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ソフト食とは?介護で利用するメリットやデメリットを解説

ソフト食とは?介護で利用するメリットやデメリットを解説

介護をしている親御さんが、食べ物が噛みにくく食べる量が減った、食事中にむせて咳きこんでしまうといった悩みをお持ちの方はいませんか。

ソフト食は、もともとの食材を生かしているため、栄養が整っており、かみ砕く力が弱まってきた人の健康を維持するのに役立ちます。また、誤飲が心配な人や安全に食事を取りたい人にもおすすめです。

この記事では、ソフト食について詳しく説明していきます。

ソフト食とは

高齢者の死亡率の8割が肺炎であり、その多くが誤嚥性肺炎であるといわれています。誤嚥性肺炎は、加齢や疾患などによって咀嚼力が弱まり、誤嚥してしまうことが主な要因となっています。

このような誤嚥のリスクを抑えることが出来るのがソフト食です。では、ソフト色とはどのような介護食なのでしょうか。まずは、特徴や対象となる人について見ていきましょう。

ペースト状にした食材を元の形状に再現したもの

ソフト食とは、食材をミキサーや裏ごし器でペースト状にし、ゼラチンなどのゲル化剤で元の形に近い状態にした食事のことです。主に、咀嚼力の弱まった高齢者のための介護食として用いられています。そのため、歯茎や舌で簡単に押しつぶすことのできるほどの柔らかさになっており、形状は滑らかな食塊としてまとまっているのでスムーズに喉まで運び飲み込むことができます。

具体的な料理は、豆腐や卵焼きをはじめ、お肉やお魚をすり潰して元の形に近づけたものなど、幅広い食材が使われて調理されています。これまでの介護食といえば、食事を全部一緒にミキサーにかけてペースト状にしていましたが、ソフト食は1つ1つ食材ごとにミキサーにかけた後、元の形に近づけることから、食欲がわきやすいと近年注目を浴びています。現に、介護の現場ではソフト食を取り扱うところが増えており、食事が楽めているという入居者も多いのではないでしょうか。

対象者は咀嚼力が弱い人

ソフト食の対象となるのは、かむ力(歯の状態)や、食べ物を口の中でまとめる力(口内の状態)、飲み込む力(喉の状態)が弱くなっている人です。私たちは食べ物を無意識のうちに食道へ運び込んでいますが、そうした各過程の力の低下に応じて、食事を見直す必要があるのです。

キユーピーや明治など、食品メーカーが加盟企業となっている日本介護食品協議会で制定されたユニバーサルデザインフード(UDF)では、咀嚼力を下記の4区分に分けています。

区分 状態 区分1 かたいものや大きいものはやや食べづらいものの、普通の食事は容易にかんで飲み込むことができるレベル。 区分2 かたいものや大きいものは食べづらく、少し柔らかいものを歯茎で潰して食べることができるレベル。ものによっては飲み込みづらいことがある。 区分3 細かくやわらかいものであれば、舌で潰して食べることができるレベル。水やお茶でも飲み込みづらいことがある。 区分4 固形物は難しく、噛まなくてもいいものしか食べることができないレベル。水やお茶も飲み込みづらい。

このように一概に咀嚼力が低下したといっても、区分によってかなり差があることがわかります。自分で判断せず、きちんと医師に診断してもらい適した区分を知ることが大切です。

ソフト食は、だいたい上記の区分2~3のレベルで、固いものは難しく、歯茎や舌を使って潰してなら食べることができる人向けといえるでしょう。

ソフト食のメリット

介護食でソフト食を利用すると、どのようなことが期待できるでしょうか。

ここでは、ソフト食のメリットについて見ていきましょう。

見た目がいい

ペースト状にしたままのミキサー食などに比べると、ソフト食は食事自体や盛り付けのイメージを一般的な食事に近い状態にします。ぱっと見た感じだと、ソフト食ではないのではないかというよう料理もあります。そのため、見た目がおいしそうに見えることに加え、香りも損なわれないため食欲がわきやすいでしょう。

また、一般的な食事に近い状態にすることで、ひな祭りにはちらし寿司、冬至にはかぼちゃ料理など、季節感を意識した料理や、誕生日のお祝いの料理など、食卓に変化をもたらすこともできます。

箸を使って食べることができる

ペースト状となるとスプーンなどで食べることになりますが、ソフト食は形状が保たれているため、一般的な食事と同じように箸を使って食べることができます。咀嚼力は弱まっているけど、きちんと箸を使って自分で食事をしたいという人にも向いています。

スムーズに飲み込むことができる

噛む回数や唾液が減ったなどの理由で飲み込みづらさを感じている人でも、滑らかな食塊としてまとまっているのでスムーズに食道まで運ぶことができ、飲み込みやすくなっています。そのため、喉に詰まったり、誤って気道に入ってしまうといった誤嚥の危険性も低いです。

ソフト食のデメリット

反対に、ソフト食を利用すると、大変なことは何でしょうか。

ここでは、ソフト食のデメリットについて見ていきましょう。

調理に手間がかかる

一般の食事に近いというのはメリットである反面、素材ごとに分けてペースト状にし、また元の形を再現するという手順を踏むため、1つ1つ型を用意したり手で形作ったりといった手間がかかります。ミキサーにかけて固めたりする時間を考慮すると、早めに作り始める必要があるでしょう。

食材費がかかる

一般の料理では、あまり使用しないゼラチンなどのゲル化剤を購入する必要があるため、食材のコストが高くなってしまいます。また、栄養バランスを考えてソフト食に適した食材を選択する必要があるため、コストがかさむ可能性があります。

柔らかさの度合いは食べる人に合わせる

上記で述べたように咀嚼力の区分によっては、ある程度咀嚼力のある人もいれば、ほとんどかむ力のない人もいるため、その人に合った柔らかさに調整する必要があります。特に、複数人の食事を準備をする場合は調整が大変になります。

ソフト食を利用するタイミング

食事形態は運動と同じように、楽をするとどんどん能力が低下していってしまいます。そのため、食事形態を変える場合には、しっかりと今の状況を把握してから判断しましょう。

ソフト食は、咀嚼力が弱まってきた人が初めに試す介護食としておすすめです。いきなりペースト状になった咀嚼を必要としない介護食から始めると、さらに咀嚼力を弱めてしまうことになりかねません。また、見た目や香りが損なわれず、箸でも食べることができるため、気持ち的にも今までの食事との変化が大きすぎないのです。

そして、咀嚼力はリハビリをすることで元に戻せる可能性もあります。無理に食べるのは、かえって食欲が減退して健康を損ねてしまうかもしれないため、最初のうちは一般的な食事と並行していくのもひとつの手です。

ソフト食を作るときのポイント

それでは、実際にソフト食を作るときのポイントについて見ていきましょう。

柔らかくて加工しやすい食材を選ぶ

できるだけ筋のある肉や骨の多い魚、歯ごたえのある野菜といった加工しにくいものは選ばず、ミンチ肉や白身魚、トマト・ナス・ピーマンといった繊維の少ない野菜など、柔らかくて加工しやすい食材を選びましょう。特に、豆腐は柔らかくタンパク質が多く含まれているため、ソフト食にぴったりの食材です。

スープにもとろみをつける

飲み込むときにサラサラしているスープなどの汁物は、飲み込む力が低下している人にはとても飲み込みにくい料理です。そのため、水溶き片栗粉などでとろみをつけて飲み込みやすくします。ただ、とろみをつけすぎるとかえって誤嚥を招いてしまう可能性があるため、濃度には十分に注意する必要があります。

日本介護食品協議会で定義されたとろみの4段階は、下記の通りです。どれくらいのとろみの強さがいいかは医療機関などに確認しましょう。

とろみの強さ 強さ1 強さ2 強さ3 強さ4 イメージ フレンチドレッシング状 とんかつソース状 ケチャップ状 マヨネーズ状

肉や魚は脂身があるものを選ぶ

肉や魚は適度に脂肪が含まれている部位が適しています。健康を損なわない程度に適度に脂肪がある方が、口の中に入れた際に脂肪が溶けて喉越しが良くなるからです。

もも肉などの赤身の肉を使う場合は、筋切りや叩くことである程度柔らかくできます。ミンチ肉はまとまりやすくするため、卵などのつなぎを使いましょう。また、魚はできるだけ骨の少ない種類や部位を選び、骨がある場合は取り除いて調理しましょう。

野菜は切り方を工夫する

野菜の皮は口内に残りやすいため、きれいに剥いで調理します。キャベツや白菜など繊維の多い野菜は、繊維を断つように直角に切るようにすると、食感が柔らかく食べやすくなります。また、大きさが違うと火の通り方にもバラつきが出るため、大きさをそろえて切りましょう。

塩分は控えめにする

高齢になると味覚が鈍くなり、濃い味付けのものを好む傾向がありますが、塩分を多く摂取しすぎると血圧が高くなる危険性があるため、できるだけ控えめにしましょう。その代わりに、だしや香味野菜などで味付けを工夫して、物足りなさを補うのがおすすめです。

ソフト食の食べさせ方

ソフト食に限らず、介護食を安全に食べてもらうための食べさせ方をしっかりと理解しておく必要があります。ここでは、ソフト食の食べさせ方について見ていきましょう。

食事の前に行うこと

食事の前には、トイレにいって排泄を済ませたり、手洗いうがい、テレビを消すなどして、食事に集中できる環境を作ります。そして、上体を起こして正しい姿勢になり、喉に詰まったり気管に入ってしまったりといった誤嚥のリスクを減らします。

食事中に行うこと

自分で食べられる場合は、異常があった際にすぐに対応できるよう、できるだけ近くで見守っているようにします。食べさせてあげる場合は、おかず、ご飯、汁物と飽きないように順番に口に運びましょう。その際、スプーン一口は飲み込むことができる適量をすくってあげるよう注意します。必ず食べ終わったことを確認してから次を食べさせるようにしてください。

食事の後に行うこと

歯磨きや入れ歯の手入れなど、歯の状態が悪化しないようにケアを行います。そして、食後は食べたものが胃から逆流する可能性があるため、すぐに横になるのは避けましょう。

ソフト食に関するQ&A

最後にソフト食に関して、よくある疑問を見ていきましょう。

きざみ食との違いは?

ソフト食と同じように介護でよく用いられれ、他の介護食の中でもソフト食とよく比較されやすい、きざみ食との違いは何でしょうか。

きざみ食は、食材をたくさんかまなくても食べやすい大きさにきざんで調理しているため、かむ力が低下している人には適しています。しかし、口の中でまとまりにくいため、加齢により唾液が減少し、さらに飲み込む力が低下している場合は誤嚥を招く可能性があります。

それに対してソフト食は、滑らかにまとまっているため口の中でバラバラになることがなく、スムーズに食道へ運びやすくなっています。そのため飲み込む力が低下している人でも、安心して食べることができます。

食べる人の状態に合わせて、どちらが適しているかを考えましょう。

介護施設でも対応できる?

介護施設で提供される介護食は、普通食、軟菜食、きざみ食、ソフト食、ミキサー食などと食べる人の状態に合わせて複数のパターンが用意されていることが多いです。冒頭に述べたように、近年はソフト食を取り扱う介護施設も増えてきました。

ただ、介護食の中でもソフト食は手間がかかるため、施設によっては扱っていない場合もあります。また、施設によっては、ソフト食のことを軟菜食やムース食などと異なる名称で呼んでいる場合もあるので、どのような食事形態を扱っているか入居前に確認しましょう。

介護を受ける人の様子を見ながらソフト食を試してみよう

食事は、どれだけ歳をとっても生活の中の楽しみになりますし、長生きするためには欠かせないものです。特に、高齢化の進んでいる今の時代は、単に寿命を延ばすだけでなく、できるだけ長く自分の力で生活することが重要視されます。

ソフト食は調理に手間はかかるものの、食べる人は今までと同じように食事を楽しむことができる介護食です。バリエーションもたくさんあるので、食材を選べば栄養バランスが摂りやすく飽きにくいでしょう。

介護をしている高齢者の噛む力や飲み込む力が弱くなってきて、体重が減少したり栄養が偏ったりしていないか心配な人は、一度ソフト食を検討してみてもいいかもしれません。

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