特別養護老人ホームの入所申し込みで必要な理由欄の例文をご紹介

特別養護老人ホームの入所申し込みで必要な理由欄の例文をご紹介

特別養護老人ホームの入所申請書類の中にある理由欄は、入所の優先順位を左右するほど重要な項目です。

とはいえ、内容をどれだけ一生懸命考えてもまったく思い浮かばないとお困りの方が多いのではないでしょうか。ですが、書き方のコツや例文を知れば簡単に入所理由が書けるかもしれません。本記事では、特別養護老人ホームの申請書類にある理由欄の例文や書き方のコツについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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特別養護老人ホームの入所申込書ってなに?

入所申込書とは、特別養護老人ホームに入所の申請を行う際に提出する書類です。基本的には、ケアマネジャーに依頼する、もしくは直接施設に問い合わせて、施設側から渡される専用の入所申込書に対象者の氏名・性別・生年月日・現住所を記入します。

申込書には、介護情報や年金情報も必要です。そのため、記入は間違いがないように丁寧に書きましょう。もしも書類に記載のミスがあれば、申請から受理されるまでの時間が伸びてしまう可能性があります。悪質だと判断された場合には、入所を断られたりする場合もあるのでご注意ください。

入所申込書は、これから入所される方の健康状態や疾患の具合を施設に伝える役割も担っているので、具体的に記入した方が優先的に入所できる可能性があります。

入所の優先順位にかかわる!入所理由を書く申込書の例文!

特別養護老人ホームに入所を希望する際は、入所申込書の記入と提出が必須条件です。とはいえ、入所申込書に記入した経験がない方にとっては、とても難しいというイメージが強いかもしれません。

施設に提出する入所申込書は、施設への入所順位を左右してしまうほど重要なものなので、決して適当に書いてはなりません。施設のスタッフに対して、高齢者の健康状態や介護の必要性をしっかりと伝え、緊急性と必要性をアピールできるような書き方をする必要があります。

ここでは、特別養護老人ホームの入所申請書の記入項目について解説します。

1.基本事項の記入

特別養護老人ホームに提出する入所申込書には、申請される方の氏名・性別・生年月日・現住所などの基本事項を記入します。これはあくまでも申請をされる方の連絡先を確保するための項目なので、入所される方ではなく申請される方の情報をご記入ください。

その下からは、入所を希望される方の基本事項を記入する欄があります。そのほかにも、保険者(全国の市町村および特別区(東京23区))、被保険者番号、要介護度、認定有効期限、在宅サービスの利用状況についても記入します。

要介護度は、施設の入所申込者評価基準によって点数化されるので、点数がそのまま要介護度となり入所の優先順位に影響します。要介護度が高ければ高いほど緊急性があると判断され、入所の優先順位が上がりやすい可能性があります。

その下の欄は、世帯の状況や介護の状況を記入する欄があり、いつから入所したいか、介護の負担がどれくらいの大きいのかを記入する欄です。もしも深夜徘徊など認知症の疑いがあったり、精神疾患などの疑いがあったりする場合は、緊急性が高く、65歳以下の方でも特例として入所を認められる場合があるので、遠慮せずにしっかりと記入してください。

2.持病の治療状況

入所を希望される方の持病の治療状況についても記入する欄があり、こちらには既往歴や現在治療中の病気などについて記入します。入所後にどのような医療ケアや介護が必要かを判断するための項目なので、こちらも間違いがないようにしっかりと記入してください。

もしも入所を希望される方が、胃ろうや経管栄養などの専門的な医療ケアを必要としている場合は、入所申込書の選択肢の中にその項目がなければ、その施設で医療ケアを提供していない可能性があります。

特別養護老人ホームは公的な施設として運営していますが、医療機関との連携や提供している医療・介護サービスについては、施設の設備や、連携している医療機関によって異なります。要介護者の方が生命を維持するうえで必要不可欠な医療ケアがある場合は、事前に担当のケアマネジャーに相談するか、もしくは施設に確認の問い合わせをしておきましょう。

もしも入所を希望している施設で必要な医療ケアを受けられない場合は、別の施設を探すしかありません。ですが、特別養護老人ホームは毎年多くの方が入所申請をしており、申請をしてから数ヵ月~数年程度の待機期間があるのでご注意ください。

3.入所の意向について

特別養護老人ホームの入所申込書には、入所される方の入所の意向を記入する欄があります。入所を希望されている方が、入所に対してどれくらい強い意思を持っているのかを判断するための項目です。

すぐにでも介護サービスを提供している特別養護老人ホームに入所したいのか、それとも希望する具体的な時期があるのか。施設に入所したあとでも外出や外泊はできますが、一度施設に入所すると最期まで施設で入所し続ける方が多いです。

施設側にとっても、入所を希望される方との具体的な日取りを調整しやすくなるので、入所の意向についてはしっかりと入所される方の意向を反映して記入しましょう。入所する前にやりたいことがあるという場合にはそれらをすべて済ませたタイミングを入所希望日にするとよいでしょう。

もしも入所される方の意向も聞かずに家族が記入してしまうと、いざ入所が決まった際に、高齢者の方が入所を拒否してしまうリスクもあります。一度拒否をしてしまうと、その施設に対して一から入所の手続きを行わなければいけません。もちろん入所の優先順位も振り出しに戻ってしまうので、記入する際は必ず入所される方の意思を尊重してください。

4.特例入所について

特別養護老人ホームの入所条件は、2015年の制度改正以降、原則として要介護3以上の方だけが対象となっています。ですが、入所を希望される方の健康状態や病気の状態によっては、要介護1~2でも入所できる可能性があります。

認知症の有無、知的障害の有無、世帯構成によって施設への入所優先順位が前後するので、優先事案となる病気や障害などに関する情報は、間違いがないように丁寧に記入してください。もしもわからない点があるなら、担当のケアマネジャーや支援相談員に相談しましょう。

2015年以前には数十万人規模の待機者を抱えていた特別養護老人ホームですが、制度が改正された今でも毎年多くの高齢者が入所できる日を待っています。そのため、どうしても要介護度が低い方や特別な疾患がない方は、優先順位が低くなってしまいます。特例に当たる疾患を抱えているなら、積極的に記載しましょう。

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理由が重要!入所申込書の書き方のコツと例文をご紹介

特別養護老人ホームの入所申込書は、入所を希望する理由が重要です。この理由次第で入所の優先順位が大きく変更される可能性もあるので、ここでは書き方のコツと例文をご紹介します。

まずは、具体的な例文をご紹介します。

「夜間に徘徊をしたり、おむつの中を触る弄便(ろうべん)の症状があり、私に対する介護中の暴言も目立つようになりました。年齢的にも体力的にも在宅介護に限界を感じています。また、息子が1人いるものの、2人の子の養育費を捻出すべく共働きをせねばならない状況であるため、実質、息子夫婦からの援助を望む事はできないのが現状です。経済的な事情からも、比較的安価な特養ホームへの入所を強く希望しています。」

書き方のコツとしては、まず最初に要介護者の普段の介護状況や、暴言や暴力の有無について記載してください。暴力や暴言が度を超している場合も、入所が優先される可能性があります。

また、食事や睡眠サイクル、そして家族構成にいたるまで、どうしても自宅での介護が難しいことを真摯に伝えましょう。具体的に書けば書くほど、施設のスタッフにアピールできるからです。

1.疾患や重病の症状を細かく記載する

入所を希望される方が普段からどれくらい介護サービスを利用しているのかを伝えるために、ケアマネジャーに依頼して日常生活動作(ADL)確認表を添付してもらうのも非常に効果的です。

日常生活動作(ADL)確認表とは、食事や排泄、さらにはコミュニケーションなどで、その方が日常的にどの程度の介護サービスを要する状況にあるのか、介護が必要な場面はどこかなどを記入するものです。

介護のプロフェッショナルであるケアマネジャーが作成するので、より具体的で専門性のある内容を書類として提出できます。施設で入所の判定を行う際も、日常生活動作(ADL)確認表がある方が判定をしやすいので、ぜひご活用ください。

また、特例の入所条件に該当する認知症や知的障害、身体的、精神的などの障害があれば、どんな細かいものでもいいので詳細を記載するようにしましょう。特に認知症や知的障害は要介護度の高さに直結するケースが多く、これらの症状が見られる場合は、症状の詳細や発症の時期などを積極的に記載するのが効果的です。

認知症が進行するとBPSD(認知症の周辺症状)が現れ、人によっては暴力的な言動が目立つようになったり、抑うつ症状が見られたりするようになります。そういった症状が見られる場合は、一度医療機関で診察を受けましょう。診断が下れば、医師に相談して診断書を書いてもらえるので、そちらも一緒に提出しましょう。

2.介護に対する家族の負担を記載する

自宅での介護でご家族の方がどれくらいの負担を抱えているのか、なぜ自宅での介護が難しくなっているのかといった内容をできるだけ具体的に記入しましょう。

審査を行う施設のスタッフは、専門的な介護の知識を有する、いわば介護関連のプロフェッショナルです。症状などから普段どれだけの負担を強いられているのかを理解してもらえるので、文章を書くのが苦手な方でも、まずは書けるだけ症状や介護に対する負担の大きさを記入してください。

例えば、もしも要介護者が深夜徘徊の症状がみられるときは、深夜徘徊の周期や回数、さらには時間帯や行動範囲に至るまで、できるだけ詳しく書くと効果的です。深夜徘徊に関しては、家族の目の届かないところに勝手に行ってしまうので、犯罪や事故に巻き込まれる危険性がとても高いです。

施設の入所順位にも影響する症状なので、深夜徘徊の症状があれば積極的に記載してください。また、叩かれたり引っ張られたりなどの暴力行為を振るわれた場合も、積極的に記載しておきましょう。どんな症状でもしっかりと記入すれば、施設の入所条件に該当し、入所の順位が繰り上げられて早く入所できる可能性が高くなります。

3.介護に伴う日常生活への影響を記載する

要介護度が高くなればなるほど専門的な医療ケアや介護サービスが必要になり、介護を行うご家族の日常生活への影響も大きくなります。深夜から早朝にいたるまでどのタイミングで症状が出てくるのかわからないという場合には、家族がゆっくりと休んだり外出したりする時間が無く心身ともに疲労してしまうでしょう。

しっかりとした介護を行うのであれば、1日のうちの多くの時間を要介護者のケアに充てる必要があります。そのため、仕事を休まなければいけない、退職を求められたなど、介護によって仕事を失ってしまうケースは珍しくありません。

残念ながら、今の日本では介護に対してまだまだ理解が足りていないので、なんらかのトラブルで突然休みが必要になっても、簡単には休めないのが現状です。現在仕事への影響に悩んでいるのであれば、その緊急度や重大性を積極的にアピールしましょうまた介護の影響が人間関係などのプライベートに及ぶ方も、そういった内容はしっかりと記載するようにしてください。

4.必要な医療ケアの内容を細かく記載する

食事や排泄のサポートなど、自宅でもできる内容から、痰の吸引のように生命にかかわる医療ケアに関してまで、必要な内容については遠慮せずに記載しましょう。

自宅で介護をしていると、ホームヘルパーや、訪問看護や訪問リハビリテーションなど、受けられる介護サポートはいくつかありますが、それらすべてを利用するとなると、介護保険を活用したとしても毎月大きな出費になってしまいます。金銭的な背景も、提出する申込書に具体的に記載するようにしましょう。

医療ケアの内容によっては、医師や看護師による対応が必要なものもあります。それほど専門性の高い医療ケアを自宅で行うのは難しいので、特別養護老人ホームへの入所を強く希望される方が多いのではないでしょうか。

とはいえ、特別養護老人ホームへの入所は申請から長い期間を必要とするので、いざ介護が必要になったからといってすぐに入所できる保証はありません。そのため、ある程度の介護が必要になった段階で、将来的な医療ケアを見越して入所を希望される特別養護老人ホームに相談してみましょう。

もしも施設への問い合わせが不安なのであれば、担当のケアマネジャーに相談すればしっかりと対応してくれます。

入所理由の書き方で優先順位が上がる可能性もある!

高齢化社会の現代において、介護・看護に関する問題はこれからも付き合っていかなければいけない問題です。待機者数が減ったといってもまだまだ入所までに時間がかかる状態なので、専門的な医療ケアが必要な方や、認知症や精神疾患などの症状がある方は、それらの内容を理由欄に記載してください

施設側も入所される方の状態を把握しやすくなるので、入所の優先順位があがるかもしれません。

今回ご紹介した内容や例文を参考に、遠慮なく今の状況を正直に記載してみましょう。

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特別養護老人ホームに提出する書類の理由欄は大まかに書いても大丈夫?

特別養護老人ホームはとても人気があり待機者数が多いので、理由欄の内容を充実させたほうが優先的に入所させてもらえる可能性が高くなります。詳しくはこちらをご覧ください。

理由欄に記入するべき内容とは?

入所される方の疾患、要介護度、症状の進行具合など、わかる範囲で丁寧に細かく記載してください。詳しくはこちらをご覧ください。

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