サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を選ぶ際、自身の状況にあわせた施設を選択しないと入居後に「施設の雰囲気が合わない」「事前に確認しておけばよかった…」などで後悔してしまいます。
中には、「複数の候補まで絞ったけど最後のひとつを選ぶにはどうすれば…」という方もいるでしょう。
本記事では、サ高住を最後の一つに絞り込むための選び方を解説します。
入居までの具体的なロードマップもあわせて紹介するので、納得のいく施設選びの参考にしてください。
サ高住選びで迷ったら必ず「見学」をする
サ高住の候補を複数まで絞り込めたら、最終決定のために必ず現地を見学しましょう。
見学を通して、各施設が持つ独自の特徴や実際の雰囲気を前向きに比較検討できるからです。
見学件数と選定のコツ
- 見学する施設は3〜4件程度が最適です。
- 5件以上回ると情報が多すぎ、かえって決断に迷ってしまいます。
- 3〜4件に留めることで、「設備の充実」「自宅からの距離」「長く住み続けられるか」など、施設ごとの強みが鮮明に浮かび上がります。
施設ごとの明確な強みを、ご自身の優先順位と照らし合わせてください。
現地で得た確かな情報をもとに判断すれば、最も納得のいく1件を選び出せます。

サ高住を最後の一つに絞る際のチェックリスト
最後の1施設を決定するためには、見学時に以下の4項目をチェックして優先順位をつけてみましょう。
費用は継続的に払える範囲か
費用の考え方として、月額利用料を問題なく支払い続けられることを基準とすることが大切です。
入居時の一時金だけでなく、月々の支払い総額が無理なく支払い続けられる範囲かどうかが継続的にサービスを受けられるかどうかを決めるからです。

まずは「費用」を土台にするという考え方が大切です。
継続的に支払えるかどうか考え方としては、「預貯金」と「月々の収入源(年金など)」を合わせた金額で賄える範囲であるかを計算しておきましょう。
月額利用料(家賃、共益費、状況把握・生活相談サービス費)以外にも、介護が必要な場合は介護サービスの利用費や医療費が発生します。
さらに、日用品費や理美容代、おむつ代などの雑費も毎月の支出に加わるので、事前にバッファを見込んでおくことが大切です
入居後に想定外の出費で生活が困窮しないよう、少し多めに見積もったシミュレーションを行うとよいでしょう。
ほとんどありませんが施設側が月額利用料の内訳を渋るケースがあります。
内訳を確認しなければ、入居後に高額な追加請求を行うリスクがあるため、本契約前にきちんと「何にいくらかかるのか」を確認しておきましょう。
希望するサービスは受けたい水準を満たしているか
希望するサービスを受けられることは大前提として、その頻度や程度(質)などが自分の求めている水準を満たしているかという考え方が大切です。
なぜなら希望するサービスを受けられたとしても「週3回はやりたいのに、週1回しか受けられなかった…」など、ギャップを感じてしまう恐れがあるためです。
事前に施設側に自身が求めているサービスの水準は満たしているかについての質問をすることで、ギャップが起きないようにしましょう。
【見学時に聞くべき質問の例文】
「現在、週3回のデイサービスを利用していますが、入居後も同じ事業所を継続利用できますか?」
「夜間にトイレ介助が必要になった場合、スタッフはどの程度の頻度で対応してくれますか?」
サ高住は施設タイプによって、提供されるサービスの範囲が異なります。
現在の生活リズムを維持するには、サービスを継続させることが必要なため、入浴介助や排泄介助など、具体的な支援内容と頻度を施設側へ細かく伝えてください。
夜間の対応や緊急時のフローなどは、施設ごとの対応力が大きく分かれる部分です。
入居者の状態悪化時にも、希望する水準のケアが受け続けられるかを見極めてください。
安易に「すべて対応可能です」と答える施設には、夜間の具体的な人員配置なども追加で質問することで問題がないかを確認しておくとよいでしょう。
立地は問題ないか
入居者本人の生活圏と、家族の訪問しやすさを優先する場合は立地について確認しましょう。
施設から徒歩圏内にスーパーや日常的に通う病院に通いやすいか、家族は無理なく通いやすいかなどを確認しておくと間違いは起きません。
最後のひとつを選ぶ際には、以下の表のように立地についての優先順位を付けて比較検討を行ってください。すべての条件を満たすことは難しいため、誰の利便性を最優先するかを家族間で話し合って決めることが大切です。
公共交通機関の利便性に加えて、自家用車やタクシーでも通いやすいかなども確認しておくと安心できるでしょう。
【見学時に聞くべき質問の例文】
「家族が車で訪問する際、駐車場は確実に利用できますか?」
「夜間の緊急時に家族が駆けつける場合の、最適なアクセスルートを教えてください。」
「駅から近い」というざっくりしたものではなく、駅から徒歩○○分なのか、少し離れている場合はバスなどでアクセスできるのかなどで確認してみてください。
入居者やスタッフの雰囲気はあっているか
施設全体の雰囲気やスタッフの対応が、入居者本人やご家族と問題ないかを確認しておくのも大切です。
長期間生活する上で、人間関係が良好だと充実した生活につながるからです。
賑やかな環境を好む人であれば共有スペースに活気があるか、静かな環境を好む人であれば落ち着いた環境が確保できるのかなども確認するとよいでしょう。
【見学時に聞くべき質問の例文】
「入居者の方は日中、共有スペースでどのように過ごされていますか?」
「レクなどがある場合は強制的に参加しなければなりませんか?」
また、施設を決定する際に最終的には「人」で決める人も少なくありません。
見学時にはスタッフの言葉遣いや、施設長や現場を統括している人の対応の良さなども確認ポイントです。

そうしたやりとりが丁寧だと安心できるので、最後の決め手にはなるでしょう。
パンフレットだけを信じず、見学時に感じる肌感を大切にしてみてください。
サ高住を複数候補で迷った際の「優先順位」の付け方
複数の施設で迷った際は、妥協できない条件を明確にし、優先順位をつけて比較することが大切です。
なお、すべての希望を満たす100点満点の施設は存在しないと考えて差し支えありません。
前章で解説したように「予算」を土台に考え、ほかの項目を自分の状況に照らし合わせるとよいでしょう。
たとえば、「A施設は予算に余裕があるが、家族が通うのは大変かもしれない…。B施設であれば予算はギリギリだが、駅から近いので通いやすいかも」などの場合、家族の通いやすさを優先するのであればB施設が最適でしょう、
「絶対に譲れない条件(必須)」と「できれば満たしたい条件(希望)」を分ける作業が、最終決定の決め手となります。
ご家族だけで判断に迷う場合は、入居者本人の意向を再度確認し、優先順位のすり合わせを行ってください。
優先順位をつけずに「なんとなく良さそう」で決断すると、入居後に致命的な不満が生じる可能性が高まります。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の入居までの8ステップ

事前に入居までの流れを把握しておくと、いざ施設を探すタイミングになったときにスムーズに動きやすくなります。
【サ高住入居までの8ステップ】
- 専門家へ相談する
まずは相談窓口(担当ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、民間の紹介センターなど)に相談しましょう。 - 希望条件を明確にする
予算、エリア、必要なサービスなどを整理し、「絶対に譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」に分けて優先順位をつけます。 - 気になる施設に資料請求・お問い合わせをする
検索サイトや施設のホームページから資料請求し、費用やプランなどを確認します。 - 実際に見学・体験入居してみる
清潔感やスタッフの雰囲気など、パンフレットでは分からない部分を実際に足を運んで確認します。 - 申し込みをする
入居したい施設が決まったら、まずは仮申し込みの形で入居申込書を提出します。 - 審査書類を提出する
身分証明書や健康状態、年金受給額を証明する書類など、施設が指定する書類を提出します。 - 面談や審査を行う
本人・家族との面談が行われ、費用の支払い能力や施設での安全な生活が可能かどうかが審査されます。 - 契約する
審査通過後、健康診断書や住民票などの必要書類を提出し、連帯保証人と身元保証人を立てて契約を結びます。
契約時に必要となる保証人の種類と必要書類の目安は以下の通りです。詳しくは入居先のサ高住にお問い合わせください。
サ高住の選び方についてまとめ
本記事では、サービス付き高齢者向けの探し方を中心に、探す際の注意点や入居するまでの流れを解説しました。
サ高住は、制度設立以来、事業者・戸数が増え続けています。多くの住居から選ばなければならないため、希望条件に沿った住宅を探してくれる民間の紹介センターは、手間が省けて便利です。
ケアスル 介護では、インターネットから無料で問い合わせることでき、気軽に入居相談員に電話相談することが可能ですので、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
担当ケアマネジャーがいる場合は、担当ケアマネジャーへの相談がおすすめです。
本人の健康状態や経済状況を把握しているため、相談がスムーズに進むでしょう。「介護が必要になってきたな」と感じる方は、ソーシャルワーカーへ相談してみましょう。
ソーシャルワーカーは生活相談員としての役割を果たしており、介護や住居など高齢者の生活に関わる全般のことを相談できます。
なお、ケアマネージャーやソーシャルワーカーに相談すると同時並行で、民間サイトで施設を探しておき、様々な視点から施設探しをしておくことが重要になります。
サ高住と有料老人ホームは、高齢者向け住まいとして似ていますが、対象者、サービス内容、契約形態などで違いがあります。
以下の記事に詳細を記載していますので、あわせて参考にしてください。
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