老老介護に直面したとき、どのように対処すればよいのでしょうか?
この記事では、老老介護の解決策を具体的に解説します。
相談窓口の活用方法から、利用可能な介護サービス、そして介護施設や高齢者向け住まいの選び方まで、詳しくご紹介します。
【この記事のまとめ】
- 老老介護に直面した際には、地域の福祉担当窓口やインターネットの相談窓口などに相談し解決方法を考えるといい。
- 老老介護に直面した際には、デイサービスやショートステイ、訪問介護といった介護保険サービスを利用することで負担を軽減できる。
- 老老介護に直面した際には、特養や有料老人ホーム、サ高住といった介護施設や高齢者向け施設に入居する手もある。
老老介護の解決策は?
老老介護に直面したとき、どのような解決策があるのでしょうか?ここでは、以下のような具体的な解決策を4つご紹介します。
- 相談窓口を活用する
- 介護サービスを利用する
- 介護施設・高齢者向け住まいに入居する
- その他の介護サービスを利用する
以下では、それぞれの解決策について詳しく解説していきます。
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老老介護の解決策①:相談窓口を活用する
老老介護に対する最初の一歩は、専門的な相談窓口を活用することです。相談窓口では、介護のプロフェッショナルがあなたの状況を理解し、最適な解決策を提案してくれるでしょう。
相談窓口は、地域の福祉事務所や介護保険事務所、市町村の社会福祉協議会などに設置されています。また、近くの地域包括支援センターや居宅介護支援事業所と呼ばれるケアマネジャーが在籍する事業所でも相談には乗ってくれるはずです。
例えば、ある夫婦は、夫が妻の介護を担当していましたが、夫自身も高齢で体力が落ちてきているため、介護が困難になってきました。この夫婦は地域の福祉事務所に相談し、専門家のアドバイスを受けて、デイサービスを利用することにしました。これにより、夫の負担が軽減され、妻も適切なケアを受けることができるようになりました。
このように、相談窓口を活用することで、自分一人で解決策を探すよりも適切なケアの形を見つけることができるでしょう。
老老介護の解決策②:介護サービスを利用する
老老介護の解決策の一つとして、様々な介護サービスの利用があります。これらのサービスは、日常生活の支援から専門的なケアまで、幅広いニーズに対応しています。
以下では、利用されることが多い介護サービスをご紹介します。
利用できる介護サービス(1)デイサービス
デイサービスは、日帰りで介護施設に通い、通い先の介護施設にてサービスを受けながら生活することができるサービスとなっています。デイサービスでは、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスが提供され、介護が必要な人が安心して過ごすことができます。
デイサービスの利用により、介護者は一時的に介護から解放されるため、自分自身の時間を持つことができます。また、利用者は他の利用者と交流することで孤独感を軽減し、生活の質を向上させることができます。
例えば、ある高齢者夫婦では、妻が夫の介護を担当していましたが、妻自身も高齢で体力が限界に近づいていました。そこで、地域のデイサービスを利用することにしました。デイサービスのスタッフが家まで送迎してくれて、夫は朝から夕方まで施設に滞在します。また、夫はデイサービスで他の利用者と交流することで、生活に活気を取り戻しました。
このように、夫婦お互いにとってメリットのあるサービスとなっているため、介護についてお悩みの際には利用を検討してみるといいでしょう。
利用できる介護サービス(2):ショートステイ
ショートステイは、短期間介護施設に宿泊し必要なケアを受けるサービスです。介護者が休暇を取るときや、介護者自身が病気になったときなど、一時的に在宅での介護が難しくなった際などに利用されることがあります。
ショートステイでは、食事や入浴、医療的なケアなど、必要なサポートが提供されます。また、医療型ショートステイと呼ばれるところでは、医療ポートを受けることもできます。利用者は新しい環境で過ごすことで、気分転換になることもあります。
例えば、ある高齢者夫婦では、夫が妻の介護を担当していましたが、夫が風邪を引いてしまい、一時的に介護が難しくなりました。そこで、地域のショートステイを利用することにしました。妻はショートステイで必要なケアを受け、夫は安心して休むことができました。
このように、短期間の宿泊を伴う介護サービスです。「1か月に1度」「毎週末」など、定期的に利用している方も多くいます。何らかの理由で介護が難しい状況には利用を検討してみるといいでしょう。
利用できる介護サービス(3):訪問介護
訪問介護は、介護スタッフが利用者の自宅を訪れ必要なケアを提供するサービスです。訪問介護では、食事や入浴、トイレの介助、掃除や洗濯などの家事支援など、利用者の生活を支える様々なサービスが提供されます。
訪問介護の利用により、介護者は一部の介護負担を軽減することができます。また、利用者は自宅で過ごしながら、必要なケアを受けることができます。
例えば、ある高齢者夫婦では、夫が妻の介護を担当していましたが、夫自身も高齢で体力が限界に近づいていました。そこで、地域の訪問介護サービスを利用することにしました。訪問介護スタッフが定期的に自宅を訪れ、食事の準備や入浴の支援を行い、夫の介護負担を軽減しました。
訪問介護は住み慣れた自宅でケアを受けることができるサービスであるため、環境の変化などもなく利用しやすいサービスと言えるでしょう。
老老介護の解決策③:介護施設・高齢者向け住まいに入居する
老老介護の解決策の一つとして、介護施設や高齢者向け住まいに入居することがあります。介護施設や高齢者向けの住まいでは、24時間体制でのケアや生活支援を提供しているため、入居後は安心して生活することができるでしょう。
以下では、おすすめの介護施設や高齢者向け住まいをご紹介します。
おすすめの介護施設・高齢者向け住まい:(1)特養(特別養護老人ホーム)
特養は、介護が必要な高齢者が安心して生活できるように、比較的安い費用で手厚いケアを提供する施設です。特養では、身体介護をはじめ、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスが提供され、簡易的な医療的なケアも受けることができます。
特養に入居することで、介護者は日々の介護から解放され、利用者は手厚いケアを受けながら生活することができます。また、他の利用者との交流もあるため、孤独感を軽減することもできるでしょう。
例えば、ある高齢者夫婦では、夫が妻の介護を担当していましたが、夫自身も高齢で体力が限界に近づいていました。そこで、地域の特養に妻を入居させることにしました。特養のスタッフが24時間体制で妻のケアを担当し、夫は安心して休むことができました。
ただ、特養は、費用の安さやケアの手厚さから入所を希望する方が多く、入所待機期間が発生することも珍しくないため、すぐに入所することができない可能性を見込んでおく必要があるでしょう。
おすすめの介護施設・高齢者向け住まい(2):有料老人ホーム
有料老人ホームは、自宅での生活が困難な高齢者が、自分のペースで生活できるようにサポートを提供され、必要に応じて24時間365日定額で受けることができます。です。有料老人ホームでは、食事や清掃、レクリエーションなどのサービスが提供され、必要に応じて介護や医療サービスも受けることができます。
有料老人ホームに入居することで、自宅での生活が困難な高齢者は、安心して生活することができます。また、他の入居者との交流もあり、孤独感を軽減することができます。
例えば、ある高齢者夫婦は、長年2人で生活を営んできましたが、いよいよ日常生活が困難になってきました。そこで、地域の有料老人ホームに入居することにしました。有料老人ホームのスタッフが日常生活のサポートを提供し、高齢者は安心して生活することができました。
ただ、有料老人ホームは主に株式会社などの営利企業が運営している施設であることから、特養のような公的性質の強い施設と比べると全体としては、費用が高額になる傾向にありますが、特養よりも制度上の自由度が高いため、格安タイプから高級型まで選択肢の幅は広いです。
また、費用に応じて提供するサービスに違いがあります。実際に見学するなどして、ニーズに合った施設を選ぶと良いでしょう。
おすすめの介護施設・高齢者向け住まい③:グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者が小規模な共同生活を送るための施設です。グループホームでは、食事や清掃、レクリエーションなどのサービスが提供され、必要に応じて外部または併設する事業所から介護や医療サービスも受けることができます。
グループホームに入居することで、認知症の高齢者は、安心して生活することができます。また、他の入居者との交流もあり、孤独感を軽減することができます。
例えば、ある高齢女性は、認知症のため夫の介護が困難になってきました。そこで、地域のグループホームに夫婦そろって入居することにしました。グループホームのスタッフが日常生活のサポートを提供し、高齢者は安心して生活することができました。
ただ、グループホームでは少人数単位とは言えども他の入居者の方との共同生活が前提となっています。そのため、他の方との交流を好ましく思わない方にとっては向かない可能性もあるため、入居に適切な施設かどうか判断する必要があるでしょう。
おすすめの介護施設・高齢者向け住まい(4):サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
サ高住は、自立した生活を送りながら、必要に応じて介護や生活支援を受けることができる住まいです。サ高住では、食事や清掃、レクリエーションなどのサービスが提供され、必要に応じて外部または併設する事業所から介護や医療サービスも受けることができます。
サ高住はあくまでも賃貸住宅という位置付けにあるため、入居以前と変わらない自由な生活を送ることができます。また、他の入居者との交流もあり、孤独感を軽減することができます。
例えば、ある高齢者は、一人暮らしをしていましたが、日常生活の一部が困難になってきました。そこで、地域のサ高住に入居することにしました。サ高住のスタッフが日常生活のサポートを提供し、高齢者は自立した生活を送りながら、必要なサポートを受けることができました。
ただ、サ高住では、自立度の高い方向けの施設もあり、そうした施設では中重度の要介護状態になってしまった場合には、施設での対応が難しいといった理由から退去を促されることもあるため、注意が必要です。
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老老介護の解決策④:その他の介護サービスを利用する
老老介護の解決策の一つとして、介護保険の活用があります。介護保険は、介護が必要になった高齢者が、自立した生活を送るための支援を提供します。
以下では、介護保険の活用方法について解説していきます。
介護保険の活用方法(1):介護サービスの利用
前述(解決策①)のように介護保険を活用することで、デイサービスやショートステイ、訪問介護などの介護サービスを利用することができます。これらのサービスは、介護が必要な高齢者が安心して生活するための大きな支えとなります。
例えば、ある高齢者夫婦では、夫が妻の介護を担当していましたが、夫自身も高齢で体力が限界に近づいていました。そこで、介護保険を活用して地域のデイサービスを利用することにしました。日中はデイサービスに預けることができたため、妻は一時的に介護の負担から解放され一息つく時間を持つことができました。
介護保険の活用方法(2):福祉用具のレンタル・購入
介護保険を活用することで、車椅子や介護ベッド、手すりなどの福祉用具をレンタル・購入することができます。これらの福祉用具を利用することで、要介護者の身体的負担を軽減し、介護者の介護にかかる手間や負担を軽減することができるでしょう。
例えば、ある高齢者は、歩行が困難になってきました。そこで、介護保険を活用して車椅子を購入することにしました。車椅子のおかげで、高齢者は自宅内を安全に移動することができるようになりました。
ただ、要介護度によって、レンタル・購入が可能な福祉用具は異なるため、注意が必要です。
介護保険の活用方法(3):住宅改修の支援
介護保険を活用することで、手すりの設置や段差の解消などの住宅改修を行うことができます。これらの改修は、介護が必要な高齢者が安全に生活するために必要なものです。
例えば、ある高齢者は、自宅の浴室に手すりがなく、滑って転倒する危険性がありました。そこで、介護保険を活用して浴室に手すりを設置することにしました。手すりのおかげで、高齢者は安全に入浴することができるようになりました。
ただ、住宅の改修の際の保証金には、20万円という上限額が設定されているため、注意が必要です。
まとめ
老老介護は、多くの高齢者やその家族が直面する課題となっています。しかし、適切な知識やサポートを受けることで、高齢者は安心して生活することができます。
今回この記事で解説した方法を組み合わせ、老老介護の課題を乗り越え、高齢者が安心して生活するためのサポートを受けましょう。
最後に、老老介護に関する情報やサポートを求める際は、専門家や関連機関に相談することをおすすめします。
老老介護の解決策としては、「相談窓口を活用する」「介護サービスを利用する」「介護施設・高齢者向け住まいに入居する」「介護保険を活用する」といった方法があります。詳しくはこちらをご覧ください。
老老介護についての相談は、地域包括支援センターや役所の福祉担当課、インターネット上の相談窓口などで受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。