「グループホームを見てもどれが良いかわからない・・・」
「良いグループホームってどうやって見分けるの?」
「認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家のこと」を指すグループホームですが、
入居を考える中で、そのグループホームがご本人にとって良い環境かしっかりと見極めたいご家族は多いのではないでしょうか。
この記事ではグループホームの見分け方を入居者の感想付きでお届けしていきます。
「グループホームとは」について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
良いグループホームを見分ける6つのポイントとは?
良いグループホームを見極めるポイントとは、どのようなものなのでしょうか。
お選びの際に確認したいポイントについて、具体的に解説します。
費用が適切かを見極めるには平均値を知る
やはり最初に気にかかるのは費用が適切な額なのかどうかではないでしょうか。
そのためには平均値を知る必要があります。
グループホームの費用は
- 初期費用
- 月額利用料
の二つに分けられており、主要都市におけるそれぞれの金額平均値は以下になっています。(注: 当サイトに掲載の施設データを参考に平均値を算出)
初期費用 | 月額費用 | |
東京都 | ¥107,514 | ¥152,819 |
神奈川県 | \153,519 | ¥143,771 |
大阪府 | \120,123 | \155,061 |
入居一時金や保証金によって構成されており、一般的な不動産賃貸契約で支払う「敷金」に該当する費用になります。
入居一時金は、施設が定める償却期間と償却率により退去する際に一部が返還される仕組みです。保証金は、退去時の清掃や修繕など必要経費に充てられ、使わなかった分は返金されます。どちらかのケースを採用しているかは、施設に確認してみましょう。
月額費用の内訳は主に以下の費用があります。
・賃料・管理費・共益費・水道光熱費
・食費
・医療費
・日用品代
・介護用品代
これらの費用はグループホームごとに大きく異なるので、しっかりと確認しておきましょう。なお、全国47都道府県の平均値・中央値に関しては、後ほど記載の「グループホームの費用」の記事内に記載がありますので是非ご覧ください。
費用の差がなぜ生じるのかを見極めることが重要
またこれらの費用の違いが生じる要因を考えることも大切です。
例えば、人員配置基準以上の介護職員を配置しているのであれば、高い費用に見合った介護サービスを受けることができるかもしれません。逆に、際立った特徴がないのに値段が高い場合は、経営上の理由である可能性もあります。
以下に挙げる費用の差が生じる要因の一例から、これらに該当しないのに費用が高い施設には注意しましょう。
- 立地のいい場所に位置している
- 人員配置基準以上のスタッフが配置されている
- 入居一時金の償却期間が長い
- サービス加算されている
- Ⅰ型:1ユニットのみの施設
- 居室が広い(居室は7.43m²以上の広さは必要)
グループホームの費用に関して、より詳しく知りたい場合は以下記事をご覧ください。
立地は駅から近いほうがおすすめ
グループホームは長く住まわれる方も多いので、立地条件についてもしっかりと検討しましょう。様々な選び方があると思いますが、おすすめは駅の近くです。その理由としては大きく二つあります。
駅が近いと外出のきっかけになる
駅が近いところは、人が集まるため栄えています。共同生活の中で買い出しに行くきっかけがつくりやすくなります。スーパーに行ったり、駅周辺の娯楽施設に行ってみたりとアクティブに活動することへのハードルが低くなるため、楽しみも増え健康を維持しやすいでしょう。より充実した生活を望む場合は、駅に近い施設がおすすめです。
ご家族が通いやすいため安心
ご家族がグループホームに立ち寄りやすいことも大きなメリットの一つです。駅から遠いと交通機関に左右されるなどの理由で、面会に行く機会が少なくなる可能性があります。具体的には駅から徒歩5~10分以内だと通いやすいため、一つの指標として持っておくと良いでしょう。
また、良いと思ったグループホームが駅から遠い場合には、送迎バスの有無を確認しましょう。場所によっては送迎バスがついているため通いやすくなるかもしれません。送迎バスの有無については、入居前に施設に確認を取りましょう。
施設の設備は様々な観点からご本人の状態に合っているか
施設の設備は、各グループホームによって様々です。ご本人の健康状態に合わせて施設の設備を確認しましょう。
グループホームは長い時間を過ごす「住み家」となるので、できるだけ不自由のないように、また将来的な健康状態も考えながらチェックするとよいでしょう。具体的には以下の三点を意識するとよいかもしれません。
階段が多すぎないか
ご高齢になると足腰の筋肉が衰え、階段の上り下りが大変になります。そのため階段を下りることができなくなり、外出する機会も大幅に減ってしまう可能性があります。
また大きなけがの可能性も考慮しなければなりません。階段からの転落事故などは、足腰が弱るご高齢になるほど多くなります。階段は少ないに越したことはないでしょう。
部屋は狭くないか
グループホームは長く住む可能性がある住み家です。そのため、部屋はストレスがないほどの広さがあるとよいでしょう。具体的には、部屋の広さとベッドのサイズが重要です。
十分に歩けるスペースがあるかないかでは、感じるストレスが大きく変わります。また、狭いベッドは窮屈で良い睡眠の確保ができません。寝不足により不注意が増えてしまっては大変です。部屋の広さ・ベッドのサイズに問題ないか確認をしましょう。
非常用通報装置が身近にあるか
ご高齢になった際に怖いのは、何か起きた時に誰も助けてくれない状態です。ご家族がそばにいない中で、非常用通報装置が身近にあることは大きな安心感につながるでしょう。
具体的には、リビング、居室、キッチン、ダイニング、風呂場、トイレのすべてに非常用通報装置があることが理想です。どこにいても非常用通報装置があれば、入居者が安心して過ごせるホームといえるでしょう。
これらの施設設備については、後ほどご紹介する見学や体験入居などで確認しましょう。
十分な介護を受けるにはこの二つを確認
「どのような介護を受けられるか」も重要なチェックポイントです。
グループホームでは厚生労働省より、
- 日中は、利用者3名に対して1名以上の介護職員を配置する
- 夜間、深夜の時間帯にはユニットごとに介護職員を1名以上配置する
ことが義務付けられているため介護職員がいない状態はありません。ただし、その詳細な人数についてはグループホームごとに異なるので、十分な介護を受けることができるかは次の二点を確認しましょう。
人員配置基準より多い介護職員が在籍しているか
先ほどもお伝えした通り、グループホームの介護職員は規定として利用者3名に対して1名以上配置されています。ただ、介護職員が人員配置基準よりも多いグループホームでは、さらに充実した介護サービスを受けられるため、より安心して住める環境になっていると考えられます。
例えば介護職員が規定最低限の場合には、入居者全員の介護に手が回らず、排せつや食事などの生活介助サービスを十分に受けられない可能性があります。入居者の方が快適に暮らすためには、人員配置基準以上の介護職員が在籍していると安心でしょう。そのため、施設ごとに紹介されている在籍介護職員の数を確認することをおすすめします。
介護職員の対応は良いか
介護職員の対応の良さも、良い介護サービスの大きな条件です。具体的には、以下の点などは見るべきポイントです。
- コミュニケーションを多くとってくれるか
- 高齢者の自尊心を傷つけないよう接してくれるか
- 強い責任感をもって細かな気配りができているか
対応については、見学などを通して実際に目で見て確かめることをお勧めします。
医療体制は?医療機関との連携状況を確認する
認知症患者が入居対象となるグループホームでは、医療的ケアが必要な方もいらっしゃるかもしれません。
平成30年度に「医療連携体制加算」が制定されたことで、医療連携を行うグループホームは増えてきているものの、まだ施設によって様々なようです。
医療体制が整っているグループホームを探すには、具体的に以下のポイントに注目しましょう。
看護師が常駐しているか
法令では、グループホームに医師や看護師の設置は義務づけられていませんが、施設によっては、看護師が常駐しているところがあります。
看護師がいると、体調の急変による緊急対応や医療機関との連携がスムーズになります。介護職員に医療的なアドバイスもします。「医療連携体制加算」などのサービス加算の仕組みがあるので充実した医療ケアを受けられる施設も存在しています。
受け入れ可能な症状は幅広いか
具体的には『花物語ざま』だと心臓病・心筋梗塞から脳梗塞・脳卒中まで受け入れ可能となっているようです。そのような施設では、病院が隣接されており24時間体制で緊急対応体制ができていたり、月2回の訪問診療での健康チェックや薬の処方を行っています。
他にも『せらび新宿』では、喘息・気管支炎からがん・末期癌など幅広い症状を受け入れています。また「北新宿ホームクリニック」「ふれあい歯科ごとう」と万全の連携体制をとり、入居者の健康面をサポートしているとの記載もあるため、医療連携も十分にされているようです。
これらの医療体制に関しては、施設の紹介サイト上に記載があるものも多いので、確認することをお勧めします。記載がない場合には直接連絡をして確認しましょう。
経営状況は入居者数が肝
長期で入居するグループホームにおいては、経営状況の悪化によってサービスが低下したり、最悪の場合、倒産や退去の可能性もあるため、しっかりとチェックする必要があります。
近年グループホーム自体の数も増えており、倒産する民間の事業者もあります。入居率で経営状態をチェックすることが大切です。
ポイントとしては、継続して入居率の高いグループホームはその分収入が多いため、安定した経営状況であるといえるでしょう。逆に入居率50%以下などのグループホームは経営状況が芳しくない場合もありえるので、実際に問い合わせて実情がどうなっているか確認する必要があるかもしれません。
職員の定着率も参考に
余裕があれば職員の定着率を確認してみましょう。なぜなら職員の定着率が悪いのは潜在的な問題が隠れている場合もあるからです。
理由としては職員定着率の低いグループホームでは、職員の待遇が悪いと考えられます。その場合は経営状態が危うく、入居者が十分なサービスが受けられない可能性もあるので、職員の定着率についてはしっかりとチェックする必要があるでしょう。
職員の定着率はグループホームが作成している「重要事項説明書」に記載がありますので、入居前にグループホームの職員定着率をしっかりと確認しましょう。
グループホームへの入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
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グループホームに入ってみての感想
ここからは実際にグループホーム入居者によるグループホーム選びのポイントをご紹介したいと思います。
清潔感について
清潔感のあるグループホームは、スタッフの手入れが行き届いているという証拠にもなるため、安心感をもって入居できると考える方が多いようです。
80代・女性
いつも清潔を保っていて、気持ちが良く入居者も過ごしやすい
80歳・女性
個別の居室が清潔でスタッフの対応も良いと感じた。
スタッフ・入居者の印象
スタッフの対応と入居者の雰囲気を気にされる方も多いようです。スタッフの方が親身になってくれたり、入居者の方々が互いにどのようなコミュニケーションを行っているかは、住みやすさにおいて大切な視点です。
70代・男性
清潔感があり、入居者の方がそれを尊重してていねいに生活されているような感じがあり、良かったです。
90代・女性
明るく話をしてくれるのと、他の入居者さんも良い人がいたから、良かった
80代・女性
ケアマネージャーが親身である。家族に話せない悩みなども相談している。
家の近さ
ご家族の家が近いことは、定期的に顔を見に行きやすいため大きな安心材料となるようです。またグループホームによっては送迎バスが出ているものもあるようなので、合わせてチェックすると良いかもしれません。
90代・女性
家から近く、周辺の住環境が良い
80代・男性
バスの送迎サービスがあるので助かる。
70代・女性
家や駅からも近いので便利だと思った。送迎バスもあるので、送迎を気にしなくてよい。
ケアスルのおすすめするグループホームは以下記事よりご覧ください。
良いグループホームを見分けるには実際に見に行こう
インターネット上で確認できる情報を見ることも大切ですが、実際にグループホームを見学し話を聞くことはネット上だけでは判断できない情報を得られるため大切です。入居者の顔やスタッフの対応、立地条件などをしっかりチェックしましょう。以下で具体的な方法をお伝えしたいと思います。
体験入居
体験入居とは、ショートステイのように短期間だけ施設を利用して、食事や排せつ、入浴などの日常的な介護や支援を受けることができるものです。
実際に短期間入居することで、グループホームとの相性を適切に見極めることができます。
体験入居は、介護保険法に規定されていないため介護保険の利用はできません。全額自己負担となりますので注意してください。施設が決めた料金、日割り計算による1泊いくらの宿泊料と雑費がかかります。
見学
見学に行くことで、写真では気づくことが難しい細かな点をチェックすることができます。
気になるグループホームには、実際に足を運び、サイトで見ていた情報と乖離がないかを確かめましょう。また、入居者や職員の様子などについても見学してチェックできるとなおよいでしょう。
時間は昼食時がおすすめ
見学時のポイントとしては、昼食時がおすすめです。人が多い時間帯なので、入居者の普段の様子や介護者の対応などを一気に見ることができ、入居イメージがさらに具体的に湧きやすいはずです。
運営推進会議
運営推進会議とは、グループホーム事業者が、 利用者、 市町村職員、地域の代表者等に対し、 提供しているサービス内容等を報告するものです。運営推進会議では一例として以下のような活動報告があります。
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開催時期につきましては、おおむね2か月に1回以上の頻度で開催されています。見学やショートステイと違い、運営の実態や非常時の対応などについても詳細に聞くことができます。
これらはグループホームの入居者でなくても参加可能なので、気になるグループホームがあれば参加することをおすすめします。
見学が可能なグループホームを知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。
「施設選びで失敗したくない」という方は、ご気軽に活用ください。
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グループホーム選びでよくある失敗
グループホーム選びで失敗しないために、以下のポイントも意識しましょう。
必要な介護レベルと介護体制が合っていない
グループホームによって対応できる要介護度は異なります。
要介護度と介護体制によって受けられるサービスが一致していないことで、ご本人が十分な介護が受けられず苦しい思いをしてしまう可能性があります。
例えば
要介護度が重いのに、軽度の介護サービスしか受けられないことで本人の生活負担が増えたり、逆に過剰な介護サービスを選択することで費用を必要以上に払うなどのケースがあります。
そのため、入居前にどの程度の介護が必要で、そのグループホームではどのような介護体制があるのかをチェックする必要があるでしょう。
グループホームによって対応できる要介護度は異なります。
グループホームは、入居条件に要介護認定が指定されており、要支援2から要介護5までの認定者が利用可能です。 要支援2の方が利用可能な施設は「介護予防」の指定を受けている事業所のみなので注意しましょう。
また、要介護度が高い人が多いのに職員体制が確保できないことで、ご本人が十分な介護が受けられず苦しい思いをしてしまう可能性があります。
例えば
要介護度が高いのに、軽度の介護サービスに偏った支援が中心だと本人の生活負担が増えます。逆に過剰な加算があり費用が高くなるケースもあります。
そのため、入居前にどの程度の介護が必要で、そのグループホームではどのような介護体制があるのかをチェックする必要があるでしょう。
医療対応による退去トラブル
グループホームは医療機関ではないため看護師の配置義務がありません。そのため医療対応が必要になった際に、医療機関や有料老人ホームへ移る必要が生じます。
入居前に退去要件をしっかりと確認しておかないと、急な退去を強いられ、次の受け入れ先が見つからず介護難民となるなどの退去トラブルに発展する可能性があります。そのため、重要事項説明書や入居契約書、管理規定などの書面に記載のある、退去要件を確認しておいたほうがよいでしょう。
まとめ
良いグループホームについてのまとめ
- 立地・費用・設備など良いグループホームの条件をしっかりと確認する
- グループホームの経営状態、入居率、職員定着率などから危険はないか見定める
- 見学や体験入居など実際に足を運んでみる
グループホームは長期間住む家なので、入居前にしっかりと確認を行いましょう。また自分たちに合ったグループホームの条件を探す際には、詳しい方に相談することも重要です。
ケアスル介護では事前相談から入居まで、無料でご相談を承っております。