グループホームで医療保険が使えるケースとは?介護保険となにが違う?

グループホームで医療保険が使えるケースとは?介護保険となにが違う?

グループホームに入居後、容態悪化などで急に医療行為が必要になることがあります。

グループホームで医療行為が必要な場合「保険はどうなるのだろう?費用はいくらかかってしまうだろう?」と不安ですよね。

この記事では介護保険と医療保険の違いや、医療サービスの役割を説明しています。

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認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者
所有資格:介護福祉士,介護支援専門員
専門分野:認知症介護
職業: 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者

10年以上認知症介護に携わる。全ての人が認知症とともに歩み、支えあう「おたがいさまの社会」を目指して活動している。詳しくはこちら

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グループホームとはどんな施設?

グループホームとは、知的障がい者や精神障がい者、認知症の高齢者がスタッフの支援を受けながら生活する共同生活施設です。この記事では介護保険サービスにおける、認知症グループホームについてお伝えします。その共同生活を行うグループをユニットといいますが、認知症グループホームでは一つのユニット利用者が5~9人までと決まっています。

認知症グループホーム(以下グループホーム)は、認知症の利用者がスタッフのサポートを受けながら、自分でできることを自分でしながら生活をします。もちろん入浴介助や排泄介助など、介護が必要な利用者には介護職員が介護サービスを提供しています。

監修者コメント

施設によって異なりますが、グループホームは基本的には決まったスケジュールなどはほとんどなく、1日のルーティンに関してはご本人にお任せするのが本質的なあり方になります。

監修者:志寒 浩二(しかん こうじ)

介護職員の役割

グループホームの介護職員の大きな役割は、利用者がご本人らしい生活を送れるようなサポートです。例えば、調理や掃除など家事に手助けが必要な人には、適切なサポートを行います。また、立ち上がりや歩行に不安がある利用者に対しては、利用者が安全に動作できるよう寄り添い見守ります。

そして、実際に利用者に寄り添って行動をサポートする場合もありますが、精神的なサポートも介護職員の役割です。

認知症になると生活の中で困難なことも増えていきます。過去の思いや感情が溢れて苦しいときもあります。その訴えに共感し、現在の生活を生きる原動力を引き出すのも職員の役割です。

介護職員は利用者が自分でできることサポートし自立的な生活を送ってもらうよう支援するのも大切な役割です。

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介護職員ができるケアとは

グループホームには看護師などの配置は定められていません。そのため、高度な医療的ケアは難しい場合が多いです。ただし、グループホームの介護職員は、以下の場合であれば医療的なケアも行えます

  • 登録喀痰吸引等事業者として登録を受けた事業所の介護福祉士が喀痰吸引当を行う場合
  • 登録特定行為事業者として登録を受けた事業所の介護職員(認定特定行為業務事業者認定証の交付を受けた者に限る)が喀痰吸引等を行う場合

とても難しい表記ですが、登録を受けた事業所で、介護福祉士と専門的な知識があると認定された介護職員は、特定の医療的ケアができます。具体的には次のようなケアです。

  • 口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引
  • 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養

認知症グループホームは生活の場であり、本質的には医療の場ではありません。また、全ての職員がこの認定を受けるというのも、あまり現実的ではありませんので、こうした高度な医療的ケアを受けることになった場合、特別養護老人ホームや介護医療院など、他の施設への移動を検討される場合があります。

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グループホームで医療保険は使える?

グループホームで主に使う公的保険は介護保険ですが、医療行為や医療サービスが必要な場合には医療保険が使えます。医療サービスとは医師による訪問診療・投薬・検査・処置等や、医師の指示に基づく訪問介護や訪問リハビリテーション、訪問マッサージなどががあります。

グループホームで医療サービスを使う具体的な例を紹介します。

医師によるもの

  • 往診、訪問診療
  • [浩二8] 検査、注射、投薬、処置
  • 情報提供書、指示書の作成
  • ターミナルケアに関する対応 など

上記の内、ターミナルケアとはがん患者など、余命宣告を受けた患者に対して行う医療行為です。

医師以外の医療職によるもの

  • 訪問看護による体調管理や医療処置
  • 訪問リハビリテーションによるリハビリ
  • 訪問マッサージ など

ただし、上記は医師の指示に基づくものであるため、主治医・かかりつけ医との連携が必要です。

医療保険とは

医療保険とは、全国民に加入が義務付けられている公的医療保険制度で、怪我や病気で医療サービスを受けた場合に給付されます。医療保険には下記の種類があります。

医療保険種類 加入対象者
被用者保険
(健康保険・共済保険)
  • 民間企業の役員と従業員、その扶養家族が加入できる
  • 公務員や教職員等を対象した共済制度がある
国民健康保険
  • 自営業とその家族、無職者、年金生活者、学生、農林水産従事者
後期高齢者医療保険
  • 75歳以上
  • 一定の疾病がある希望者で、65歳以上

被用者保険には出産一時金が支払われる制度や、傷病手当があるのが特徴です。生計を一つにしているなら扶養家族の人数でも、保険料は同じ金額を納付します。

国民健康保険は同じ職業同士で組織された国民健康組合もあり、保険料は世帯ごとの収入や資産、世帯人数で決定します。

後期高齢者保険は75歳以上の後期高齢者が加入していて、75歳未満65歳以上で特定の疾病がある場合も加入できます。

介護保険とは

介護保険とは、40歳になると加入できる保険制度で、65歳以上になって介護認定を受けると、いつでも介護サービスを利用できます。介護サービスとは、高齢になり自分でできなくなった家事をサポートしてもらったり、老人ホームに入居して身体的な介護をしてもらったりすることです。

また40歳から64歳までの方は介護保険適用となる特定疾病の診断があれば、介護保険を利用できます。

グループホームで医療保険と介護保険は併用できる?

グループホームでは、医療保険と介護保険の併用は可能です。

ただし、医療保険と介護保険が適用される範囲はそれぞれ異なるため、1つの費用に医療保険と介護保険の両方が適用されるということはありません。

以下では、医療保険と介護保険、それぞれの費用を負担する際に利用できる制度について紹介します。

監修者コメント

グループホームでは、医療保険と介護保険の利用が可能ですが、介護保険と医療保険で同様のサービスがある場合は、介護保険が優先されます。
同様のサービスがない場合は、医療保険の利用が可能です。

監修者:志寒 浩二(しかん こうじ)

医療費が負担になった場合、利用できる制度

グループホームで長年、入居しているうちに、さまざまな医療行為が必要になり、医療費がかかってくることが多く、その医療費の負担が辛くなる場合もあります。そこで、医療費の負担を軽減できる制度があるので、ご紹介します。

高額医療費制度

高額医療費制度とは、自己負担上限額を超えた医療費が、払い戻される制度です。自己負担限度額は、所得に応じた金額が設定されています。

高額医療費制度は1カ月間に支払った医療費が対象で、自己負担限度額を超えた医療費を申請して払い戻してもらいます。

また、事前に医療費が高額になる予想ができている場合には限度額認定証を交付してもらっておくと、自己負担限度額までの請求で医療費で治療などを受けられます。

介護サービス自己負担に利用できる制度

グループホームで入居していると、介護サービスが高額で驚いてしまう時もあるでしょう。そんな時に、介護サービス料でかかった自己負担を軽減できる制度があります

利用者がしてもらいたい介護が受けられるように、しっかり活用したい制度です。

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費制度とは、1カ月の利用者負担が、自己負担限度額を超えた金額を払い戻してくれる制度です。

一般的な自己負担限度額は、44,400円ですが、令和3年8月に改正があり、自己負担能力に応じた自己負担限度額が新しく設定されています。

高額介護合算療養費制度

高額介護合算療養費制度は、高額医療費制度や介護サービス制度とは違い1年間にかかった費用が対象です。介護サービス費と医療費、両方の自己負担金が高額になった場合、払い戻し金があります。

後期高齢者制度の被保険者の限度額は以下の通りです。

基準額(年間)
一定の所得がある方 低所得(市町村民税非課税の方)
後期高齢者医療制度の被保険者 56万円 31万円

高額介護療養費制度は、基準日の翌日から2年経過してしまうと申請できないので、忘れず申請しましょう。

グループホームで使った医療保険の自己負担は控除対象

医療控除とは所得控除の一つで、医療費控除は確定申告して初めて控除となり節税効果があるので、ぜひ申告したいですね

医療費控除をもらうには、以下のような一定の条件があります。

  • 確定申告を行う方、もしくは確定申告を行う方と生計が一つの配偶者、または親族に支払った医療費であること
  • その年の1月~12月に支払った医療費であること

この二つの条件を満たしていれば、医療費控除は申告可能です。

医療控除を上手に活用

年間、支払った医療費が10万円を超えている場合は、医療費控除が適用されますので、節税対策が期待できます。グループホームで長く過ごしたい場合、公的な払い戻し制度や控除でできるだけ、出費を抑えて不安なく生活したいものですね。

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グループホームで訪問看護は自費でも受けられる

訪問看護は自費でも利用できます

そして自費の訪問看護は、医療保険もしくは、介護保険との併用が可能です。自費の訪問看護は、サービス料金が全額自己負担ですが、保険を使って利用した時の制約や制限はありません。

訪問場所・滞在時間・訪問回数・利用者の介護度などの制限がないので、24時間365日利用できるメリットがあります。プライベート看護とも呼ばれ、利用料金は事業者によって変わるので、事前に問い合わせしてから利用したいですね。

グループホームでは医療保険と介護保険を使い分けて生活しよう

終の棲家で入居したグループホームですが、いつどんな時に医療の手を借りなければいけなくなるか分かりません。医療保険は大変便利な制度ですが、グループホームで使える場合は限られています。グループホームに入居している場合は医療保険と介護保険、使い分けて健康に生活していきたいですね。

グループホームに入居中ですが、医療的な処置が頻回に必要といわれました。訪問看護をしてもらう場合、使えるのは医療保険ですか?介護保険ですか?

グループホームでは医療保険による訪問看護の利用が可能です。医師が必要であると判断した場合、指示書を交付してくれるので医療保険で訪問看護が利用できます。詳しくはこちらをご覧ください。

グループホームで医療保険と介護保険は併用できないのですか?

できます。介護認定を受けている場合、訪問看護などの医療保険と介護保険、双方が適用できる医療サービスは、医療保険より介護保険の方が優先して使われます。グループホームの利用で介護保険が使われていますので、そうした医療サービスは医療保険の適用によるものとなります。詳しくはこちらをご覧ください。

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