老人ホームの持ち込み家具や日用品の選び方は?レイアウトの工夫も紹介

老人ホームの持ち込み家具や日用品の選び方は?レイアウトの工夫も紹介

「老人ホームに持ち込む家具の選び方がわからない」「持ち込み家具が不要にならないか不安」このように老人ホームに持ち込む家具を選ぶのに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで、老人ホームで必要な家具や日用品、家電の選び方のポイントを解説します。

後半では入居される家族が快適かつ安全に過ごせるようなレイアウトの工夫も紹介します。

老人ホームに入られる前はもちろん、入居後の場合にもぜひ参考にしてください。

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株式会社アテンド 代表取締役
専門分野:介護全般

旧三菱銀行およびみずほ銀行で10年ほど窓口やローンアドバイザーに従事したのち、 2013年に介護事業を運営する株式会社アテンド設立。 同年6月にリハビリ特化型「あしすとデイサービス」開設。 メディア実績は厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイヤモンド、 経済界、シルバー新報、聖教新聞、ABEMA Rrime など 介護事業経営と父の介護を8年経験したスキルを活かし、現在は講師として著者として介護のノウハウを提供。介護する人とされる人が安心して暮らせる環境つくりに邁進している。詳しくはこちら

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まずは持ち込み家具がいるかどうかの確認が重要

老人ホームによっては、家具や家電が備え付けられている場合があります。そのため、持ち込む家具を選ぶ前に、家具を持ち込む必要があるかどうかを施設に確認しましょう。

また、収納家具がなくてもクローゼットが設置されている居室があります。実際に見学をして収納がどのくらいできるか確認してから持ち込む家具を考えると安心です。

居室を見学する場合は次のようなポイントも合わせてチェックしましょう。

  • 居室の広さ
  • コンセントの位置
  • 家具や家電のレンタルの可否

家具の持ち込みが可能な場合、居室の広さによって持ち込める量が変わってきます。事前に確認して持ち込む家具の量や大きさを検討できるようにするのが大切です。

また、家電の持ち込みにはコンセントが必要ですので、位置や数を確認するようにしましょう。

家具や家電がレンタルできる場合は、持ち込みかレンタルか検討しましょう。

特に福祉器具などはレンタルの方が負担が少ないです。レンタルは老人ホームまたは施設と提携している福祉用具貸与事業所と契約する場合があります。

どのような制度でレンタルできるか事前に確認するようにしましょう。

また老人ホーム・介護施設をお探しの際には、ケアスル介護への相談がおすすめです。

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老人ホームへの持ち込み家具や日用品

老人ホームに持ち込む家具や日用品について次のように必要度に分けて紹介します。

  • 必ず持参しなければならないもの
  • 持参した方がよいもの
  • 不要なもの
  • 持ち込み禁止なもの

必ず持参しなければならないもの以外は、入居する方の生活スタイルや施設に備え付けがあるかどうかに応じた選択が必要です。そこで、選択するポイントも含めて具体的に解説します。

必ず持参しなければならないものは衣類や身だしなみの道具

毎日の生活で使用する衣類や身だしなみの道具は持ち込む必要性が高いです。以下に具体的な物品を紹介します。

  • 衣類
  • タオル
  • 室内用靴
  • 洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、髭剃り用品、入れ歯用品、くしなど)
  • 入浴に必要なもの(シャンプー、リンス、ボディーソープ)
  • つめ切り
  • 耳かき
  • 手鏡
  • ティッシュペーパー
  • トイレットペーパー

この中で衣類は洗濯の方法によって持ち込む数を考える必要があります。クリーニングの場合、クリーニングの頻度や返却されるまでの日数に応じて必要な数が変わるので事前に確認するようにしましょう。

また、収納量によっては季節に応じて衣替えをする必要があります。衣類ケースを用意して、不要なときはしまっておくようにしましょう。

老人ホームに必要な家具や家電

先ほど紹介した日用品や衣類を収納できるタンスやケースは必要です。しかし、クローゼットなど収納スペースや備え付けの家具がある場合は、そこに入り切らない分の収納家具を用意しましょう。

ベッドが備え付けられてない場合は持ち込む必要があります。持ち込む場合は起き上がりやすさや体への負担、将来動きが悪くなったときを想定して介護用ベッドの選択を検討しましょう。

たとえ介護が必要なくても、元気なうちから操作方法や便利さに慣れれば、将来の使いやすさにつながります。ベッドはレンタルできるかを検討するのも忘れないようにしましょう。

メンテナンスのしやすさや、別の種類への変更しやすさを考慮するとレンタルのメリットは大きいです。

そのほかの家具や家電は個人の趣味や嗜好に応じて選択しないとスペースを無駄に使ってしまいます。具体的に次の項目で紹介します。

そのほかに持参した方がよいもの

あると便利なものとして次のような趣味や娯楽関係のものがあります。

  • 本や雑誌
  • 囲碁や将棋
  • ゲーム機
  • パソコン
  • テレビ
  • プラモデル

施設での生活は時間を持て余す場合があります。そのため、入居される方が余暇活動で使えるようなものを持参しましょう。

テレビは判断が難しいものの1つです。テレビを観たり、ラジオを聴いたりするのが日課の方であれば持参した方がよいですが、そうでない場合は不要になりかねません。

特に耳が遠い方は音が聞き取れず不要になりやすいので注意しましょう。

さらに持参するとよいものとして次のようなものがあります。

  • 化粧品
  • 保湿ケア用品
  • 上着
  • ストールや膝掛け
  • 手袋やレッグウォーマー
  • 枕やクッション
  • 食器や箸
  • 仏壇

女性であれば化粧品や保湿ケア用品を持ち込み、身だしなみを整えるのは生活にハリをもたらします。施設でもいろいろな方と関わるため大切です。

また、外出を想定して上着などの体温調節ができるものもあるとよいでしょう。枕やクッション、食器や箸は慣れたものの方が使いやすい場合もあるので、持ち込みを検討しましょう。

家電製品では次のようなものがあると生活がより快適になります。

  • 置き時計
  • 空気清浄機
  • 加湿器
  • 電気ケトル
  • 間接照明

コンセントの数や置き場所に気を付けながら、家電製品の導入を検討してみましょう。

不要な家具や日用品

居住スペースや使用頻度を考えると不要になりやすい家具や日用品は次のようなものがあります。

  • 大型の家具(タンスやケース)
  • 携帯電話
  • おしゃれ着や特殊なデザインの服
  • 小型のテレビやラジオ

大型の家具は重かったり、部屋が狭くなったりして不要になりやすいです。備え付けがない場合でも1週間分ほどの衣類や少しの外出着が入る程度の収納用品にしましょう。

携帯電話は使いこなせる方は必要かもしれませんが、認知症の方であまり使用できなかったり、老人ホームのスタッフを通して連絡をしてもらったりできるので必要性が低くなります。

おしゃれ着や特殊なデザインの服は頻繁に使わないため不要になりやすいです。テレビは前述の通り日課でなければ、テレビ台でスペースもとられるため不要になります。

小型テレビやラジオは高齢者では見聞きが難しくなりやすいため、本当に必要かよく相談して判断しましょう。

持ち込み禁止の家具・日用品

施設によって持ち込み禁止の家具や家電が決まっています。基本的には次のようなものは持ち込みができません。

  • 刃物類
  • 火器器具
  • 車や自転車、バイク

包丁やナイフなどの刃物は必要だとしても、持ち込めない場合が多いです。またライターや電子レンジも発火の恐れがあり持ち込み禁止になります。

仏壇に使うロウソクや線香も持ち込めないので、LEDタイプのロウソクを使うなど工夫しましょう。何が持ち込めないか入居前に確認するようにしましょう。

安全や便利さを考えた家具・日用品選びのコツ

家具や日用品を持ち込む場合、以下の4つのポイントを踏まえましょう。

  • 高齢者でも使いやすい家具を選ぶ
  • 安全性の高い家具を選ぶ
  • 移動方法を考えて家具を選ぶ
  • 趣味や嗜好をしっかり考慮する

これらのポイントを考慮して、入居される方がより安全かつ便利な生活が送れるようにしましょう。

高齢者でも使いやすい家具を選ぶ

高齢になると体の機能が衰えて、筋力が低下したり、目が見えにくくなったりします。その点を考慮した家具選びをしましょう。

選ぶ場合は購入前や持ち込む前に実際に使ってもらい、使いやすいかどうかを確認するのが大切です。

タンスの取手は滑りにくい素材や、つかみやすい形状のものにしましょう。引き出しは軽いものにすれば力がなくても引き出しやすいです。

食器などを持参する場合は、取手が持ちやすいコップや重過ぎないものにしましょう。握力が低下して食器を落としても割れにくいプラスチック製のものにするのも工夫の1つです。コップが飲みにくい場合はストロー付きのものを活用しましょう。

安全性の高い家具を選ぶ

椅子や衣類ケースでキャスターが付いているものは座ったり、支えにしたりしたときに滑って転ぶ危険性があるので避けましょう。また、軽過ぎる家具も転倒の危険性があります。

高齢者は転倒の不安から家具を支えにして移動する場合が少なくありません。その場合、家具が軽いと家具と一緒に倒れてしまう可能性があります。

また木製タンスは角が尖っていたり、固かったりしてぶつかったときに大きな怪我につながります。劣化するとささくれて危険になるため、プラスチック製などの安全なものにしましょう。

家具ではありませんが、配線が必要な家電製品や家電を使用するための延長コードが長過ぎると引っかかって転倒につながるので注意が必要です。

移動方法を考えて家具を選ぶ

移動方法が歩行器や車椅子の場合、大きな家具を置いてしまうと通りづらくなってしまうため注意が必要です。今は問題なく歩けても、将来的に移動方法が変更される可能性があるのを考慮して家具の大きさや量を検討しましょう。

車椅子を使用する場合に必要な幅は以下のようになっています。

寸法 意味
80cm 車椅子で通過できる寸法
90cm 車椅子で通過しやすい寸法

通路を車椅子で通行できる寸法

120cm 通路を車椅子で通行しやすい寸法

人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法

杖使用者が円滑に通過できる寸法

140cm 車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法

杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法

150cm 車椅子使用者が回転できる寸法

人と車椅子使用者がすれ違える寸法

180cm 車椅子使用者が回転しやすい寸法

車椅子使用者同士がすれ違える寸法

車椅子で移動する場合は、車椅子が回転できる150cmないと不便さを感じてしまうのを考慮しましょう。

引用:第3章 基本寸法

趣味や嗜好をしっかり考慮する

好きな柄や色のものを選べば、老人ホームでの生活も気分よく過ごせます。また、娯楽品の持ち込みを検討する場合は、ご本人の趣味をしっかり考えて持ち込むようにしましょう。

よく話し合いをせずに家族の判断だけで準備をしてしまうと、入居後に不要なものになってしまいます。

また、認知症の方は以前の生活と大きく環境が変わると不安が強まり、症状が悪化する可能性があります。そのため、元々住んでいた環境にできるだけ近づけるようにするのが大切です。

入居される方の好きなものや見慣れたもの、使い慣れたものをできるだけ持ち込むような工夫をしましょう。

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老人ホームに持ち込んだ家具のレイアウトも工夫しよう

必要な家具を選ぶだけでなく、レイアウトの工夫をしてみましょう。家具をレイアウトする場合は次の3つのポイントが大切です。

  • 導線を意識して転倒しにくいレイアウトにする
  • 認知症の方には住み慣れた環境を意識する
  • 明るさを考慮した配置にする

これらを意識すれば、持ち込んだ家具でより快適に生活できますので参考にしてみましょう。

導線を意識して転倒しにくいレイアウトにする

トイレに行ったり、室外に出たりといった場合の導線を考慮して家具や家電を配置しましょう。もし、導線の道幅が狭かったり、障害物があったりすると転倒リスクが高まります。

高齢者は注意力が低下してしまうので、ちょっとした障害物にも気がつきにくく、つまずいたり、引っかかったりします。コード類や低い場所に棚を配置すると気づきにくいので注意しましょう。

前の見出しで紹介したように移動方法が何かによっても家具のレイアウトに工夫が必要です。家具の大きさだけでなく、レイアウトでも十分な幅員が確保できるように工夫しましょう。

転倒の不安がある場合は、高い場所にものを置かない、手の届きにくいところによく使うものを置かないといった工夫をして、できるだけ安全な生活が送れるようにしましょう。

認知症の方には住み慣れた環境を意識する

家具を選ぶポイントでも解説したように、認知症の方は環境の変化が症状の悪化を引き起こす要因になります。そのため、住み慣れた環境に近いレイアウトにする工夫が必要です。

よく過ごす場所や目が届きやすい場所に、馴染みの家具や品物を配置して、住み慣れた環境に近づけましょう。趣味などがある場合は、自宅で使っていた机や椅子などを持ち込み自宅と同じような配置でレイアウトして、老人ホームでも続けて楽しめるようにするのも大切です。

明るさを考慮した配置にする

時間帯によって部屋のどの部分に光が入り込み、明るくなるかを検討しながら家具を配置しましょう。例えば、ベッドを配置した場所に日が当たり過ぎると昼寝しにくくなります。

読書をする机に日が全く当たらず暗いといった問題が生じる可能性もあります。日中長く過ごすような場所には、自然光が心地よく入り込むようにして、活動的な生活が送りやすいようにしましょう。

また電灯の位置も工夫が必要です。備え付けの明かりで不十分な場合は間接照明を配置して、十分な明かりが確保できるようにしましょう。

「実際に施設を見てみないと生活のイメージができない…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

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老人ホームへの持ち込み家具を上手に選び快適に過ごせるようにしよう

スペースが限られる老人ホームへ家具を持ち込むときは、入居前にしっかり家族で話し合い必要なものを持ち込むようにするのが大切です。必要に応じてあとから付け足せるので、最初からあまり多くを持ち込まないようにしましょう。

また、持ち込み家具が決まればレイアウトも合わせて検討してください。

今回の記事を参考に持ち込む家具やレイアウトを考えて、大切な家族が老人ホームで快適かつ安全な生活が過ごせるようにしましょう。

老人ホームに持ち込むものを準備する場合は新調した方がいいでしょうか?

無理に新しいものを買う必要はありません。消耗品は新しく購入する必要があるでしょうが、衣類や家具は自分の使い慣れたものの方が愛着もあると思います。入居前に家族で相談し、必要なものだけ購入するようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

老人ホームにものを持ち込む場合は、家具も自分たちで持ち込むの?

自家用車で持ち運べる範囲は基本的には自分で持ち込む必要があります。家具などがあり無理な場合は引っ越し業者に頼みましょう。最近は介護施設への引っ越しを扱う業者もありますので検討してみましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

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