グループホームの補助金の種類は?利用負担が軽くなる助成制度も解説

グループホームの補助金の種類は?利用負担が軽くなる助成制度も解説

グループホームに入居する際の費用には保証金などもあり、実費での自己負担が必要です。

また、いつまで入居し続けるのかと見通しも立ちづらく、「グループホームに入居したいけど…家賃はいくらぐらいだろう」「払っていけるかな?」と入居に不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

実は、グループホームには、入居中に必要な費用の自己負担を軽減できる補助制度があります。

この記事では、グループホームの補助金や自治体が実施している助成制度についてご紹介します。

不安解消のためにも、制度を上手に利用して、グループホームの生活で安心を手に入れる参考にお役立てください。

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認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者
所有資格:介護福祉士,介護支援専門員
専門分野:認知症介護
職業: 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者

10年以上認知症介護に携わる。全ての人が認知症とともに歩み、支えあう「おたがいさまの社会」を目指して活動している。詳しくはこちら

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グループホームの補助金

グループホームは、住み慣れた地域で自立した生活を目標に、アットホームに少人数で共同生活をする場所です。

しかし、その暮らしに必要な費用の家賃や食費、光熱費、おむつ代などは保険適用外になるため、すべて入居者の自己負担になってしまいます。

入居しても費用面で不安を抱えている方は多く、自己負担を減らし、入居者の不安を取り除けるように支援する制度が各自治体にあるので紹介します。

  • 高額介護サービス費
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、介護保険適用サービス費用の自己負担額で超過した分を払い戻してくれる制度です。

そもそも介護保険のサービス費は、所得により自己負担額が1~3割と決められています。しかし、利用するサービス量が増えた場合には、負担が大きくなってしまう可能性があります。

そこで、高額介護サービス費を利用すると、費用を気にせず必要なサービスが利用できます。

しかし、高額介護サービス費の対象は、家賃、食費、雑費などの生活費は対象にならないので、注意しましょう。

監修者コメント

基本、グループホームの介護保険の負担は一定なので急に負担額が高額になることは想定しづらいです。

同一世帯に他に介護保険適用サービス利用が発生し、負担が高額になった場合に使うといった想定です。

監修者:志寒 浩二(しかん こうじ)

高額介護サービス費の上限額の基準

高額介護サービス費の上限額は、表のように4段階に分けられています。

区分 対象者 月額の自己負担上限額
第1段階 生活保護を受給している方など 15,000円(個人)
第2段階 市町村民税世帯非課税で公的年金等収入金額+そのほかの合計所得金額の合計が80万円以下 24,600円(世帯)

15,000円(個人)

第3段階 市町村民税非課税世帯で第1段階及び第2段階に該当しない方 24,600円(世帯)
第4段階
  1. 市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収約770万円)未満
  2. 課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満
  3. 課税所得690万円(年収約1,160万円)以上
①44,400円(世帯)

②93,000円(世帯)

③140,100円(世帯)

※「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担上限額の合計を指し、「個人」とは、介護サービスを利用したご本人様の負担の上限額を指します。

※第4段階における課税所得による判定は、同一世帯内の65歳以上の方の課税所得により判定。

【参考:厚生労働省「サービスにかかる利用料」】

【参考:厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担額が見直されます」】

高額介護サービス費の申請方法

高額介護サービス費の対象者には、自治体から通知が届きます。

申請は、通知内容に従って申請書などの提出を行えば、払い戻しの手続きは完了です。

また、高額介護サービス費は一度申請の手続きを行えば、該当する間は、自動的に次回以降も払い戻しをしてくれるため都度申請する必要はありません。

ただし、あくまでも払い戻しの制度であり、一旦はご自身で費用を負担しなくてはなりません。

そして、申請期間は、対象となるサービスの自己負担額を支払った日の翌日から2年間のため、期間内に申請手続きを行わないと対象外になってしまいますので、忘れずに手続きを行いましょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、1年間に支払った健康保険と介護保険制度の自己負担額の合計額が、所得に応じた負担限度額を超えた場合は、払い戻しを受けることができる制度です。

高額医療・高額介護合算療養費の受給対象となるのは、健康保険と介護保険の両方における利用者負担が発生している世帯です。

また、70歳未満の方か、70歳以上の方であるかでそれぞれ所得区分が異なるため、よく理解しておきましょう。

監修者コメント

例えば、夫が介護保険施設利用中に、妻が入院し高額の医療費が発生したなど、医療保険と介護保険による費用負担がともに高額になった場合に合算した金額に対して軽減することができます。

監修者:志寒 浩二(しかん こうじ)

高額医療・高額介護合算療養費制度の上限額の基準

高額医療・高額介護合算療養費制度の各区分の上限額の基準は下記の通りとなっています。

負担割合 所得区分 後期高齢者医療制度+介護保険制度
3割 現役並み所得3
課税所得690万円以上
212万円
現役並み所得2
課税所得380万円以上
141万円
現役並み所得1
課税所得145万円以上
67万円
1割 一般
課税所得145万円未満
56万円
区分2
(住民税非課税等)
31万円
区分1
(住民税非課税等)
19万円

(出典:高額介護合算療養費|渋谷区公式サイト)

高額医療・高額介護合算療養費制度は、介護保険の自己負担額を超えた場合に、給付を受けることが可能です。

例えば医療機関を受診した場合などでも、自己負担額の合計が上記の表を上回った分は申請して超えた額分を支給してもらうことができるため、よく確認してみましょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度の申請方法

高額医療・高額介護合算療養費制度の申請には、自治体から対象となる世帯主宛てに届く「高額療・高額介護合算療養費制度支給見込みのお知らせ」「高額介護合算療養費等支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」を持って、市役所などの担当窓口で手続きを行うことが必要です。

手続きの際に必要な書類は、以下の通りです。

  • 申請書
  • 世帯主の銀行振込先金融機関の預金通帳など世帯主名義の振り込み先がわかるもの
  • 介護保険サービスを受けた方の印鑑および銀行振込先金融機関の預金通帳など世帯主名義の振り込み先がわかるもの
  • 国民健康保険被保険者証
  • 個人番号の記載に必要なもの(マイナンバーカード、通知カードなど個人番号のわかるもの及び運転免許証などの身元確認書類)

以上の申請が完了後、3~4カ月後に指定した口座への振り込みが実施されます。

予算内に収まるグループホームを知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

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各自治体のグループホーム補助金の実例

これまで、ご本人や施設運営者が利用できる補助金の種類や助成制度について紹介してきました。

ここからは、グループホーム利用時に各自治体が行っている補助や助成制度について「千葉県船橋市」と「東京都荒川区」の実例をもとに紹介していきます。

自治体により、対象者や条件に違いがありますので、お住まいの地域の情報と比較してみると参考にしやすいでしょう。

船橋市の家賃補助

千葉県船橋市では、グループホームに入居している障害者の方に対して、家賃負担の一部を補助してくれます。

対象者は、グループホーム及び生活ホームに入居している身体・知的・精神障害者及び難病患者等で、市町村民税非課税の方です。

※生活保護の住宅扶助受給者は除く

助成金額は、1月分の家賃額の2分の1(上限月額25,000円)となります。ただし、特定障害者特別給付費の支給対象者は、家賃額から特定障害者特別給付費を控除した額の2分の1(上限20,000円)となります。

申請には、下記の5つが必要です。

  • グループホーム等入居者家賃補助申請書
  • 契約書の写しまたは家賃補助申請に係る証明書
  • 同意書
  • 印鑑
  • 銀行口座

また、マイナンバー制度により申請の手続きが省略できる場合がありますので、手続きをする際にはマイナンバーカードを持参するとスムーズでしょう。

荒川区の居住費や食事代の補助

東京都荒川区では、介護保険施設サービス及び短期入所サービスなどの宿泊サービスを利用する方の、居住費(滞在費・家賃)と食費の負担額を補助する制度があります。

補助を希望するご本人が区民税非課税で、同一世帯の課税合計所得金額が500万円以内で、さらに下記に挙げる3つの方が対象になります。

  • 介護保険施設入所者または短期入所生活(療養)介護の利用者のうち、利用者負担段階が4段階の方
  • 利用者負担段階第1~3段階の方で、グループホームまたは小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを利用する方
  • 利用者負担段階第4段階の方で、グループホームまたは小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスを利用する方

ただし、別世帯であっても配偶者がいる場合は、配偶者の合計所得も勘案し、ご本人の世帯全員及び配偶者の合計所得が500万円以内が要件となります。

区分 要件 補助金額
第1段階 老齢福祉年金の受給者で、ご本人及び世帯全員が区民税非課税生活保護の受給者 1,000円/日
第2段階 ご本人及び世帯全員が区民税非課税で、ご本人の課税年金収入額+合計所得金額が80万円以下の方 1,000円/日
第3段階 ご本人及び世帯全員が区民税非課税で、第2段階以外の方 500円/日
第4段階 ご本人が区民税非課税で、世帯内に区民税課税者がいる方(内、世帯の課税合計所得金額が500万円以内) 250円/日

申請には、下記の3つが必要です。

  • 荒川区介護保険施設等における食費居住費等負担額軽減対象者認定申請書
  • 印鑑
  • ご本人様及び配偶者の預貯金通帳

郵送での手続きも荒川区役所に伝えれば対応してもらえます。

自治体の補助金・助成金を確認しましょう

グループホームに入居したくても、費用面に不安を抱えたままでは安心して暮らせません。

ご本人が安全に暮らすため、また、ご家族の安心のためにも不安要素は一つでも取り除きたいものです。

各自治体により対象者や条件に違いがあり、補助内容や助成金額などに違いがありました。

グループホームに入居したくても、費用面の負担から断念せざる負えない状況を作らないためにも、ぜひ一度、お住まいの地域の補助金や助成制度の情報を調べてみるとよいでしょう。

自治体の助成制度はどうすれば利用できますか?

申請が必要です。自治体によって利用条件や申請方法が決まっているため、自治体のHPを確認してください。詳しくはこちらをご覧ください。

グループホームの費用について減免の制度はありますか

①高額介護サービス費 ②高額医療・高額介護合算療養費制度などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

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