介護保険サービスは、認定された介護度に応じて「区分支給限度額(介護保険が適用となる上限額)があるため、利用できる回数が異なります。要介護4になると、デイサービスをどのくらいの回数で利用できるのか、疑問に思う方も多いと思われます。
本記事では、要介護4におけるデイサービスの利用回数や料金を解説します。また、週間ケアプランの具体例も紹介しますので、ぜひ介護サービスの利用の参考にして下さい。
この記事のまとめ
- 要介護4で利用できるデイサービスの回数は週に4~5回。本人の状態や家族の状況等を踏まえ、ケアプランに沿って利用回数を決める。
- 要介護4におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり10,000円程度。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば1,000円程度で利用できる。
要介護4のデイサービスの利用回数
要介護4の方が利用できるデイサービスの回数は週4~5回です。
デイサービスの利用回数は原則制限がなく、介護度ごとに定められている区分支給限度基準額を上回らなければ、介護保険を利用して自己負担額を抑えることができます。
本章では、要介護4の方が利用できるデイサービスの回数について、詳しく解説していきます。
要介護4ならば週4~5回利用できる
要介護4の方が利用できるデイサービスの回数は、週4~5日が目安とされています。
デイサービスは介護保険法に基づくサービスに該当するため、要介護4における区分支給限度基準額の範囲内ならば、介護保険を利用してサービスを受けることができます。
要介護4における区分支給限度基準額は30,938点であるため、1か月の間に約309,380円分(1点の単価が10円のエリア)の介護サービスを利用することができます。
厚生労働省が公表しているデイサービス(通所介護)の利用者負担は、要介護4の場合1,003円であるため、他のサービスを利用しなければ30日分デイサービスを利用することができます。
デイサービスの利用回数はケアプランに沿って決める
デイサービスの利用回数は、本人の介護の状態や家族の状況等を考慮して、ケアプランに沿って決められます。
要介護4は、食事や排せつなどの日常生活全般において、全面的な介護が必要な状態です。寝たきりや車椅子を使用するなど、移動することすらままならない状態の方も多いです。
一般的にデイサービスの利用状況は、介護度が上昇するほど減る傾向にあります。
要介護4ならばデイサービスを毎日利用することは可能ですが、あくまでも本人の状態や経済的な負担を考慮して、ケアプランを決めましょう。
また、要介護4になると老人ホームへの入居を検討する方が増えてきます。ケアマネジャーに相談するほかにも、「老人ホームを探してみたい」とお考えの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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要介護4のデイサービスの利用料金
要介護4におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり約10,000円程度です。なお、デイサービスは介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば1,000円、2割ならば2,000円程度で利用することができます(昼食代等が別途かかります)。
デイサービスの料金は、利用者の介護度とデイサービスの利用時間に応じて料金が設定されています。介護度が上昇するほど料金が高くなり、利用時間に比例して料金が変動する仕組みとなっています。
また、施設内で入浴介助やリハビリテーションなどを受けた場合、入浴介助加算や個別機能訓練加算という形で料金に上乗せされます。重度の方を中心に受け入れている施設では、中重度ケア体制加算(45単位/日)、認知症加算(60単位/日)等を上乗せされることがあります。
なお、事業所内で提供される食事やおやつ、レクリエーションにかかる費用などは全額自己負担となります。
そのため、介護保険の自己負担額が1割の人でも、要介護4の状態ならば1日当たり1,700~2,000円程度と見積もると良いでしょう。
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要介護4におけるデイサービスを利用したケアプラン例
本章では、要介護4の方がデイサービスを利用した際の、週間ケアプランの具体例を紹介します。
デイサービスの利用回数は、本人の状態や家族の状況によって異なります。ケアプランの具体例を通じて費用感や生活イメージの参考にしてください。
週5日でデイサービスを利用したケース
病気により突然介護度が要介護4まで上昇。病院から退院するも、しばらくは介護が必要。
突然の出来事もあって、夫婦ともに仕事に出ていることもあり、2人がいない時間帯に何かあったら心配だと考えている。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
8:00~9:00 | |||||||
9:00~10:00 | デイサービス
(入浴サービス利用)
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デイサービス
(入浴サービス利用)
|
デイサービス
(入浴サービス利用)
|
デイサービス
(入浴サービス利用)
|
デイサービス
(入浴サービス利用)
|
訪問介護 | 訪問介護 |
10:00~11:00 | |||||||
11:00~12:00 | |||||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | |||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 | |||||||
18:00~19:00 | 訪問介護 | 訪問介護 |
平日に5日、9時頃~16時頃まで約7時間のデイサービスを利用し、休日も朝晩に訪問介護を受けるケアプランとなりました。このケアプランの場合、毎月で必要な費用は下記の通りになります。
利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
通所介護(デイサービス) | 5回/週 | 20回 |
10,180円 |
203,600円 |
入浴サービス |
510円 |
10,200円 |
||
食事サービス |
570円 |
11,400円 |
||
訪問介護 | 4回/週 | 16回 |
3,170円 |
50,720円 |
合計 |
275,920円 |
|||
自己負担(1割の場合) |
37,852円 |
厚生労働省 介護サービス概要計算の試算をもとに作成
週5日でデイサービス、週2で1日2回ずつ訪問介護を利用した場合、月々の料金は37,852円と計算されます。なお、施設内での食事サービスなどは介護保険が適用されず、全額自己負担となるため、実際には試算以上の費用が掛かるため注意が必要です。
在宅介護を中心としたケース
年齢とともに徐々に介護度が上昇。徐々に身体を動かすことが困難になり、いよいよ車椅子が必要になってきた。
娘が専業主婦として日中は家にいるものの、身体介護が厳しくなってきている。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
8:00~9:00 | 訪問介護 | 訪問介護 | ショートステイ | 訪問介護 | |||
9:00~10:00 | デイサービス
(入浴サービス利用)
|
デイサービス
(入浴サービス利用)
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|||||
10:00~11:00 | ショートステイ | ||||||
11:00~12:00 | |||||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | |||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 | |||||||
18:00~19:00 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 |
平日に2日デイサービスを利用、朝晩のおむつ交換などの身体介護に加えて、1日ショートステイを利用する週間ケアプランとなりました。このケアプランの場合、毎月必要になる費用は下記の通りです。
利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
通所介護(デイサービス) | 2回/週 | 8回 |
10,180円 |
81,440円 |
入浴サービス |
510円 |
4,080円 |
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食事サービス |
570円 |
4,560円 |
||
訪問介護 | 9回/週 | 36回 |
3,170円 |
114,120円 |
短期入所生活介護(ショートステイ) | 1回/週 | 4回 |
10,270円 |
41,080円 |
施設滞在費など |
3,500円 |
14,000円 |
||
合計 |
259,280円 |
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自己負担(1割の場合) |
42,632円 |
厚生労働省 介護サービス概要計算の試算をもとに作成
様々な介護サービスを併用して利用した場合、上記の例では42,632円と試算されました。このようにデイサービスや訪問介護、ショートステイなどのサービスを複合して利用する場合、小規模多機能型居宅介護を利用する方法もあります。
小規模多機能型居宅介護では、デイサービスなどの通所、訪問、宿泊のサービスをひとつの事業所との契約で受けることができます。費用も月額定額制であるため、柔軟にサービスを組み合わせることが可能です。気になる方は、一度調べてみると良いでしょう。
施設入居後にデイサービスを利用するケース
息子夫婦では在宅介護が厳しくなったこともあり、デイサービスが併設している住宅型有料老人ホームで生活してもらうよう勧めた。
年金で入れる範囲内で老人ホームを探したため、息子夫婦が費用を負担することなく過ごしている。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
8:00~9:00 | |||||||
9:00~10:00 | デイサービス
(入浴サービス利用)
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訪問介護 | デイサービス
(入浴サービス利用)
|
訪問介護 | 訪問介護 | デイサービス
(入浴サービス利用)
|
訪問介護 |
10:00~11:00 | |||||||
11:00~12:00 | |||||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | 訪問入浴介護 | ||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 | |||||||
18:00~19:00 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 | 訪問介護 |
デイサービスのない日は訪問介護や訪問入浴介護を利用するケアプランとなりました。このケアプランの場合、月々の支払いは下記のように試算されます。
利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
通所介護(デイサービス) | 3回/週 | 12回 |
10,180円 |
122,160円 |
入浴サービス |
510円 |
6,120円 |
||
訪問介護 | 11回/週 | 44回 |
3,170円 |
139,380円 |
訪問入浴介護 | 1回/週 | 4回 |
14,280円 |
57,120円 |
住宅型有料老人ホームにおける費用(居住費・食費など) |
定額 |
124,000円 |
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合計 |
446,780円 |
|||
自己負担(1割の場合) |
156,478円 |
厚生労働省 介護サービス概要計算の試算をもとに作成
ご覧の通り、老人ホームへの入居は金銭的な負担は大きいです。しかし、要介護4になるとほとんど終日介護をする必要があるなど、介護する側の身体的・精神的な負担も大きいです。
介護に負担を感じてきたために、特別養護老人ホームなどの老人ホームに入居を検討する方も多いです。
もし「老人ホームを検討したい」とお考えの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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要介護4のデイサービスの利用回数のまとめ
本記事では、要介護4のデイサービスの利用回数について紹介してきました。
要介護4で利用できるデイサービスの回数は、週に4~5回利用できます。ただし、あくまでも本人の状態や経済的な負担を考慮して、ケアプランを作成のもと、デイサービスの回数を決めることが大切です。
要介護4におけるデイサービスの料金は、1回あたり10,000円程度です。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば1,000円で利用できます。また、日常生活費用などを加算すると、1日当たり2,000~2,500円程度です。
なお、要介護4になると、デイサービスを利用する人が少なくなる傾向があります。適切なケアを受けるためにも、デイサービスのみならず様々なサービスを検討することをおすすめします。
要介護4の方は、デイサービスを週に4~5回利用することができます。本人の状態や経済的な負担を考慮して、適切な回数を決めることが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。
要介護4におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり10,000円程度です。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば1,000円程度で利用することができます。詳しくはこちらをご覧ください。