小規模多機能型居宅介護を利用している方の中には、「いつもは自宅で面倒見ているけれど、仕事が忙しくて介護する暇がなくなった」「親の要介護度が上がったので、少しの間だけ面倒を見てほしい」といった形で、ショートステイを利用する方は多くいらっしゃいます。
そのなかでも、ずっと泊りで入所させておき、頃合いを見て訪問介護に切り替えたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。この記事では、小規模多機能型居宅介護はずっと泊まりで入所可能なのかという点について解説していきます。
小規模多機能型居宅介護はずっと泊まりで入所できる?
小規模多機能型居宅介護は、ずっと泊まりで入所できるのでしょうか?結論から言うと、ずっと泊まりで入所することは可能ですが、本来の利用方法とは異なります。
そもそも小規模多機能型居宅介護は「在宅介護の支援」を目的としている施設なので、恒久的な宿泊対応は想定しておらず、一時的な宿泊・泊まりがメインです。
ただ、「出張になったので、一定期間宿泊サービスを利用したい」「老人ホームを探すまでの間、宿泊を利用したい」といったケースだと、ずっと泊まりが認められることもあります。なお、通常は数泊の宿泊しか対応していないので、長期的な宿泊が想定される場合は施設の運営者会議でどうするかが話し合われ、決定されます。
したがって、これから小規模多機能型居宅介護に入居する方が「長期的な宿泊」を目的に入居することは、あまりおすすめできません。もし仮に、やむを得ない事情で長い間宿泊サービスを利用したい場合は、一度施設の担当者に相談してみるようにしましょう。
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスとショートステイの違い
特養や介護施設に一時的に入居するショートステイと小規模多機能型居宅介護の違いを紹介します。
一般的に、ショートステイには利用期間の制限がありますが、小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスには利用期間が定められていない場合が多いです。
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービス | ショートステイ |
---|---|
利用期間の制限なし | 利用期間の制限あり |
柔軟に利用可能。当日の利用も可能な場合もある | 事前予約が必須 |
宿泊人数は約9人以下 | 施設により、少人数~数百人の場合も |
小規模多機能型居宅介護は、1つの施設で宿泊・通所・訪問の3サービスを利用でき、かつ1施設あたりの宿泊可能人数は約9人以下であるため比較的柔軟に利用できます。
一方、ショートステイの場合は事前に予約が必須であったり利用期間の制限があったりと、比較的制約が多くなっています。ただ、施設として宿泊を多く受け入れていることが多いため、事前に申し込みさえすれば予約しやすいというメリットがあります。
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小規模多機能型居宅介護の30日ルールとは?
小規模多機能型居宅介護には30日ルールという、訪問診療に関するルールがあります。条件次第では、宿泊中に訪問診療を受けられないという場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
30日ルールとは?
まず初めに説明しておくと、30日ルールは小規模多機能型居宅介護の宿泊日数制限に関するルールではありません。宿泊中に訪問診療を受けるうえで設定されているルールになっています。
30日ルールとは、下記のルールのことを指します。
- 9月1日~9月30日までの間に自宅で訪問診療を受けた方は訪問診療を利用可能
- 9月1日~9月30日までの間に自宅で訪問診療を受けていない方は、訪問診療を利用不可
になります。
退院直後なら問題ない
従来、30日ルールは病院から退院した直後でも適用されており、病院→自宅で訪問診療→宿泊サービス利用というステップを踏む必要がありました。
しかし、これでは「病院で診療してもらった後退院したにもかかわらず、このルールを守るためにわざわざ一度家で訪問診療を受けなければいけない」ということになります。これでは施設利用者にとっては相当な手間です。
そこで、令和2年度の診療報酬改定にてこのルールが見直され、病院からの退院直後はこの30日ルールを適用しなくても宿泊サービスで訪問診療を受けられるようになりました。
退院直後であれば、宿泊サービス利用開始前の患家への訪問の有無にかかわらず、算定可能
そのため、病院から退院した後そのまま小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを利用することができるようになっており、退院後の選択肢の幅が広がるようになりました。
ショートステイの30日ルールは別のルール
介護施設に入居するショートステイにも30日ルールがあります。ただこの30日ルールは、小規模多機能型居宅介護のものとは別のルールになっています。
ショートステイの30日ルールは、主に下記のルールのことを指します。
- 要介護度別に連続利用可能日数が定められており、最大でも連続30日しか宿泊できない
- 合計宿泊期間は介護認定期間の半数を超えてはいけない
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスとは異なり、ショートステイは最大30日と利用日数の制限があります。
また、要介護別に決められている介護認定期間の半数以上の期間泊ってはいけません。小規模多機能型居宅介護とは異なり、利用期間の制限がある点で異なるのがショートステイの特徴です。
小規模多機能型居宅介護以外の施設を検討しよう
恒久的にずっと施設に入居したいという場合は、小規模多機能型居宅介護を離れて別の施設を検討したほうが良いでしょう。ここでは、入居型の施設を3つ紹介するので参考にしてみてください。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、施設内で介護サービスを提供している老人ホームです。介護スタッフが24時間常駐しており、食事や入浴、排せつなどの介護サービスをおこなってくれます。
介護サービスのほかにも、掃除や洗濯といった生活支援、レクリエーションなども提供されており、介護を受けつつ、日々の生活を楽しく営むための工夫が施されています。
施設によって、受け入れ可能な要介護度合いやかかる費用は大きく異なり、場合によっては入居金が数千万円ほどかかる施設もあります。特養や老健などと比較すると、比較的金額が高い施設になっています。
グループホーム
グループホームは、認知症の方に特化した地域密着型介護施設です。認知症の改善や身体機能維持を目的とした施設となっており、5~9名のユニットに分かれて共同生活を営みます。
認知症改善のためのレクリエーションやリハビリが豊富となっており、施設の中には地域交流を活発におこなっているところもあります。
要支援2・要介護1以上の方で、かつ認知症の診断を受けた方のみ入居することができます。費用は運営母体によってまちまちなので、住んでいる地域にあるグループホームを調べてみましょう。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(通称:特養)は、要介護3以上の方が入居可能な介護施設です。食事や入浴、排せつといった生活介助・生活支援・リハビリサービスなどを受けることができ、看取りまで対応してくれます。
公的な介護施設なので費用が安く、かつ終身にわたって利用できるので、人気があり入居待ちが発生することも多くあります。地域によっては半年以上の待ち時間が発生しているところもあるため、特養への入居を検討している場合は前もって施設探しを始めておき、スムーズに入居できるようにしておきましょう。
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小規模多機能型居宅介護の特徴
最後に、小規模多機能型居宅介護について解説します。
小規模多機能型居宅介護は「小多機」とも呼ばれ、1つの事業所で「通所介護(デイサービス)」を中心に「訪問介護」「泊まり」などのサービスを組み合わせて利用できるサービス・施設のことを指します。月額定額の料金を支払うことで好きなサービスを自由に利用できます。
在宅での生活支援や機能訓練、リハビリをメインにおこなっており、施設での生活を通じて入居者の身体機能の維持・改善を図ることが可能です。
同じ施設で様々なサービスを受けられるので、自分に合ったサービスを組み合わせて利用できたり、自分のことをよく知っているスタッフに様々なサービスを提供してもらえるという利点があります。しかし一方で、施設側の受け入れ人数が多くないのですぐ人気になってしまったり、ほかの訪問介護・デイサービスなどと併用できなかったりする点はデメリットと言えるでしょう。
なお、小規模多機能型居宅介護について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参考:小規模多機能型居宅介護の特徴とは|利用開始までを徹底解説
結論:小規模多機能型居宅介護はずっと泊まりでも利用可能
小規模多機能型居宅介護は、ずっと泊まりでも利用することが可能です。ただし、長期入居を想定している施設ではないため、ある程度のタイミングで自宅介護に切り替える必要があります。
もし、長期間にわたってずっと入居したい場合は、老人ホームやグループホームなど、入居可能な施設を探す方が良いでしょう。
なお、ケアスル介護は専任のケアアドバイザーが常駐しており、入居希望者の要介護度や資金、立地など、求める条件に合わせて最適な施設を相談することが可能です。相談は何度でも無料でできるため、施設探しを検討している方は一度相談してみてはいかがでしょうか。
小規模多機能型居宅介護にずっと泊まりで入所することは可能ですが、本来の利用方法とは異なります。長期的な宿泊が想定される場合は施設の運営者会議でどうするかが話し合われ、決定されます。詳しくはこちらをご覧ください。
小規模多機能型居宅介護の宿泊(ショートステイ)利用時に訪問診療を受ける場合は、サービス利用前より30日以内に自宅で訪問診療サービスを受けている必要があるというものです。詳しくはこちらをご覧ください。