親の介護をしている人の中には、
- せっかく自分が介護しているのに、なんでいちいち文句言われたりしなくてはならないの…
- 介護をしていない親族から、介護のことに口を挟まれてイライラする…
- 介護のために自分の時間を割かれてもううんざり…
など親の介護をすることによってストレスを覚えている方も少なくないと思います。
親との関係性が良かったならまだしも、子供のころから親との関係性が良くなかった場合に仕方なく親の介護をしているという方はストレスと向き合いながら介護をする日々だと思います。
そこで、本記事では親の介護によって受けるストレスの原因から、一時的にストレスを解消する方法、そして今後継続的に親の介護によるストレスから解放される方法について紹介していきます。
親の介護のストレスと向き合って、介護する人もされる人も納得のいく解決策について学んでいきましょう。
親の介護でストレスがたまる原因
親の介護でストレスがたまる原因としては主に4つ考えられます。
- 介護による身体的負担
- 介護による精神的負担
- 親族からの告げ口などの人間関係の負担
- 経済的な負担
1章では、親の介護によってストレスがたまる原因について詳しく考察し、「自分の場合は何が一番のストレスになっているのか」という視点で考えてみましょう。
介護による身体的負担
親の介護でストレスがたまる原因の一つに、介護による身体的な負担があります。
というのも、要介護の状態となると一人で入浴や排せつなどの日常生活の介助が必要になったり、場合によっては夜間に2~3時間ごとに起きて排せつの手伝いをしなくてはならないケースもあったりします。
例えば、要介護3の方の在宅介護について考えてみると、家事だけではなく排せつや入浴、食事の介助が必要になる他、身体機能の低下がみられるので一人で階段の上り下りも手伝う必要があります。仮に介護される側が男性、介護者が女性の場合は相当な身体的な負担がかかることが懸念されます。
身体的負担が重なることによって介護者側が体調を崩したり、場合によっては入院しなくてはならなくなるといったケースも珍しくありません。したがって、親の介護のストレスの一つ目の原因はやはり介護による身体的負担と言えるでしょう。
介護による精神的負担
親の介護でストレスがたまる原因の1つに、介護による精神的負担があります。
親の介護が始まると、同居している場合はもちろん、一緒に暮らしていなくても、介護が必要になった親が気になる状態が続きます。日常的に気がかりを抱えていると、自分でも気づかないうちにストレスがたまることがあります。
とくに同居している場合には日々、親の困りごとに直面するだけに、何かにつけて親を優先し、自分のことを後回しにしてしまいがちになるので注意が必要です。
親族付き合いなど人間関係の負担
親の介護のストレスの3つ目の原因は、親族付き合いなど人間関係の負担です。
親の介護が始まると、親戚や兄弟姉妹との関係が変化し、その結果、ストレスが重なることが考えられます。伝える側は良かれと思ってのアドバイスも、言われた側には大きなプレッシャーになったり、強い批判として伝わることも少なくありません。
一方、一人っ子なら気楽かというわけではなく、兄弟が多ければ多い悩みが、一人っ子には一人っ子の悩みが生じることでしょう。一人っ子で親の介護をしなくてはならない方はこちらの記事もご覧ください。

経済的なストレス
親の介護の原因として長期間に渡って影響してくる要素として、経済的なストレスがあります。
介護が必要になった場合の出費として、これまでの生活費に加え、公的介護保険サービスを利用した場合の自己負担額が加わります。在宅介護に限界を感じ、施設入所を希望していても、両親の年金や預貯金が乏しく、仕方がなく在宅介護を選択せざるを得ないケースもあります。
親の介護はいつまで続くのか、見通しが立てづらく、年金や預貯金で賄い続けられるのか不安に感じる人も少なくありません。
親を施設に入れたいがお金が無い時の対処法について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

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親の介護のストレスを一時的に解消する方法
親の介護のストレスはずっと続くものです。しかし、一時的にでも親の介護のストレスを解消することは長く介護を続ける上で必要なことです。
そこで親の介護のストレスを一時的に解消する方法を4つ紹介します。
- 同じ境遇の人に共感してもらう
- 主治医に相談する
- ショートステイを利用する
- 介護保険外サービスを利用する
話しやすい相手に愚痴や悩みを聞いてもらう
親の介護のストレスを一時的に解消する方法としてまず考えられるのは、話しやすい相手に愚痴や悩みを聞いてもらうことです。
介護の困りごとや悩みごとは一朝一夕では解決できないことが大半を占めます。悩みを打ち明けたところで、解決の糸口が見つかるとも限りません。しかし、普段から話しやすいと感じる人、心を許せる相手に話を聞いてもらうと、それだけで気持ちが楽になります。
お住いの地域にある「介護者の会」や介護のコミュニティサイトなどに参加し、介護仲間を見つけるという選択肢もあります。
例えば、東京都の港区であれば「介護家族の会」として、介護についての悩みや日頃の行いを安心して話すことが出来る場が設定されています。ただし、同じ介護者同士といっても、介護の状況や家族の関係性は千差万別。まったく同じ境遇の人を探すのは案外難しいものです。「介護者ならわかりあえる」「共感してもらえるはず」といった過剰な期待は禁物です。
参加者の顔ぶれやコミュティの雰囲気もさまざまなので気負わずに参加し、自分に合った場所や関わりかたを探ってみましょう。
主治医やケアマネージャーに相談する
親の介護を一時的に解消する方法の2つ目は主治医やケアマネージャーに相談する方法です。
というのも、主治医やケアマネージャーは介護についての専門家です。ストレスを感じているなら、専門家に相談することで解消できることもあります。
例えば、主治医に相談して、親の状態をふまえて服用している薬の内容や量を調整してもらうといった方法も考えられます。
ショートステイを利用する
親の介護のストレスを一時的に解消する方法として最も一般的なのは、ショートステイを利用する方法でしょう。
ショートステイとは、介護施設に1泊から短期入所することが出来る介護保険サービスです。最大で30日間預けることが出来、利用したい場合はケアマネージャーに相談することで利用の手続きを行ってもらえます。
例えば、親の介護のストレスを解消するために旅行に行ったり友人と会うなどして、ショートステイ入所期間中は親の介護から一時的に逃れるということもできます。
したがって、親の介護のストレスを一時的に解消するためにショートステイを利用するのも一つの解決方法と言えるでしょう。
介護保険外サービス
親の介護のストレスを一時的に解消する方法として考えられるのは介護保険外サービスです。
介護保険外サービスとは、デイサービスやショートステイなどのように介護保険が適用されるサービスではなく、完全自費で被介護者の旅行代行や趣味の付き添いなどを行ってもらえるサービスです。民間で運営されているサービスなので、幅広いサービスから選ぶことが出来ます。
また、現在では市区町村が同居している介護者のためのサービスを提供していることもあります。親の介護のストレスを一時的に解消する方法としては選択肢の一つとして十分に入るでしょう。
介護保険サービスについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
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親の介護のストレスから継続的に解放される方法
親の介護のストレスから今後継続的に解消される方法としては、やはり施設に入所させる方法があると言えるでしょう。
確かに一時的にストレスを解消することはできるかもしれませんが、根本にある「毎日親の介護をしなくてはならない」ということ自体は変わりありません。したがって、毎日親の介護をすることによるストレスから根本的に解放されるにはやはり施設に入所してもらう方法が一番だと言えるでしょう。
もちろん親を施設に入れたからと言って全く介護から離れてよいということはありません。定期的に親に遭いに行ったり、様子を聞きに行くことは必ず必要になります。
しかし、親の介護のストレスから継続的に解放されたいという場合はやはり施設に入所させるしかないでしょう。とはいえ、人によっては
- 親を施設に入れるお金が無い
- 親が施設を嫌がっていて説得できない
- 何から始めたらいいのかわからない
という方も少なくないと思います。そこで次章では親を施設に入れる方法について解説していきます。
親を施設に入れてストレスを解消するには?
親を施設に入れてストレスから解消される方法について今回は、費用の安い施設の探し方、施設を嫌がる親の説得方法、親を施設に入れる流れの3つの観点から解説していきます。
費用の安い施設の探し方
老人ホームの費用が高くて施設の費用が払えないという場合は、費用の安い施設を探して入所するようにしましょう。費用が安い施設の特徴としては、以下の9つの特徴があります。
- まずは費用の相場を知る
- 立地の悪い老人ホーム
- 築年数が古い老人ホーム
- 空室の多い老人ホーム
- 多床室(相部屋)のある老人ホーム
- サービス加算されていない老人ホーム
- 医療法人や社会福祉法人が運営している老人ホーム
- 入居一時金を一括で払える老人ホーム
- 費用が安い老人ホームの種類を把握しておく
特に老人ホームの費用として大きな部分を占めている家賃や管理費は、一般的な不動産賃貸住宅と同じように都市部であればあるほど高く、地方に行けば行くほど安くなっています。
したがって、費用の安い施設を探したいという場合は地方部で探したり、築年数が古く設備が最新ではなく多少古いところを探してみるのも一つの方法です。費用の安い施設の探し方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
施設を嫌がる親の説得方法
施設を嫌がる親を説得する方法としては、子供からの愛情をきちんと伝えたり、第三者から話をしてもらうことが有効です。
というのも、親が施設を嫌がっている理由としては「子どもから見捨てられたと感じる」という不安感や「自分に介護は必要ないと思っている」など、自尊心に由来するケースが多く見られます。
そこで、子供からの愛情を伝えて「いつまでも元気でいてほしいから施設に入ってもらいたい」と伝えたり、第三者から客観的な意見として介護が必要であることを伝えてもらうという手段が有効な場合があります。
特に「子供が介護するのが当たり前」と考えている親を説得するのは難しいですが、一つずつ親の不安を解消していき施設に入所してもらうというのも一つの方法です。
親を施設に入れる手順
親を施設に入れる手順としては、以下の5つのステップがあります。
- 本人・家族で話し合う
- 施設の情報を収集する
- 条件に合った施設を選ぶ
- 施設の見学・体験入居
- 契約して入居する
まずは本人や家族と話しあい、入居の意思を確認します。その後施設の情報を収集し、親に合っている介護施設を選択、その後見学や体験入所を通じて契約という流れとなります。
親を施設に入れる手順はこちらの記事でも詳しく解説しているので、詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
親の介護のストレスとの向き合い方のまとめ
親の介護をしている際のストレスとの向きあい方についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
親の介護をしている際のストレスの原因は主に以下の4つあります。
- 介護による身体的負担
- 介護による精神的負担
- 親族からの告げ口などの人間関係の負担
- 経済的な負担
これらの原因からくるストレスに対して一時的にストレスを解消する方法でメンタルや体調を整えるようにしましょう。親の介護を乗り切るには、親と子がお互いにほどよい距離をとることも大切です。
いくら仲の良い親子であっても、家族だけですべて対応しようとすると、ストレスが重なり、共倒れにもなりかねません。そうならないためにも、専門家のアドバイスや支援をうまく取り入れることが欠かせません。また「介護はプロに任せる」と振り切って施設への入所を検討するのも一つの選択肢でしょう。
そのほか親の介護について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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親の介護でストレスがたまる原因としては主に4つ考えられます。①介護による身体的負担 ②介護による精神的負担 ③親族からの告げ口などの人間関係の負担 ④経済的な負担 詳しくはこちらをご覧ください。
親の介護のストレスを解消する方法を4つ紹介します。①同じ境遇の人に共感してもらう ②主治医に相談する ③ショートステイを利用する ④介護施設・老人ホームに入居してもらう 詳しくはこちらをご覧ください。