• 要介護4
  • 【公開日】2022-12-13
  • 【更新日】2026-09-07

要介護4でもらえるお金と支出を減らす方法|12制度の一覧

要介護4でもらえるお金と支出を減らす方法|12制度の一覧
この記事でわかること
Q1. 要介護4で最も金額が大きい手当は何ですか?

A. 特別障害者手当です。在宅で常時特別の介護を必要とする20歳以上の人に月額30,450円が支給されます。年額では365,400円です。所得制限があり、3か月を超える入院中や施設入所中は対象外です。
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Q2. 家族介護慰労金は要介護4でももらえますか?

A. 要介護4・5の家族を1年以上在宅で介護し、介護保険サービスをほとんど使っていない世帯が対象です。大阪市では年額10万円が支給されます。市区町村ごとの独自事業のため、実施していない自治体もあります。
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Q3. 介護のために仕事を休むともらえるお金はありますか?

A. 雇用保険の介護休業給付金があります。休業開始時賃金日額に支給日数と67%を掛けた額が支給されます。同じ家族について93日を限度に3回まで使え、課税の対象になりません。
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Q4. 要介護4のおむつ代に助成はありますか?

A. 多くの市区町村が紙おむつの現物支給や購入費助成を行っています。神戸市は年25,000〜100,000円分、江東区は入院中に月7,500円を上限に助成します。要介護度や住民税非課税などの条件は自治体ごとに異なります。
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Q5. 介護費用が高額になったら払い戻しはありますか?

A. 高額介護サービス費があります。1か月の自己負担が上限を超えた分が払い戻されます。上限は課税所得380万円未満の世帯で44,400円、市町村民税世帯非課税で24,600円です。施設の食費・居住費・おむつ代は対象外です。
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Q6. 医療費と介護費は合算できますか?

A. 高額医療・高額介護合算療養費制度で合算できます。対象期間は毎年8月1日から翌年7月31日までです。70歳以上の一般区分は年56万円、住民税非課税の低所得者Ⅱは年31万円が限度額です。
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Q7. 施設やショートステイの食費を下げる方法はありますか?

A. 特定入所者介護サービス費を申請すると下がります。介護老人福祉施設の食費は1日1,545円が第2段階で390円になります。住民税非課税世帯が対象で、預貯金等の資産要件もあります。
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Q8. 手すりの取り付け費用に補助は出ますか?

A. 住宅改修費の支給があります。生涯20万円を上限に、原則9割(上限18万円)が支給されます。手すりの取付け・段差の解消・扉や便器の取替えなどが対象で、工事前の事前申請が必要です。
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Q9. 要介護4で税金は安くなりますか?

A. 市区町村から障害者控除対象者認定書の交付を受けると障害者控除を使えます。所得税の控除額は障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。要介護認定だけでは対象になりません。
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Q10. 在宅介護の支出そのものを減らす方法はありますか?

A. 5つあります。ケアプランの見直し、福祉用具の購入とレンタルの比較、おむつの現物支給への切り替え、世帯分離、デイとショートステイの組み替えです。要介護4の限度額30,938単位を超えた分は全額自己負担になります。
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要介護4の認定を受けると、おむつ代・医療費・介護サービスの自己負担が一気に増えます。
在宅で介護している家族から「もらえるお金があるなら全部知りたい」という声が上がるのはこのためです。

結論から書くと、要介護4の家庭が使える公的なお金の制度は12あります。

ただし、制度を全部申請しても支出が追いつかない家庭は珍しくありません。

本記事では、12制度それぞれの「対象・金額・相談先・申請方法」を統一した形で示します。
あわせて、要介護4の在宅介護で毎月の支出をどこから削れるかも整理します。

ケアスル 介護 ケアアドバイザー部門マネージャー
専門分野:介護施設紹介
職業: 介護施設紹介業
出身組織: 株式会社Speee

私自身母親が介護で苦労していた様子を間近で見ていたため、ご家族の心情に寄り添うことを心がけています。母も祖母を介護施設に入れることに非常に葛藤を抱えていましたが、結果入居した後は母も祖母も穏やかに過ごしていました。こうした自分の経験から介護施設への入居がポジティブに伝わるといいなと思い日々ご家族とお話ししています。詳しくはこちら。

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【一覧表】要介護4でもらえるお金|12制度の対象・金額・申請先

要介護4でもらえるお金は、性質の違う4種類に分かれます。

  • 現金がもらえる手当・給付金:特別障害者手当/家族介護慰労金/介護休業給付金/自治体独自の助成
  • 払い戻しを受けられる制度:高額介護サービス費/高額医療・高額介護合算療養費制度/特定入所者介護サービス費/福祉用具購入費/住宅改修費
  • 税金が軽くなる控除:障害者控除/医療費控除
  • 負担が重いときに使える手段:生活保護・生活福祉資金貸付

申請先は市区町村の窓口に集中しています。介護休業給付金だけが勤務先経由のハローワーク、医療費控除だけが税務署です。

要介護4でもらえるお金 12制度の一覧
制度主な対象金額の目安申請先
特別障害者手当在宅で常時特別の介護が必要な20歳以上(所得制限あり)月30,450円市区町村の障害福祉窓口
家族介護慰労金要介護4・5を1年以上在宅で介護し、介護保険サービスをほぼ使っていない世帯年10万円前後(自治体による)市区町村の高齢介護担当課
介護休業給付金介護のため休業する雇用保険の被保険者(=介護する子世代本人)休業前賃金の67%×最大93日勤務先経由でハローワーク
おむつ代助成など自治体独自の助成在宅の要介護4以上など(住民税非課税が条件の自治体が多い)月7,000〜8,000円程度の現物支給・助成市区町村の高齢福祉担当課
高額介護サービス費1か月の介護サービス自己負担が上限を超えた人月44,400円などの上限を超えた分市区町村の介護保険担当課
高額医療・高額介護合算療養費制度1年間の医療費と介護費の合計が高額になった世帯年56万円などの上限を超えた分加入する医療保険の窓口
特定入所者介護サービス費住民税非課税世帯で、施設やショートステイを使う人食費が1日1,545円→390円など市区町村の介護保険担当課
福祉用具購入費の支給腰掛便座・入浴補助用具などを買う人年10万円まで購入費の7〜9割市区町村(ケアマネジャー経由)
住宅改修費の支給手すり設置・段差解消などの工事をする人生涯20万円まで工事費の7〜9割市区町村(工事前に事前申請)
障害者控除障害者控除対象者認定書の交付を受けた65歳以上の人と扶養者所得税で27万・40万・75万円の控除認定書は市区町村/申告は勤務先か税務署
医療費控除年間の医療費が10万円を超えた人(おむつ代も対象になる場合あり)超えた分を所得から控除(上限200万円)税務署(確定申告)
生活保護・生活福祉資金貸付収入・資産が最低生活費を下回る世帯/一時的に資金が必要な低所得・高齢者世帯最低生活費との差額を支給/無利子〜年1.5%で貸付福祉事務所/社会福祉協議会
要介護4の認定を受けただけで自動的に振り込まれるお金はありません。12制度はいずれも申請が必要で、多くは所得や在宅かどうかの条件が付きます。該当するかどうかは、担当のケアマネジャーと市区町村の窓口で確認してください。

※本記事の金額は執筆時点(2026年9月)の情報です。手当の額や負担上限額は改定で変わります。

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要介護4で現金がもらえる手当・給付金

要介護4の家庭が「現金として受け取れる」お金は次の4つです。

  • 特別障害者手当:在宅で常時特別の介護が必要な人に月30,450円
  • 家族介護慰労金:介護保険サービスをほぼ使わず在宅介護した世帯に年10万円前後
  • 介護休業給付金:介護のため休業した子世代本人に、休業前賃金の67%
  • おむつ代助成など自治体独自の助成:紙おむつの現物支給や購入費助成

このうち金額が最も大きいのは特別障害者手当で、年額にすると365,400円になります。
介護休業給付金は親ではなく、介護する子世代自身が受け取るお金です。

特別障害者手当|月30,450円

特別障害者手当は、在宅で常時特別の介護を必要とする20歳以上の人に、月額30,450円が支給される国の制度です。
厚生労働省が支給要件と金額を定めています。

支給は毎年2月・5月・8月・11月の年4回で、それぞれ前月分までがまとめて振り込まれます。

特別障害者手当の概要
対象精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする在宅の20歳以上の人
金額月額30,450円(2026年度)
相談先市区町村の障害福祉担当窓口
申請方法窓口で認定請求書を受け取り、医師の診断書・所得証明などを添えて提出する
対象外20歳未満の人/病院・診療所に継続して3か月を超えて入院している人/施設に入所している人

受給資格者本人・配偶者・扶養義務者の前年所得が一定額を超えると、その年の8月分から翌年7月分までの手当は支給されません。
詳しい支給要件は厚生労働省「特別障害者手当について」で確認できます。

要介護4であることは、特別障害者手当の直接の支給要件ではありません。判定は障害の程度に対して行われるため、要介護4でも対象外になる場合があります。まず市区町村の障害福祉窓口で該当するかを確認してください。

家族介護慰労金|年10万円前後

家族介護慰労金は、介護保険サービスをほとんど使わずに要介護4・5の家族を在宅で1年以上介護した世帯へ、市区町村が支給する現金です。
介護保険の給付ではなく市区町村ごとの独自事業のため、金額も要件も自治体で異なります。

大阪市の例では年額10万円が支給され、要件は次のとおりです。

家族介護慰労金の概要(大阪市の例)
対象要介護4または5に該当する期間に、すべての介護保険サービスを1年以上継続して利用していない世帯(1年間で7日以内のショートステイ利用は差し支えない)
所得要件サービスを利用していない期間に、要介護者と介護者の世帯が市民税非課税であること
金額年額10万円
相談先市区町村の高齢介護担当課(大阪市は福祉局高齢者施策部)
申請方法窓口で申請書を提出し、地域包括支援センターによる介護状況の確認を受ける(医療機関に入院した場合は入院期間を除いて1年以上)

申請先は市区町村の高齢介護担当課です。大阪市の場合は福祉局高齢者施策部が窓口になります(大阪市「家族介護慰労金」)。

要件のうち特に厳しいのが「介護保険サービスを1年以上使っていないこと」です。
デイサービスや訪問介護を使いながら在宅介護をしている世帯は、この慰労金の対象になりません。制度自体を実施していない自治体もあります。

介護休業給付金|賃金の67%×最大93日

介護休業給付金は、親の介護のために休業した子世代本人が、雇用保険から受け取れるお金です。
12制度のなかで唯一、介護される親ではなく介護する側に支払われます。

介護休業給付金の概要
対象介護休業を開始した日の前2年間に被保険者期間が12か月以上ある雇用保険の被保険者
対象家族配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫
金額休業開始時賃金日額×支給日数×67%
上限同じ家族について93日を限度に3回まで
相談先・申請方法勤務先を経由してハローワークへ申請する(本人が希望すれば本人申請も可能)

厚生労働省は介護休業給付金について「課税の対象となりません」と明記しています(厚生労働省「Q&A~介護休業給付~」)。
同じ金額の給与を受け取るより手取りが減りにくい点が特徴です。

93日は3回に分けて取得できます。
要介護4になった直後の在宅体制づくり、施設への入居手続き、看取りの時期といった山場ごとに使い分ける取り方が可能です。

おむつ代助成など自治体独自の助成|月7,000〜8,000円程度

紙おむつの支給や購入費の助成は、要介護4の在宅介護でいちばん現実的に効く自治体独自の助成です。
実施の有無・金額・要件は市区町村ごとに大きく違います。

紙おむつの支給・助成の自治体例
自治体主な対象支給内容
神戸市在宅の要介護4以上で、世帯全員が市民税非課税年25,000〜100,000円分(申請時期で変動)
江東区65歳以上で要介護3・4・5の認定を受けた人など毎月1回配送。入院中は月7,500円を上限に購入費助成
横浜市在宅の要介護4・5などで、生活保護世帯または市民税非課税世帯要介護4・5は月8,000円を上限に現物支給。利用額の1割が自己負担

神戸市は紙おむつ支給事業として、4月1日〜6月15日の申請なら年間100,000円分を支給します。
申請が遅れるほど支給額が下がる仕組みのため、年度初めに動くほど受け取れる額が増えます。

おむつ代のほかにも、介護用品支給・タクシー券・在宅介護手当などの独自事業を持つ自治体があります。
市区町村の高齢福祉担当課か地域包括支援センターで「うちの市で使える高齢者向けの助成をすべて教えてほしい」と聞くのが確実な調べ方です。

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要介護4で払い戻しを受けられる制度

いったん払った費用が後から戻る制度は5つあります。

  • 高額介護サービス費:1か月の介護サービス自己負担が上限を超えた分
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度:1年間の医療費と介護費の合計が上限を超えた分
  • 特定入所者介護サービス費:施設やショートステイの食費・居住費の軽減
  • 福祉用具購入費の支給:年10万円まで購入費の7〜9割
  • 住宅改修費の支給:生涯20万円まで工事費の7〜9割

いずれも自動では戻らず、市区町村への申請が必要です。
高額介護サービス費は、自治体によっては初回に申請すれば以降は自動で振り込まれます。

高額介護サービス費|月44,400円を超えた分

高額介護サービス費は、1か月の介護サービス自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。
上限額は世帯の課税状況と課税所得で決まります。

高額介護サービス費の負担上限額(月額)
区分上限額
課税所得690万円以上の人がいる世帯世帯140,100円
課税所得380万円以上690万円未満の人がいる世帯世帯93,000円
課税所得380万円未満の人がいる世帯世帯44,400円
市町村民税世帯非課税世帯24,600円
世帯非課税で、年金収入等が82.65万円以下または老齢福祉年金受給者世帯24,600円(個人15,000円)
生活保護を受けている人個人15,000円

上限額は厚生労働省老健局の通知で定められています。
2026年8月1日からは、判定に使う年金収入等の基準額が80.9万円から82.65万円へ引き上げられました。

出典は厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1506」です。上限額そのもの(15,000円〜140,100円)は2021年8月の見直し以降変わっていません。

課税所得380万円未満の世帯なら、月の自己負担が60,000円だった場合に44,400円を超えた15,600円が戻ります。
相談先は市区町村の介護保険担当課です。

施設の居住費・食費・おむつ代・日常生活費は高額介護サービス費の対象外です。福祉用具購入費と住宅改修費も対象に含まれません。

高額医療・高額介護合算療養費制度|年56万円を超えた分

高額医療・高額介護合算療養費制度は、1年間の医療費と介護費の自己負担を合算する制度です。
対象期間は毎年8月1日から翌年7月31日までで、上限を超えた分が払い戻されます。
月単位で軽減してもなお重い負担が残る世帯を対象にしています。

70歳以上の世帯の自己負担限度額(年額)
所得区分限度額
一般56万円
低所得者Ⅱ(住民税非課税)31万円
低所得者Ⅰ(住民税非課税で所得が一定以下)19万円
現役並み所得者課税所得に応じて67万円以上(区分は加入する医療保険へ確認)

厚生労働省は限度額について「年額56万円を基本」と説明しています。
実際の額は医療保険の制度と所得・年齢の区分ごとに細かく設定されています(厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について」)。

申請は加入する医療保険の窓口へ行います。
国民健康保険と後期高齢者医療制度なら市区町村、健康保険組合や協会けんぽなら各保険者が窓口です。

【申請でつまずきやすい点】
・医療費と介護費のどちらかが0円の年は支給されない
・合算額から限度額を引いた額が500円以下だと支給されない
・介護保険側で「介護自己負担額証明書」を先に取る必要がある
・食費・居住費・差額ベッド代は合算の対象外

特定入所者介護サービス費|食費が1日1,545円→390円に

特定入所者介護サービス費は、住民税非課税世帯の人が施設やショートステイを使うとき、食費と居住費が負担限度額まで下がる制度です。
事前に市区町村へ申請して「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けます。

介護老人福祉施設の食費(1日あたり)
区分食費
基準費用額(軽減なし)1,545円
第1段階300円
第2段階(年金収入等82.65万円以下)390円
第3段階①(同82.65万円超120万円以下)680円
第3段階②(同120万円超)1,420円

第2段階に該当すると、食費は1日1,545円から390円へ下がります。
1か月30日で計算すると46,350円が11,700円になり、月34,650円の差が生まれます。

金額は2026年8月1日から引き上げられました。
出典は厚生労働省「令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について」(介護保険最新情報Vol.1506)です。

段階の判定には所得だけでなく預貯金等の資産も使われます。
配偶者がいない場合、第2段階は650万円以下、第3段階①は550万円以下、第3段階②は500万円以下が基準です。

在宅介護でもショートステイを使う日には食費と居住費がかかるため、要介護4で在宅を続けている世帯にも関係します。

上の表は施設に入所した場合の金額です。ショートステイ(短期入所)の食費は別に定められており、第2段階600円・第3段階①1,030円・第3段階②1,360円です。在宅でショートステイだけを使う場合は、こちらの金額が適用されます。
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福祉用具購入費の支給|年10万円まで7〜9割

介護保険の福祉用具は貸与が原則で、他人が使ったものを再利用しにくい種目だけが購入費の支給対象になります。
腰掛便座・入浴補助用具・簡易浴槽などが該当します。

福祉用具購入費の支給対象と金額
対象種目腰掛便座(ポータブルトイレなど)/入浴補助用具(入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内いす・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ・入浴用介助ベルト)/簡易浴槽/移動用リフトのつり具の部分/自動排泄処理装置の交換可能部品
支給限度基準額原則年間10万円(毎月の区分支給限度基準額とは別枠)
支給割合原則9割、所得に応じて8割・7割
相談先・申請方法ケアマネジャーと福祉用具専門相談員に相談し、指定を受けた事業者から購入して市区町村へ申請する

厚生労働省は「販売は原則年間10万円を支給限度基準額としている」「原則9割、所得に応じて8割・7割支給」と定めています。
この10万円枠は、毎月のサービス利用にかかる区分支給限度基準額とは別枠です。

申請は市区町村へ行います。購入前に福祉用具専門相談員とケアマネジャーへ相談し、指定を受けた事業者から買う必要があります。
福祉用具専門相談員の助言を直接受けられない通信販売やインターネット販売での購入は、支給の対象になりません。

住宅改修費の支給|生涯20万円まで7〜9割

住宅改修費の支給は、手すりの取付けや段差の解消などの工事に、生涯20万円を上限として7〜9割が支給される制度です。
要支援・要介護の区分にかかわらず定額で設定されています。

住宅改修費の支給内容
対象工事手すりの取付け/段差の解消/床材の変更/引き戸等への扉の取替え/洋式便器等への便器の取替え/これらに付帯して必要な工事
支給限度基準額生涯20万円(限度額の範囲内なら複数回に分けて申請できる)
支給額原則9割(上限18万円)、所得に応じて8割(上限16万円)・7割(上限14万円)
枠の再設定要介護状態区分が3段階上がったとき、または転居したときは再度20万円まで使える

申請の流れは、ケアマネジャーへの相談、事業者の選択と見積もり、工事前の事前申請、市区町村の確認、施工、工事後の支給申請という順です。

事前申請で出す書類は、支給申請書・工事費見積書・住宅改修が必要な理由書・完成予定の状態が分かる図面や写真です。
手続きの詳細は厚生労働省「介護保険における住宅改修」で確認できます。

工事を先に済ませてしまうと支給されない場合があります。やむを得ない事情があるときだけ事後申請が認められる扱いのため、着工前に必ずケアマネジャーへ相談してください。

要介護4で税金が軽くなる控除

要介護4の親を扶養している家庭が使える所得控除は2つです。

  • 障害者控除:市区町村から障害者控除対象者認定書の交付を受けると、所得税で27万円・40万円・75万円のいずれかを控除できる
  • 医療費控除:年間の医療費が10万円を超えた分を所得から控除できる。おむつ代も条件を満たせば対象になる

2つとも親本人ではなく、親を扶養している子世代の税金を減らす形でも使えます。
親が非課税で本人に減税の効果がない場合こそ、扶養している側で申告する意味があります。

障害者控除|所得税で最大75万円の控除

国税庁は「介護保険法の要介護認定を受けられただけでは障害者控除の対象とはなりません」と明記しています。
市区町村へ申請して「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることが条件です。
根拠は国税庁「No.1185 市町村長等の障害者認定と介護保険法の要介護認定について」です。

障害者控除の控除額(所得税)
区分控除額
障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

控除額は国税庁「No.1160 障害者控除」のとおりです。同居して介護している場合は同居特別障害者となり、75万円まで控除できます。

認定書の交付基準は自治体が定めます。主治医意見書の認知症自立度と障害高齢者自立度を使う自治体が多くを占めます。
宝塚市は要介護1〜3を障害者、要介護4・5を特別障害者として認定書を交付しています。

申請先は市区町村の介護保険担当課です。認定書を受け取ったら、会社員なら年末調整、それ以外なら確定申告で申告します。

認定基準は自治体ごとに異なるため、要介護4でも特別障害者に該当しない場合があります。認定書は過去5年分までさかのぼって交付を受けられ、税金も還付申告または更正の請求で5年分さかのぼれます。過年度分は税務署へ相談してください。

医療費控除|おむつ代も対象になる

医療費控除は、1年間に支払った医療費のうち10万円を超えた分を所得から差し引ける制度です。
総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%が基準になります。
控除の上限は200万円です(国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき」)。

要介護4の在宅介護で見落とされやすいのがおむつ代です。
国税庁は、傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている人のおむつ代を、医療費控除の対象と認めています。

おむつ代を医療費控除にするための手順
手順1治療を受けている医療機関で「おむつ使用証明書」を発行してもらう
手順2おむつの領収書を1年分まとめて保管する
手順3確定申告書に医療費控除の明細書を添付し、おむつ使用証明書を添付または提示する
2年目以降要介護認定の主治医意見書を市区町村が確認した書類、または主治医意見書の写しで代えられる

主治医意見書で代えられるのは、意見書の「障害老人の日常生活自立度」がB1・B2・C1・C2のいずれかの場合です。
あわせて「尿失禁の発生可能性」に「あり」と記載されている必要があります。
おむつ代の扱いは国税庁「寝たきりの者のおむつ代」で確認できます。

訪問看護や訪問リハビリテーションの自己負担額も医療費控除の対象です。

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要介護4で負担が重いときに使える手段

制度を使い切っても生活が回らないときの選択肢は2つです。

  • 生活保護:収入と資産が国の定める最低生活費を下回る世帯に、差額が支給される
  • 生活福祉資金貸付:低所得世帯・高齢者世帯へ、社会福祉協議会が無利子または低利で貸し付ける

生活保護は支給、生活福祉資金貸付は返済が必要な借入という違いがあります。
どちらも申請の前に相談窓口へ行き、世帯の状況を伝えるところから始まります。

生活保護

生活保護は、資産や収入が最低生活費を下回る世帯に対し、生活費・医療費・介護費が支給または免除される制度です。
介護保険の自己負担分は介護扶助でまかなわれ、高額介護サービス費の上限も個人15,000円まで下がります。

相談先は住まいの地域を担当する福祉事務所です。
介護費用だけが理由での申請ではなく、世帯全体の収入・資産・扶養の状況をもとに判断されます。

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生活福祉資金貸付

生活福祉資金貸付制度は、都道府県社会福祉協議会が実施し、市区町村社会福祉協議会が相談窓口となる貸付制度です。
連帯保証人がいれば無利子、いない場合でも年1.5%という条件が設定されています。

生活福祉資金貸付制度の概要
対象低所得者世帯/障害者世帯/65歳以上の高齢者が属する世帯
資金の種類総合支援資金/福祉資金/教育支援資金/不動産担保型生活資金
利子連帯保証人あり=無利子/連帯保証人なし=年1.5%
相談先・申請方法市区町村社会福祉協議会へ相談し、必要書類を添えて申請する

介護用品の購入や住宅改修の自己負担分には福祉資金が使えます。制度の全体像は厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」で確認できます。

要介護4の在宅介護で支出を減らす方法

制度を申請してもなお負担が重いときは、支出そのものを削る方向へ切り替えます。要介護4の在宅介護で効果が出やすいのは次の5つです。

  • ケアプランを見直す:区分支給限度基準額を超えた分は全額自己負担になる
  • 福祉用具は購入とレンタルで比べる:4種目は選択できる
  • おむつは自治体の現物支給・助成に切り替える:月7,000〜8,000円程度
  • 世帯分離で負担段階を下げる:上限が月44,400円から24,600円になる場合がある
  • デイ・ショートステイを組み替える:費用と介護者の負担を同時に調整する

最も金額が大きく動くのは限度額超過の解消と世帯分離です。いずれもケアマネジャーと市区町村の窓口に相談しながら進めます。

ケアプランを見直す|限度額を超えた分は全額自己負担になる

要介護4の区分支給限度基準額は30,938単位と定められています。1単位10円で換算すると約309,380円で、自己負担1割なら約30,938円です。

この限度額を超えてサービスを使うと、超過分は保険が効かず全額が自己負担になります。
1割負担の人にとっては、超過分だけ負担が10倍になる計算です。

【ケアマネジャーに確認したいこと】
・今月の利用単位数が限度額の30,938単位に対してどこまで来ているか
・限度額を超えている月があるか、超えているなら何のサービスか
・限度額の対象外になるサービス(居宅療養管理指導など)へ振り替えられないか
・同じ目的をより安い単位数のサービスで代えられないか

限度額は厚生労働省の告示で要介護度ごとに定められています。居宅療養管理指導や施設サービスには限度額が適用されません。

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福祉用具は購入とレンタルで比べる|4種目は選択できる

2024年4月から、固定用スロープ・歩行器・単点杖・多点杖の4種目は、貸与と購入を選べるようになりました。
歩行車は歩行器から、松葉づえは単点杖から除かれます。

貸与は毎月1〜3割の自己負担が続きます。購入は年10万円の枠内で7〜9割が支給され、支払いは1回で終わります。
長く使う見込みが立つ用具ほど、購入のほうが総額を抑えられます。

福祉用具には公定価格がなく、実際にかかった費用の額で保険給付されます。貸与料も販売価格も商品と事業者によって変わるため、どちらが安いかは見積もりを取って比べる必要があります。判断はケアマネジャーと福祉用具専門相談員に相談してください。

選択制の説明と提案は、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員が行う仕組みになっています。
「この用具は何年くらい使う見込みか」を伝えると、貸与と購入のどちらが有利かを試算してもらえます。

おむつは自治体の現物支給・助成に切り替える|月7,000〜8,000円程度

要介護4の在宅介護で毎月かかり続ける実費の代表がおむつ代です。自治体の紙おむつ支給に切り替えると、購入していた分がそのまま浮きます。

江東区は入院中の人に月7,500円を上限としておむつ購入費を助成し、中央区も月7,000円を限度に助成します。
神戸市は年度初めの申請で年間100,000円分を現物支給します。

【おむつ代を下げる打ち手】
・市区町村の高齢福祉担当課へ紙おむつ支給事業の有無を確認する
・年度初めに申請する(支給額が申請時期で変わる自治体がある)
・助成の対象外なら、医療費控除でおむつ代を申告する
・尿取りパッドを併用し、交換1回あたりの単価を下げる

助成の対象にならない世帯でも、医療費控除の対象にはなり得ます。両方が使えない場合は、パッドの併用で使用枚数を調整する方法が残ります。

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世帯分離で負担段階を下げる|上限が月44,400円→24,600円に

高額介護サービス費の上限額は世帯単位で判定されます。
そのため親が住民税非課税でも、同一世帯に課税されている子がいると上限は44,400円のままです。

住民票の世帯を分けて親だけの世帯にすると、世帯全員が非課税と判定され、上限が24,600円まで下がる場合があります。
月19,800円の差が生まれる計算です。

世帯分離は生計が実際に別であることが前提の届出です。介護費用の軽減だけを目的とした届出は認められない場合があります。国民健康保険料が世帯ごとにかかって合計額が増える、勤務先の扶養手当や扶養控除に影響が出る、要介護者が2人以上いる世帯では高額介護サービス費の世帯合算ができなくなる、といった逆効果もありえます。届出の前に市区町村の窓口で試算してもらってください。

特定入所者介護サービス費の判定でも、世帯全員が市町村民税非課税であることが原則の条件です。
ただし世帯分離した配偶者も判定に含まれるため、夫婦の場合は分離しても段階が変わりません。

デイ・ショートステイの組み替えで費用と介護者の負担を両立する

サービスの中身を変えずに使い方だけを組み替えると、費用と介護者の負担の両方を調整できます。
限度額に収まる範囲でショートステイの日数を配分し直すのが基本の考え方です。

ショートステイの利用日には食費と居住費がかかります。住民税非課税世帯であれば、負担限度額認定を受けると食費と居住費が下がります。
認定証を取らないままショートステイを使っている世帯は、申請するだけで実費を圧縮できます。

デイサービスの回数を増やすと単位数は増えますが、その分だけ介護者が働ける時間が生まれます。
介護離職を避けられれば収入が維持できるため、支出だけを見て回数を削る判断は逆効果になる場合があります。

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要介護4でもらえるお金と支出を減らす方法のまとめ

要介護4でもらえるお金は12制度で、現金の手当4つ・払い戻し5つ・税の控除2つ・最後の手段1つに分かれます。
金額が大きいのは特別障害者手当の月30,450円と障害者控除の最大75万円です。いずれも申請しなければ1円も戻りません。

【今日から動くための順番】
・ケアマネジャーに、限度額の使用状況と使えていない制度を確認する
・市区町村の高齢介護担当課で、紙おむつ支給・家族介護慰労金・障害者控除対象者認定書の3つを聞く
・障害福祉窓口で特別障害者手当の該当可否を確認する
・住民税非課税世帯なら、負担限度額認定を申請する
・働きながら介護しているなら、勤務先に介護休業給付金の手続きを相談する

制度を使い切ってもなお負担が重いときは、限度額超過の解消・世帯分離・おむつの現物支給という順で支出を削ります。
生活が立ち行かない段階では、福祉事務所と社会福祉協議会が相談先になります。

在宅での介護が限界に近づいたときは、施設という選択肢も費用の面から比べてみてください。

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