グループホームへの入居を検討し始めたものの、「具体的に何が入居条件なのか」がわからず、判断に迷っていませんか。
グループホームは、認知症と診断された高齢者が5〜9人の少人数で共同生活を送る地域密着型施設で、入居には年齢・要介護度・認知症の診断・住民票という条件があります。
ただし、条件を満たしていても入居を断られることや、入居後に退去となることもあります。
グループホームを安心して選ぶには、「入れるかどうか」だけでなく「入れ続けられるか」「退去になったらどうするか」まで知っておく必要があります。
この記事では、グループホームの4つの基本的な入居条件から、断られるケース、退去になるケース、退去後の選択肢までを順番に解説します。
グループホームとは認知症の方が共同生活する施設
グループホームとは、認知症と診断された高齢者が5〜9人の少人数で共同生活を送る地域密着型の介護施設です。
正式名称を「認知症対応型共同生活介護」といい、専門スタッフのサポートを受けながら家庭的な環境で暮らせる点が特徴になります。
他施設との最大の違いは、入居者ができることを取り上げず、料理や掃除などの役割を持ちながら暮らせる点にあります。
少人数のため、一人ひとりの状態に合わせた個別ケアを受けやすいことも特徴です。
グループホームの仕組みやサービス内容をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
グループホームの入居条件は4つ
グループホームの入居条件は、「年齢」「要介護度」「認知症の診断」「住民票」の4つです。
グループホームは認知症ケアに特化した地域密着型サービスのため、認知症の診断と居住地域の2点が特に重視されます。
まずは4つの条件を一覧で確認し、ご家族が当てはまるかを判断してください。
入居に必要な4つの基本条件
4つの基本条件は、年齢・要介護度・認知症の診断・住民票です。
要支援1や自立の方、認知症の診断がない方は対象外となる点に注意してください。
要介護度は「要支援2」から対象に含まれるため、比較的早い段階から入居を検討できます。
認知症の診断はアルツハイマー型やレビー小体型など種類を問わず、医師の診断を受けていれば条件を満たします。
遠方の親を呼び寄せる場合は住民票の移動が必要
グループホームは地域密着型サービスのため、原則として施設と同じ市区町村に住民票がある方しか入居できません。
そのため、遠方の親を呼び寄せて入居させたい場合は、先に住民票を移す必要があります。
・入居したい施設のある市区町村へ、事前に住民票を移しておく
・自治体によっては一定期間の居住実績を求めるケースもある
・移動の手続きや費用負担の変化は早めに自治体・施設へ確認する
住民票を移すタイミングや、介護保険の負担額がどう変わるかは自治体ごとに異なります。
呼び寄せを検討している方は、こちらの記事で手順と負担額の変化を確認しておくと安心です。
「共同生活ができること」という見えない条件
4つの書類上の条件を満たしても、施設側が「共同生活を続けられるかどうか」を判断します。
グループホームは入居者同士が同じ空間で生活するため、他の入居者との関わりに支障がないことが入居の前提となるからです。
書類上の条件を満たしていても、実態によっては入居を断られることがあります。
次の章では、条件を満たしていても断られる具体的なケースを解説します。
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グループホームの入居条件を満たしても、入居を断られるケース
4つの条件を満たしていても、医療行為が必要な状態や、共同生活に支障がある場合は入居を断られることがあります。
ここでは断られやすい代表的な2つのケースを解説します。
日常的な医療行為が必要な状態
痰の吸引・胃ろう・毎食ごとのインスリン注射など、日常的な医療処置が必要な場合は原則として入居できません。
グループホームには看護師の配置義務がなく、夜間は看護師が不在の施設が多いためです。
・痰の吸引
・胃ろうによる栄養管理
・毎食ごとのインスリン注射
・在宅酸素や中心静脈栄養などの継続的な医療処置
ただし、看護師を独自に配置しているグループホームや、訪問看護ステーションと連携しているグループホームもあります。
医療的なケアが必要な場合でも一律にあきらめる必要はなく、対応できる体制があるかを施設ごとに確認することが重要です。

見学や問い合わせの際は、「現在のこの医療処置に対応できますか」と具体的に伝えて確認するのがおすすめです。
看護師の配置状況や訪問看護との連携体制を聞いておくと、入居後のミスマッチを防げます。
共同生活に支障がある場合
他の入居者への暴力・暴言が著しい場合は、安全を確保できないため受け入れが難しくなります。
グループホームは入居者同士の距離が近く、全員が安心して暮らせる環境を保てるかどうかが判断基準になるからです。
徘徊そのものは多くのグループホームで受け入れ対象です。
一方で、他の入居者の部屋に入って物を荒らすなど影響が大きい行動は、施設と相談のうえで判断されます。
家族間で入居方針の意見が割れている場合
家族間で入居方針について意見が割れている場合も、入居に至らないことがあります。
待機者リストに入っていても、最終的な入居には至らないケースがあるためです。
グループホームは定員が決まっているため、空きが出るまで「待機者リスト」に登録して順番を待ちます。
ただし、たとえ自分の順番が早く回ってきても、家族で意見が割れていると入居の判断ができず、順番が次の人に回ってしまうことがあります。
施設側は、入居後のトラブルや途中での方針変更を避けるため、家族の合意がとれているかを重視します。
そのため、順番が回ってきたときにすぐ入居を決められるよう、検討の段階から家族で方針をそろえておくことが大切です。
・入居の方針について家族の合意がとれているか
・窓口となるキーパーソンを誰にするか
・費用の負担や面会の分担をどうするか
グループホーム入居後に退去になるケース
グループホームは、状況によっては「ずっといられる施設」ではない場合があります。
退去になる主な理由は、医療依存度の上昇・費用の支払い困難・共同生活の継続困難の3つです。
退去になるのはどんなときかを事前に知っておくことが、安心して選ぶための備えになります。
医療依存度が高くなった場合
要介護度が上がり、グループホームで対応できない医療ケアが必要になると退去となることがあります。
看護師の配置義務がないため、日常的な医療処置が不可欠になった時点で対応の限界を超えるからです。
・要介護度が上がり、必要な医療ケアが増える
・施設で対応できる範囲を超える
・医師・家族・施設が相談のうえで退去を判断する
退去の判断は施設が一方的に決めるものではなく、医師・家族・施設が相談のうえで進められます。
また、入院期間が2ヶ月など一定期間を超えると退去となる規定を設けている施設もあるため、入院時の取り扱いも事前に確認しておくと安心です。

退去が決まってから次の施設を探すと間に合わないことがあるため、余裕をもって準備しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
費用が払えなくなった場合
入居が長期化すると、当初の想定より費用が膨らみ、支払いが続けられなくなることがあります。
費用を継続して支払えない状態が続くと、退去を求められるケースがあります。
・入居前に長期入居を前提とした資金計画を立てる
・年金・預貯金で月々の費用をまかなえるかを確認する
・費用が払えなくなったときに使える制度を事前に調べておく
資金計画は入居前から立てておくことが大切です。
費用負担を軽くする制度もあるため、家計に不安がある場合は早めに自治体やケアマネジャーへ相談してください。
本人の拒否が強く共同生活が困難な場合
本人の拒否が強く、共同生活そのものが成り立たない場合も退去につながることがあります。
グループホームは入居者同士で生活する場のため、本人が施設での生活を強く拒み続けると、安定した暮らしを保てなくなるからです。
拒否が強い場合は、まず医師と相談しながら薬で落ち着かせるなどの対応をとります。
それでも共同生活が難しいときは、退去となるケースもあります。
退去のリスクや判断基準をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
グループホームを退去になった場合の選択肢
退去になっても、退去理由に応じて次の施設の選択肢があります。
医療依存度・費用・症状の重度化という理由ごとに、移り先となる施設の方向性は異なります。
退去後の行き先をあらかじめ知っておくことが、グループホームを選ぶ判断材料になります。
特に要介護3以上で優先的に入居できる特別養護老人ホーム(特養)は、多くの退去理由で有力な選択肢になります。
医療依存度が上がった場合は、医療ケアに対応できる老健や介護付き有料老人ホームが候補になります。
費用面が理由の場合は、初期費用が0円で月額も抑えやすい特養や生活保護に対応した施設が選択肢です。
認知症症状が重度化した場合は、要介護3以上で優先的に入れる特養や医療ケアの手厚い療養型病床も検討対象になります。
グループホームは認知症ケアに特化した施設のため、認知症が進行しても、医療行為や暴力・暴言をともなわなければ退去にはならず、そのまま生活を続けられることが多いです。
退去の判断につながるのは「認知症が進んだこと」そのものではなく、医療依存度の上昇・暴言や暴力・費用面といった要因です。
一方で、暴言・暴力が著しい場合は、介護付き有料老人ホームでも受け入れや入居継続が難しいことが多い点に注意が必要です。
その場合は、まず精神科病院の認知症治療病棟で症状を落ち着かせ、状態が安定してから対応可能な施設を改めて探す流れが現実的です。
※グループホームは「入居=ゴール」ではなく介護の一つのステップと捉えておくと、判断がぶれません。退去後の行き先を早めに準備しておくことで、いざというときも落ち着いて移ることができます。

グループホームが向いている人・向いていない人
ここまでの条件を踏まえると、グループホームが向いているのは認知症はあるが自分でできることが残っており、医療依存度が低い方です。
反対に、日常的な医療行為が必要な方や重度の方は向いていません。
記事全体の判断材料として、向き・不向きを一覧で整理します。
グループホームが向いている人
軽度〜中度の認知症で、共同生活を続けられる方に向いています。
料理や家事などの役割を持つことで、生活が安定しやすい方と相性の良い施設です。
・認知症はあるが、自分でできることがまだ残っている(軽度〜中度)
・少人数で家庭的な環境を好む
・料理や家事などの役割を持つことで気持ちが安定する
・日常的な医療行為が必要なく、医療依存度が低い
グループホームが向いていない人
日常的な医療行為が必要な方や、共同生活そのものが難しい方には向いていません。
こうした場合は、特養や介護付き有料老人ホームなど、医療・介護体制の手厚い施設を検討するほうが安心です。
・痰の吸引や胃ろうなど、日常的な医療行為が必要
・暴言・暴力が強く、共同生活への影響が大きい
・寝たきりに近い重度の状態
・本人の拒否が非常に強く、共同生活自体が難しい
向いていない項目に当てはまる場合でも、看護師を配置したグループホームや訪問看護と連携した施設なら対応できることがあります。
判断に迷うときは、ケアマネジャーやケアアドバイザーに相談し、本人の状態に合った施設を一緒に探してもらうと安心です。
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グループホームの入居条件に関するよくある質問
グループホームの入居条件について、見学・住民票・徘徊・看取り・本人の拒否など、よく寄せられる質問にお答えします。
気になる項目から確認してください。
認知症の診断書がまだないが、見学はできますか?
見学は診断書がなくてもできます。
ただし、正式な入居申し込みには医師による認知症の診断が必要です。
見学と並行して、かかりつけ医や認知症の専門医を受診し、診断を受けておくとその後の手続きがスムーズです。
要支援1でも見学・待機はできますか?
要支援1の方はグループホームの入居対象外のため、原則として申し込み・待機はできません。
入居の対象となるのは要支援2以上です。
今後、要介護度が上がる可能性がある場合は、見学だけ先に行い情報を集めておくとよいでしょう。
呼び寄せ入居はできますか?住民票はどうすればよいですか?
呼び寄せ入居はできますが、グループホームは地域密着型のため、先に施設のある市区町村へ住民票を移す必要があります。
自治体によっては一定期間の居住実績を求めるケースもあるため、移動の手続きや条件を早めに自治体・施設へ確認してください。
徘徊がありますが入居できますか?
徘徊があっても、多くのグループホームで入居できます。
ただし、他の入居者の部屋を荒らすなど、共同生活に大きく影響する行動がある場合は要相談です。
本人の状況を正確に伝えたうえで、対応できる施設かどうかを確認しましょう。
看取りまで対応してもらえますか?
看取りに対応できるかは施設によって異なります。
医療依存度が高くなると退去となる場合があるため、看取りまで希望する場合は、対応体制があるかを入居前に確認することが重要です。
訪問看護や協力医療機関との連携状況もあわせて聞いておきましょう。
入居を本人が嫌がっています。どうすればよいですか?
まずは無理に進めず、ケアマネジャーや施設に相談してください。
体験入居や見学を通じて本人が環境に慣れることで、受け入れられるケースもあります。
それでも拒否が非常に強く共同生活が難しい場合は、別の施設形態を検討することも選択肢になります。
まとめ│グループホームの入居条件と退去後の備えを確認して選ぶ
グループホームは、「入れるかどうか」と同時に「入れ続けられるか」を確認して選ぶことが重要です。
まずは年齢・要介護度・認知症の診断・住民票の4条件を確認し、早めに見学や待機リストへの登録を進めてください。
入居後の備えとして、要介護3になった時点で特養の申し込みを並行して検討しておくと安心です。
グループホームを「介護の一ステップ」と捉え、退去後の選択肢まで見据えて準備しておきましょう。
・4つの入居条件を満たすか確認する
・複数の施設に見学を申し込み、待機リストに登録する
・要介護3になったら特養の申し込みも並行して検討する