良い老人ホーム・介護施設とは?専門家が考えるポイントから選び方までを解説

良い老人ホーム・介護施設とは?専門家が考えるポイントから選び方までを解説

たくさんの選択肢があるなかで、一体どんな施設が『良い施設』なのかと不安を抱える人は少なくありません。

「良い介護施設」の定義は、ご本人の身体状態やご家族の状況によって一人ひとり異なります。すべての人にとって100点満点の正解となる施設はありません。

本記事ではその前提を踏まえた上で、介護業界の最前線で活躍するプロフェッショナルの方に対してのインタビューを基に、それぞれの視点から、「良い介護施設とは何か」「見学時に具体的にどこをチェックすべきか」を解説していきます。

関連記事
老人ホームの選び方におけるプロの意見を紹介!施設選びの経験者546人が思うポイントとは
老人ホームの選び方におけるプロの意見を紹介!施設選びの経験者546人が思うポイントとは
ケアスル 介護 ケアアドバイザー部門マネージャー
専門分野:介護施設紹介
職業: 介護施設紹介業
出身組織: 株式会社Speee

私自身母親が介護で苦労していた様子を間近で見ていたため、ご家族の心情に寄り添うことを心がけています。母も祖母を介護施設に入れることに非常に葛藤を抱えていましたが、結果入居した後は母も祖母も穏やかに過ごしていました。こうした自分の経験から介護施設への入居がポジティブに伝わるといいなと思い日々ご家族とお話ししています。詳しくはこちら。

目次
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
目次

プロが考える「良い老人ホーム・介護施設」とは?

良い介護施設を探す際、「客観的に見て100点満点の完璧な施設」を見つけるのは非常に困難です。

大本章では、介護の最前線で活躍する4名のプロに「本当に良い介護施設とはどのような施設か」について、それぞれの専門的な視点から詳しく伺いました。

「信頼できる施設長が現場をしっかり統括している施設」

前北栞里_プロフィール画像

【専門家プロフィール】
・お名前:前北 栞里(まえきた しおり)
・役職:ケアスル 介護 ケアアドバイザー部門マネージャー
・経歴・実績:2022年よりケアアドバイザーとして従事し、累計4,200件以上の相談実績を持つ。2025年にマネージャーに就任。ご家族の老人ホーム・介護施設探しからご入居までのサポートを最前線で行っている。

インタビュアー:数多くの施設を見てきた中で、前北さんが考える「良い介護施設」の基準とは何でしょうか?

前北さん:施設長がちゃんとしている人かどうかは良い施設のポイントです。なぜなら入居後に何かトラブルがあったり、リクエストをしたりする際の窓口であり、現場のスタッフを統括しているのも施設長だからです。挨拶などの基本的な接遇が浸透しているかどうかも、施設長の教育方針が反映される部分ですね。

前北さん:大前提として、良い施設選びの土台は「予算」になります。そこから「本当に必要な条件」を1〜2個に絞って追加していくことが重要です。あわせて見学時にたまたま掃除が行き届いていなかったり、重度の入居者を見かけたりしただけで「ここには合わない」と即座に判断して選択肢から外してしまうのは非常にもったいないとも感じています。目に見える一部分だけで判断せず、施設全体を統括するリーダーが信頼できるかどうかという視点を大切にしてみてください。

「入居者の具体的なニーズと提供サービスが合致している施設」

菅原さん_インタビュー

【専門家プロフィール】
・お名前:菅原 一央(すがわら かずひろ)
・役職:株式会社ナースビジョン 取締役 / 一般社団法人OWL 理事
・経歴・実績:看護師。精神科や脳神経外科などの急性期病院を経て、介護老人保健施設(老健)の副師長や訪問看護ステーションの管理者を歴任。現在は介護施設紹介のほか、訪問看護ステーションの運営や現場の業務改善支援など、看護・介護環境の構築に幅広く携わっている。

インタビュアー:医療・看護の視点から見て、菅原さんはどのような施設が「良い施設」だとお考えですか?

菅原さん:一言で言えば、「利用者のニーズと提供サービスが合致している施設」ですね。元気な人には趣味活動やイベント、寝たきりの人には褥瘡(床ずれ)予防やおむつ交換の頻度など、ご本人の身体状態によって求めるニーズは全く異なります。

菅原さん:例えば「10分に1回トイレに行きたい」といった個別の要望に対して、「訪問介護(1対1)」や「小規模多機能」など、施設が提供している介護サービスの形態がしっかり合致しているかを見極めることが重要です。また、施設の介護力とは別に、入居者の状態や予算だけでなく、個人の生活歴や性格、家族が何を施設に求めているかを深く理解しようと努める担当者(施設長や相談員、ケアマネージャーなど)がいるかどうかも、良い施設を見分ける大きなポイントになります。

「将来の退去条件や費用を包み隠さず明確に説明してくれる施設」

監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ

【専門家プロフィール】
・お名前:桐島 慎治(きりしま しんじ)
・役職:株式会社ケアリサーチ 代表取締役
・経歴・実績:社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)。デイサービス管理者や介護付有料老人ホームの施設長を歴任後、2018年に独立。現在は中立的な立場から、累計数多くの施設提案や見学同行を行い、地域住民向けセミナーの講師としても活動している。

インタビュアー:ケアプランを作成する立場として、桐島さんが考える良い施設選びのポイントを教えてください。

桐島さん:お金の話を曖昧にせず、将来のリスクまで誠実に説明してくれる施設こそが、本当の意味で「良い施設」だといえます。なぜなら入居後に「こんなはずじゃなかった」と早期退去になるのを防ぐことにつながるからです。

桐島さん:基本料金(家賃・食費など)だけで判断せず、介護保険の自己負担分や医療費、日用品代などが別途いくらかかるのかを確認し、将来的に介護度が上がった際の費用シミュレーションを行っておくことも必要ですね。設備からサービスまで「すべてが揃っている施設」は、当然ながら費用も高額になります。そのため、「何を最も優先するか」という優先順位をしっかりつけ、最終的には施設長の話を聞いて、その施設の介護方針に納得できるかを確認することが大切です。

「完璧ではなくとも、自分たちの『譲れない条件』を満たしている施設」

和田さん_インタビュー

【専門家プロフィール】
・お名前:和田 孝(わだ たかし)
・役職:合同会社オフィスWAD 代表
・経歴・実績:大学卒業後、介護の専門学校を経て現場で10年弱従事。複数の施設で管理職を歴任後に独立。現在は高齢者施設の紹介業や、障害福祉における相談支援事業所の運営を行い、現場・管理・紹介という多角的な視点から介護・福祉の支援を行っている。

インタビュアー:実際に施設を運営されていたご経験から、和田さんは「良い施設」をどのように定義されますか?

和田さん:まず大前提として、「100点満点の完璧な施設はない」と理解することが出発点です。すべてを満たそうとするのではなく、「ここだけは絶対に譲れない」というポイントを明確にした上で、ある程度の妥協を受け入れつつ、プロの意見も取り入れながら比較検討するのが最善の道だとアドバイスしています。その中から自分に合っていると感じている施設が良い施設になるのかなと思います。

和田さん:特に住宅型有料老人ホームなどでは、介護保険外のサービス(洗濯代など)が細かく設定されている場合があるため、入居前に何にいくらかかるのかを確認することが重要です。また、グループホームなどでは、他にどのような方が入居しているかを確認しておくことが、生活スタイルの違いによるトラブルを避けるために大切ですね。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

良い老人ホーム・介護施設の見分け方|プロが推奨する16のチェックポイント

良い介護施設の見分け方は、重要事項説明書・見学・介護サービス情報公表システムで、以下の16項目を確認することです。

16項目のうち13項目は、施設を訪ねる前に書類や公開情報で確認できます。

16のチェックポイントと確認する場所
償却期間と初期償却率重要事項説明書「前払金の受領」欄
追加費用重要事項説明書の別添2(サービスの一覧表)
短期解約特例重要事項説明書「返還金の算定方法」欄・入居契約書
退去条件重要事項説明書「契約の解除」欄・入居契約書
人員配置比率重要事項説明書「職員の配置」欄
夜勤スタッフ数重要事項説明書「夜勤を行う看護・介護職員の人数」欄
離職率と経験年数重要事項説明書の採用者数・退職者数・経験年数の欄
緊急時の対応フロー重要事項説明書「協力医療機関」欄・見学時の質問
看取り方針重要事項説明書「看取り介護加算」欄・看取りに関する指針
献立表見学時に提示を依頼
月間予定表見学時に提示を依頼
入居率重要事項説明書「入居者の状況」欄
開設年と法人の実績重要事項説明書「事業主体概要」「事業所概要」欄
介護サービス情報公表システム厚生労働省のWebサイト
清掃状況見学
認知症の方への接し方見学
重要事項説明書の欄名について
本章で挙げる欄名は、厚生労働省が示す有料老人ホームの重要事項説明書の様式に基づいています。
特別養護老人ホームやグループホームでは書類の名称や項目が異なるため、同じ内容をどこで確認できるか施設に尋ねてください。

「償却期間と初期償却率」で入居金の戻り方を確認

入居金(前払金)は、償却期間と初期償却率の2つで、途中で退去したときに戻る金額が決まります。

償却期間は、入居金を何か月かけて使い切る計算にするかを示す期間です。
重要事項説明書では「想定居住期間(償却年月数)」と記載されています。

初期償却は、入居した時点で返還の対象から外れる金額のことです。
入居金に占める初期償却額の割合を、初期償却率と呼びます。

【計算例】入居金600万円・初期償却率20%・償却期間60か月の場合
・初期償却額:600万円×20%=120万円(返還されない)
・償却の対象:600万円−120万円=480万円
・24か月で退去した場合の返還額:480万円×36か月÷60か月=288万円

実際の返還額は、入居契約書に記載された算定方法で計算されます。

厚生労働省の有料老人ホームの設置運営標準指導指針は、償却期間を平均的な余命などを考えて定めるよう求めています。
一方で、初期償却率の上限を定めた規定はありません。

複数の施設を比べる際は、入居金の金額だけでなく初期償却率と償却期間を並べて確認してください。

入居一時金の仕組みは、以下の記事で解説しています。

関連記事
入居一時金の必要性は?仕組みと無理のない介護施設選びを解説
入居一時金の必要性は?仕組みと無理のない介護施設選びを解説

月額以外の「追加費用」を確認

月額費用に含まれないサービスは、重要事項説明書の別添2「サービスの一覧表」で、料金と支払い方を確認できます。

別添2には、サービスごとに「月額費用に含まれる」か「利用のたびに支払う」かが記載されています。
利用のたびに支払うサービスには、1回あたりの金額も書かれています。

【別添2で料金を確認したいサービスの例】
・おむつ代
・理美容師による理美容サービス
・買い物代行・役所手続き代行
・通院介助・入退院時の同行
・入居者の嗜好に応じた特別な食事・おやつ

介護保険サービスの自己負担(所得に応じて1〜3割)は、月額費用とは別にかかります。

また、重要事項説明書には入院などで不在の期間の月額費用の扱いも記載されています。
「減額なし」か「日割りで減額」かは施設ごとに異なるため、あわせて確認してください。

「短期解約特例」の有無を確認

入居金を支払う施設では、入居後3か月以内に契約を解除した場合に入居金が返還される「短期解約特例」を確認します。

短期解約特例は、老人福祉法第29条第10項と老人福祉法施行規則第21条に定められています。
「90日ルール」とも呼ばれます。

入居後3か月以内に契約を解除した場合や、入居者が亡くなって契約が終了した場合が対象です。

【短期解約特例で返還される金額】
・対象:入居後3か月以内の契約解除・死亡による契約終了
・差し引かれる額:家賃などの月額÷30×入居日数
・返還される額:入居金から差し引かれる額を除いた全額(初期償却額も含む)

指導指針は、解約の予告期間などで3か月の期間を実質的に短くする契約を認めていません。
契約書に長い予告期間が設定されていないかも確認してください。

※法令の条番号は執筆時点(2026年10月)のものです。

解約時に起きやすいトラブルは、以下の記事で紹介しています。

関連記事
老人ホーム解約時に起きるトラブルを回避!注意すべきポイントとは?
老人ホーム解約時に起きるトラブルを回避!注意すべきポイントとは?

「退去条件」を確認

施設選びでは、「どのような状態になったら退去しなければならないか」を契約前に把握しておく必要があります。

【退去の理由になりやすい状態】
・たん吸引や胃ろうなど、医療的ケアが増えた
・他の入居者への暴力や暴言など、認知症による行動が続く
・一定期間を超えて入院が長引いた

重要事項説明書には、施設側から解約を求める場合の条件と予告期間を書く欄があります。
前年度に施設側の申し出で解約した人数と、その理由の例も記載されています。

指導指針は、施設側からの契約解除を信頼関係を著しく害する場合などに限るよう求めています。
要介護状態を理由に解除する場合は、医師の意見を聴き、一定の観察期間を設けることが条件です。

見学時には「医療面でどこまで対応できるのか」を直接確認すると、将来の退去トラブルを防げます。

関連記事
介護施設で行われる医療行為を一覧で解説!介護施設ごとの違いや選び方を解説
介護施設で行われる医療行為を一覧で解説!介護施設ごとの違いや選び方を解説

「人員配置比率」で職員の多さを確認

人員配置比率は、入居者何人に対して介護・看護職員が1人いるかを示す数字で、小さいほど職員が多い施設です。

介護付き有料老人ホームは、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第175条で「3:1」以上が義務付けられています。
要介護の入居者3人に対し、介護・看護職員を1人以上置く基準です。

重要事項説明書には、契約上の配置比率が「1.5:1以上」「2:1以上」「2.5:1以上」「3:1以上」のいずれかで記載されています。
記入日時点の実際の配置比率も書かれています。

住宅型有料老人ホームには、法令で定められた配置比率がありません。
介護は外部の介護サービス事業所が提供するため、利用する事業所の体制を個別に確認します。

介護付き有料老人ホーム(特定施設)の基準は、以下の記事で解説しています。

関連記事
特定施設とは?意味や有料老人ホームとの違いを解説【分かりやすい】
特定施設とは?意味や有料老人ホームとの違いを解説【分かりやすい】

「夜勤スタッフ数」で夜間の体制を確認

夜間の体制は、重要事項説明書にある「夜勤を行う看護・介護職員の人数」の平均人数と最少時人数で確認します。

介護付き有料老人ホームの基準は、介護職員を常に1人以上確保することです。
夜間の具体的な人数の下限は、基準に定められていません。

そのため、夜勤の人数は施設ごとに差があります。
入居定員を夜勤の人数で割ると、職員1人が夜間に受け持つ入居者数の目安になります。

たとえば定員60人で夜勤が3人であれば、1人あたり20人を受け持つ計算です。
夜間に看護職員がいるかどうかも、重要事項説明書の同じ欄で確認できます。

「離職率と経験年数」で職員の定着を確認

職員の定着は、重要事項説明書の「前年度1年間の退職者数」と「経験年数別の職員数」で確認します。

介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、介護職員と訪問介護員の離職率は12.4%でした。
採用率は14.6%です。

退職者数を職員数で割ると、その施設のおおよその離職率がわかります。
算出の方法が調査とは異なるため、12.4%は比較の目安として使ってください。

経験年数の欄では、1年未満・1〜3年・3〜5年・5〜10年・10年以上の職員数がわかります。
経験の長い職員の割合が高い施設は、ケアの経験が施設内に蓄積されています。

「緊急時の対応フロー」の有無を確認

急変時の対応は、協力医療機関が24時間相談・診療に対応できるかを重要事項説明書で確認します。

介護付き有料老人ホームは、運営基準第191条で協力医療機関を定めることが義務付けられています。
2024年4月の改正で、常時相談・診療できる医療機関を定めるよう努めることが加わりました。

協力医療機関との間で、急変時の対応を年1回以上確認することも義務になっています。
重要事項説明書には、協力医療機関ごとに常時の相談体制・診療体制の有無が記載されています。

【見学時に聞きたい質問】
・夜間に体調が急変したとき、誰がどこへ連絡するか
・家族へはどの段階で連絡が来るか
・救急車の手配や入院時の付き添いを施設が行うか

「看取り方針」で最期まで暮らせるか確認

最期まで同じ施設で暮らせるかは、重要事項説明書の「看取り介護加算」の有無が手がかりになります。

看取り介護加算は、施設で看取りの体制を整えた場合に介護報酬に上乗せされる加算です。
介護付き有料老人ホームには、加算(Ⅰ)と加算(Ⅱ)があります。

加算の要件には、看取りに関する指針を定め、入居の際に説明して同意を得ることが含まれます(厚生労働大臣が定める施設基準)。
加算(Ⅱ)では、夜勤または宿直の看護職員を1人以上置くことも要件です。

加算が「あり」の施設では、見学時に看取りに関する指針を見せてもらい、内容を確認してください。

関連記事
看取りができる施設はどこ?看取りができる施設の条件から施設選びのポイントまで解説!
看取りができる施設はどこ?看取りができる施設の条件から施設選びのポイントまで解説!

食事の質は、見学時に献立表を見せてもらい、内容と食事形態への対応を確認します。

指導指針は、有料老人ホームに対して高齢者に適した食事を提供し、栄養士による献立表を作成するよう求めています。

【献立表で見るポイント】
・同じメニューが短い間隔で繰り返されていないか
・季節の行事食があるか
・刻み食やとろみ付けなど、飲み込む力に合わせた食事に対応しているか

嗜好に応じた特別な食事やおやつの料金は、重要事項説明書の別添2に記載されています。
可能であれば、見学時に試食させてもらうと味や温度もわかります。

関連記事
老人ホームの食事はまずいって本当?味に関する入居者とスタッフへのアンケート調査結果を紹介!
老人ホームの食事はまずいって本当?味に関する入居者とスタッフへのアンケート調査結果を紹介!

「月間予定表」で日々の過ごし方を確認

日々の過ごし方は、月間予定表でレクリエーションや行事の種類と回数を確認します。

指導指針は、入居者の要望を考えて運動や娯楽などのレクリエーションを行うよう求めています。
家族との交流や外出の機会を確保するよう努めることも定められています。

月間予定表を公開する決まりはないため、見学時に見せてもらうよう依頼してください。

【月間予定表で見るポイント】
・体操や趣味活動が週に何回あるか
・外出行事や季節のイベントがあるか
・参加は自由か、参加しない日の過ごし方はどうなるか

「入居率」で施設の評判を確認

入居率は、重要事項説明書の「入居者の状況」欄に記載されています。

入居率は、入居者数の合計を入居定員で割った割合です(重要事項説明書の様式の注記)。
入院などで一時的に不在の人も入居者に含みます。

同じ欄には、前年度に退去した人の退去先(自宅・社会福祉施設・医療機関・死亡など)別の人数も記載されています。

開設から間もない施設は、入居者が集まる途中で入居率が低い場合があります。
入居率は、次に紹介する開設年とあわせて判断してください。

「開設年と法人の実績」で経営の安定性を確認

経営の安定性は、重要事項説明書にある法人の設立年月日・事業の開始日・ほかに運営する介護事業で確認します。

【重要事項説明書で見る欄】
・事業主体概要:法人の設立年月日・主な実施事業
・事業所概要:有料老人ホーム事業の開始日
・別添1:同じ都道府県内で法人が運営するほかの介護サービス

指導指針は、入居希望者から求められた場合に貸借対照表や損益計算書を見せるよう求めています。
財務諸表を公開しているかどうかも、重要事項説明書に記載されています。

関連記事
潰れる介護施設の特徴は?安心して入居できる施設の探し方を伝授
潰れる介護施設の特徴は?安心して入居できる施設の探し方を伝授

「介護サービス情報公表システム」で公開情報を確認

見学の前に、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで施設の情報を調べられます。

介護サービス事業者は、介護保険法第115条の35に基づき、サービスの内容と運営状況を都道府県に報告します。
報告された情報は、都道府県がシステム上で公表します。

公表される情報には、法人の設立年月日・職種別の職員数・職員1人あたりの利用者数・経験年数・利用料などが含まれます。
複数の施設を同じ項目で比べられる点が利点です。

有料老人ホームについても、2021年から重要事項説明書の項目を公表・検索できる機能が追加されました。
ただし掲載は都道府県の取り組みによるため、すべての施設の情報が載っているとは限りません。

見学で「清掃状況」を確認

見学時は、施設内の清掃が隅々まで行き届いているかを確認します。

【清掃状況から推測できる施設の質】
・職員の配置人数に余裕があるか
・スタッフの観察力(ケアの細やかさ)が高いか
・入居者の小さな変化に気づける環境か

床の隅やトイレ、手すりの裏など、見落としがちな場所が綺麗に保たれている施設は、スタッフが細部まで目を配れている証拠です。

清掃状況の良し悪しは、入居者へのケアの質に直結します。
掃除が行き届いていない施設は、職員の人数が不足していたり、余裕がなかったりする可能性があります。

ただし前北さんが話すとおり、見学の日にたまたま掃除が行き届いていなかっただけで候補から外すのは早計です。
人員配置比率や夜勤の人数と合わせて判断してください。

見学で「認知症の方への接し方」を確認

見学時は、スタッフが認知症の入居者にどのような表情や話し方で接しているかを観察します。

【観察するポイント】
・子ども扱いするような言葉遣いやタメ口になっていないか
・車椅子の方にしゃがんで目線を合わせているか
・入居者の行動を迷惑がらずに関わっているか

案内担当者だけでなく、現場スタッフの自然な動きを見ることで、施設全体のケアの質や雰囲気がわかります。

認知症の方が入居できる施設は、以下の記事で解説しています。

関連記事
介護付き有料老人ホームは認知症でも入れる?入居している認知症の人の割合や他に検討したい施設を紹介
介護付き有料老人ホームは認知症でも入れる?入居している認知症の人の割合や他に検討したい施設を紹介
関連記事
特養(特別養護老人ホーム)は認知症でも入居可能?本人拒否時の対応もご紹介
特養(特別養護老人ホーム)は認知症でも入居可能?本人拒否時の対応もご紹介
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

良い老人ホーム・介護施設を選ぶために譲れない条件を決めてみよう

良い施設選びは「自分たちにとっての譲れない条件」を明確にすることが大切です。

あれもこれもと条件を求めすぎるとキリがないため、本当に必要なものを1〜2個に絞って追加していくのがコツになります。

料金・費用(予算)

施設選びにおいて、すべての土台となるのが「料金・費用(予算)」です。

「自然豊かな場所がいい」「土いじりがしたい」といった理想があっても、最終的には予算が合わずに見直すケースがほとんどだからです。

現実的な予算の出し方
・本人の「月の年金収入」を把握する
・本人の預貯金を取り崩せる月額を計算する
・家族が「毎月いくら持ち出し(支払い)できるか」の限界ラインを決める

予算は必ず「月額ベース」でシビアに計算しましょう。

予算にかなり余裕がある方はめずらしいため、まずは予算をクリアしていることを大前提であるという考え方を大切にしましょう。

費用の確認ポイント
基本料金家賃、食費、管理費など毎月固定でかかる費用
その他の費用介護保険の自己負担分、医療費、日用品代、理美容代など

月額料金以外に介護保険外のサービスが細かく設定されている場合があるため、入居前に何にいくらかかるのかを確認してください。

また、月額費用ギリギリで予算を組むのではなく、不測の事態に備えて月数万円の余裕を持っておくべきです。

ケアアドバイザー前北_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
ネットやパンフレットに載っている金額と実際に支払う金額は異なることあるため、「何がプラスでかかるのか」を遠慮せずに聞き切り、月々支払う金額についてきちんと把握することが大切です。

医療体制の充実度・退去条件

医療体制と退去条件の確認は、入居後に「こんなはずじゃなかった」という後悔や早期退去(二度手間)を防ぐために大切です。

確認すべき退去条件の例
医療面常時医療ケア(胃ろうやインスリン注射など)が必要になった場合
行動面他の入居者への迷惑行為や、施設での共同生活が困難になった場合

施設によって対応できる医療行為の範囲は異なります。

「どのような状態になったら退去しなければならないのか」「医療面でどこまで対応可能なのか」を契約前に必ず確認してください。

長期入院や高度な医療ケアが必要になった場合には退去を求められるケースがあるため注意が必要です。

他の入居者の様子

他の入居者の様子は、入居後の生活の質に直結します。

他の入居者を確認するポイント
・要介護度の割合(自立の方が多いか、重度の方が多いか)
・男女比や年齢層
・共有スペースでの過ごし方(交流が活発か、静かか)

認知症の進行度合いや性格、生活リズムは人それぞれ異なります。

和田さん
介護士・高齢者施設紹介業経営 和田さん
とくにグループホームなどでは、他にどのような方が入居しているかを確認しておくことが、生活スタイルの違いによるトラブルを避けるために大切です。

スタッフの雰囲気・対応

スタッフの質は、日々のケアの質を左右する重要な判断基準です。

スタッフの離職率が低い施設は、労働環境が整っており、心に余裕を持ったケアが提供されている傾向にあります。

見学時には、スタッフの言葉遣いや利用者への接し方、スタッフ間のコミュニケーションの様子を必ず確認してください。

入居者に認知症の症状がある場合は、認知症の方への接し方も確認しておくと入居後のイメージができるでしょう。

介護施設の立地

施設に何度か足を運ぶ場合や、緊急時にスムーズに対応するためにも介護施設の立地も問題ないか確認しましょう。

立地環境のチェックリスト
・自宅や職場から無理なく通える距離か(片道1時間以内など)
・公共交通機関でのアクセスは良好か
・周辺にスーパーや病院、公園などの施設があるか

自宅や職場から通いやすい距離にある施設を選ぶと、面会へのハードルが下がります。

ご家族が無理なく通える範囲を目安に検討してください。

また、周辺の環境もあわせて確認し、落ち着いて生活できる場所かを判断するとよいでしょう。

介護施設の設備

施設の設備環境は、ご本人の身体状況に合った生活を送るための基盤になります。

確認すべき設備の例
居室・共有スペース車椅子ですれ違える廊下の幅、段差の有無、手すりの位置
浴室・トイレ機械浴(寝たまま入れるお風呂)の有無、トイレの使い勝手

車椅子を利用している場合は、バリアフリー状況などを確認すると安心です。

また、リハビリを重視したい場合は、専用の機能訓練室やリハビリ機器が充実しているかどうかを確認しましょう。

生活の自由度

生活の自由度は、ご本人がストレスなく生活を送るために大切です。

施設によって、外出や外泊の可否、面会時間のルール、食事の時間の柔軟性などは異なります。

介護度が低い場合などは自宅で送ってきた生活リズムや趣味を、施設に入居した後もどの程度継続できるかを確認しておくと安心です。面会時間が柔軟な施設であれば、ご家族も気軽に訪問しやすくなります。

また、お酒やタバコなどの嗜好品に関するルールも施設ごとに定められているため、事前の確認が必要です。

ケアアドバイザー前北_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
施設によって自由度は異なりますが、ずっと自分の部屋にいてもいいし、自由に外に出てもいいという施設もあります。なんなら施設から仕事に通っている人もいるので、どの程度の外出が認められているのか、自由度が許容されているのかを確認するとよいでしょう。
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4
約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

良い老人ホーム・介護施設についてのまとめ

介護施設探しを始めると、「一体どこを選ぶのが正解なのだろう?」と不安を抱えてしまうことも多いと思います。

しかし、「客観的に見て100点満点の完璧な施設」は存在しないことを前提に立つことが大切です。

良い介護施設を見つけるための考え方として、予算を土台にし、「これだけは絶対に譲れない」という条件を1〜2個プラスして優先順位をつけて合っている施設を探すことが大切です。

焦らず、ご家族でしっかりと優先順位を話し合いながら、あなたにとっての「一番良い施設」を見つけてください。

老人ホームの
知りたいことがわかる
種類を診断 料金を診断 空室を確認
老人ホームの
知りたいことがわかる
種類を診断 料金を診断 空室を確認