親の介護でおむつを替える場面になると、強い抵抗を感じる方は少なくありません。汚れや臭いへの生理的な不快感に加え、親の体が弱っていく現実と向き合うつらさも重なります。
「できれば替えたくない」という気持ちは、決して特別なものではありません。
そこで本記事では、初めてでも迷わずに行えるおむつ交換の手順を10ステップの図解するとともに、交換への抵抗感や身体的な負担を和らげる3つの現場の工夫を紹介します。
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親の介護でオムツを替えるときの準備
おむつ替えをスムーズに行うには、事前に必要な物品と環境を整えておきます。
以下を、手の届く範囲にまとめて用意しましょう。
・テープ式おむつ・尿とりパッド
・使い捨て手袋・エプロン
・おしりふき・ドライタオル
・陰部洗浄用のぬるま湯ボトル
・新聞紙・ゴミ袋

交換を始める前には、「これからおむつを交換しますね」と声をかけることで、本人の不安や羞恥心をやわらげられます。
ベッドを使用している場合は、無理な姿勢で介助者の腰に負担がかからないよう、高さを調整してから始めましょう。
【イラスト付き】親の介護でおむつ変えをする方法
寝たきりの状態でのおむつ交換は、次の10ステップで進めます。
それぞれのステップをイラストで確認しながら進めると、初めてでも迷わずに行えます。
- step:1 おむつを開いて立体ギャザーを立てる
- step:2 テープを外し、大まかな汚れを拭き取る
- step:3 ぬるま湯で陰部をやさしく洗浄する
- step:4 汚れたおむつを丸め込み、体を横向きにする
- step:5 おしりを拭き、古いおむつを完全に取り外す
- step:6 背骨と中心を合わせて新しいおむつを敷く
- step:7 仰向けに戻し、おむつの前側を引き出す
- step:8 パッドを当て、ギャザーを鼠径部に沿わせる
- step:9 「クロス留め」でモレなく苦しくなく留める
- step:10 おむつを適切に処理する
step:1 おむつを開いて立体ギャザーを立てる

おむつとパッドを広げ、立体ギャザーを左右に2〜3回引き伸ばして立てます。ギャザーがしっかり立つと、モレを防ぐ効果が高まります。
おむつの中にパッドをあらかじめセットしておくと、交換時の作業時間を短くできます。
step:2 テープを外し、大まかな汚れを拭き取る

おむつのテープを外し、汚れた部分を内側に丸めながらゆっくりとずらします。
いきなり引き抜かず、汚れが広がらないように注意しましょう。
step:3 ぬるま湯で陰部をやさしく洗浄する

ぬるま湯を使い、前から後ろへ向けて陰部をやさしく洗浄します。
細菌感染を防ぐため、拭く方向を守ることがポイントです。濡れたままおむつを閉じると、赤みや床ずれ(褥瘡)の原因になります。
ゴシゴシこすらず、押し拭きでしっかり乾燥させましょう。
step:4 汚れたおむつを丸め込み、体を横向きにする

要介護者に膝を曲げてもらい、手前に転がすように体を横向き(側臥位)にします。
汚れた面は内側に丸め込み、汚れを閉じ込めます。
介助する際は、腰を曲げずに膝を使ってしゃがむ姿勢を意識すると、介助者の腰への負担を防げます。
step:5 おしりを拭き、古いおむつを完全に取り外す

おしりや背中に汚れが残っていないか確認し、古いおむつをベッドから取り外します。
温かいタオルで拭くことで、冷たさによる不快感を抑えられます。
step:6 背骨と中心を合わせて新しいおむつを敷く

おむつの中心マークを背骨とウエストの位置に合わせて敷きます。
中心線がずれると、モレの原因になるため注意してください。
正しい位置にセットしたら、丸めた半分を腰の下に差し込んでおくと、次の工程がスムーズに進みます。
step:7 仰向けに戻し、おむつの前側を引き出す

ゆっくりと仰向けに戻し、足の間からおむつの前側を引き出して広げます。
あわてず、少しずつ形を整えましょう。
step:8 パッドを当て、ギャザーを鼠径部に沿わせる

パッドを当ててから、立体ギャザーを鼠径部(足の付け根)に沿わせます。
ギャザーが密着すると、モレをしっかりブロックできます。
パッドの重ねづけは摩擦の原因になり、ギャザーの効果を打ち消してモレの原因となるため避けましょう。
step:9 「クロス留め」でモレなく苦しくなく留める

上のテープは斜め下向き、下のテープは斜め上向きに留める「クロス留め」で固定します。
足回りはしっかり、お腹周りはゆったり留めるのがポイントです。
お腹周りは指1本分のゆとりを残すと、締めつけすぎずフィット感を保てます。
step:10 おむつを適切に処理する

使用済みのおむつは新聞紙で包んでからゴミ袋に入れると、においを大きく抑えられます。
あわせて部屋を換気すると、においがこもりにくくなります。
最後に「気持ち悪いところはありませんか」と声をかけ、姿勢を整えて交換を終えます。
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親の介護で「オムツを替えたくない」を和らげる工夫
手順に慣れてきても、抵抗感がすぐになくなるわけではありません。
以下の3つの工夫を意識すると、気持ちの負担を少しずつ軽くできます。
・いつも同じ手順で行い、考える負担を減らす
・道具の配置を決め手を止めずに動線を作る
・交換中は会話やテレビの音で沈黙を埋める
いつも同じ手順で行い、考える負担を減らす
手袋・エプロン・声かけの3つの動作を、交換のたびに同じ順番で行うと、その都度考える負担が減ります。
起床後と就寝前など、交換のタイミングもあらかじめ決めておくと、「いつ替えるか」を考える迷いもなくなります。
毎回同じ流れで進めることで、気持ちが追いつかない日でも、体が自然に動きます。
最初は意識的に行い、慣れてきたら自然な習慣として定着させましょう。
道具の配置を決め手を止めずに動線を作る
おむつ・手袋・ワイプ・パッド・ゴミ袋の5点を、毎回同じ位置に置いておきます。
探す手間が減り、手を止めずに交換を進められます。
利き手側に頻繁に使う道具を置くなど、自分が動きやすい配置を工夫すると、さらに効率が上がります。
収納場所を家族間で統一しておくと、担当を交代したときも迷わずに準備できます。
交換中は会話やテレビの音で沈黙を埋める
交換中に無言が続くと、気まずさが大きくなりやすくなります。
天気や食事など、話しやすい話題を2〜3個決めておくと、沈黙が気まずくなりにくくなります。
無理に会話を続ける必要はなく、ラジオや好きな音楽を流しておくだけでも十分です。
音や声があることで、お互いの意識が交換以外にも向き、緊張がやわらぎます。
「どうしてもオムツ替えつらい」なら介護サービスを使おう
工夫を重ねても負担が大きいと感じる場合は、家族だけで抱え込まず、外部のサービスを利用します。
主な相談先・サービスは次の3つです。
- 地域包括支援センターに相談する
- 訪問介護サービスを利用する
- 紙おむつの支給・助成制度を確認する
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、介護に関する悩みを無料で相談できる公的な窓口です。
おむつ替えの負担について相談すると、訪問介護など地域のサービスにつないでもらえます。
状況別の相談先の探し方は、

訪問介護サービスを利用する
訪問介護は、訪問介護員が自宅を訪れ、入浴・排せつ・食事の介助などを行うサービスです。
おむつ交換を訪問介護員に任せられる時間帯を作れると、家族の負担を減らせます。
訪問介護のサービス内容・対象者は、介護サービス情報公表システム(厚生労働省)でも確認できます。
紙おむつの支給・助成制度を確認する
市区町村によっては、紙おむつの購入費を助成する制度があります。
要介護度や世帯の課税状況によって支給内容が異なるため、窓口での確認が必要です。
制度の内容は市区町村ごとに異なります。
※支給内容は執筆時点(2026年9月)の情報です。
松戸市の紙おむつ支給制度のような例を参考に、お住まいの自治体窓口で確認しましょう。
おむつ代を抑える方法は、

親の介護のオムツ替えは手順と工夫で乗り越えよう
親の介護でおむつを替えることに抵抗を感じるのは、多くの家族に共通する自然な感情です。
10ステップの手順と、抵抗感を和らげる3つの工夫を組み合わせることで、日々の負担は少しずつ減らせます。
工夫を重ねても負担が大きいと感じるときは、外部のサービスを頼ることも選択肢の一つです。
地域包括支援センターや訪問介護、紙おむつの助成制度などを活用しましょう。
ケアスル 介護でも、介護に関するお悩みのご相談を承っています。
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