介護拒否はなぜ起こる?介護拒否の原因や向き合い方について解説!

介護拒否はなぜ起こる?介護拒否の原因や向き合い方について解説!

「薬を飲んでくれない」「デイサービスの利用を嫌がる」「排泄介助を拒否されてしまう」など、介護拒否には様々なケースがあります。

「自分の介護の仕方が悪いのではないか?」「どう向き合えばいいかわからない」というお悩みを持つ方はいませんか?

この記事では、介護拒否をする人の心理介護拒否をする人との向き合い方をご紹介していきます。介護拒否の原因や対処法を知り、拒否をされても戸惑わずに日々のケアを行えるように参考にしてください

株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

介護拒否をしてしまう原因は?

介護拒否は、認知機能の低下をはじめ、介護を受ける身になって感じる不甲斐なさや歯がゆさ、羞恥心などの気持ちが拒否行動となってしまうのが原因で生じます。

介護拒否の行動として、「食事を食べない」「着替えをしない」「薬を飲まない」などがあげられ、その行動は認知症による認知機能の低下が原因の場合やご本人の気持ちの表れである場合が考えられます。

ここでは、介護拒否が起こる原因と高齢者の方の心情心理から拒否をする理由を理解しましょう。

認知機能の低下

認知症特有の症状に「失認」というものがあります。

目の前にあるものが何かがわからなくなったり、聞こえているのにそれが正しく認識できない状態です。例えば食事をする際、食べ物が食べ物であると認識できていないことも考えられます。

また、今までできていたことができなくなる「失行」の場合には、食べ方がわからなくて拒否をしている可能性があります。

認知機能の低下により、単なる物忘れだけでなく、食事や入浴などの必要性や意味がわからないことが原因で拒否している場合もあります。

お箸やお椀の持ち方がわからない、どうやって食べればいいんだっけ。

恥じらいや羞恥心

入浴や着替えなどの介助をする際、身体を見られるのが恥ずかしかったり、プライバシーな空間に立ち入られるのが恥ずかしいこと、羞恥心に加え、無防備な状態になることへの恐怖心、脱いだ服を盗られてしまうかもしれないという心理が働き、拒否している場合があります。

人に裸を見られたくない。服を盗られるかもしれない。

プライドや自尊心

元々できていたことができなくなっていることを認めたくない、人に頼りたくないなどの気持ちから拒否行動につながっている場合があります。

また、プライドや自尊心は認知症を患っても衰えることはありません。年を取ることにより増えた知識や経験から、若い人に頼りたくないという心理的背景が原因となっていることもあります。

人の世話になるなんて、みっともない。

環境の変化や介護生活への不満

介護環境の変化により、生活リズムの変更や生活環境の変化についていけない場合、介護生活における制限や思い通りにいかないストレスなどから拒否をしている場合があります。

長年1人暮らしをしていた方が、介護を理由に息子夫婦との同居を始めた場合などは、慣れない集団生活や介護生活への不満から介護に対する拒否が起こりやすい傾向があります。

息子の嫁と一緒に暮らすようになってから、一人の時間が持てなくなった。

体調不良

体調が悪いのに伝えられない・伝わらないなどから拒否行動につながってしまう。

したがって、介護を受ける方には何かしらの理由があり、伝え方として介護を拒否する行動になってしまう特徴があるようです。

介護に疲れたり、介護拒否の対処をしきれない場合は、介護施設・老人ホームへの入居を検討してもよいでしょう。老人ホーム探しなら、ケアスル介護がおすすめです。

ケアスル介護は専門の入居相談員が常駐しているため、施設選びから入居までの流れ、本人への伝え方など、老人ホーム入居までの不安や悩みをすべて無料で相談することができます。

介護施設選びに失敗したくない方は、ケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

介護拒否をする人との向き合い方

介護を受ける側の気持ちと拒否に対する向き合い方を知っておくことはとても重要です。ここでは、介護拒否をする人との向き合い方を紹介します。

とにかく焦らない

介護者は、自分の思うように介護がすすまないために、焦って「なんでいうことを聞いてくれないの!」など介護対象者に感情をぶつけてしまうことがあります。

介護を受ける側にも自分の考えやタイミングがあり、強引に介護をされることに対する抵抗がある場合があります。介護拒否をされた場合は、少し時間をおいてから声をかけると案外すんなり要望を聞いてくれることもあります。

無理に介護をすることは考えず、介護をする側もされる側も焦らないことが大切です。

できることを一緒に探す

介護拒否をする人は、介護を受けること自体に抵抗がある場合があります。そのような人に対して、いきなり日常生活のすべてをサポートしてしまうと、「このくらい自分でもできる!」という反発心を生む原因になってしまいます。

「着替えくらい自分でできる」「子供の世話にならなくてもこのくらいならできる」という介護を受ける側の自尊心を介護者側の一方的な押し付けにより傷つけることがないようにしましょう。

本人の意思を尊重しつつ、できることとできないことを互いに確認したうえで、まずは「一緒にやってみましょう」など提案をしてみるとよいでしょう。

本人の意思を尊重する

介護では、ご本人のプライバシーに立ち入る介助や援助を行う場面が多くなります。そのため、プライドや羞恥心に触れるデリケートな問題として意識した対応が必要です。

特に、親世代や高齢者の方々は、幼少期より「人に迷惑をかけるな」「人の世話になるな」などといわれながら育ってきています。そのため、いざ介護を受ける身になった時にその教えとの矛盾が生じ、抵抗を感じる方もいるようです。

また、認知症による認知機能の低下の場合には、物事の必要性や意味がわからず介護を拒否してしまう方もいます。

介護拒否をしてしまう背景には、「なぜ汚れていないのに着替えなくてはいけないの?」「この薬はなに?」など、小さな疑問が隠れていることがあります。

介護者がその気持ちを理解しようと寄り添うだけでも、日々のケアの方法は変わっていき、介護される方との関係づくりが構築しやすくなるはずです。

施設への入居も検討してみる

強い拒否がある方の在宅介護は介護をする側もされる側も大きな負担や不安を感じやすく、介護うつや介護疲れ・虐待などの問題につながってしまうケースがあります。

無理に介護を続けるのではなく、施設への入居も検討してみましょう。

ケアスル介護では全国で約5万もの施設から、入居相談員がご本人様にぴったりの介護施設を紹介しています。

「幅広い選択肢から納得のいく施設を探したい」という方は、まずは無料相談をご利用ください。

約7秒に1人が利用!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

よくある介護拒否の場面と対処法

ケース①:水分補給の拒否をする場合の対処

「喉が渇いていないので、飲みたくない」と長時間水分を取らないことがあります。どうすればいいですか?
水分を取りたがらない利用者さんにはスポーツドリンクのゼリーを作る、自家製ジュースの試飲をお願いするなど、あくまで食事を摂りましょうといったアプローチではない方法で食事を摂ってもらうことはできないか考えてみましょう。

ケース②:入浴拒否をする場合の対処

入浴拒否をされ続けて3日ほどお風呂に入れることができていません。どうすればいいですか?
まず、高齢者は若い方と比較すると皮脂の分泌量が少ないため、2.3日お風呂に入れなくても焦る必要はありません。対処法としては、いきなりシャワーや湯舟へ促すのではなく、足浴暖かいタオルで手足を拭いてみるとよいでしょう。濡れたタオルを電子レンジで1分ほど温めると、簡単に蒸しタオルを作ることができます。また、「お風呂上りにアイスやビールを飲みましょう」と、入浴後の楽しみを作ることも有効です。
関連記事
入浴介助の目的や注意点は?ステップ別に徹底解説!
入浴介助の目的や注意点は?ステップ別に徹底解説!

ケース③:デイサービスやリハビリを拒否する場合の対処

週に2回のデイサービスやリハビリを拒否されてしまいます。どうすればいいですか?
まず、無理にデイサービスへ行くことを強要したり、拒否行為に対して怒ってしまうとかえって逆効果です。デイサービスの拒否への対処法としては、「デイサービスに行って困っている人たちの話を聞いてほしい」「〇〇さんにしかおねがいできない」など頼ることが有効なことがあります。これは高齢者の方は、お願いされたりまだまだ頼られていると感じることで、前向きな意欲が湧くことがあるためです。

ケース④:衣服の着脱を拒否する場合の対処

1日中パジャマで過ごしたり、服を脱ぎたがらないためずっと同じ服を着続けてしまいます。どうすればいいですか?
認知機能や身体機能が低下している場合、「衣類を着る順番がわからない」「自分で1人で着替えられないかもしれない」という不安から着脱を拒否している場合があります。そういった場合、「すこしだけお手伝いしますね」声をかけたうえで介助することで、すんなり着脱ができる場合があります。また、裸を見られることにたいする抵抗感から拒否している場合もあるため、本人のプライバシーが守られる環境を整えることも大切です。

ケース⑤:訪問介護を拒否する場合の対処

「身の回りのことは全部自分でできるから、もう来ないでくれ」と訪問介護を拒否してしまいます。どうすればいいですか?
ヘルパーであることを名乗り、サービスを無理やり開始しようとしてしまうと、介護を受ける側の自尊心を傷つけかねません。「娘さんの高校時代の友人です」と名乗り、自宅で一緒にお茶を飲みながらおしゃべりをするところからスタートしたところ、友人として必要な援助を行うヘルパーを受け入れてくれたというケースもあります。まずはできることを一緒に探すことから始めてみましょう
参考:「サービスを拒む利用者との関係形成」(熊本学園大学)

 

介護拒否をしてしまう原因は?

介護拒否は、認知機能の低下をはじめ、介護を受ける身になって感じる不甲斐なさや歯がゆさ、羞恥心などの気持ちが拒否行動となってしまうのが原因で生じます。詳しくはこちらをご覧ください。

介護拒否に対して取るべき対応は?

介護では、ご本人のプライバシーに立ち入る介助や援助を行う場面が多くなります。そのため、プライドや羞恥心に触れるデリケートな問題として意識した対応が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

 

約7秒に1人が利用!ピッタリの施設をご提案
プロに施設を提案してもらう