「今お願いしている訪問介護を、住宅型有料老人ホームに入居した後も使い続けられるのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、住宅型有料老人ホームで訪問介護は使えるのか、そして、施設によっては契約先が決められてしまうという実態と利用者側の権利、住宅型有料老人ホームで訪問介護を検討している場合における、入居前に確認しておきたいポイントなどについて詳しく解説していきます。

住宅型有料老人ホームで訪問介護は使える?
住宅型有料老人ホームに入居しても、今利用している訪問介護をそのまま使い続けることができます。
ただし、施設によっては契約先の事業所が実質的に指定される場合があるので注意が必要です。
この「契約先の事業所が実質的に指定される場合」について、次章で詳しく解説していきます。
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住宅型有料老人ホームで訪問介護の契約先が指定されるケースとは
住宅型有料老人ホームのなかには、次の2つの点を知っておく必要があるホームがあります。
- 契約先の訪問介護事業所が実質的に指定される場合がある
- 本来は契約先を自分で選ぶ権利がある
それぞれ詳しく見ていきます。
契約先が指定される(囲い込まれる)ケースがある
施設と同一の経営主体、または提携関係にある訪問介護事業所の利用が、実質的な入居条件になっているケースがあります。
厚生労働省の検討会がまとめた報告書では、次のような指摘が示されています。
この報告書では、今後の対応の方向性も示されています。
有料老人ホームと併設・隣接、もしくは同一・関連法人や提携関係等のある介護サービス事業所の利用を契約条件とすることを禁止する措置です。
利用する場合に家賃優遇といった条件付けを行うことも、あわせて禁止の対象として検討されています。
それでも契約先は自分で選べる
訪問介護などの居宅サービスは、本来、利用者本人が自由に選ぶことができます。
介護支援専門員(ケアマネジャー)の運営基準では、特定の事業者を利用するよう指示することが禁止されています。
・「指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行ってはならない」(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第25条第2項)
・先述の厚労省とりまとめでも、入居前から利用し信頼関係が構築できている居宅サービス等事業所を引き続き利用できることが基本、という意見が示されています
今の訪問介護をそのまま使いたいという希望は、制度上は尊重されるべきものです。
ただし、実際にどこまで選べるかは施設や契約内容によって異なるため、次の章で紹介する確認が重要になります。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用したいときに確認しておくこと
契約前に確認しておきたいポイントは、次の2つです。
- 重要事項説明書に記載された介護サービスの提供体制
- 契約書に事業者を指定する条項がないか
入居前にこの2点を確認しておくと、契約後に想定と違ったという事態を避けやすくなります。
重要事項説明書で確認したいポイント
重要事項説明書の「協力医療機関・協力事業者」欄や、介護サービスの提供体制に関する記載を確認します。
・併設・提携している訪問介護事業所の有無
・外部の事業所を利用する場合の記載があるか
・今の事業所を継続利用できるかの記載があるか
重要事項説明書は、施設のホームページのほか、介護サービス情報公表システムでも確認できる場合があります。
訪問介護そのものの手続きの流れは

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契約書で確認したいポイント
契約書に、特定の訪問介護事業所の利用を条件とする記載がないかを確認します。
先述の厚生労働省の報告書でも、こうした契約条件化を禁止する方向性が示されています。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用するときの注意点
今の訪問介護を使い続けると決めた場合も、次の3点は押さえておく必要があります。
- 利用回数が増えるほど費用はかさみやすい
- 訪問介護だけでは24時間体制のケアには対応しきれない
- 外部の事業所を選ぶと施設との情報連携が手薄になることがある
利用回数が増えるほど費用はかさみやすい
訪問介護の利用回数が増えるほど、自己負担額は大きくなります。
介護保険には要介護度ごとに区分支給限度基準額が定められており、例えば要介護4の場合は309,380円です(令和6年度時点)。
自己負担割合が1割の方であれば、上限は30,938円になります。この限度額を超えた分は、全額自己負担になるのでご注意ください。
住宅型有料老人ホームの費用全体の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

※金額は執筆時点の基準です。最新の基準額は市区町村の窓口や利用中の事業所にご確認ください。
訪問介護だけでは24時間体制のケアには対応しきれない
訪問介護は、あらかじめ決められた時間・回数の範囲で提供されるサービスです。
そのため、夜間や緊急時に切れ目のない対応が必要な場合、訪問介護だけでは対応しきれないことがあります。
厚生労働省の調査では、多くの自治体(59.3%)が独自の指針を持っています。
その指針では、有料老人ホームに24時間の夜間体制を求めています。
(出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」とりまとめ)
夜間体制は施設側の職員配置に関する基準です。外部の訪問介護事業所が常時対応する仕組みではありません。
外部の事業所を選ぶと施設との情報連携が手薄になることがある
併設の事業所と違い、外部の事業所を選んだ場合は、体調の変化などの情報が施設側にすぐに伝わらないことがあります。
情報連携が不安な場合は、連絡ノートの活用や、施設・事業所との定期的な情報共有の仕組みがあるかを事前に確認する方法があります。
まとめ
住宅型有料老人ホームに入居しても、今利用している訪問介護をそのまま使い続けることは可能です。
ただし、施設と同一・関連法人の事業所の利用が実質的な条件になっているケースがあります。
入居前に重要事項説明書や契約書の内容を確認しておきましょう。
判断が難しい場合は、施設に直接質問しておくことをお勧めします。
訪問介護などの居宅サービスは、本来、利用者本人が自由に選ぶことができます。
今の事業所を使い続けたいという希望がある場合は、その意思を施設側に明確に伝えておきましょう。
住宅型有料老人ホーム選びについて相談したい方は、ケアスル 介護の無料相談もご利用ください。