• 認知症
  • 【公開日】2023-05-08
  • 【更新日】2023-05-08

認知症でもショートステイを利用できる?利用条件や費用を解説!

認知症でもショートステイを利用できる?利用条件や費用を解説!

「親が認知症を患っているけれども、ショートステイを利用することはできるのだろうか」

ショートステイは正式名称を短期入所生活介護と呼び、一定の期間、介護スタッフが常駐している施設に入居できるサービスです。急用で親を家に残したくないケースや、日々の介護から一時的に解放されるレスパイトケアとしても利用できることから、非常に重宝される介護サービスです。

しかし、親が認知症を抱えている場合、ショートステイを利用できるか気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では認知症でも利用可能なショートステイの提供施設や費用、またショートステイを利用すると認知症が悪化するのではないかという不安にも回答します。

ぜひ本記事を参考にして、ご本人もご家族も安心して利用できるショートステイ先を探しましょう。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

認知症の方を受け入れているショートステイの提供施設

認知症の方を受け入れているショートステイの提供施設は、下記の5つが挙げられます。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム
  • ショートステイ専門施設

認知症であってもショートステイを受け入れている施設はいくつかあります。順に施設の特徴や注意点を解説していきます。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、認知症を抱えている方など常に介護を要する高齢者に対して、食事や洗濯などの日常生活の支援を提供している施設です。対象者は原則要介護3以上の認定を受けている高齢者です。

特養は介護保険施設に該当するため、ショートステイの利用には介護保険が適用されます。そのため、ショートステイの提供施設の中でも比較的費用を抑えることができます。

その分、入所希望者が多いため、申し込みをしてもすぐに入所できない可能性があります。特養は待機者数が多く、ショートステイでもいいから利用したいと考えている人も多いです。介護度や緊急度合いによっては利用するまでに非常に長く待つことがあることも考慮しておきましょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)は、長期入院語などの在宅復帰や在宅療養を目指すことを目的とした介護施設です。施設内に医師と看護師の配置が義務付けられているため、医療ケアが充実していることが特徴です。

老健では医師や看護師の配置の他にも、理学療法士などのリハビリ専門職が配置されているため、認知症の進行を抑えるケアやリハビリテーションを受けることができます。

医療ケアやリハビリなどは充実しているものの、レクリエーションなどは非常に少ない傾向にあります。認知症の方がショートステイ先でも楽しみたいと考えている場合、利用を嫌がるケースもあります。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、正式名称を特定施設入所者生活介護と呼び、施設内で食事や入浴の介助から身の回りのお世話まで提供してくれる民営の老人ホームです。

施設によっては認知症フロアを設けており、認知症に対する専門的なケアが充実しているところもあります。また、特別養護老人ホームなどの生活支援に重点を置いている施設と異なり、レクリエーションやイベントなどが頻繁に行られることも特徴としてあります。

しかし、介護付き有料老人ホームで介護保険適用のショートステイを利用する場合、介護サービス以外の料金は保険適用外となります。特別養護老人ホームなどと異なり、滞在費や食費などが全額自己負担になるため、短期で利用する場合でも費用が高くなることがあります。

グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者を対象として少人数で共同生活を送る施設です。5~9人のユニットと呼ばれるグループで家事や食事の準備などを分担しながら生活することができます。

他の介護施設と比べて、介護スタッフが家事や食事の提供を全て行ってくれるわけではないため、生活スタイルを大きく変えることなく、認知症を抱えている方が自立した生活を送ることができます。

ただし、グループホームでは特別養護老人ホームのようにショートステイ用のスペースが用意されているわけではなく、施設に空き室がある場合に限られることが一般的です。

そのため、体験入居の側面が強く、認知症の介護を一時的に離れるといった計画性を持った利用は難しい可能性があります。

ショートステイ専門施設

認知症の方を受け入れている施設には、上記のような老人ホームに併設しているタイプの他に、ショートステイだけおこなう単独型施設があります。受けられるサービス自体に大きな違いはなく、認知症の方でも受け入れている施設も多いです。

定員が20~50名程度の小規模の施設であることが多く、上記のような併設型の施設と比べて短期で利用している人が多いです。そのため、長期で利用するのに適していない恐れがあります。

関連記事
認知症対応型通所介護について|サービス内容やメリットを徹底解説
認知症対応型通所介護について|サービス内容やメリットを徹底解説

なお、認知症の方を受け入れているショートステイの提供施設をお探しの方は、ケアスル介護に相談することがおすすめです。

ケアスル介護では、全国約5万件の施設情報を提供しているため、入居相談員がご本人様にぴったりの介護施設を紹介しています。

「幅広い選択肢から納得のいく施設を探したい」という方は、まずは無料相談をご利用ください。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

ショートステイとは

ショートステイとは、短期的に施設に入所して宿泊し、食事や排せつ、入浴などの日常的な介護や支援を受けることができるサービスです。

1泊2日から利用することができ、施設へ長期入居するのに比べて費用を抑えることができます。また、認知症により常時介護をしている方が、一時的に介護から解放されるレスパイトケアとしても有効です。

この章では、認知症の方がショートステイを利用するにあたり、ショートステイの利用条件等を解説していきます。

ショートステイの利用条件

ショートステイの利用条件として、要介護認定を受けている必要があります。

ショートステイは認知症の診断を受けているからという理由のみでは利用することはできず、要介護認定により「要支援1~2」または「要介護1~5」の認定を受けていることが前提としてあります。

基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病における初老期における認知症(アルツハイマー病や脳血管性認知症)に該当する場合、40歳からショートステイを利用することができます

なお、有料老人ホームが提供している介護保険適用外のショートステイであれば、要介護認定を受けていなくても利用することができます。ただし、介護保険が適用されないため、費用が比較的高額になるため注意が必要です。

関連記事
認知症の介護認定とは?調査内容から納得いかない時の対応まで解説
認知症の介護認定とは?調査内容から納得いかない時の対応まで解説

ショートステイの利用期間

ショートステイの利用期間は、介護認定期間の半数を超えて利用することはできないと定められています。

介護認定期間は、前述の要介護認定における介護保険の区分支給限度基準額によって定められています。認知症の症状が悪化して、介護度が上昇する・変更されるなどにより利用期間を延ばすことができます。

また、ショートステイは1度の利用で最大30日までと設けられています。

続けてショートステイを利用するためには、31日目の費用を全額自己負担で利用して、ショートステイ算定期間(30日)をリセットするか、1度家に帰宅する必要があります。

なお、やむを得ない場合には、自治体に理由届出書を提出することにより、ショートステイの利用期間を延ばすこともできます。定められた期間を超える可能性がある場合、早めにケアマネジャーに相談しましょう。

ショートステイの費用

介護保険が適用されている場合、ショートステイの費用は1日当たり3,000~8,000円です。

特別養護老人ホームなどの介護施設の場合、介護サービスや居住費に介護保険が適用されるため、費用の負担は所得に応じて1~3割の自己負担で利用可能です。

なお、前述の通り有料老人ホームで提供される介護保険が適用されないショートステイの場合、滞在費や食費などがすべて自己負担となるため、費用が高額になることがあります。長期での利用を考えている際は、介護保険が適用される施設を選ぶか、日用品などを持ち込み自己負担額を減らすなどの工夫をしましょう。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

ショートステイを利用すると認知症が悪化する?

「ショートステイを利用したら認知症が悪化してしまった」というウワサを耳にした方も多いのではないでしょうか。

ショートステイによる認知症悪化の要因として、下記の3つが挙げられます。

  • 環境の変化
  • 行動の減少
  • 自由の制限

認知症の進行には個人差はあるため、必ずしもショートステイを利用したことにより認知症が悪化したとは言い難いです。しかし、上記のような要因は、認知症を進行させるリスクになる可能性があります。

上記について、順に詳しく解説していきます。

要因①:環境の変化

認知症を抱えている人は、環境の変化に順応することが苦手です。

短期間の利用であるショートステイでも、認知症の方にとっては大きな生活の変化になります。施設での生活環境の変化の他、入居者や介護スタッフなど新しく覚える情報の多さに不安を覚えてしまったり、場合によっては徘徊や幻覚などの周辺症状を引き起こす恐れがあります。

また、認知症の方がはじめての場所や慣れない環境にいると、気持ちが落ち着かず帰宅願望を訴えることがあります。ショートステイ中に「ここは自分の家ではない」と考えてしまい、自分の家を探し始めるケースも少なくありません。

帰宅願望は安心できる環境を求めているという気持ちの表れであるため、認知症の方が自分を受け入れてもらえると思えるような、安心できる施設を探せると良いでしょう。

関連記事
認知症の方が帰宅願望をもつのはなぜ? 対処法と環境について解説!
認知症の方が帰宅願望をもつのはなぜ? 対処法と環境について解説!

要因②:行動の減少

ショートステイを利用中、本人が行動したり、考えたりする機会が減ってしまう恐れがあります。

ショートステイ先では、食事の準備や掃除などの家事を全てスタッフに行ってもらえるため、認知症の方にとって自分でやることが減っていしまいます。

また、ショートステイではあくまでも生活支援を提供することに重点を置いているため、デイサービスのように毎日レクリエーションを行うわけではありません。そのため、「つまらないから行きたくない」と訴える方も多いそうです。

さらに、自宅のような慣れた環境ではできたことが、新しい環境になると急にできなくなってしまうこともあります。それらが積み重なると徐々にやる気を失ってしまい、考えたり行動することが減ってしまうことが、認知症の進行につながります。

このような「無気力状態」を避けるためにも、施設内でレクリエーションやイベントが充実している施設を選ぶことも検討してみましょう。意欲的な生活は認知症の進行を抑えることにもつながるといわれています。

要因③:自由の制限

ショートステイにより、これまでの行動や選択の自由が制限される場合があります。

自宅にいたころは就寝や起きる時間など、本人が自由に決められたものが、ショートステイ中は施設が決めたスケジュールや共に生活する入居者と同じように行動する必要があります。

夜更かしや昼まで寝るような行動であっても本人の自由です。スケジュールに沿った生活に不自由を感じることにより、活気が減ってしまい、認知症が進行する要因となり得ます。

施設によってはご本人が自由に行動できる時間を多く設けているところもあります。認知症の方にとって過ごしやすい施設を選べるよう、ご本人の意向も聞いたうえで施設を探すことをおすすめします。

なお、認知症の方を受け入れているショートステイ先をお探しの方は、ケアスル介護への相談がおすすめです。

ケアスル介護ではご本人様の身体状況や必要となる介護サービスをお伺いしたうえで、入居にどれくらいの費用が掛かるのかもご案内します。

「分からないことを相談して安心して施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

認知症の方がショートステイを利用する手続き

認知症の方がショートステイを利用するには、下記の5つステップを踏みながら手続きを進めましょう。

  1. ケアマネジャーに相談
  2. 施設の決定・申し込み
  3. ケアプランの作成
  4. 事業者との契約
  5. サービス利用開始

ショートステイを利用することを決めたら、まずは担当ケアマネジャーに相談しましょう。利用期間や理由、希望条件などを伝えると、ケアマネジャーが候補先の施設を探してくれます。なお、幅広く施設を探す際には、ケアスル介護などの施設紹介サイトなどを利用すると良いでしょう。

利用する施設を決めたら、利用者の健康状態や認知症の症状、希望する利用日程などを施設に伝えて、ショートステイの申し込みを行います。ケアマネージャーと施設の担当者が情報を共有し、予算の範囲内で十分なケアを受けられるケアプランを作成します。

介護の担当者がケアプランの情報を元にサービスを提供します。認知症の症状等に関して伝えたい要望などがあれば、予め伝えておくと良いでしょう。

利用期日が到来したら、施設に入所し、実際にショートステイを利用し始めます。

なお、ショートステイは人気が高い介護サービスです。特養などの費用が安いところや、ショートステイの需要が多い施設によっては予約が取りづらい場合もあります。連休中や週末などは希望者も多いため、ショートステイを利用する際には早めに手続きを始めることをおすすめします。

関連記事
認知症の方を施設に入れるタイミングは?進行度・きっかけなどを解説
認知症の方を施設に入れるタイミングは?進行度・きっかけなどを解説

認知症介護で無理しないためにもショートステイを利用しよう

本記事では認知症の方がショートステイを利用するにあたり、受入れ可能な施設や施設を探す際のポイントなどを解説していきました。

認知症の方がショートステイを利用すると症状がより悪化するのではないかと不安を覚えている方も多いと思われますが、ご本人にとって最適な施設を選ぶことにより、症状の悪化を遅らせることも可能です。

なお、ショートステイを利用するにはいくつか手続きを踏む必要があります。まずは担当のケアマネジャーに相談してみると良いでしょう。

認知症でもショートステイを利用することはできますか?

はい。認知症の方を受け入れている介護施設はあります。施設によって特徴や利用条件などが異なりますので、各施設の情報について、詳しくはこちらをご覧ください。

ショートステイを利用すると認知症が進行するって本当ですか?

認知症の進行には個人差はあるため、必ずしもショートステイを利用により認知症が悪化するとは言い難いです。ただし、ショートステイによる環境の変化や行動の減少が、認知症を進行させるリスクとなります。詳しくはこちらをご覧ください。

約7秒に1人が利用!ピッタリの施設をご提案
プロに施設を提案してもらう