「親は寝たきりの状態だけど、デイサービスは利用できるのかな…?」
介護をしている方々の中には、このように疑問を抱える方々は多くいらっしゃいます。
そこで本記事では、本人が寝たきり状態の場合、デイサービスの利用は可能なのか、また利用の際に気をつけるべきポイントは何なのかを詳しく解説していきます。
【この記事のまとめ】
- 寝たきりの状態でも、デイサービスを利用することは可能。
- 寝たきりの状態でも「入浴」や「食事」の介助は利用することができるが、集団でのレクリエーションや運動などのプログラムに参加することは難しい場合が多い。
- 寝たきりの介助に対応しているかは、事業所によって異なる場合があるため、事前に利用は可能か調べておくことが大切。
寝たきりの状態でもデイサービスは利用できる?
寝たきりの状態でも、デイサービスの利用は可能です。
しかし、本人の詳細な身体状況や事業所のサービスの内容によって異なることがあります。
この章では、寝たきりの方がデイサービスを利用することにあたっての条件や、サービス内容について解説して行きます。
入浴・食事の介助目的であれば可能
デイサービスにはさまざまなサービスが含まれていますが、「入浴」や「食事」の介助は、寝たきりの状態でも利用することができます。
これらのサービスは日常生活の基本的な一部であり、介護者にとっては負担となる部分です。
本来の機能の一部とはいえ、家族の介護負担を軽減できることはメリットといえます。
もちろん、専門的なスタッフがいることで適切な介助を受けることができるため、家族は本人を安心して任せることができるでしょう。
ただし、入浴は特殊浴を完備している事業所でないと寝たきりの方は難しいかもしれません。
食事も胃ろうをしている場合などは、看護師の配置の有無により制限があるので確認は必要です。
集団のレクリエーションへの参加は難しい
集団でのレクリエーションや運動などのプログラムに参加することは、寝たきりの状態では難しい場合が多いです。
集団で行われる活動は多くの場合、一定の身体的能力を必要とするからです。
しかし、それぞれのデイサービス事業所には個別に対応するプログラムも用意されていることがありますので、利用を考える場合はサービス内容を確認してみることをおすすめします。
例えば、音楽鑑賞会などそれほどの身体機能を必要しない企画もあるため、事前に情報収集を行うことは大切と言えるでしょう。
身体状況によって利用を断られる場合がある
デイサービスの利用にあたっては本人が寝たきりの状態であるか以外にも、詳細な身体状況が考慮されます。
デイサービスの送迎は福祉車両を使いますが、車いすに座れないと難しいかもしれません。
感染症のリスクがある場合や重度の病状の場合などは、他の利用者への影響を考慮し利用を断られることもあります。
それ以外にも特定の医療的なケアが必要な場合などは、デイサービスのスタッフがそのケアを提供できないことが多いため、利用が制限されることがあると言えるでしょう。
したがってデイサービスを利用する際には自身の身体状況だけでなく、デイサービスの提供できるサービスの範囲も把握することが必要です。
ピッタリの施設を提案します
寝たきりの状態でデイサービスを利用する際のポイント
デイサービスを寝たきりの状態で利用する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
それぞれについて、順番に解説して行きます。
事業所が寝たきり介護に対応しているか確認する
寝たきりの状態の方がデイサービスを利用する際にまずポイントとして挙げられるのは、その事業所が寝たきり介護に対応しているかどうかを確認することです。
前述のとおり、全ての事業所が寝たきりの方を受け入れているわけではないため、利用を検討する前に情報を集め、対応状況をチェックすることが必要となります。
例えばベッドから車椅子への移乗や車椅子からトイレへの移動など、どこまでの移動介助が可能であるかを確認しておきましょう。
事業所のホームページだけでは寝たきりの状態に対応しているか分からない場合も多いので、不安であれば事業所に直接問い合わせるのもひとつの手です。
デイサービスの雰囲気を確認する
寝たきりの方であってもデイサービスの雰囲気は、心地よさを感じる大きな要因です。
スタッフの接し方、施設の清潔さ、他の利用者との交流の様子などをチェックすることで、その施設が本人にとって適した環境であるかを判断しましょう。
具体的には、スタッフが笑顔で対応しているか、気配りが行き届いているか、利用者がリラックスできる環境かなどのポイントが挙げられます。
本人の意思を確認する
デイサービスを利用する上で最も重要なことは、本人の意思を尊重することです。
寝たきりの状態であっても、その人の希望や気持ちを尊重しそれに基づいて最適なサービスを選ぶことは大切です。
例えばどのようなサービスを希望するのか、どのように接してほしいのかなどに寄り添うことで、デイサービスに通うことは本人にとっての生きがいになることもあります。
ピッタリの施設を提案します
寝たきりの状態でも使えるデイサービス以外のサービス
デイサービスだけではなく、他にも寝たきりの状態でも利用できるサービスがあります。
具体的には以下のようなサービスが挙げられます。
通所リハビリテーション(デイケア)
デイケアは、寝たきりの方でも利用可能な介護サービスの一つです。
医師や理学療法士、作業療法士などの専門スタッフが、利用者一人ひとりの健康状態や身体能力に応じた個別のリハビリテーションプログラムを提供してくれます。
利用者の病状の改善や予防、生活機能の維持・向上のほか、利用者が自宅での生活を続けられるように、必要な生活支援や介護方法のアドバイスを受けることも可能です。
ショートステイ
ショートステイは一時的に介護施設に滞在し、必要なケアを受けるサービスです。
寝たきりの状態でも利用することができ、家族などの介護者は一時的に介護から解放され、リフレッシュすることが可能となります。
またショートステイの施設では、スタッフが24時間体制でケアを提供し、栄養バランスの取れた食事や必要な医療サービスを受けることができます。
そのほか施設での生活を体験することで、将来的に長期的な施設生活への移行を検討するきっかけにもつながります。
療養通所介護
療養型通所介護は、寝たきりの高齢者が自宅での生活を続けるために、必要な医療や介護を施設で受けることができるサービスです。
寝たきりの状態であっても利用可能で、医療面と介護面の両方からのサポートが受けられます。
具体的には、看護師や介護職員が健康状態のチェックや必要なケアを行うほか、医師が適切な医療対応を提供してくれます。
自宅で生活しながらでも、医療機関と連携した適切なケアを受けられることは大きなメリットと言えるでしょう。
寝たきりの方の介護で限界を感じたときの対処法
介護を行っていると、どうしても自分だけでは限界を感じることがあるでしょう。
本章では、寝たきりの方を介護していて限界を迎えてしまったときの対処法を解説して行きます。
他の介護者と情報交換をする
介護は孤独であることが多く、特に在宅介護は拘束時間も長くなり、介護を経験していない方に共感してもらいにくいことが多いです。
そのため同じような境遇の介護者と話をすることで、自分だけの問題ではないことを知り、解決策などを共有することもできます。
例えば、介護者の集まりやオンラインフォーラムなどで経験を共有し、身になるアドバイスを得ることができます。
また、他の介護者と交流することが息抜きとなり、介護のストレスを和らげられることも大きなメリットです。
他の人が同じような経験をしていることを知ると、自分だけが困っているわけではないと感じることができ、心の支えになります。
専門家に相談する
介護についての専門的な知識を持つ人々に相談することも大切です。
主治医や看護師、ケアマネージャーなどは、介護の現場で遭遇する様々な問題に対して、専門的な視点からアドバイスを提供することができます。
特にケアマネージャーは、地域のサービスや介護保険の制度に詳しく、適切なサービスを利用するための手続きなどをサポートしてくれます。
また、介護者の心理的な問題については、必要に応じて心理療法士やカウンセラーに相談することも一つの方法です。
介護施設への入所を検討する
自宅での介護が困難になった場合、最後の手段としてはやはり介護施設への入所を考えることでしょう。
介護施設は、専門の介護スタッフが24時間体制で介護を提供してくれるため、安心して任せることができます。
もちろん金銭的な問題や本人の意思などの問題があるため、本人や家族と一緒にじっくりと話し合い、最適な選択をすることが大切です。
しかし真面目な人ほど「自分の親なのだから」「私が頑張らなければ」と自分を追い込んで、身体を壊してしまっては元も子もありません。
限界を感じたときは限界なのだと素直に声をあげ、家族と血の通った話し合いをするべきであると言えるでしょう。
また、寝たきりの状態でも入居できる介護施設をお探しの際は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では全国で5万を超える介護施設から、ご本人様・ご家族様に最適な施設を専門の相談員が紹介しています。
「幅広い選択肢から納得の行く施設選びをしたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。
ピッタリの施設を提案します
まとめ
寝たきりの状態でも、デイサービスを利用することは可能です。
しかし寝たきりの方の利用に対応しているかは、事業所によって異なるためそのデイサービスが寝たきりの方に対応しているか、またその雰囲気が良いかなどを確認することが大切です。
またデイサービス以外にも通所リハビリ、ショートステイ、療養型通所介護などのサービスの利用でも、家族の負担は一定は軽減できると言えるでしょう。
とはいえ介護には限界があり、いつかは適切な対策を取ることが大切です。
場合によっては介護施設への入所を検討しながら、今後の介護計画を立てていきましょう。
介護者が体を壊してしまっては、元も子もありません。介護は一人で行うものではなく、必要なときには適切な支援を求めることが重要です。
寝たきりの状態でも、デイサービスの利用は可能です。デイサービスにはさまざまなサービスが含まれていますが、「入浴」や「食事」の介助は、寝たきりの状態でも利用することができます。一方で集団でのレクリエーションや運動などのプログラムに参加することは、寝たきりの状態では難しい場合が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
以下のようなものが挙げられます。①事業所が寝たきり介護に対応しているか確認する ②デイサービスの雰囲気を確認する ③本人の意思を確認する詳しくはこちらをご覧ください。