老人ホームに入るには?全体の流れや何をどうすればいいか分かりやすく解説

老人ホームに入るには?全体の流れや何をどうすればいいか分かりやすく解説

「親の介護が限界に近づいてきた」「本人が一人暮らしを続けるのが心配だ」──そう感じ始めたとき、老人ホームへの入居を検討する方は多くいます。

しかし、「何から始めればいいかわからない」「どんな条件が必要なのか」と、最初の一歩を踏み出せずにいる方も少なくありません。

そこで本記事では、ケアスル 介護 のケアアドバイザーや看護師・社会福祉士など専門家のコメントも交えながら、老人ホームに入るための流れを「①現状の整理→②施設探し→③見学・体験入居→④申し込みと審査→⑤契約・入居準備」の5ステップに分けて詳しく解説します。

これから老人ホームへの入居を検討されている方の参考となれば幸いです。

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一般社団法人マリーゴールド 理事
所有資格:ジェロントロジー・マイスター,介護離職防止対策アドバイザー
専門分野:介護施設の選び方、在宅介護
職業: フリーランスのライター・編集者

1973年、宮城県仙台市生まれ。フリーランスのライター・編集として働く傍ら、国内で唯一「老年学研究科」がある桜美林大学大学院に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。離れて暮らす80代義父母の認知症介護にキーパーソンとして関わり、仕事と介護、研究の三つ巴生活が送る。詳しくはこちら

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【全体像】老人ホームに入るには?

老人ホームに入るまでの5ステップ

老人ホームへの入居は、「①現状の整理→②施設探し→③見学・体験入居→④申し込み・審査→⑤契約・入居準備」という5つのステップで進みます。

ステップ①の「現状の整理」は特に重要です。

要介護度・医療ケアの必要性・予算といった条件を正確に把握できていないと、条件に合わない施設を探し続けることになり、時間と労力を無駄にしてしまいます。

まずは入居する本人の状態とご家族の状況を整理することから始めましょう。

各ステップごとに、何をどうすればよいか詳しく解説していきます。

老人ホームに入るには①:現状の整理

老人ホームへの入居条件は、「要介護度・年齢・医療ケアの必要性・保証人の有無・経済状況」の5つです。

施設種別によって受け入れ可能な条件が異なるため、この5つを事前に整理することで入居先の絞り込みが効率よく進みます。

まずは、要介護度について解説していきます。

本人の要介護度

要介護度によって、入居できる施設の種類がある程度決まります。

たとえば、特別養護老人ホーム(特養)は原則「要介護3以上」が入所要件です

施設種別ごとの要介護度条件
施設種別 入居に必要な要介護度
特別養護老人ホーム(特養) 原則要介護3以上
介護老人保健施設(老健) 要介護1以上
介護付き有料老人ホーム 要支援1以上(施設による)
住宅型有料老人ホーム 自立〜(施設による)
サービス付き高齢者向け住宅 自立〜(施設による)
認知症対応型グループホーム 要支援2以上+認知症の診断

要介護度は、市区町村に申請して「要介護認定」を受けることで判定されます。まだ認定を受けていない場合は、居住地の市区町村窓口またはケアマネジャーに相談して申請できます。

認定には通常1〜2ヶ月かかるため、施設入居を検討し始めたタイミングで早めに申請することが重要です。すでに認定を受けている場合も、状態が変化していれば「区分変更申請」で要介護度を見直すことができます。

ケアマネージャーであり社会福祉士でもある桐島さんに、介護度と施設選びについてお話を伺いました。

専門家_桐島慎治
ケアマネージャー・社会福祉士の桐島さん
監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ
社会福祉士・元ケアマネージャー 桐島さん
要介護1・2の方は、身体的な面で言えば在宅介護と施設入居の両方が選択肢になります。
ただ、要介護3になってくると身体介助の量も増えてくるため、施設入居を本格的に検討する段階に入ると思います。
特別養護老人ホーム(特養)の入所要件が原則要介護3以上であることも、「要介護3から本格検討」と言われる理由の1つです。

本人の年齢

ほとんどの老人ホームは60〜65歳以上から入居が可能ですが、施設種別によって年齢要件が異なります。

入居を検討する際は、希望する施設種別の年齢条件を事前に確認しましょう。

施設種別ごとの入居可能年齢
種別 入居可能年齢の目安
特別養護老人ホーム(特養) 65歳以上
介護老人保健施設(老健) 65歳以上
介護付き有料老人ホーム 60歳以上(施設による)
住宅型有料老人ホーム 60歳以上(施設による)
サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上
グループホーム 65歳以上(認知症の診断あり)

年齢によって医療や介護に対する考え方・必要なサポートの内容が大きく異なるため、本人の年齢に合わせた施設選びが大切です。

看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんに、年齢と老人ホーム選びについてお話を伺いました。

菅原さん_インタビュー
高齢者施設の紹介業も営んでいる菅原さん
株式会社ナースビジョン 菅原さん
90代の方と60代の方では、考え方や支援の内容が全然違ってきます。
90代であれば「病気(がん等)になっても仕方ない」という考え方もありますが、60代の方であれば「積極的治療をしましょう」となります。
年齢による特徴の違いに合わせて、施設の医療連携体制や対応方針を確認することが大切です。
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どんな医療ケアが必要か

必要な医療ケアの内容によって、受け入れ可能な施設が絞られます。

インスリン注射・胃ろう・たんの吸引など看護師対応が必要な処置がある場合は、看護師が常駐する施設を選ぶ必要があります。

主な医療ケアと対応施設の目安
医療行為 対応できる施設の目安
インスリン注射(糖尿病等) 看護師が常駐する施設(介護付き有料老人ホーム・ナーシングホーム等)
胃ろう・経管栄養 医療対応型有料老人ホーム・介護医療院(1日の処置回数によって選択肢が変わる)
たんの吸引 研修を受けた介護職員がいる施設、または看護師常駐施設
在宅酸素療法 看護師常駐施設・医療対応型施設
認知症の医療管理 認知症対応型グループホーム・認知症専門医療機関と連携する施設

必要な医療ケアを正確に把握するには、まずかかりつけ医に「常時必要な医療処置があるか」を確認することが最も確実です。

医療ニーズが高いほど受け入れ可能な施設が限られるため、施設探しの前段階で把握しておくことが重要です。「看護師が何名、何時間帯に常駐しているか」を施設選びの判断基準にしましょう。

株式会社ナースビジョン 菅原さん
糖尿病の方でインスリン注射が必要な場合、介護士は注射できないため、看護師がいる施設を探すことになります。
胃ろうも1日4回対応が必要になるケースがあり、日中帯に看護師が1名しかいない施設では対応しきれません。
医療ニーズが高い方には、看護師体制が充実したナーシングホームや住宅型有料老人ホームが選択肢になります。
必要な医療ケアを施設側に正確に伝えないと、入居後に「対応できない」と判明し、再度施設を探し直すことになる可能性があります。
見学・申し込み時に主治医の意見書や診断書を持参すると、施設側が受け入れ可否を判断しやすくなります。

保証人や身元引受人の有無

多くの老人ホームでは、入居時に保証人(連帯保証人)または身元引受人の指定が求められます。

保証人と身元引受人の違い
保証人(連帯保証人) 身元引受人
主な役割 利用料の支払い保証 緊急連絡・退去時対応・遺体の引き受け等
誰が担うか 配偶者・子どもなど家族が多い 保証人と兼任するケースが多い
家族がいない場合 身元保証サービス(有料)が利用可能 身元保証サービス(有料)が利用可能

保証人・身元引受人の条件は施設ごとに異なります。また、別で緊急連絡先の登録を求める施設がほとんどです。

基本的には子どもが保証人や緊急連絡先となります。

もし保証人の引き受けなどが難しい場合は、「保証人不要」の施設を探す、民間保証会社の利用などを検討しましょう。

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本人と介護者の経済状況

老人ホームの月額費用は月々の年金収入だけでまかなえるケースは少なく、預貯金や家族からの補填が必要になることが多いです。

施設探しを始める前に、「月々いくらまで使えるか」という上限額を家族で話し合っておくと安心して施設を決められます。

施設種別ごとの月額費用・初期費用の目安
種別 月額費用の目安 入居一時金の目安
特別養護老人ホーム(特養) 約4.4万円〜15万円 原則なし
介護老人保健施設(老健) 約8万円〜15万円 原則なし
介護付き有料老人ホーム 約10万円〜30万円 0~数千万円
住宅型有料老人ホーム 約10万円~40万円ほ 0~数千万円
サービス付き高齢者向け住宅 約10万円〜30万円 約10~50万円
(サ高住の場合は敷金・保証金)

費用の計算では①月額利用料(基本料金+介護サービス費+食費・居住費等)と②入居一時金(敷金・保証金)の両方を確認しましょう。

公的施設(特養・老健)では低所得者向けに「介護保険負担限度額認定制度」も利用できるケースがあるので、使うことができれば自己負担を大きく減らせます。

まずは年金収入・預貯金・家族からの支援できる額を合算し、月々に使える上限額を決めておきましょう。

ケアスル 介護 のケアアドバイザーとして、多くの施設選びをサポートしてきた前北に、施設選びと経済状況についての話を聞きました。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
月々の年金額だけで施設費用を払える方は少ないです。年金プラスいくらなら持ち出しできるかを計算し、ご本人の預貯金と家族が毎月出せる金額を確認するケースがほとんどとなります。
親が「いつでも施設に入れていいよ」と言っていても、「その費用は誰が出すの?」という部分まで踏み込めていないことが多いので、元気なうちに一度、真剣にお金の話をしておくことがとても大切です。
老人ホーム全体の
費用シミュレーター
入居金
???万円
月額費用
???万円
※費用はケアスル 介護の掲載施設から独自に集計した平均値です
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老人ホームに入るには②:条件に合う施設を探す

施設を探す方法は「相談窓口・紹介サービス・インターネット検索」が主な手段です。

どの方法を使う場合も、「施設種別→エリア→予算→ケア内容→人(施設長)」の順に条件を絞り込むことで、無駄な見学を減らし効率よく候補を見つけられます。

施設を探す主な方法

施設を探す方法は複数あります。

すでに担当ケアマネジャーがいる場合はまず相談を、いない場合は紹介サービスや地域包括支援センターへの相談が、簡単かつ確実な最初のステップです。

施設を探す主な方法と特徴
方法 特徴・向いている人
ケアマネジャーへの相談 本人の状態をよく知っている担当者から提案を受けられる。すでに要介護認定を受けている方に最適
施設紹介サービス
(ケアスル 介護 等)
条件を伝えると担当アドバイザーが候補を提案してくれる。施設探しに慣れていない方・効率よく探したい方に最適
地域包括支援センター 無料で地域の施設情報を得られる。要介護認定前の段階や公的施設を中心に探したい方に向いている
インターネット検索 自分のペースで幅広く探せる。ある程度施設の知識がある方や、事前情報収集の段階に向いている
施設への直接問い合わせ 希望する施設名が決まっている場合に有効。入居条件・空き状況をすぐ確認できる

どの方法を使う場合も、最初に「施設種別」を絞り込むことが重要です。

種別を決めずに「よさそうな施設」を探し始めると、条件に合わない施設の検討に多くの時間を使ってしまうことになります。

施設種別が絞り込めたら「該当エリアにある施設」を一覧化し、そこから予算・ケア内容で候補を絞っていく手順が効率的です。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
まずは「お体の状態」から、どの施設種別が合うかを決めます。
次に「種別×エリア」でどんな施設があるかを探し、その後に「予算」や「ケア内容」で絞り込む流れです。
候補が少なければ条件を広げ、多すぎる場合は条件を追加する、というように柔軟に調整していくことが大切です。
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候補を絞り込むときのポイント

候補の絞り込みは「①予算→②施設種別→③エリア→④ケア内容→⑤施設長の人柄」の順で行うと失敗の少ない施設選びができます。

すべての条件が完璧に揃う施設を探し続けるより、本当に必要な条件を1〜2個に絞って優先順位をつけることがポイントです。

候補を絞り込む5つのポイント
優先度① 予算 月額費用の上限を先に決める。相場より余裕がある場合は少なく、予算が厳しい場合は公的施設を中心に探す
優先度② 施設種別 要介護度・医療ニーズから受け入れ可能な種別を絞る
優先度③ エリア 家族が無理なく面会できる距離を基準にする
優先度④ ケア内容 本人に必要なサービス(医療ケア・認知症対応等)が提供できるかを確認する
優先度⑤ 施設長の人柄 入居後のトラブル対応で必ず関わる相手。見学時に介護方針・対応の誠実さを確認する

すべての条件を満たす施設は、費用が高額になりがちです。「本当に必要な条件」に優先順位をつけて、1〜2個の必須条件から絞り込む方法が現実的となります。

Webやパンフレットでは見えない部分も多いため、絞り込んだ候補は必ず見学で実際に確認しておきましょう。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
絞り込みはまず「予算」からです。エリア相場と比べて金銭的に余裕がある方は少ないので、付けたい条件を1〜2個に絞って追加していく形になります。
条件が揃った最後の判断として、私は「施設長」を見ます。入居後に何かあった時に必ずやり取りする相手なので、人柄や誠実さは重視します。

また、社会福祉士・元ケアマネージャーの桐島さんは、優先順位をつけることの大切さをこう語ります。

監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ
社会福祉士・元ケアマネージャー 桐島さん
すべての希望条件が完璧に整っている施設は、あったとしても費用が高額になります。
施設によって強みと弱みがある中で、「一番大切なものは何か」という優先順位をつけて選ぶことが大事です。
急いで決めたり、費用だけで判断すると後悔しやすいので、実際に見学して施設長の方針や入居者の様子を確認することが重要です。

老人ホームに入るには③:見学・体験入居をする

見学と体験入居は、WebやパンフレットではわからないA「施設の実態」を確認するための重要なステップです。

スタッフの対応・施設の清潔感・入居者の様子は、実際に訪問しなければ把握できません。

見学前にチェックポイントをリストアップしておくことで、複数施設の比較がしやすくなります。

見学の流れとポイント

見学は、基本的に事前予約が必要です。

候補が3〜5施設に絞れた段階で、まとめて予約するのが効率的です。

主な見学の流れは以下の通りです。

主な見学の流れ
STEP1 電話またはWebで見学予約をする
希望日時・人数・本人の状態(要介護度・医療ケアの必要性)を伝える
STEP2 施設の概要説明を受ける
入居条件・費用・提供サービス・空き状況などを担当者から確認する
STEP3 館内を案内してもらう
居室・食堂・共用スペース・浴室・廊下など実際の生活動線を確認する
STEP4 気になる点・不安な点を質問する
急変時の対応・退居条件・費用の加算項目など疑問を解消する
STEP5 見学メモをまとめて施設間を比較する
見学直後に印象・気になった点を記録しておく

また、見学時は以下のポイントを注意してみておくと、良い老人ホームかどうかを見極めることができます。

見学時に必ず確認したいチェックポイント
確認項目 確認内容
施設内の清潔感 廊下・食堂・トイレの清掃状況。不快な臭いがないか
スタッフの対応 入居者への声かけ・表情。余裕を持って対応しているか
入居者の様子 穏やかに過ごしているか。共用スペースに人がいるか
居室の設備 実際の入居部屋とモデルルームの設備差異を確認する
施設長の介護方針 急変時の対応・退居条件・施設のルールに関する考え方
食事の質 食事サンプルの確認。嚥下対応食・アレルギー対応の有無

見学は平日の日中に行く方が、実際の対応の様子を確認しやすくなるのでおすすめです。

見学後はその場で施設に対する印象を簡単にメモしておくと、複数施設を比較するときに役立ちます。

見学した部屋が「モデルルーム」の場合、実際に入居する部屋とは設備や日当たりなどが異なることがあります。
できれば、他の部屋や実際に入居中の部屋も見れないか確認しておくと良いでしょう。
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体験入居の流れとポイント

体験入居は、実際の生活リズムや食事・スタッフとの相性を事前に確認できる最終チェックの機会です。

入居を真剣に検討している段階で活用することで、入居後のミスマッチを防げます。

体験入居の基本情報
期間 1泊2日〜1週間程度(施設によって異なる)
費用 食費・居住費等の実費が発生する施設が多い。無料で対応する施設もある
対象者 入居を前提として検討している方。施設側が受け入れ可能かを事前審査する場合あり
主な持ち物 着替え・洗面用具・服薬中の薬・健康保険証・介護保険証
確認できること 食事・入浴・起床・就寝リズム、スタッフとの相性、レクリエーションの雰囲気

体験入居を実施していない施設もありますので、希望する場合は見学時または問い合わせ時に確認しておきましょう。

体験入居中は、本人がスタッフに話しかけやすいか・食事を完食できているか・夜間に不安がないかといった点を家族が確認することが重要です。

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老人ホームに入るには④:申し込みと入居審査

入居申し込みは、見学後に「入居希望の意思」を施設に伝え、所定の書類を提出することから始まります。

施設は提出書類と面談をもとに入居の可否を判断するため、書類の準備と正確な情報提供が審査通過の鍵になります。

審査では健康状態・費用支払い能力・生活上のリスクなどが確認されます。

申し込みの流れ

入居申し込みは複数の施設に同時並行で申し込むことが可能です。希望施設が1つに絞れていない段階でも、空きが出たときに備えて複数施設に申し込んでおく方法が一般的です。

入居申し込みの流れ
STEP1 施設に入居希望の意思を伝える
見学後または電話で「申し込みを進めたい」と伝え、申込書類一式を受け取る
STEP2 必要書類を準備・提出する
入居申込書・健康診断書・介護保険証・資産に関する書類等を揃えて提出する
STEP3 施設による入居審査を受ける
書類審査と、必要に応じて本人・家族との面談が行われる
STEP4 審査結果の通知を受ける
通常1週間〜2週間程度で施設から連絡が来る。合否が決まったら次のステップへ進む

必要書類の種類と数は施設によって異なります。申し込み前に「必要書類の一覧をもらえますか?」と施設に確認してから準備を始めることで、書類不備による審査遅延を防げます。

主治医の意見書は発行に時間がかかる場合があるため、申し込みを決めたら早めにかかりつけ医に依頼しましょう。

入居審査でチェックされること

入居審査では「施設が対応できる健康状態かどうか」「費用を継続的に支払えるか」「共同生活上のリスクがないか」の3点が主にチェックされます。

書類の内容だけでなく、申し込みや見学時の対応・家族の関係性なども施設側の判断材料です。

入居審査でチェックされる主な項目
チェック項目 確認内容
健康状態・医療ニーズ 施設が対応できる医療ケアの範囲内かどうか
要介護度 施設の入居条件(要介護度の基準)に合致するか
費用の支払い能力 年金・預貯金・家族からの支援で継続的に支払えるか
共同生活上のリスク 他の入居者への暴言・暴力・危害行為のリスクがないか
家族・親族の関係性 入居後のトラブルにつながりそうな複雑な家族関係がないか

審査で確認されるのは書類上の条件だけではありません。申し込み前後のやり取りで「入居後に揉めそうかどうか」も施設側は判断しています。

要望や質問が多いこと自体は問題ありませんが、伝え方が攻撃的・過度に要求が多いと受け取られると、審査上の優先度に影響することがあるので注意が必要です。

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ケアアドバイザー前北
施設側ははっきり断るまでいかなくても、「入居後に揉めそうな人」は優先度を下げています。
要望が多くてクレーマーっぽく見えてしまう方や親族関係が複雑な方が特に該当します。
たとえば、実の子どもと仲が悪いからと別の親族が代理申し込みをしているような場合、施設側は入居後のトラブルを懸念して優先度を下げることがありますね。

審査に落ちたら?

審査不通過の理由は施設ごとに異なりますが、先ほどご紹介した通り一定の傾向はあることは確かです。

審査に落ちる主な理由と対処法
審査に落ちる主な理由 対処法
医療ニーズが施設の対応範囲を超えている より医療対応力の高い施設(ナーシングホーム・介護医療院等)に変更する
要介護度が入居条件を満たさない 条件に合う別の施設種別を選び直す(または区分変更後に再申請)
費用の支払い能力への懸念 月額費用が低い公的施設を検討する。低所得者向け補助制度(負担限度額認定等)の活用も確認する
認知症の症状・他者への影響 認知症専門対応の施設(グループホーム・認知症専門ユニット等)に変更する
書類の不備・情報の不一致 施設に不足書類を確認し、補完して同施設への再申請も可能

審査に落ちた理由を施設が明確に教えてくれないケースもあります。

審査に落ちてしまったら、まずは担当者または紹介サービスのアドバイザーに相談した上で、別の施設を探すことになります

1施設の審査結果で落胆せず、より条件の合う施設を探しに進みましょう。

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老人ホームに入るには⑤:契約・入居準備

審査通過後は契約書・重要事項説明書の内容を確認し、署名・捺印を行います。

契約書には費用・退居条件・サービス内容など、入居後の生活に直結する取り決めが記載されていますので必ず細部まで確認してください。

「入居一時金の初期償却率」や「退居を求められる条件」は見落としやすく、後からトラブルになりやすいため注意が必要です。

契約で必要なもの

契約時には重要事項説明書・契約書の2種類が交付され、施設担当者から内容の説明を受けたうえで署名・捺印します。

書類に不明な点があれば、その場で遠慮なく質問しましょう。

契約時に必要な主な書類・持ち物
書類・持ち物 備考
印鑑(実印または認印) 施設によって実印が必要な場合あり。事前に確認する
健康保険証・介護保険証(原本) 入居後は施設が管理する場合がある
保証人の署名・捺印済み書類 保証人本人が当日来られない場合は事前に準備しておく
入居一時金(指定の方法で) 振込・当日持参など施設の指定方法を事前確認する
マイナンバーカード・通知カード 施設によって必要。事前に確認する

契約書・重要事項説明書を受け取ったら、署名前に以下の項目を必ず確認しましょう。

確認が必要な項目が多いため、事前に「確認リスト」を手元に用意しておくと当日スムーズに進みます。

【契約書・重要事項説明書で確認しておくべき主な項目】
・月額費用の内訳と、状態変化時に加算される費用の条件
・入居一時金がある場合の「初期償却率」と「返還計算方法」
・施設側から退居を求められる条件(医療ニーズの増大・問題行動等)
・解約・退居の通知期限(何日前までに申告が必要か)
・緊急時・看取り時の施設の対応方針

施設への引っ越し

引っ越しは施設の居室に収まる最低限の荷物を持参することが基本です。

施設ごとに持ち込み禁止品や部屋のサイズが異なるため、搬入前に施設の規定を確認しましょう。

【入居時の主な持ち物リスト】
▼ 衣類・寝具
着替え(洗い替えを含む3〜5日分程度)
パジャマ・下着・靴下
室内履き(転倒防止のため滑り止め付き推奨)▼ 日用品・衛生用品
歯ブラシ・洗面用具・タオル・ティッシュ
施設から指定された日用品(施設支給の場合は不要)▼ 医療関係
服薬中の薬(一定期間分)・お薬手帳
眼鏡・補聴器・義歯など日常的に使う補助具▼ 書類関係
健康保険証・介護保険証のコピー
かかりつけ医の連絡先▼ その他
写真・趣味の道具など、本人が安心できるもの

部屋に洗濯機がついていない施設では、基本的に衣類や日用品にはすべて名前を記入(または名前シールを貼る)しておく必要があります。

また、施設によっては安全上の理由などから持ち込みを禁止している物もあります。

そのため、契約時または引っ越し前に、持ち込みできないものについて施設側に確認しておきましょう。

老人ホームに入居するまでの期間

老人ホームに入居するまでの期間は、一般的に3か月が目安となります。

ここで、3か月という期間の目安は、入居を希望する施設に空室があった場合の話であるということに注意が必要です。

特養など公的な施設への入居を検討している場合、満室の場合が多く、その際は部屋が空くのを待つことになるため、入居するまでに1~2年かかるケースもあることを覚えておきましょう。

本記事を作成するにあたり、ケアスル 介護の利用ユーザー1,006人を対象に、施設を探し始めてから入居までにかかった機関の調査を実施しました。

結果は以下の通りとなります。

老人ホームに入居するまでの期間

※出典:ケアスル 介護のデータベース(問い合わせから入居に至ったユーザーが要した期間)
※対象ユーザー数:1,006人
※対象施設種別:サ高住、有料老人ホーム、グループホーム、特養、老健、ケアハウス、ホスピスなど

計1,006名の方を対象に調査を実施しましたが、施設を探し始めてから入居するまでにかかった期間は「1か月以上~2か月未満」と答えた方が約39.6%と、一番多いという結果になりました。

また、上記の結果からも半数以上の方は3か月以内に施設に入居できていることが分かり、3か月という期間の目安はここから判断することができます。

このように比較的早く入居できた理由としては、「在宅で介護するのが大変だったため、すぐにでも入居できる施設を選びたかった」「入居相談員に勧められた施設が良さそうだったから」などが挙げられるほか、すぐに入居できる施設を選んだことで早く入居できたという方もいらっしゃいます。

また、入居までの期間が長ければ長くなるほど人数が減っていく傾向にありますが、入居までに1年以上かかる方も存在することにも注意しておきましょう。

まとめ

老人ホームへの入居は、「①現状の整理→②施設探し→③見学・体験入居→④申し込みと審査→⑤契約・入居準備」の5ステップで進みます。

各ステップで確認すべきポイントを事前に把握しておくことが、後悔しない施設選びの最大の近道です。

【老人ホームに入るまでの5ステップ まとめ】
① 現状の整理:要介護度・年齢・医療ケアの必要性・保証人の有無・経済状況の5つを確認する
② 施設を探す:「施設種別→エリア→予算→ケア内容」の順で絞り込む。紹介サービスの活用が効率的
③ 見学・体験入居:複数施設を比較し、清潔感・スタッフの対応・施設長の方針を実際に確認する
④ 申し込みと審査:必要書類を揃えて提出し、審査結果を待つ。複数施設への並行申し込みも可能
⑤ 契約・入居準備:重要事項説明書の費用・退居条件を署名前に確認し、荷物を最低限に絞って搬入する

老人ホームへの入居を検討し始めたタイミングで、まずは担当ケアマネジャーや施設紹介サービスに相談することが、スムーズな入居実現への第一歩です。

本人が元気なうちから情報収集を始め、家族と費用・希望条件を話し合っておくことが、焦らない施設選びにつながるでしょう。

老人ホーム選びで後悔しないための3つの原則
急いで決めない:体調悪化前に情報収集と家族間の話し合いを始める
費用だけで選ばない:月額費用・初期費用・退居条件をあわせて比較する
必ず見学する:Webやパンフレットでわからないことは実際に訪問して確認する

ケアスル 介護 では、要介護度・エリア・予算・医療ニーズなどの条件をもとに、担当アドバイザーが条件に合う施設を無料でご提案しています。

「どこから始めればいいかわからない」という段階からでもご相談いただけますので、施設選びで迷われている方はぜひご相談ください。

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