老人ホームでは、施設側が高齢者の生活におけるリスクを避けるため、入居の契約を行う際に保証人を立てる必要のあるケースがあります。
しかし、保証人を検討する中でトラブルが発生したり、親族が誰も保証人を引き受けたくなかったりすることも少なくないため、事前に対処法を知っておくことが大切です。
老人ホームの保証人とは?
老人ホームの保証人には、「保証人」と「身元引受人」の両者の意味合いが含まれることが多いです。
「保証人」は、生活上で必要な手続きや判断などの意思決定を行う、または利用者間トラブルなどの保証をする身元保証、支払い債務などの金銭的な保証をする連帯保証の二つの役割があります。
また、「身元引受人」は、入居者が亡くなった後の対応を行い、身元を引き取る役割があります。
保証人を必要とする老人ホームはどんなところ?
保証人を必要とする老人ホームの一つとして、ケアハウスが挙げられます。
「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」によると、ケアハウスの97%が「入居時の書類に本人以外の署名を求めている」としてます。
ケアハウスの他にも、認知症対応に特化したグループホームでは、認知症の進行に伴い、契約上の重要事項において同意を得ることが難しいケースも増えると考えられるため、入居時に保証人が必要となる場合が多いです。
老人ホームの審査条件とは?
老人ホームの保証人なる上で、明確な基準や法律等は定められていません。
しかし、多くの老人ホームでは、保証人の条件として以下3つを設けているケースが多く、条件に基づいて保証人の役割を任せられるかどうか審査されます。
- 原則として親族であること
- 年齢が高すぎないこと
- 書類等で資産や収入を証明できること
老人ホームの保証人は子供でもなれる?
老人ホームの保証人は子供でもなることは可能です。
ただし、老人ホームの保証人の条件として、書類等で資産や収入を証明できることを求める施設が多いため、成人しており、かつ、経済的に安定していることが求められるでしょう。
老人ホームの保証人は無職でもなれる?
老人ホームの保証人は、無職の場合は難しいことが多いですが、無職であっても保証人になることが不可能というわけではありません。
預貯金や資産が十分にあり、預貯金通帳の写しや資産証明書の提出を以て経済的に安定していることが証明できれば、無職であっても保証人の条件に該当する可能性があります
また、自身だけでは保証人になることが難しかったとしても、収入が安定している親族がいれば、その方と連帯して保証人になることが認められるケースもあります。
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老人ホームの保証人になるリスクやトラブルは?
老人ホームの保証人になることのリスクや実際にあったトラブルには、以下のようなものが挙げられます。
- 高齢のため、判断能力の低下や金銭面も問題で責任を負えないだろうと判断され、保証人になることができない
- 無職などの場合で、一定の収入がないと判断され、保証人になることができない
- 親族が海外に住んでいて日本におらず、施設側とのやりとりが難しいと判断され、保証人になることができない
- 親族がおらず、保証人を立てることができない
- 話し合いを行わず、勝手に保証人にされてしまう
- 保証人が自己破産したり、職を失ったりして、保証人を変更しないといけなくなる
老人ホームの保証人になりたくない・辞めたい場合はどうすればいい?
老人ホームの保証人になりたくない、あるいは保証人を辞めたい場合には、成年後見制度を利用する、身元保証会社を利用するという2つの方法があります。
成年後見制度を利用する
成年後見制度とは、認知症などにより判断能力が低下した方の財産の管理、身上監護(介護福祉サービスの利用契約、施設入所、入院時の契約締結など)を後見人が本人に代わって行う仕組みです。
成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
家庭裁判所によって後見人が選任されると、本人に代わって老人ホームの入居契約や利用料の支払い、行政・金融機関の手続きなどの役割を任せることができるため、保証人にならずに老人ホームに入居することができます。
身元保証会社を利用する
身元保証会社のサービスの一つとして、身元保証サービスがあります。
これは、老人ホームの入居にあたり、入居者の支払いに関わる連帯責任の保証や、緊急時の駆け付けといった身元引受の役割を担うサービスとなります。
費用としては、事務管理費(費用)50万と身元保証料(預託金)30万円、総額で80万円ほどです。
身元保証サービスは、終身を前提とした契約となるため、老人ホーム入居時の身元保証を終身に渡ってサポートしてもらうことができるというメリットがありますが、その分費用もかかってくるため、慎重に検討しましょう。
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老人ホームの保証人のまとめ
老人ホームでは、月額利用料などの支払いが滞った場合に債務を負うことや、生活上で必要な各種手続き・判断・意思決定を本人に代わって行うことなどを目的に、保証人が必要となるケースが多いです。
しかし、保証人になるには一定の条件を満たす必要があったり、保証人になることによるリスクも存在するため、保証人なるかどうかは慎重に検討するひつようがあります。
また、保証人を立てられない場合や保証人になりたくない場合については、成年後見制度や身元保証会社の利用も検討するようにしましょう。