介護ベッドは介護する側にもされる側にも、身体への負担を軽減してくれます。しかし、介護ベッドは高額なため費用面を心配している方も多いのではないでしょうか。
「介護ベッドってどのくらい費用がかかるの?」
「ほかにもいろいろお金がかかるのに、やっぱり高額なの?」
「不要になった時の処分が大変かも」
そんな方にはレンタルがお得です。
この記事では、介護ベッドをレンタルする際の費用や少しでも安くレンタルできる方法などをご紹介します。また、在宅介護と介護サービスを利用した介護法についても確認できますので、ぜひ最後までお読みください。
あなたも賢く介護ベッドをレンタルして、介護の負担を減らしませんか?
介護ベッドを自費でレンタルする場合の料金
介護ベッドを自費でレンタルする場合、1か月10,000円〜18,000円程度かかります。なお、ベッド本体とマットレスは、別々に支払うタイプもあります。値段はサポート機能の数や種類、デザイン性によって差が生じます。家具調デザインで機能がたくさんついている介護ベッドは人気もあり、高額になります。
ほかにも介護用品が必要になる中、この金額は厳しいと感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、急を要する場合は仕方なくレンタルする方も少なくありません。とはいえ、「ずっとレンタル料を支払うなら、いっそ購入した方が得なのでは?」と思う方も多くいらっしゃいます。
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介護ベッドは自費購入とレンタルどちらが安いのか
介護ベッドの購入費用は約10万円〜60万円程度かかります。もっと安く購入できる介護ベッドもありますが、最低限の機能しか付いていません。一方で、自費レンタルの費用は6,000円〜2万円程度です。仮にひと月1万円で、年間12万円のレンタル費用がかかるとして、約5年で60万円の介護ベッドの購入額と並びます。介護期間が長期にわたる場合は購入を考えてもいいでしょう。
しかし、介護が終わったあとのベッドの処分費用などを考えるとレンタルの方が得かもしれません。想定される介護期間に合わせて、レンタルか購入かを決めてください。
一時期的な期間だけなら自費レンタルがおすすめ
老人介護だけなく、一時的に介護が必要となる病気・骨折・ケガなどの際も介護ベッドが頼りになります。急に身体の自由が奪われたとしても、介護ベッドがあれば寝返りをしたり、起き上がったりのストレスが軽減されます。
そのため、比較的短い期間での完治が見込まれるのでしたら、返却できるレンタルの方が便利です。費用はひと月数千円から1万数千円程度かかりますが、配送や設置の費用もレンタル費に含まれているので安心です。積極的に介護ベッドのレンタルを利用して、完治までの期間を快適に過ごしましょう。
機能の少ない介護ベッドを選べばレンタル料金を抑えられる
介護ベッドのレンタル料金は、サポート機能の数やデザインで異なります。機能の数を抑えたシンプルな構造のベッドなら、それだけレンタル費用も安くなります。どんな機能が必要なのか厳選すれば、予算に合った理想のベッドが見つかるかもしれません。
レンタルして使っているうちに別の機能が必要になった時はベッドの交換も可能です。まずは機能の少ない安く借りられる介護ベッドを探してみましょう。迷う場合は、レンタル業者への相談をしてください。
また、契約期間内の解約は注意が必要です。15日までの解約ならレンタル費の半額・15日以降の解約は、翌月分の全額を支払うなど各レンタル業者によって異なりますので、確認してください。
要介護2以上なら介護ベッドは介護保険を使ってレンタルしよう
介護ベッドをレンタルしたいけど、月々の金額が気になる方も多いのではないでしょうか。レンタルすれば一時的に支払う額は小さくなるとは言え、トータルでは決して安くはありません。そこで、要介護2以上の認定をもらっているのでしたら、介護保険を利用しましょう。
ここでは、介護保険を利用すれば1ヶ月の介護ベッドのレンタル費がいくらになるかをご説明します。ぜひ、参考にしてください。
介護保険の対象になる
介護ベッド等の福祉用具のレンタルは、介護保険利用で自己負担額が安くなります。下記の表をご覧ください。
介護度別の利用限度額と自己負担額(1ヶ月)
介護度 | 利用限度額 | 自己負担(1割) | 自己負担(2割) | 自己負担(3割) |
---|---|---|---|---|
要支援1 | 5万320円 | 5,032円 | 1万64円 | 1万5,096円 |
要支援2 | 10万5,310円 | 1万531円 | 2万1,062円 | 3万1,593円 |
要介護1 | 16万7,650円 | 1万6,765円 | 3万3,530円 | 5万295円 |
要介護2 | 19万7,050円 | 1万9,705円 | 3万9,410円 | 5万9,115円 |
要介護3 | 27万480円 | 2万7,048円 | 5万4,096円 | 8万1,144円 |
要介護4 | 30万9,380円 | 3万938円 | 6万1,876円 | 9万2,814円 |
要介護5 | 36万2,170円 | 3万6,217円 | 7万2,434円 | 10万8,651円 |
※福祉用具貸与は1単位10円になります。
負担額を少しでも減らせるよう確認しておきましょう。
介護保険では購入できない
介護保険は介護ベッドの購入には適用されません。レンタルより購入したいと考えている方は全額自己負担になり、支払い金額は高くなりますが、選べるベッドの種類が増える・使用期間に制限がない・自由な使い方ができるなどのメリットもあります。
いろんな場所で使われてきたベッドに入るのには抵抗がある方もいるはずです。また、最新の機能が搭載されたベッドを自分スタイルで自由に使いたい方は購入を考えてみてはいかがでしょうか。
要支援・要介護1でも対象になるケース
現在、要支援・要介護1に認定されている方は介護保険のサービスは利用できません。しかし、次のような動作に日常的なサポートが必要な場合は、利用が許可される場合があります。
- 起き上がり動作が一人ではできない
- 寝返りは介助が必要
このような状態が確認できる場合は、主治医に相談しましょう。理由書を請求し、市町村に提出すると特例として介護保険サービスの適用が認められるケースがあります。
介護ベッドをレンタルするときの選び方
1日のほとんどをベッドで過ごすことを考えるとベッド選びは失敗のないようにしたいものです。介護ベッドを選ぶ際は、次の6つのポイントに注意しましょう。
- ベッドの大きさを選ぶ
- マットレスの硬さを選ぶ
- リクライニング機能をチェック
- 高さ調節機能をチェック
- サイドレールや手すりがあるかどうかチェック
- 手元のスイッチの操作性をチェック
ベッドを利用する方に片麻痺がある場合は、麻痺のある側のスペースを広く取って介助をしやすくするなど、ベッドを置く位置や部屋の大きさなどにも注意して最適なベッドを選んでください。
ベッドの大きさを選ぶ
快適にベッドを使うためにも、適切な大きさを選ぶのは大切です。ここではベッドのサイズ感をお伝えします。
ベッドの幅 | 特徴 |
---|---|
83cm | 利用者と介護者が接近できる・介護しやすい |
91cm | 幅広でゆったり感がある・介護しやすい |
100cm | 身体の大きな方でも余裕で寝返りが打てる |
ベッドの長さ | 適応身長 |
---|---|
83cm | ミニサイズ・身長150cm未満 |
191cm | レギュラーサイズ・身長150cm以上 |
205cm | ロングサイズ・身長170cm後半 |
ベッドの一般的なサイズです。利用される方の体型に合わせて選んでください。
マットレスの硬さを選ぶ
マットレスの硬さは寝心地を左右する大切なポイントです。利用する方の身体の状態に合わせて選びましょう。
利用者の身体状況 | マットレスの硬さ | |
---|---|---|
移動できる | 身体が沈まない程度の硬めのマットレス | |
移動できる(介助あり) | 適度な硬さと縁がしっかりしているマットレス | |
寝たきり | 床ずれ防止のため体圧分散マットレス |
撥水加工・抗菌加工も考慮に入れましょう。快適な寝心地を保つためにも通気性や丸洗いできるかどうかもチェックしてください。
リクライニング機能をチェック
介護ベッドには、上半身を起こすためのリクライニング機能が必須です。座って食事をしたりテレビを見たりして、寝たきりの状態が避けられます。ベッドから車椅子への移動も楽になり、身体を動かす意欲が湧くかもしれません。また、立ち上がれる機能が付いている介護ベッドもあります。
さらに、足上げ機能があれば便利です。足を伸ばしたまま座っていると、身体が足下へとずれてしまう恐れがあります。しかし、膝を持ち上げておけば、座ったままの状態が保てます。また、背上げ・足上げを交互に行うと血流が滞ってしまう心配もありません。
高さ調節機能をチェック
高さ調整が可能なベッドは立ち上がったり、ほかの場所に移ったりといった動作をサポートしてくれます。就寝時には低く調整しておくと、ベッドに慣れていない方も安心して就寝できます。
また、介護者のオムツを替える・身体を拭くといった作業も身長に合っていれば腰への負担は少なく済みます。高さ調節は、介護する側もされる側も必要な機能です。ベッドを選ぶ際はかならずチェックしましょう。
サイドレールや手すりがあるかチェック
ベッドサイドに取り付けられている柵をサイドレールと言います。これは、利用者の転落や寝具の落下を防止するためのものです。しかし、サイドレールはベッドフレームにある穴に差し込んでいるだけなので、体重をかけるとぐらつく恐れがあります。そのため掴んで身体を引き起こしたり、寝返りをしたりするためには手すりが必要です。サイドレールとは使用目的が異なりますので、両方が備わっていると便利です。
手元のスイッチの操作性をチェック
リクライニングや高さ調節などさまざまな機能は、リモコンで操作できるようになっています。利用者は一人でもベッドの調整が可能になり、とても便利です。しかし、リモコンのボタンが見えづらかったり、誤作動しやすいようなボタンの配置では危険を伴います。
介護ベッドを選ぶ際は、ぜひ手元のスイッチの操作性も確認してください。リモコンの操作性のよさはスムーズな介護にもつながります。
介護ベッドをレンタルするまでの流れ
初めて介護ベッドをレンタルするときはスムーズに手続きができるか不安になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな心配をしないよう介護ベッドをレンタルするまでの流れを要介護認定が下りている前提でご説明します。
- 居宅介護支援事業所のケアマネジャー、または地域包括支援センターに連絡
- 介護ベッドのレンタル会社を選定
- 福祉用具専門相談員が自宅を訪問・調査
- 介護ベッドの決定・契約締結
- レンタルサービス開始
レンタル開始した後も相談員が自宅を訪問し、メンテナンスをします。不都合があれば交換してもらえるため安心です。
介護ベッドをレンタルして在宅介護?それとも施設介護にするか迷う方へ
介護を在宅でするか施設に依頼するか迷う方も少なくありません。例えば、リビングに介護ベッドを設置すると、くつろぎの場所がなくなったと感じる方もいるでしょう。来客時はどうするのか、介護の匂いが部屋にこもらないかなど心配な点も増えてきます。
一方で施設での介護は、自宅での暮らしと異なり、リラックスするのが難しいなど要介護者にとって精神的な負担が大きいかもしれません。迷ったときは、ぜひ、ケアスルに相談してください。
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老人ホームへ入居するタイミングの例
老人ホームへの入居を考えていても要介護者が納得しなかったり、家族も抵抗を感じたりと入居のタイミングが難しいと感じていませんか?気持ちの上ではまだまだ介護できると思っていても、身体が疲れ切ってしまっては、健全な介護はできません。
一般的には、以下のような状態になった時に老人ホームへの入居を決意する方が多いようです。ぜひ、現在の状態と見比べてください。
- 介護度が上がったとき
- 医療技術を伴ったケアが必要になったとき
- 認知症の症状が進行したとき
認知症が悪化し、会話はおろか予測のできない行動が目立つと介護する家族の疲弊も大きくなります。疲れからくる悲しいニュースも多く、同情する気持ちも生まれてしまうのではないでしょうか。
また、24時間の介護が必要になると家族だけの介護は不可能です。介護のプロによるケアを受けるのが最も適切と言えます。
介護ベッドを自費でレンタルする場合の料金は最低1万円程度
介護ベッドを自宅で使うには、レンタルと購入が考えられます。自費で借りるとなると最低でも月に1万円程度の出費は覚悟しなくてはなりません。しかし、介護保険を利用すると安く借りられる可能性も高くなり、家族の負担も減ります。老人ホームへの入居が決まり介護ベッドが不要になったときも返却ができるため便利です。
ただし長期で介護ベッドを使う場合は、購入した方がお得な場合もあります。購入すると使用期限もなく、使い方に制限もないので自由に使えるメリットがあります。レンタルするか購入するかはお財布事情によります。無理なく介護ベッドを使い続けるためにもレンタルか購入かを慎重に考えてください。賢く介護ベッドを利用し、心身ともに健全な介護を目指しましょう。
1ヵ月あたり数千円~1万数千円程度かかります。詳しくは、こちらをご覧ください。
自費レンタルは1ヵ月あたり数千円~1万数千円程度かかり、10年借りると合計10万円を超えていきます。介護ベッドは約10万~60万円程度で自費購入できるため、10年以上使うのであれば購入を検討するとよいでしょう。ただし介護度が上がると、ベッドの付加機能を充実させたくなったり、介護施設へ入居する可能性も高くなるため、ケアマネジャーとの相談が大切です。詳しくは、こちらをご覧ください。