• 要介護4
  • 【公開日】2022-10-17
  • 【更新日】2023-09-12

要介護4とは?利用できるサービスやお金について詳しく解説

要介護4とは?利用できるサービスやお金について詳しく解説

自分の親や、配偶者がもし要介護4と認定されたら、どのくらいの介護が必要でどれくらい介護保険で助けてもらえるのか、知っていますか?

要介護度によっては利用可能な介護サービスや支給してもらえるお金が変わります。介護が難しい、大変だと感じるのであればぜひ介護サービスなどを活用したほうが良いでしょう。

本記事では、介護度4とはどのくらいの介護が必要なのか、利用可能な介護サービスや支給してもらえるお金を紹介します。家族が要介護4と認定された方は必見です。

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株式会社アテンド 代表取締役
専門分野:介護全般

旧三菱銀行およびみずほ銀行で10年ほど窓口やローンアドバイザーに従事したのち、 2013年に介護事業を運営する株式会社アテンド設立。 同年6月にリハビリ特化型「あしすとデイサービス」開設。 メディア実績は厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイヤモンド、 経済界、シルバー新報、聖教新聞、ABEMA Rrime など 介護事業経営と父の介護を8年経験したスキルを活かし、現在は講師として著者として介護のノウハウを提供。介護する人とされる人が安心して暮らせる環境つくりに邁進している。詳しくはこちら

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要介護4とはどんな状態?

要介護4の状態としては、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態と言えます。同時に認知機能の低下も現れ始めるのも特徴となっています。

  • 昼夜問わずに常に日常生活介助が必要な状態
  • 食事、入浴、排せつ、着替えなどの日常の動作で全面的な介助が必要
  • 認知機能の低下が見られ、意思疎通が難しくなることもある

などが要介護4の具体的な状態と言えるでしょう。

以下で詳しく解説していきます。

要介護4の認定基準

一つの基準として「要介護認定等基準時間」があります。

これは、介護が必要な方の介護を行う時間を指しており、要介護4であれば「90分以上110分未満」が一つの基準となっています。例えば、「70分以上90分未満」であれば要介護4よりも軽度な要介護3、「110分以上」であれば要介護4より重度な要介護5と認定される可能性が高いです。

ただ、要介護認定は高齢者の心身状況や持病の有無などによっても左右される可能性があります。そのため、これから紹介する基準に該当していない、または該当していたとしても要介護4と認定されるかどうかはわかりません。

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要介護4と要介護3の違い

内閣府の「令和元年版 高齢社会白書(全体版)」によると、同居している主な介護者の介護時間を比較すると要介護3で最も多いのは32.5%で「ほとんど終日」、要介護4で最も多いのは45.8%で「ほとんど終日」となっており要介護4の方の方が介助時間が長いことがわかります。

ほとんど終日 半日程度 2~3時間程度 必要な時に手を貸す程度 その他 不詳
要介護3 32.50% 17.60% 13.10% 27.70% 5.90% 3.30%
要介護4 45.8% 8.6% 21.7% 11.5% 7.7% 4.7%

以上より、要介護4の方が終日介護が必要という人の割合が多く、上述したように日常生活動作のほとんどで介助が必要であることがわかります。

また、要介護3と4で利用することが出来る介護サービスに違いはありません。

要介護4と要介護5の違い

要介護4と5の違いは、主に身体状態と意思疎通の可否の2つです。

身体状態については、どちらも基本的には寝たきりの状態ではありますが、要介護4ではわずかに自力でできることがあるのに対し、要介護5になると自力で行えることがほとんどない状態となります。

また、要介護4は一定の意思疎通が可能であるのに対し、要介護5では意思疎通が不能となるケースが多くなる傾向にあります。

内閣府の「令和元年版 高齢社会白書(全体版)」によると、同居している主な介護者の介護時間を比較すると要介護4で最も多いのは45.8%で「ほとんど終日」、要介護5で最も多いのは56.7%で「ほとんど終日」となっており要介護4の方の方が介助時間が長いことがわかります。

ほとんど終日 半日程度 2~3時間程度 必要な時に手を貸す程度 その他 不詳
要介護4 45.8% 8.6% 21.7% 11.5% 7.7% 4.7%
要介護5 56.7% 12.8% 7.9% 3.0% 11.9% 7.7%

要介護4と認知症

要介護4と認定される方は、身体機能の低下だけでなく認知機能にも大きな低下が見られる場合が多いです。なお、認知症に関しては「認知症高齢者の日常生活自立度」といった判断基準が設けられています。

認知症高齢者の日常生活自立度には、7段階で判断されており数字が大きくなるほど重度とされます。認知症が原因で要介護4と判断される方の多くは、認知症高齢者日常生活自立度の数字が大きいケースが多いです。

  • 徘徊
  • 不潔行為(排泄物を食べる投げるなどの行為)
  • 妄想(財布を取られたなどの被害妄想など)
  • 誤食や異食(食べ物ではないものを食べてしまう行為)

要介護4に認定される認知症の方には、これらの周辺症状(BPSD)がよく見られます。

周辺症状がひどくなってくると、在宅介護では限界があるため施設の入所を検討し始めるケースが多いです。

要介護4と特定疾患

要介護4と認定される方の中には病気が原因のケースもあります。本来であれば要介護認定が行われるのは、65歳以上という決まりがありますが、特に介護保険制度で認定されている16種類の特定疾患を患っている場合は要介護認定を受けられます。

  • 末期がん
  • 関節リウマチ
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)
  • 後縦靭帯骨化症
  • 骨粗鬆症(骨折をともなうケース)
  • アルツハイマー病や脳血管性認知症など(初老期の認知症)
  • 大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病など(進行性核上性麻痺)
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • ウェルナー症候群など(早老症)
  • シャイ・ドレーガー症候群など(多系統萎縮症)
  • 糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症(糖尿病性精神障害)
  • 脳出血や脳梗塞など(脳血管疾患)
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 肺気腫や慢性気管支炎など(慢性閉塞性肺疾患)
  • 両膝関節や股関節に変形性関節症(著しい変形をともなうケース)

特定疾患は上記の通りです。上記の特定疾患を患っている場合、40歳以上であれば要介護認定の申請をすることができます。

要介護4で入居できる施設が知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

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要介護4で利用可能な介護施設サービス

要介護4と認定された場合、利用が可能な介護施設サービスは主に9施設あります。

  • 老健(介護老人保健施設)
  • 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • ケアハウス(軽費老人ホーム)
  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

要介護4認定を受けている場合、基本的にはどこの施設でも入居が可能です。ただし、一部施設の中には「自立した生活ができる方」などの入居条件があるケースもあります。

そういった施設であれば入居は難しいでしょう。今回は9ある施設の中からとくに要介護4であったり、認知症でも受け入れてもらいやすい3施設を取り上げて、詳しく紹介していきます。

24時間介護が受けられる「介護付き有料老人ホーム」

介護付き有料老人ホームは24時間介護士が在中しているため、手厚い介護サービスが受けられます。民間企業が運営しているケースが多く、介護付き有料老人ホームは人員や設備など自治体の基準をクリアした施設です。

要介護認定が軽い方から重い方、寝たきりや認知症であっても入居が可能な施設まで幅広くあります。提供されるサービスや受け入れが可能な要介護度、費用は介護付き有料老人ホームによって異なります。

あらかじめ予算などの条件をまとめたうえで検討を行うといいでしょう。

認知症の方の「認知症対応型共同生活介護」

認知症対応型共同生活介護は認知症を患っている方が共同生活を行い、能力に応じて自立した日常生活を送れる点を目的としてます。

  • 民家型
  • アパート型
  • ミニ施設型

上記のような施設形態があり、1ユニット5〜9人で生活をしている施設が多いです。介護付き有料老人ホームを活用するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 認知症診断を受け要介護1以上である※要支援2の方は「介護予防認知症対応型共同生活介護」のサービスが受けられます
  • 自立した生活が送れる
  • 施設所在地の市町村に住んでいる

また、認知症対応型共同生活介護を利用している場合、居住療養管理指導などの一部を除いてほかの居住サービスなどは利用できません。

もし、何か居住サービスなどを利用しているのであれば利用停止などをする必要があります。

費用面が不安な方の「軽費老人ホーム」

軽費老人ホームの特徴は入居一時金や月額費用が比較的安い点です。軽費老人ホームは主に3つの型があります。

  • 食事提供・生活サービスのあるA型
  • 食事提供のないB型
  • 食事提供・生活・介護サービスのあるケアハウス

要介護4の認定を受けた場合、活用できるのは「ケアハウス」です。また、2008年にケアハウスの一本化が示されてからは、経費老人ホーム数で比較するとA型B型が1割、ケアハウスが9割で一般的となっています。

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これらの施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。

「施設選びで失敗したくない」という方は、ご気軽に活用ください。

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要介護4で利用可能な在宅介護サービス

中には在宅介護を行いたい方も居るでしょう。

そんな方にぜひ利用してほしいのは「ホームペルパー(訪問介護)」や「デイサービス(通所介護)」です。要介護4であれば基本的にどの在宅介護サービスでも活用できます。

  • ホームペルパー(訪問介護)
  • 訪問看護
  • 訪問入浴サービス
  • 訪問リハビリステーション
  • 夜間対応型訪問介護
  • 居宅療養管理指導
  • 定期巡回と随時対応型訪問介護看護
  • デイサービス(通所介護)
  • デイケア(通所リハビリステーション)
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
  • ショートステイ(短期入所生活介護)
  • 医療型ショートステイ(短期入所療養介護)

要介護4に認定された方を在宅で介護するのは、介護者にとって大きな負担となります。そのため、このような在宅介護サービスなどを活用して少しでも介護負担を軽くするのも大切です。

自分のためにショートステイの有効利用

要介護4の認定を受ける方の多くは、意思疎通が難しいケースも多いです。そのためほぼ24時間の介護が必要であり、介護者にかなり大きな負担がかかります。

「自分の親だから」「家族だから」と介護を無理して頑張り過ぎると、介護者が鬱などの精神病にかかったり、虐待などを行ってしまったりするケースもあります。

時にはショートステイなどを有効利用して、介護者自身が息抜きしたり休憩を取ったりすることも大切です。

介護保険から支給される給付金について

介護サービスを利用する際にかかるお金の一部は、介護保険から支給される給付金で賄えます。介護保険から支給される給付金の金額は、要介護度によって変動します。

要介護4であれば給付金の上限金額は1か月約30万9,380円です。給付金の上限金額の中から、所得によって1〜3割の負担が必要になるケースがあります。

なお、上限金額を超えて介護サービスを利用してしまうと介護保険が適用されず、全額自己負担になるので注意してください。

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自治体独自の「おむつ代助成制度」

おむつ代助成制度は一部の自治体で実施されているものです。多くの自治体では、「要介護認定を受けている」「在宅介護を行っている」方に限られていたりなど、一定の条件が設けられています。

大きく分けて2タイプの支給方法があり、「現物給付(おむつ)を行う」自治体と「おむつ代を助成金として出す」自治体があります。現物支給のケースは自治体が発行するカタログから商品を選び、注文するだけです。

ケースによってはおむつだけではなく、パットやおしりふきなども選べます。

一度担当のケアマネージャーさんや自治体の役所におむつ代助成制度の有無について聞いてみるといいでしょう。

超過分が払い戻される「高額介護サービス費制度」

高額介護サービス費制度とは、1か月のうちに支払った介護サービス自己負担金額の合計が一定以上金額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

令和3年8月現在の月額負担上限額は以下の通りです。

課税所得690万円以上 世帯で140,100円
課税所得380~690万円未満 世帯で93,000円
市町村民税課税~課税所得380万円未満 世帯で44,000円
世帯全員が市町村民税非課税 世帯で24,600円
世帯全員が市町村民税非課税かつ前年の年金収入

+

そのほかの所得が80万円以下

世帯で24,600円

個人で15,000円

生活保護を受給している方 世帯で15,000円

参照:高額介護サービス費の負担限度額 – 厚生労働省

これらの基準や金額は年度によって変動するケースがあります。一度、担当のケアマネージャーさんや自治体に相談してみましょう。

住宅をリフォームする際の「住宅改修の補助金」

要介護者が住んでいる住宅に対して、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー化を行うための住宅改修に関して補助金がもらえます。

住宅改修の補助金は上限は20万円であり、原則1回しか使えません。20万円以内であれば分割利用なども可能となっています。※ただし、要介護区分が3段階上昇した場合や、引っ越しをした場合は、再度支給申請することができます。

また、介護保険としては上限20万円ですが、市区町村によっては独自の助成金制度があるケースもあります。

在宅介護の負担を軽減する「福祉用具のレンタル」

指定を受けた事業者から利用者の状況や生活環境などを踏まえ、福祉用具をレンタルすることが可能です。介護保険が適用される福祉用具は13品です。

  • 車椅子
  • 車椅子の付属品
  • 特殊寝台
  • 特殊寝台の付属品
  • 床ずれを防止する用具
  • 体位変換器
  • 移動用のリフト(釣具部分は除く)
  • 認知症の方の徘徊感知器
  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ
  • 自動排泄処理装置

要介護4であれば、基本的にすべての福祉用具をレンタルすることが可能です。ただし、リフトの釣具や腰掛便座など、直接体に触れる物の中にはレンタル対象外の物もあります。

まとめ|さまざまな介護サービスが必要となる要介護4

要介護4は基本的に在宅で家族のみの介護はかなり難しいと認識されます。そのため、家族の介護負担を軽減するためにさまざまな介護施設や在宅介護サービス、給付金などの金銭的援助が用意されています。

認知機能の低下に伴う過食や物盗られ妄想、興奮攻撃など、精神的にもかなり辛い場合もあるでしょう。自分や家族だけで介護を行おうとは考えず、できる限り介護士や専門家の助けを借りるようにしてください。

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Q1,要介護4はどこで誰が決めているの?

A1,各自治体に設置されている「介護認定審査会」で決められます。

介護認定審査会は保健・医療・福祉の各学識経験者で構成されており、対象者の心身の状況調査や主治医の意見書などをもとに認定が行われます。

Q2,要介護4で受けられるサービスやもらえる給付金はどこに聞けばいいの?

A2,主に、各自治体の役所窓口や地域包括支援センターなどです。

介護保険(国)が行っているサービスや給付金以外にも各自治体が独自に行っているものも多いです。

介護を必要としている方の住んでいる自治体の役所窓口に、対象となるサービスなどを聞いてもいいでしょう。

また、介護サービスなどを利用すると、一人のケアマネージャーさんが担当となってくれるので、その方に相談するのも可能です。

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