グループホームって週に何回入浴が可能?制度では最低週2回以上と決まっている!

グループホームって週に何回入浴が可能?制度では最低週2回以上と決まっている!

グループホームなどの介護施設への入所基準として、費用・立地などを重要としていることが多く見受けられます。しかし、見落としがちではありますが、入浴の環境は非常に重要で、施設で高齢者が入浴するメリットは数多くあります。

そのため今回は、グループホームなどの施設において、週に何回程度の入浴が可能かだけでなく、入浴に伴う効果も合わせて解説します。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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グループホームにおける入浴の回数

お風呂に入るのが好きな方もいれば、面倒に感じる方、入浴後にだるくなったり、しんどく感じる方もいます。

しかし、「面倒だ」「しんどい」という個人の希望だけを尊重してしまうと、全く入浴しない方も出てくる可能性があります。

国の基準として、グループホームなどの介護施設のおいては、お風呂の回数は最低週に2回は実施すると定められています。

体調面で入浴に不安があれば、シャワー浴などの代替手段もあります。また、予定していた日にお風呂に入れなかった場合でも、次の日に入るなどの調整を行うことは可能です。このようにすれば、最低週2回の入浴は可能です。

しかし逆に、ご自宅に住んでいる間は「毎日お風呂に入っていた」という方にとっては、週に2回という条件は受け入れがたいかもしれません。

国の基準は、厳密に言えば「週に2回“以上”」となっているため、3回以上お風呂に入れる施設もあります。グループホームなどの施設に入所する前には、1週間の入浴回数を確認しておくことが重要です。

施設における浴室の種類

グループホームなど介護施設における浴室の種類は1つでなく、数多く存在します。今回はその中でも、下記の主要な浴室について解説します。

  • 大浴場
  • 個浴(1人用の浴槽)
  • 機械浴
  • 居室内浴室(浴室付きのお部屋がある場合)

上記の内容について詳しく解説します。

大浴場

銭湯のようなイメージで、多くの人数が同時に入浴することができる広い浴槽を指します。、大浴場は一般的な浴槽と比較して、手すりを多く設置・床の素材は、滑りにくい素材を使用しているなど安全性を考慮した構造となっています。

広い浴槽を使用しているため、手足を伸ばしてゆっくりできるなど良い点が多くあります。筋力が低下している高齢者の場合、お尻が浮いてしまう危険性がある・浮力に対応できず溺れてしまう危険性がある・浴槽に入るとき、湯のなかの段差が見えにくく滑りやすいなど注意すべき点も多くあります。

個浴

一般家庭で使用されている浴槽で、1人ずつ入浴する方法です。個浴は大浴場と比較すると狭くなり、両手足を伸ばすと浴槽のふちに当たるため、大浴場と比較しても安定した構造です。

また、1人ずつ入浴するため、周囲のことを気にする必要がなく、自宅のお風呂に入っているような気分で入浴できます。

個浴の対象となると、ご自身で歩ける介護度が軽い方だと考えられますが、重介護者の場合でもしっかりと介助することで入浴することができるため、近年では介護施設でも導入する場合が多くなっています。

機械浴

重介助の場合でも安心して入浴できるタイプで、ストレッチャー浴・チェアー浴に分かれます。(グループホームで設置されている施設は稀です)

ストレッチャー浴は寝たままの状態でも、体・髪などを洗うことができるため、介助者の負担を少なくするメリットがあります。また、ストレッチャー浴はお湯に浸かることのできるタイプのほか、シャワータイプやミストタイプなどがあります。検討中の施設にどんなタイプのものがあるのか、確認してみましょう。

しかし、寝ている状態での入浴となるため、天井をずっと見ているだけの状態となります。機種によっては、金属・機械音に不快を感じる場合もあります。

一方、チェアー浴は、キャスターが付いた椅子に座った状態で入浴するため、入居者が、周囲の状況を自分で確認できるなど、ストレッチャー浴と比較しても視覚的に安心感がある入浴方法です。また、タオル・スポンジを持つことができれば、ご自身で洗うこともできます。

また、ストレッチャー浴と同じように、機種によっては、金属・機械音、移動時の振動などが不快に感じる可能性もあります。また、一般的な浴槽とは大きく異なるため、馴染みにくい入浴方法になります。

居室内浴室

介護施設の個室に、浴室が備え付けられているタイプです。(グループホームでは稀です)

共用部の個浴の場合、一人でゆっくり入浴できるメリットはありますが、自分のタイミングでお風呂を楽しむことはできません。

その点、居室内の浴室であれば、曜日・時間の縛りなく、好きなときに入浴できます。(身体状況が自立していて、入浴が安全な場合)

しかし、身体状況、認知症のレベルによっては、たとえ居室のお風呂でも介護スタッフのサポートなしでは入浴できませんから「◯◯さんは、何曜日の何時」のように、曜日・時間があらかじめ決められてしまいます。プライバシーを重視する方は、個室に浴室がついた施設を探してみましょう。

 

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グループホームで入浴するメリット

入浴時間は「リラックスタイム」といわれるように、多くのメリットがあります。今回は、その中でも下記の主要なメリットについて解説します。

  • 新陳代謝を促進できる
  • 皮膚を清潔に保てる
  • 要介護を軽減できる
  • 眠りの質が向上する

上記の内容について、それぞれ解説します。

新陳代謝を促進できる

体などを洗って皮膚を刺激する・湯船に浸かってゆっくり体を温めることで血行が良くなり、新陳代謝を促進できます。

特に高齢者の場合、昔に生じた怪我の痛み・病気が原因で関節がこわばっているなど血流の悪い方が多くいますが、そのような方には入浴することで、簡単に血行を良くすることができ、痛みの軽減・関節を柔らかくするなどの効果が期待できます。

皮膚を清潔に保てる

高齢者になると、皮膚の状態変化がおこります。正常な皮膚は、角質の「バリア機能」によって刺激から守られるものの、年齢を重ねるにつれて皮膚のバリア機能が低下し、外因刺激を受けやすくなります。

また、皮膚の水分量も少なくなり、皮膚トラブルを引き起こしやすい状態になります。

そのため、入浴して雑菌の繁殖を招く汗などの老廃物を流し、体を洗って皮膚を清潔に保つことで、床ずれ・かぶれを防ぐことができます。

要介護を軽減できる

入浴する際には、移乗・移動だけでなく浴槽に入るための跨ぎ動作などさまざまな動作を行う必要があります。また、温熱・水圧による刺激による運動効果も期待されています。

実際、日本老年学的評価研究機構によると、「入浴頻度が週7回以上の高齢者は、週2回以下しか入浴しない高齢者と比べて、要介護リスクが約30%低い」という研究結果を発表したことからも入浴の回数と要介護度の軽減効果が認められました。

眠りの質が向上する

グループホームなど介護施設に入所していると、多くの方は昔より活動量が低下するため、睡眠の質も低下しやすくなります。しかし、入浴することによって、血流が良くなり体が温まると、自律神経にも良い効果があります。

自律神経には、交感神経・副交感神経の2種類があり、お互いバランスを取りながら体の健康を維持しています。具体的には、交感神経は興奮状態にして活発に活動させる役割があり、副交感神経はリラックス状態にする作用があります。

入浴は自律神経の中でも副交感神経を活発にするため、体がリラックスした結果、眠りの質が向上する効果があります。

グループホーム以外の介護施設の入浴時間

グループホーム以外の介護施設における1回の入浴時間の目安は10〜15分程度の施設がほとんどです。

入浴には上記で解説したように、さまざまなメリットがありますが、長時間入浴をすると、のぼせてしまった結果めまいの原因となり、その結果転倒・溺死の危険性も生じてしまいます。

特に夏など気温が高い場合は、熱中症・脱水症状になる可能性も高くなるため注意が必要です。

また、高齢者の中には暑いお風呂を好む方もいますが、高温で入浴すると血圧が急激に上がってしまった結果、脳出血を発症するなどの危険性があるため、熱いお湯での入浴はなるべく避けるようにします。

入浴時の注意点

入浴は、基本的には心身ともに良い効果がありますが、間違った方法で入浴すると、下記のように、思ってもいない健康リスクを招く可能性から注意が必要です。

  • ヒートショック対策
  • 転倒
  • 健康状態を確認する
  • 無理強いをしない

上記について解説します。

ヒートショック対策

大きな気温の変化によって血圧が急に上がり下がりし、心臓・血管の疾患が生じることをヒートショックといい、特に冬場における入浴時には注意が必要です。

実際、東京都健康長寿医療センター研究所が行った調査では、2011年の1年間で、全国で約17,000人がヒートショックに関連した「入浴中急死」に至ったと発表しています。

この人数は、交通事故による死亡者数の3倍以上となります。また、約17,000人のうち高齢者は14,000人と大多数を占めていることからヒートショックの怖さが分かります。

ヒートショックは、気温の暖かい場所から寒い場所へ急に移動した時によく生じるため、浴室と脱衣所の温度差を小さくすることで防ぐことができるため、入浴する前に脱衣所を温めておくなどの対策をすることが重要です。

転倒

介護施設に入所している多くの方は、運動機能の低下・体の痛みなどによって、一般的な高齢者より転倒リスクが高くなっています

乾燥している浴室などを歩いても、転倒する危険性はそれほど高くなりません。しかし、お湯で床が濡れた状態になると滑りやすくなるため、転倒リスクは高くなります。実際、平成30年版高齢社会白書の事故発生場所詳細によると、居室、台所・食堂、洗面台に次いで風呂場での転倒割合が高くなっています。

濡れている浴室以外に、浴室内でも自分が思っているように体が動かせなくなってしまった結果、転倒する危険性も高くなるため注意が必要です。

入浴する際は、いつもより転倒しやすい状況になっていることを常に注意することが重要になります。

健康状態を確認する

入浴すると、血圧が大きく変動します。

そのため、入浴前には必ず血圧を確認します。2016年に行われた東京都市大学などの研究グループによる調査によると、入浴前に最低血圧が100mmHg以上だと14倍以上、最高血圧が160mmHg以上だと3倍以上、入浴事故が生じる割合が高くなると報告しています。

その他にも、入浴介助をしながら褥瘡・怪我などの有無も確認します。日本褥瘡学会が行った2013年の実態調査によると、仙骨部・尾骨部・踵骨部などに褥瘡が発生しやすいため、注意することが重要です。

特に高齢者の場合は、自分でも気付いていないケースが多くみられるため、普段から介助者が注意して確認することが重要です。

無理強いをしない

入居者が入浴を拒否する場合は、本人の想いを尊重することが重要です。高齢者の中でも服を脱いで裸になることに強い抵抗を感じる場合があります。

また、グループホームなどに入居し認知面が低下している方は、入浴すること自体が理解できない場合もありますが、そのような場合に入浴を強要すると嫌な気分だけが残ってしまい、次回の入浴も拒否してしまう可能性があります。

入浴を促す際は、本人が入浴することを納得していることが重要になるため、「入浴剤を変えたのでお風呂入りませんか?」などの工夫、認知症の方に対しては、実際にお風呂場を見せて入浴意欲を高めるなどして、決して無理矢理に入浴を強要しないようにします。

 

グループホームへの入居を検討している方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。

ケアスル介護なら、専任の入居相談員に条件を伝えるだけで、自分に合ったグループホームを紹介してもらうことが可能です。

面倒な見学予約や調整まで代行してくれるので、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

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グループホームにおけるお風呂のチェックポイント

介護施設への入所時において、下記のようなポイントをチェックしておくことが重要です。

  • 見学する際に事前確認する
  • 脱衣所の室温
  • 清潔に保たれているか

上記について、それぞれ解説します。

見学する際に事前確認する

グループホームの見学と聞くと、入居者の雰囲気・立地・設備・費用・各部屋・食堂などを中心に見学することが多いはずです。

もちろん、上記の内容も重要ですが、それに合わせてお風呂も見学することで、どのような浴槽を使用しているのか、浴槽の種類、入浴回数、入浴時間など、入浴に関する内容を全て聞いておくことで、入所後のイメージをより鮮明にできるようになるため、今後は見学する際に事前確認する事が重要です。

脱衣所の室温

お風呂を事前確認する重要性はお伝えしましたが、お風呂と合わせて脱衣所もチェックします。その中でも、ヒーター・エアコンなどが設置されているかは必ずチェックします。

上記で解説したように、室外・室内の温度が大きく異なるとヒートショックを生じる危険性があります。ヒートショックにより、脳内出血・大動脈解離・心筋梗塞などの病気が起こってしまうと最悪、命にも関わる可能性すらあります。

見学時に実際に室温を感じることは難しいかもしれませんが、ヒーター・エアコン設置有無は確認できるため、必ず確認するようにします。

清潔に保たれているか

お風呂まわりは湿度などの問題から、カビが生えやすく、手入れを怠るとすぐに不潔になってしまいます。そのような場所であるからこそ、常に清潔に保たれているかは非常に重要です。

髪の毛や水滴が落ちていないか、においの有無、設備の状態など、全て衛生面で清潔かを確認することが重要です。築年数が長い施設でも、清掃・メンテナンスが行き届いていれば十分に清潔を感じられます。

逆に、清潔を保たれていない場合は、人手が足りない・スタッフの気配りが不十分などの可能性から実際に入居して任せることができるのか不安になることからも常に清潔に保たれているかは重要です。

介護施設での入浴を有効に活用しよう

今回解説したように、グループホームなどの施設において、入居者が定期的に入浴を行うメリットが数多くあります。

ただ、入所を検討している施設が入浴に力を入れていないと、浴槽の種類が少ない・入浴時間が短くて満足できないなど問題が生じる可能性があります。

そのため、今後介護施設を見学し、入所を検討する際には、入浴も入所を検討する重要な項目の1つにしてください。

グループホームの入浴は週に何回ですか?

国の基準としては、週に2回以上と定められています。ただ、あくまでも最低週2回なので、施設によってこれ以上の回数入浴しているところも多数あります。詳しくはこちらをご覧ください。

グループホームでの入浴は1人でできますか?

各施設によって対応は変わりますが、多くの施設は、1人ずつ入浴できる浴槽もある施設がほとんどです。詳しくはこちらで解説しています。

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