合う
  2. 施設の情報を収集する
  3. 施設の見学・体験入居
  4. 契約して入居する

それぞれのステップごとに具体的な方法を説明していきます。

STEP①本人・家族で話し合う

親の施設入居を検討する時にまず最初にするべきことは、本人を含めた家族全員での話し合いです。

実際に施設に入居するのは親本人なので、認知能力が衰えていない場合は親を含めて話し合いをしておくことが重要です。

場合によっては本人が施設への入居を拒んでしまう場合もありますが、その場合は在宅介護が難しくなってきていることや施設に対するイメージや先入観などを親の気持ちに寄り添いながら慎重に対応説得しましょう。

また、親だけではなく兄弟姉妹と話し合っておくことも重要です。施設に入居する場合は入居一時金だけではなく月額費用も高額になる可能性があるので、親の資産で不足が出た際に、兄弟や姉妹がいくらなら出せるのかを確認しておくことも重要です。

遠方に住んでいて在宅介護にかかわっていない兄弟姉妹や親せきがいる場合は施設への入居に難色を示すこともありますが、その場合は在宅介護の大変さを知ってもらい後から「なぜ勝手に入居させたのか」と言われないように事前に相談しておきましょう。

STEP②施設の情報を収集する

家族としての方針が定まったら、入居する施設の希望条件をまとめ施設の情報を収集していきましょう。

施設を探し始めてから、目ぼしい施設を絞り込むまでは「施設探し」「絞り込み」「問い合わせ」の3つの段階に分かれています。

それぞれについて詳しく解説して行きます。

2-1.候補となる施設を探す

施設の情報を収集する際の方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 介護施設探しのポータルサイトで探してみる
  • 地域包括センターに相談してみる
  • インターネットで「〇〇町 介護施設」などで検索してみる
  • ケアマネージャーに相談してみる

多くの施設の情報に触れることなると思いますがこの時点では難しく考えず、良さそうだなと思ったものをストックして行くことをおすすめします。

2-2.希望条件に基づいて絞り込む

第一印象で好ましい施設が集まったら、本人・ご家族の希望条件に合致している施設を絞り込んでいきましょう

希望条件はマストで満たしておくべき必須条件と、必須ではないが希望している条件を切り分けて整理しましょう。

施設を絞り込む際のポイントとしては、以下のような観点で絞り込んでいくことがおすすめです。

考えておきたいポイント 詳細
立地・周辺環境
  • 自宅から面会に通える施設か
  • 駅から交通の便が整っている施設か など
費用
  • 予算内に費用は収まるのか
  • どうやって介護費用を捻出するのか など
入居条件
  • 入居条件に親は該当しているのか など
医療・介護体制
  • 親が必要とするケアは受けられるのか
  • 終身まで利用できる環境なのか など

老人ホームの施設の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

2-3.施設に問い合わせる

目ぼしい施設がいくつかに絞れたら、施設に問い合わせて資料請求をしましょう

ホームページやナビサイトはもちろん重要な参考になりますが、更に詳しく施設のことについて知るうえではパンフレットを貰っておいて損はありません。

施設によっては毎月の取り組みやレクリエーションなどの模様をまとめた広報誌を発刊していることもあり、施設の雰囲気が掴みやすくなることも多いです。

STEP③施設の見学・体験入居

目ぼしい施設が固まったところで、実際に施設に脚を運んでみましょう。

他の施設と比較・検討してみることも大切なため、2~3施設程度は回ってみることをおすすめします。

施設への訪問は主に「見学」と「体験入居」に分かれているため、それぞれについて解説して行きます。

3-1. 数施設を見学する

インターネットや施設の電話番号から連絡すると、施設への見学の申し込みをすることができます。

老人ホームは特別な事情を除いて全ての施設が見学を受け付けているため、まずは気軽に連絡をしてみましょう。

見学時に関しては、施設のスタッフの対応がハキハキとしているかどうかや、臭いや設備環境などをチェックしてみることをお勧めします。

具体的にチェックするべきポイント例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 介護スタッフの表情が明るいか
  • どの程度の介護度の方が入居しているか
  • 入居者の男女比や年齢層はどのくらいか?
  • 看護師の体制はどうか?(24時間サポートか)
  • 食事のバリエーションが少なくないか
  • 居室の間取りや広さは十分か
  • 多床室(相部屋)はプライバシーが担保されているかどうか
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3-2. 余裕があれば体験入居をする

「更に実際の雰囲気を確かめてみたい」という方は、本人の同意のうえで体験入居をしてみることをおすすめします。

実際に施設に宿泊し、提供される介護サービスやレクリエーションを実際に体験することができるため、より入居後とのギャップをなくすことができます。

体験入居に関しては、施設によって実施している施設としていない施設が存在するため、気になった施設があれば見学時に確認してみると良いでしょう。

STEP④契約して入居する

見学を行った施設で本人や家族が納得したなら、あとは契約を結んで入居までの手続きを行うことになります。

必要書類の手配や、担当者との面談などの手続きが存在するため、それぞれに分けて解説して行きます。

4-1. 必要書類の準備

まずは必要な書類を手配しましょう。

入居にあたって必要になる書類は施設によって異なりますが、主に以下のような書類の提出を求められることになります。

  • 入居申込書
  • 健康診断書/診療情報提供書
  • 保険証類
  • 印鑑

※施設によって必要書類や必要なタイミング(入居申し込み時、契約時、利用開始時等)は異なるため、あらかじめ施設担当者に確認しておきましょう。

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4-2. 入居申し込み・審査

必要書類を揃えて申し込みをします。

その際には施設側の担当者との面談・審査が行われることになります。

この段階の審査は「施設側が本人を責任をもって預かれるか」を判断するためのものです。

具体的には本人の「要介護度」「医療ケアが必要か」「収入」などが見られます。

というのもあまりに要介護度が高く、常時の介護や医療ケアが必要であれば施設によっては対応が難しい場合があります

そのほか毎月の月額費用が払えるかも重要な観点です。

ただ老人ホームの入居は元々支払いの保証人を立てるため、金銭面での審査はあまり厳しいものではありません。

収入が月額費用ギリギリでも審査が通ることも多いですし、収入が多い方が有利というわけでもないため安心しておきましょう。

4-3. 契約して入居

面談・審査が終われば、契約が完了します。

あとは担当者と入居日を決めて、引っ越しなどの入居の準備を進めることになります。

施設ごとに用意されている備品や持ち込めるものは異なる場合があるため、どうしても持ち込みたいものがあれば確認しておきましょう。

また「急に環境が変わるのが不安…」という方は、入居したての頃は自宅と老人ホームの半分ずつで生活するということも可能な場合があります。

ほかにも環境の変化に不安があれば、最後の面談の時に尋ねてみると良いでしょう。

また施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

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親を施設に入れるタイミング

親を施設に入れるタイミングとしては、以下のような場合が挙げられます。

  • 介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時
  • 在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時
  • 在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時

中でも、内閣府の世論調査によると「家族の肉体的負担を減らすため」が全体の71.9%と最も多く、次に「家族の精神的負担を減らすため」で61.6%と介護者の負担がタイミングとして最も多いことがわかります。

それぞれの場合について具体的なシチュエーションをもとに紹介していきます。

介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時

親を施設に入れるタイミングとしてよく挙げられるのが、身体的な衰えによる事故です。

ホームヘルパーや家族など介護者がそばにいない時に起こる転倒などによる「けが」などがあたります

具体的には以下のようなシチュエーションが挙げられます。

  • 散歩をしていて転倒してけがをした
  • 家の中で階段から転落してけがをした
  • 一人で家にいる時に病気の発作などが起きてしまった

やはり、介護者がいないときに身体的な危険を感じた時は、親を施設に入れるタイミングと言えるでしょう。

認知症の方を施設に入れるタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時

親の介護を子供がしている時に、子供が身体的に限界を感じてしまった時などは親を施設に入れるタイミングとして適していると言えるでしょう。

例えば、介護者である子供が腰などを痛めて介護ができなくなった場合、過度な身体的な疲れから介護者である子供が入院してしまい介護者がいなくなってしまった時などが挙げられます。

介護保険サービスを利用してホームヘルパーが家に訪問する場合でも、最も親と時間を過ごすことが多いのは子供などの主介護者です。その介護者が身体に不調をきたし介護することができなくなった場合は施設に入るタイミングと言えるでしょう。

親がパーキンソン病で施設に入れるタイミングが知りたい方はこちらもご覧ください。

在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時

親施設に入るタイミングとして多いと言えるのが、介護者が精神的な限界を感じた時です。例えば、以下のような場合が挙げられます。

  • 認知症の親が夜中に歌を大声で歌ったり、奇声を発したりしている
  • 介護のために夜中夜なかでもトイレに付き添っているたりしなくてはならない
  • 認知症の症状として、暴言や暴行が頻発している

このように介護者のストレスが蓄積されていった場合、ネグレクトや介護者による家庭内暴行にもつながりかねないため、精神的ストレスが限界を感じたときは親を施設に入れるタイミングとして適していると言えるでしょう。

親の介護のストレスを解消する方法を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

親が施設に入りたがらない時の対処法

次に、親が施設に入りたがらない時の対処法について解説していきます。

親によっては、「親を介護施設に入れるなんて親を捨てるのと同然だ」と考える方がいるのも事実です。

そこで親が施設に入りたがらない理由と説得の方法、説得以外で親に施設に入ってもらうための対処法について解説していきます。

親が施設に入りたがらない理由

親が施設に入りたがらない理由としては、「家族に捨てられる」「家族は自分を邪魔ものだと思っている」などの親の被害者意識からくる不安感や、「住み慣れた家で最期まで暮らしたい」という環境を変えたくない気持ちが多くあります。

内閣府の調査では、親が施設に入りたがらない理由として「住み慣れた自宅で生活を続けたいから」が85.6%、「施設で他人の世話になるのは嫌だから」が21.8%、「他人との共同生活をしたくない」からが21.7%と、住み慣れた自宅で生活を続けたいという気持ちが最も大きいことがわかります。

親が施設に入りたがらない理由を掘り下げて考えてみましょう。

見捨てられたと感じる

親の世代によっては、「親の介護は子供や義理の息子・娘が行うべき」という価値観を持っている世代もあります。また、地域によってもこのような価値観が根強い地域もあります。

そのため、親が介護施設に入りたがらない理由として「見捨てられた」と感じることによる不安感などがあります。

施設への入居は「子供が自分に対して愛情を持っていない証」として解釈してしまうことも多いので、そのことに対する怒りから強烈な反発が起こることもあるのです。

住み慣れた家で最期まで暮らしたい

親が施設に入りたがらない理由として「住み慣れた家で最期まで暮らしたい」という気持ちから、介護施設に入ることを拒否していることがあります。

人間は誰でも今ある環境から離れるのにストレスを感じるものですが、その環境に長くいればいるほどその気持ちは高まります。

したがって高齢の親で長く現在の家に住んでいた場合は、住み慣れた家で暮らしたいという気持ちから入居を断ることがあるのです。

自分に介護は必要ないと思っている

親が施設に入りたがらない理由として多いのが、「まだまだ自分は大丈夫」など介護される自分を受け入れられないというケースです。

これまでに大きなけがや病気をしてこなかった親にとっては、自尊心や今までの経験から自分は元気で介護は必要ないと考えていることも少なくありません。

自尊心から介護される自分を受け入れられないという気持ちで施設に入りたがらないこともあるのです。

施設に入りたがらない親を説得する方法

施設に入居したくないと考えている親を説得する方法としては、子供から親に愛情を伝えたうえで話し合いをしたり、第三者に話をしてもらう方法があります。

それぞれ具体的に説明していきます。

子供からの愛情を伝えて話し合う

施設に入りたがらない親を説得する方法としては、まずは介護者である子供や孫がいるなら孫からも愛情を伝えることが重要です。

調査では「住み慣れた家で過ごしたい」という気持ちが最も多くなっていますが、その根底にはやはり子供と離れたくない気持ちや見捨てられたくないという気持ちがあることが多くあります。それらを打ち消すためにはやはりご家族からの愛情を伝えることが重要です。

  • 「いつまでも元気でいてほしいからもっと良い環境で過ごしてほしい」
  • 「もっと元気になってまた一緒に過ごしたい」

など、施設に入るのは介護者である子供の負担を軽減するためではなくて、親のためだということを伝えましょう。

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第三者から話をしてもらう

次に、子供以外の第三者から話をしてもらうことも一つの方法です。

自分で親を説得できないときは、親戚や主治医、やケアマネジャーから親に伝えてもらいましょう。

特に主治医やケアマネジャーなどの第三者が伝えることによって、子供に言われるよりも受け入れやすくなる場合があります。

「子供に見捨てられた」と感じさせないためにも、自分で伝えられないときは第三者を頼りにしてみましょう。

施設での生活を親に伝える

親を説得する3つ目の方法は、施設での生活が具体的にどのようなものであるのかを親に伝えることです

老人ホームによっては、温水プールや温泉、ジムを備えている施設もあります。

また、他の入居者を友人を増やすものとして伝えるなど、必ずしも施設への入居がネガティブではないということを伝えましょう。

説得する以外で親に施設に入ってもらう方法

説得する以外で親に施設に入ってもらう方法としては、事前にショートステイなどを用いて家以外の環境に適応してもらう他、多少無理にでも入居を進めていく方法があります。

ショートステイを利用する

説得以外で施設に入ってもらう方法として、ショートステイから利用して徐々に環境に慣れさせる方法があります。

施設に入りたくない親としては見知らぬ施設に抵抗感を覚えていることもあるため、まずは慣れさせることが重要です。いきなり入居は難しくとも、前に行ったことがある施設なら入居を考えてくれることもあります。

多少無理にでも入居を進める

次に、多少無理にでも入居してもらう方法ですが、嫌がっていたとしても実際に入居してみると案外楽しそうにしているというケースは少なくありません。現実的には、喜んで入居する親は少なく、どちらかというと仕方なくというケースの方が多いとも言えます。施設側も入居を嫌がる親の対応はある程度想定内であり、対応もスムーズに行うことができます。

ただし、多少無理に入居を進める方法は後々施設側に迷惑をかけて強制退去となったりトラブルを引き起こすリスクもあるので、よく考慮して進めるようにしてください。

認知症の方の強制入所について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

またショートステイなどが利用できる施設が知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。

ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。

「施設選びで失敗したくない」という方は、ご気軽に活用ください。

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親を施設に入れるを施設に入れる時の注意点

親を施設に入れる時にやってはいけない注意点としては、感情的な説得です。

  • 「もう家では見てられないから施設に入って!」
  • 「このままだと私が壊れてしまう!」

など、感情的な議論は親の入りたくない気持ちを激化させることがあります。

高齢の親にとっては、住み慣れた家から離れることの不安感があることを受け止めたうえで、じっくりと話を聞くことが必要です。

親を施設に入れる時は感情的にならず、冷静に親のためを思っていることを伝えましょう。

介護によっておこる家族崩壊について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

親を施設に入れる時の費用

親施設に入居する際、必要となる費用は、月々10万円程度の比較的費用の安い施設から、50~100万以上の高級老人ホームまで様々です。

したがって、親が在宅で生活できた額の年金を受給している場合でも、施設によっては年金だけで賄うことができない場合もあります。

また、高齢者施設には、公的機関が運営する公的施設と各種法人や株式会社が運営する民間施設の2種類があります。

公的施設の場合は比較的費用が安くなる場合もありますが、待機者が多く入居待ちとなることもあるので注意しましょう。

以下の表は、高齢者施設の種類ごとの費用一覧です。公的施設では入居一時金がかからない一方で、民間施設は入居一時金が場合によっては数百万円以上かかることに注意しましょう。

運営 名称 初期費用(入居一時金・敷金) 月額利用料
公的 特別養護老人ホーム(特養) なし 5~15万円
老人保健施設(老健) なし 6~17万円
介護療養型医療施設(療養病床)
※2024年3月末に完全廃止
なし 6~17万円
介護医療院 なし 6~17万円
民間 グループホーム 0~100万円 12~18万円
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 10~35万円+介護費用
介護付き有料老人ホーム 0~1億円 10~40万円+介護費用
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 0~数十万円 8~20万円+介護費用
ケアハウス(軽費老人ホーム) 0~数百万円 8~20万円+介護費用

老人ホームの費用について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

親を施設に入れる時の罪悪感との向き合い方

人によっては親を施設に入れることで罪悪感を感じたり、施設に入れた後に後悔してしまうことも少なくありません。

在宅での介護を続けていると、親が認知症を患ってしまった場合は暴言や暴行など以前の親では想像できなかったような態度で接してきたり、認知症でなくても介護をしている自分には厳しく、介護をしていない兄弟姉妹には優しく接するなど理不尽なことがあるかもしれません。

それによって、「早く介護が終わってほしい」という気持ちが沸き起こってきたり、場合によっては親に対して暴言を吐いたり暴力を振るってしまうこともあります。

その時々の状況で施設に入ってもらうという選択肢は一つの正しい選択肢であることをまず念頭に置きましょう

ケガをしたときに病院に行って医師に診察をしてもらったり、髪が伸びたら美容師に髪を切ってもらったりするのと同様に、介護が必要になったら専門職である介護職員に面倒を見てもらうというのも立派な選択肢なのです。

どうしても親を施設に入れたことへの罪悪感が抜けなければ、身近なケアマネジャーや地域包括支援センターの職員に相談したり、入居後は頻繁に面会に行くなどアフターケアを行って在宅介護以外の形で親の介護に携わりましょう

親を施設に入れる手順を知ってスムーズに入居を進めよう

最期に、親を施設に入れるための手順をもう一度、振り返りましょう。

まずは、親や兄弟姉妹との話し合いから始めます。

その際は親が施設への入居を嫌がることもあるので、慎重に冷静に親と話し合いをを続けましょう。親にとっても住み慣れた家を離れるのに抵抗感があるのも仕方がないことです。

施設がどのようなところかまずは自分が理解して、親に説明することによって入居をスムーズに進めましょう。

親を施設に入れる手順は何ですか?

親を施設に入れる手順としては、以下の4つがあります。

  1. 本人・家族で話し合う
  2. 施設の情報を収集する
  3. 施設の見学・体験入居
  4. 契約して入居する

詳しくはこちらをご覧ください。

親を施設に入れるタイミングはどのような時ですか?

親を施設に入れるタイミングとしては、

  1. 介護者がそばにいない時に身体的な危険を感じた時
  2. 在宅介護で介護者が身体的な限界を感じた時
  3. 在宅介護で介護者が精神的な限界を感じた時

などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

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