• 親の介護
  • 【公開日】2021-01-12
  • 【更新日】2026-02-20

親の介護でやるべきこととは?やるべきステップからかかる費用までを解説

親の介護でやるべきこととは?やるべきステップからかかる費用までを解説

親の介護は突然始まる可能性があり、事前の備えが非常に重要です。なぜなら、親の介護は民法で子供の義務と定められており、放棄できないからです。

厚生労働省の調査によると親の介護が始まる平均年齢は75歳されており、80歳を過ぎると5人に1人が要介護状態になっています。

いざという時に自分自身の生活が破綻しないよう、今のうちから介護の全体像を把握しておくことが大切です。本記事では、親の介護でやるべきことから費用の目安、お金がない場合の対処法まで詳しく解説します。

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親の介護は大変【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】

在宅介護で大変だと思うことのアンケート結果グラフ。1位は精神的な負担、2位は身体的な負担、3位は経済的な負担となっている。

親の介護が始まると、今までの生活は大きく変化し、さまざまな困難に直面することもめずらしくありません。

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、在宅で介護を行う際の大変なこととして「精神的な負担」が70.4%と最多となり、次いで「身体的な負担(66.1%)」、「経済的な負担(42.1%)」と続いています。

ほかにも「自由な時間がない」が31.1%、仕事との両立が難しいが26.6%など、介護を在宅にした場合、さまざまな面で苦労が発生します。

精神的な負担

在宅介護で最も多くの人が悩んでいるのが精神的な負担です。

親の認知症が進行すると、同じことを何度も聞かれたり、理不尽な暴言を吐かれたりすることがあり、これまでの親子関係が崩れてしまうストレスを感じやすくなります。

また、「いつまでこの生活が続くのかわからない」という先の見えない不安や、自分自身の自由な時間が削られることによる閉塞感も、心に大きな負担をかける要因となります。

肉体的な負担

日々の介助による肉体的な負担を感じる人も多くいます。

食事、入浴、排泄のサポートや、ベッドから車椅子への移乗など、大人の体を支える作業は想像以上に体力を使います

とくに、介護者自身も年齢を重ねている場合は、腰痛や関節痛を引き起こす原因になりがちです。また、夜間のトイレ介助や徘徊への対応により、慢性的な睡眠不足に陥るケースも少なくありません。

経済的な負担

介護には日々の生活費に加えて、おむつ代などの消耗品費、デイサービスやヘルパーといった介護保険サービスの利用料など、継続的な出費が発生します。

親の年金や貯蓄で賄いきれない場合、子どもの家計から持ち出すことになり、生活が圧迫されるリスクがあります。

また、介護と仕事の両立が難しくなり、離職による収入減少に悩む方もいます。具体的な費用の目安については、後述の「親の介護にかかる費用」の章をご覧ください。

親の介護が必要になったらやるべきステップ

親の介護が必要になったときの流れを解説した図解イラスト。相談窓口への相談から要介護認定の申請、サービス検討、利用開始までのステップ。

親の介護が必要かもしれないと感じたときは、一人で抱え込まずに速やかに専門家に相談したり、公的な介護保険制度の利用の準備を進めることが大切です

介護サービスをスムーズに利用開始するためには、「相談」「申請」「検討」「計画作成」の4つのステップを踏む必要があります。

相談窓口へ相談する

親の様子に不安を感じたら、まずは市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センター(高齢者福祉の総合相談窓口)へ相談しましょう 。

地域包括支援センターにはケアマネージャーなどの専門家が在籍しており、介護に関するあらゆる悩みを受け付けています

相談する際は、「最近よく転ぶようになった」「物忘れが増えて一人暮らしが心配」など、日々の様子や具体的な困りごとをメモして伝えると、今後の対応がスムーズになります。

また、あわせて主治医にも相談しておくことで、その後の介護保険要介護認定の判定もスムーズになるので、忘れずに相談しておきましょう。

要介護認定の申請をする

介護保険サービスを利用するためには、親がどの程度の介護を必要としているかを判定する「要介護認定」を受ける必要があります

申請先は市区町村の窓口ですが、地域包括支援センターに手続きを代行してもらうことも可能です。

申請後、調査員が自宅を訪問して本人の心身の状況を確認する認定調査が行われます。申請から約30日ほどで結果が郵送され、状態に応じて「要支援1〜2」または「要介護1〜5」のいずれかに判定されます。

利用するサービスを検討する

要介護度が決まったら、親の身体状況や家族の生活スタイルに合わせて利用する介護サービスを検討します。

どのサービスの利用をすればいいか迷う場合は、ケアマネージャーなどに相談しながら決めるとよいでしょう。

介護保険で利用できるサービスは、大きく分けて自宅で生活しながら利用する「居宅サービス(訪問・通所)」、一時的に施設に宿泊する「短期入所サービス」、施設に入居して生活する「施設サービス」などがあります

介護保険サービスとは以下のようなものになります。

サービスの種類 サービス内容
訪問サービス 訪問介護 訪問介護員が自宅を訪問し、食事・排せつ・入浴などの介護や掃除・洗濯・買い物などの生活支援を行う
訪問入浴介護 介護・看護職員が自宅を訪問し、持参した浴槽で入浴の介護を行う
夜間対応型訪問介護 24時間安心して過ごせるよう、夜間帯にも対応している訪問介護サービス。
安否確認や排せつの介助等を行う「定期巡回型」と、転倒した際や急な体調不良等の有事の際に介護をする「随時対応型」の2つに分かれている。
訪問看護 看護職員が疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいた療養上の世話や診察の援助を行う
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 「定期巡回型」と「随時対応型」の両方に対応しており、訪問介護だけでなく訪問看護も組み込まれているサービス
訪問リハビリ 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等の専門スタッフが自宅を訪問し、心身機能の維持・回復や日常生活の自立に向けたリハビリを行う
居宅療養管理指導 医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士等の専門家が自宅を訪問し、療養上の管理・指導を行う
通所サービス 通所介護(デイサービス) 介護施設に通い、介護・生活援助・機能訓練等のサービスを受けることができる日帰りのサービス。自宅と施設までは送迎してくれる。
通所リハビリ(デイケア) 病院・老健・診療所等に通い、専門スタッフによる機能訓練・日常生活動作等のリハビリを受けることができる。食事や入浴といった生活援助の提供もある。
認知症対応型通所介護 認知症の方を対象とした通所介護サービス。
地域密着型通所介護 定員18人以下の施設で、入浴や食事などの介護や機能訓練等のサービスを受けることができる。定員が少ないため、一人ひとりに寄り添った対応が可能。
療養通所介護 常に看護師による観察が必要な方を対象にしたサービス。医師や訪問看護ステーションと連携して食事・入浴などの日常生活支援、機能訓練が提供される。
短期入所サービス 短期入所生活介護
(ショートステイ)
介護施設に短期間入所し、介護・生活援助・機能訓練等のサービスを受けることができる。1度で最大30日までの利用が可能。
短期入所療養介護
(ショートステイ)
老健や介護医療院といった医療体制が整っている施設に短期間入所し、介護・生活援助に加え、医療処置や看護等の医療サービスを受けることができる。1度で最大30日までの利用が可能。
複合型サービス 小規模多機能型居宅介護 施設への通いを中心として、訪問・短期入所サービスを組み合わせ、介護・生活援助・機能訓練等のサービスを受けることができる。
看護小規模多機能型
居宅介護
小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせたサービス。
施設サービス 老健(介護老人保健施設) 利用者の在宅復帰を目的とした施設。介護・看護・生活援助・リハビリ等のサービスを受けることができるが、原則3~6か月で退所しなければならない。
ケアハウス 自立した生活が難しい高齢者の方を対象とした、少ない費用で介護・生活援助等のサービスが受けられる施設。
介護療養型医療施設 比較的重度の要介護者を対象とした、充実した医療処置・リハビリ等のサービスが受けられる施設。
介護医療院 介護療養型医療施設で受けられるサービスに加え、介護や生活援助にも力を入れている施設。
有料老人ホーム 食事・介護・生活援助・健康管理のうち1つ以上を提供している施設。24時間介護サービスを受けることができる「介護型」、生活援助を中心に受けることができる「住宅型」等の種類がある。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) 「安否確認」「生活相談」等のサービスを受けることができるバリアフリー対応の施設。
グループホーム 認知症の方を対象とした、少人数での共同住宅の形態でサービスを受けることができる施設。
福祉用具の利用サービス 福祉用具の貸与 車いすや介護ベッド等の福祉用具をレンタルすることができるサービス。
福祉用具の販売 簡易浴槽や入浴補助用具等の福祉用具を購入することができるサービス。

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ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、サービスを利用する

具体的な介護サービスを利用し始めるためには、ケアマネジャー(介護支援専門員)に「ケアプラン(介護サービス計画書)」を作成してもらう必要があります

ケアマネジャーは、本人や家族の意向、要介護度、予算などを総合的に考慮して、最適なサービスの組み合わせやスケジュールを提案してくれま

ケアプランが完成し、提案された各サービス事業者と契約を結ぶことで、いよいよ実際の介護サービスの利用がスタートする流れです。

親の介護にかかる費用【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】

親の介護にかかる費用目安として「在宅介護にかかる費用目安」「施設に入居した場合の費用目安」をそれぞれ解説します。
それぞれの費用目安を確認して、予算の把握やどちらが現状適しているかを確認してみてください。

在宅介護でかかる費用目安

在宅介護にかかる月額費用の目安を示したグラフ。
在宅介護にかかる月額費用は、親の介護度(要介護度)が上がるにつれて増加する傾向にあります。

軽度のうちは月額1〜3万円程度で収まることがほとんどですが、状態が重くなるとおむつ代や介護サービスの利用頻度が増え、負担が大きくなる傾向にあります。

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】のデータによると、要支援1・2の段階では「1万円未満」の割合が43.6%、31.6%、「1万円〜3万円」の割合が25.6%、31.6%なのに対し、要介護3以上になると「3万円〜5万円」や「5万円〜10万円」の割合が増しています。

とくに要介護5では、60%以上の人が毎月5万円以上の介護費用を負担していることがわかります。

【想定費用のシミュレーション】

<想定>
介護度:要介護3
月額費用:5万円
介護期間:3年間

5万円(月額費用) × 12ヶ月(年間) × 3年間(介護期間) = 180万円(想定費用)

上記はあくまでも月額費用が介護期間中に変わらないこと、介護度が進行しないことなどが条件になっています。

介護の状況が変われば、その分費用も変わってきます。利用する介護サービスやその頻度によっても変わってきますので、上記の想定費用プラスαを考えておくとよいでしょう。

在宅介護にかかわる費用の内訳や、お金が足りなくなった場合の対処法については以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

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施設に入居した場合の費用目安

親を施設に入居させた場合、選ぶ施設の種類によって必要な費用目安は変わってきます。

以下の表は【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】のデータおよび一般的な相場から、施設ごとの「初期費用(入居一時金)」と「月額費用」の目安をまとめたものです。

施設名 月額費用 入居一時金
(初期費用)
▼ 公的施設
特別養護老人ホーム
(多床室 / 個室)
約44,000円〜120,000円 0円
特別養護老人ホーム
(ユニット型個室)
約68,000円〜150,000円 0円
老健
(介護老人保健施設)
80,000円〜140,000円 0円
介護医療院 90,000円〜170,000円 0円
▼ 民間施設(金額は平均値)
介護付き有料老人ホーム 236,000円 3,461,000円
住宅型有料老人ホーム 143,000円 697,000円
サービス付き高齢者向け住宅 176,000円 441,000円
グループホーム 134,000円 95,000円
高齢者住宅 136,000円 473,000円

上記の表から公的施設に分類される施設は、初期費用(入居一時金)はかからず、民間施設は施設種別によって差があることがお分かりいただけるかと思います。

また、月額費用も施設によって差があるため、入居時にはいくらかかるのかをきちんと確認しておくことが大切です。

より詳細な施設ごとの料金や費用内訳については、以下の記事で解説していますのであわせてご覧ください。

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親の介護に関するQ&A

親の介護に直面すると、お金や仕事、自分自身のメンタルについてさまざまな疑問や不安が生じるものです。

本章では、親の介護についてとくに質問の多い項目を3つ選定し、その解決策についてお答えします。

親の介護のお金がない場合は?

親の貯蓄や年金が少なく、自分の収入からの介護費用も厳しい状況です。介護にお金をかけられない場合はどうすればいいですか?
「高額介護サービス費」などの公的な負担軽減制度を利用したり、生活保護の受給を検討しましょう。
「高額介護サービス費支給制度」とは、介護サービスを利用して1ヶ月の自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超過分が払い戻される制度のことです。
収入や所得に応じて、上限額が細かく設定されており、この制度を利用することで毎月の支払いを抑えられます。
所得区分 負担の上限額(月額)
市町村民税課税世帯 課税所得690万円(年収約1160万円)以上 140,100円(世帯)
課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満 93,000円(世帯)
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 44,400円(世帯)
市町村民税非課税世帯 合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方 24,600円(世帯)
合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方、または老齢福祉年金を受給している方 24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給している方 15,000円(世帯)

また、親の貯蓄や年金が少なく、どうしても生活が維持できない場合は、生活保護を受給するのも選択肢の一つです。

生活保護を受けても介護施設への入居などは可能なので、まずはお住まいの地域包括支援センターなどの窓口へ相談してみてください。

親の介護と仕事は両立できる?

介護のために仕事を辞めるべきか悩んでいます。親の介護と仕事は両立できるのでしょうか?
必ずしも辞める必要はありません。両立支援制度や介護保険サービスを上手に活用すれば、介護と仕事の両立も可能です。
親の介護のために退職してしまうと、自身の収入が途絶えてしまい、介護と共倒れになるリスクも発生してしまいます。
可能であれば、介護と仕事の両立を目指すのがよいでしょう。厚生労働省でも。介護と仕事の両立を推進しています。

【仕事と介護 両立のポイント】

  1. 職場に「家族等の介護を行っていること」を伝え、必要に応じて勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用する
  2. 介護保険サービスを利用し、自分で「介護をしすぎない」
  3. 介護保険の申請は早目に行い、要介護認定前から調整を開始する
  4. ケアマネジャーを信頼し、「何でも相談する」
  5. 日ごろから「家族や要介護者宅の近所の方々等と良好な関係」を築く
  6. 介護を深刻に捉えすぎずに、「自分の時間の確保」する

出展:厚生労働省「仕事と介護 両立のポイント」

ケアマネージャーに相談し、デイサービスなどを積極的な活用を検討してみましょう。

親の介護をしたくない場合は?

去の親子関係の悩みや精神的なストレスから、どうしても親の介護をしたくありません。どうすればいいですか?
無理に同居や身体介助をする必要はありません。ケアマネジャーに相談して、施設入居や外部の介護サービスを積極的に頼りましょう。
「介護をしたくない」と感じる人は少なくありません。
民法上、子どもには親を扶養する義務がありますが、原則として経済的な支援をする扶養をすればよく、自分の生活を犠牲にしてまで介護をすることは強いてはいません
役所の手続きを手伝ったり、施設を探して入居させたりするだけでも、十分な介護になります。
一人で抱え込んでしまう前に、ケアマネージャーなどに相談し、老人ホームの入居手配などを進めるのもよいでしょう。
より具体的な対応策については、以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
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親の介護をしたくない!介護義務の有無や対策までを解説
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親の介護についてまとめ

親の介護は、ある日突然始まることもあれば、徐々に負担が重くなることもあります。

生活が大きく変わり、精神的・肉体的、経済的なストレスを抱えやすくなるため、決して一人で抱え込まないことが何より大切です 。

介護の必要性を感じたら、お住まいの「地域包括支援センター」へ相談し、介護が始まったら積極的にケアマネージャーを頼ってみてください。

親の介護は長期にわたることも考えられるため、自身の生活とのバランスを重視し、無理のない範囲でサポート体制を整えていくとよいでしょう。

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