介護保険外サービスとは?種類・事例から費用、利用の流れまで解説

介護保険外サービスとは?種類・事例から費用、利用の流れまで解説

介護保険外サービスとは、訪問介護や訪問看護などの介護保険サービスでは適用できない部分を補うサービスです。家事代行サービスから旅行や外出支援サービスなど趣味の範疇に及ぶサービスまで存在します。

介護保険サービスが課税所得に応じて自己負担額が1から~3割となるのに対して、介護保険外サービスは介護保険適用対象外となるため全額自己負担となるものが一般的ですが、自治体が独自に運営している場合には介護保険サービスと同じく1から~3割の自己負担額の場合もあります。

介護保険サービスは原則要介護認定を受けた高齢者(65歳以上)しか受けられませんが、介護保険外サービスは比較的元気な高齢者まで様々な人が受けることができます。

本記事では、介護保険外サービスの概要から運営者について、また事例を通じて介護保険外サービスの種類まで介護保険外サービスの全体像を解説します。これから介護保険外サービスの利用を考えている方は利用前に確認しておきましょう。

東北大学ナレッジキャスト株式会社,村田アソシエイツ株式会社,東北大学スマート・エイジング・カレッジ 特任教授
専門分野:シニアビジネス、高齢社会国際比較論
職業: 実業家,社会学者

99年にアクティブシニア、スマートシニア市場の到来を予言したわが国シニアビジネス分野のパイオニア。シニアの特性や行動を踏まえた独自の視点と分析を基に、中高年女性フィットネス「カーブス」、NTTドコモ「らくらくホン」、日本発の非薬物認知症療法である「学習療法」の米国輸出など日本を代表するシニアビジネスの成長や商品の開発に大きく貢献。多くの民間企業の新事業開発・経営に参画し、常に時代の一歩先を読んだ事業に取り組む。高齢社会研究の第一人者として国内外の高齢者住宅事情に詳しく、老人ホーム選び、相続トラブル、認知症による生活トラブルなどの予防法と対処法をテーマ横断的にわかりやすく整理した「親が70 歳を過ぎたら読む本」(ダイヤモンド社)は6刷を超えるロングセラーとなっている。詳しくはこちら

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介護保険外サービスとは

まず介護保険サービスとは、介護が必要になった高齢者が公的介護保険制度を利用して受けられるサービスです。65歳以上の高齢者や40~64歳の特定疾患病患者のうち、要支援もしくは要介護認定を受けた人が一部負担で使えるサービスとなります。

65歳以上になれば誰もがすぐに介護保険サービスを利用できるわけではなく、決められた手続きに従って要介護認定を受ける必要があります。したがって介護保険サービスを利用する際は、まず居住している市区町村の窓口で相談し、必要な申請を行いましょう。

介護保険外サービスの概要

介護保険外サービスは、現行の介護保険サービスではカバーできない内容のサービスを原則自己負担で受けるサービスです。

例えば、同居家族がいる場合は介護保険サービスの訪問介護における「生活援助」(家事代行など)は受けられませんが、同居家族が旅行や外出などで対応できない場合に利用することが考えられます。

ただし、自治体が介護サービス以外のサービスを提供する場合があり、これも介護保険外サービスと呼ぶことがあります。この場合、自治体によっては全額自己負担ではない場合もあります。

1~3割負担の介護保険サービスと介護保険外サービスの具体的な例を一部紹介します。

介護保険サービス 介護保険外サービス
  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 家具の移動から病院の月層を行う家事代行サービス
  • 布団のクリーニングから配達まで行う寝具衛星加工サービス
  • エアコンサービスやハウスクリーニングを行う家事代行
  • 安否確認を実施する見守りサービス
  • 訪問でヘアカットなどを行う訪問理髪師

介護保険外サービスのメリット

介護保険外サービスの最大のメリットは、介護保険サービスでは行き届かない細かなサービスまで提供できる点です。介護保険サービスではできない痒いところまで手が届く、柔軟な対応ができる点は、介護保険外サービスの大きなメリットといえるでしょう。

介護保険外サービスのデメリット

介護保険外サービスのデメリットは、原則全額自己負担(10割負担)である点です。このため、自己負担が難しい場合、ニーズがあっても利用できないことになります。

また、介護保険サービスの1から3割負担に慣れた利用者は、介護保険外サービスの全額自己負担が高額に思われ、利用しにくい傾向があります。このため、市場が広がらず、新規参入しても、長期間事業が継続できずに撤退していく事業者も少なくありません。

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介護保険外サービスの運営者による違い

介護保険外サービスには市区町村が運営している非営利目的のものから、民間企業が実施している営利目的のものまで様々な種類があります。

運営主体の違いによって自己負担額に違いがある他、利用者も要介護者を対象としている認知症改善のサービスや見守りサービスなどから、比較的元気な高齢者を対象とした旅行サービスなどの娯楽サービスまで様々あります。

市区町村独自の高齢者在宅サービス

全国の市区町村が独自に介護保険外サービスを提供している例もあります。対象サービスは市区町村によって異なりますが、配食、おむつの支給、訪問理美容などが比較的多いようです。

また、「保険者である市区町村が条例によって支給限度基準額を上回る額を支給限度額として設定すること(上乗せサービス)や、給食サービス、移送サービス、理髪サービス等保険給付対象外サービスを市区町村独自の介護保険給付として実施することもでき、この場合は一般的には保険外となるサービスが一部保険給付として実施されることもある」とされており、例えば和光市では市の横出しサービスとして紙おむつや配食、送迎サービスが実施されています。(引用元;和田幸子「介護保険外サービス~シニア向けサービスの動向~」)

提供している介護保険外サービス例

  • 紙おむつの配送サービス
  • 訪問理髪サービス
  • 配色サービス
  • 移送・送迎サービス

なお、市区町村によって提供しているサービスや費用は様々ですので、お住いの役所又は地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

市区町村が中心の「介護予防・日常生活支援総合事業」

介護予防・日常生活支援総合事業とは、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを実現するための事業です。高齢者の在宅生活を支えるためのボランティア、NPO、民間企業、社会福祉法人、協同組合等の多様な事業主体による生活支援・介護予防サービスを介護保険外サービスとして提供します。(参考:厚生労働省老健局振興課「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」)

利用対象者は要支援者と心身の状態を客観的に把握するために用意されたチェックリストを受けて該当となった人です。地域包括支援センターが窓口となっており、利用可能なサービスや時間などに制限があるので適切なケアマネジメントが必要です。

提供している介護保険外サービス例

  • 配食+安否確認や食事の準備や掃除などの家事支援など
  • ボランティアによる体操教室などのスポーツコミュニティ

また、市区町村が中心となって運営しているので、それぞれの市区町村にどのようなサービスを実施しているか確認しましょう。

介護サービス事業者による介護保険外サービス

普段は要介護認定をされた高齢者に対して介護保険サービスを提供している介護事業者による介護保険外サービスです。対象者は要介護認定を受けていない比較的元気な高齢者まで含まれています。

介護保険サービスが~1~3割の自己負担であるのに対して、介護保険外サービスは原則全額自己負担がほとんどです。

利用の際はケアマネージャーに相談して利用するのが一般的です。要介護認定を受けておらず、ケアマネージャーがまだ決まっていない場合は地域包括支援センターや市町村の相談窓口に問い合わせてみましょう。

提供されている介護保険外サービス例

  • 訪問介護などではカバーできないハウスクリーニングや手間のかかる料理など
  • 認知症の見守りや冠婚葬祭・趣味での外出見守り

介護事業者によって種類は様々あり、費用も事業者によって異なるので利用の前に確認するようにしましょう。

社会福祉協議会の高齢者支援サービス、シルバー人材センターの家事・福祉支援サービス

社会福祉協議会は、「民間の社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織」とされており、各都道府県・市区町村で地域に暮らす住民の他、民生委員・児童委員・社会福祉施設・社会福祉法人等の協力で高齢者支援サービスとして介護保険サービスを提供していることがあります。(※引用元 社会福祉法人全国社会福祉協議会「全国社会福祉協議会とは」)

シルバー人材センターは、「高年齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織」となっており、入会することで児童の登下校整備や公園の清掃業務などの業務を受け持つことができます。(引用元:公益財団法人全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センターとは」)

どちらの組織でも、有償ボランティアによる保険外サービス事業がありますので、各市区町村のホームページで確認してみましょう。

提供されている介護保険外サービス例

  • 調理、選択、掃除、買い物などの家事支援サービス、外出の付き添い、通院解除などの介護援助サービス(社会福祉協議会)
  • 掃除、ガラス吹き、食事の支度など(シルバー人材センター)

民間企業の介護保険外サービス

民間企業が運営する介護保険外サービスは、公的な介護保険外サービスより費用が高くなる分、サービス内容のバリエーションが多くなります。

また、対象者の制限もないので費用負担が可能なら基本的には誰でも利用できます。市区町村では民間企業の介護保険外サービスについてまとめているところもあるので、ホームページや窓口で確認してみましょう。

提供されている介護保険外サービス例

  • 大手コンビニチェーンなどによる弁当などの配食サービス
  • フィットネスクラブなどによるスポーツプログラムサービス
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介護保険外サービスの種類・事例を紹介

介護保険外サービスの種類としては以下の13種類あります。

  • 家事・生活支援サービス
  • 食事サービス
  • 買い物代行サービス
  • リハビリサービス
  • 運動・介護予防サービス
  • 働き手・就労機会の提供サービス
  • 旅行・外出支援サービス
  • 美容・理容・整容サービス
  • 認知症ケアサービス
  • 見守りサービス
  • 趣味・楽しみサービス
  • 住まい・地域コミュニティサービス
  • 看取り・終末期のサービス

それぞれの内容について簡単に説明していきます。

介護保険外サービスの種類

(出典:厚生労働省、農林水産省、経済産業省「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集」)

家事・生活支援サービス

家事・生活支援サービスでは、介護保険サービスにおける訪問介護など必要最低限の家事には収まらない家事に対応してくれるサービスです。具体的には、手間のかかる料理や年末の大掃除、庭の手入れなどの家事サービスを提供してくれます。

サービス名 内容 費用
カフェオーリ
  • 団地の高齢化に対応して介護サービスや生活支援サービスを提供対話型での拠点作りを実践
  • 全てにおいて地域住民の意見を反映、デイサービスやカフェ等
家事(60分~):定期プラン60分1500円、不定期60分2000円

食事(宅食・配食)サービス

配食サービスは、高齢者の健康状態や栄養状態に配慮した食事を提供してくれるサービスで、塩分や糖分などの高齢者向けの食事を配達してくれるサービスです。

サービス名 内容 費用
宅配「トドック」 健康管理食の取り扱いも、見守り活動へ発展し、サービスから」トドック「移動販売車や宅配 普通食:1食あたり562円、低カロリー食:1食あたり475円

買い物代行サービス

買い物代行サービスは、日用品だけではなく趣味や娯楽のための買い物などを代行して頼むことができるサービスです。

サービス名 内容 費用
テレビめーむ 専用端末を使って、自宅のテレビ画面からインターネット経由で宅配商品の注文ができ、見守りや家族間のコミュニケーションも図ることができる 月々1680円

リハビリサービス

リハビリサービスは老健や回復期リハ病棟などの専門的なリハビリ機関が終了した後も介護保険外サービスとしてリハビリを受けることができるサービスです。

サービス名 内容 費用
ケアリハプロジェクト 介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームの入居者の方などに対して、自費でのサービスを提供 個別ケアリハ:1400円、グループケアリハ:1回5~10人程度、1人当たり2000円

運動・介護予防サービス

運動・介護要望サービスはヨガや専門的な運動プロがグラムを受けることができる介護保険外サービスで、介護予防につながるサービスです。

サービス名 内容 費用
健幸TV ネット配信で、専門家がいない・少ない地域でも医療・介護情報、いすヨガなどの運動プログラムを受けることができる 月額15000円

働き手・就労機会の提供サービス

働き手・就労機会の提供サービスとしては、希望すればボランティアで働けたり、給与をもらいながら働くことができる介護保険外サービスです。

サービス名 内容 費用
はちどりワーカー 生活の付き添い、旅行や趣味の付き添いなどを比較的年代の近いワーカーに依頼できる。また、アクティブシニアを働き手として活用している。 1時間1830~2200円

旅行・外出支援サービス

旅行・外出支援サービスでは、要介護でも障害があっても、旅行や外出の支援をしてくれるサービスです。

サービス名 内容 費用
ユニバーサルデザイン旅行 介護が必要な方や障害がある方でも参加できるユニバーサルデザインツアー。オーダーメイドでの旅行にも対応してくれる 旅行先によって変動

美容・理容・整容サービス

美容・理容・整容サービスとは、要介護・要支援でも自立の状態と同様の理美容サービスを受けることができ、要介護になってもおしゃれを楽しめるサービスです。

サービス名 内容 費用
訪問理美容サービス 通常理容室・美容院で行う施術を訪問にて提供している。ヘア・カットやパーマ、ヘアカラーの他、エステなども提供することがある。 メニューによっても異なる。

認知症ケアサービス

認知症ケアサービスとは、認知症予防を目的とした認知機能改善プログラムなどを提供するサービスです。読み書き計算やコミュニケーションにより、認知機能を改善するサービスです。

サービス名 内容 費用
くもんの認知症予防・改善プログラム 「読み書き計算・コミュニケーション」を行うことで脳の活性化を促し、表情・意欲・見辺自立・QOLを向上させ、認知症予防と改善に寄与 月額2000円

見守りサービス

見守りサービスとは、サービス提供者が高齢者宅を訪問し、生活状況を確認するサービスです。サービス対象者の「話したい」というニーズにも応えています。

サービス名 内容 費用
郵便局の見守りサービス 高齢者の対応が可能な郵便局社員が訪問。サービス対象者の「話したい」というニーズに密なコミュニケーションで対応が可能 30分訪問コース:1980円/月1回、60分訪問コース:2480円/月1回

趣味・楽しみサービス

趣味・楽しみサービスはコミュニティカフェやイベントフロアなどを展開しているサービスで、QOLを高めるための介護保険サービスとなっています。

サービス名 内容 費用
東急不動産による「ホームクレール」 多くの開発実績を持つシニアレジデンスの入居者向けサービスを切り出し、地域に開かれた独立型サービス拠点として展開 980円のお気軽プランから

住まい・地域コミュニティサービス

住まい・地域コミュニティサービスは、温泉や食堂、雑貨店等があり高齢者だけではなく、地域の日とも集う地域コミュニティを整備しているサービスです。

サービス名 内容 費用
シェア金沢 温泉、食堂、雑貨店等があり、高齢者だけではなく地域の日とも集うコミュニティを整備しており、希望すればボランティアなどで働くことも可能です。 サ高住として入居するため、サ高住費用

看取り・終末期のサービス

看取り・終末期のサービスは、病院ではなく自宅で最期を迎えたいという方に対して24時間で訪問看護サービスを提供している介護保険外サービスです。

サービス名 内容 費用
オーダーメイド型訪問看護 一時帰宅や在宅での見取りなどを保険外の訪問看護の専属の看護師がサポートしてくれるサービス 1時間のみの利用で9800円、2~3時間で7500円

介護保険外サービスの費用

介護保険外サービスを利用した際にかかる費用は、公的介護保険の適用ができず全額自己負担となります。具体的な料金設定は提供事業者やサービス内容ごとに異なることから、利用する際は事前に費用体系を確認しましょう。

特に民間業者が提供する介護保険外サービスは、介護保険サービスに比較して品質が高い反面、費用が高くなる傾向があります。利用する人の予算に応じて活用するとよいでしょう。

介護保険外サービスの利用の流れ

介護保険外サービスを利用したい場合は、まずは事業所を探し出してどのようなサービスを受けたいのか相談する必要があります。

事業所については、担当のケアマネージャーや主治医に相談して情報を入手することをおすすめします。パソコンやスマホなどを利用できればインターネットを活用し、ネット上の口コミや評判などを参考にして自分が求める事業所を探してもよいでしょう。

いくつか候補の事業所が見つかったら連絡をし、具体的なサービス内容や費用のヒヤリングを受け、契約を交わします。問い合わせは複数の事業所に対して行い、サービス内容や費用を比較して最適な事業所を探しましょう。

混合介護とは

混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外サービスを混ぜて利用することです。

前述の通り、介護サービスには介護保険が適用される「介護保険サービス」と、適用されない「介護保険外サービス」の2種類があります。

混合介護の場合、例えば、介護保険サービスである通所リハビリを利用しながら、介護保険外サービスである送り迎えや付き添いサービスを受ける場合です。

また昼間に介護保険サービスであるデイサービスを利用し、夜間に介護保険外サービスの宿泊サービスを利用して宿泊するケースもあります。

ここでは、混合介護のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

混合介護のメリットは、上手に活用することで介護の受け手やその家族が質の高い介護サービスを受けられる点です。

介護保険サービスは利用条件が規定されており、提供できるサービスが限られています。

混合介護では、介護保険サービスと介護保険外サービスをうまく併用することで、より行き届いた介護サービスを受けられる可能性があります。

親の介護によるストレスとの向き合い方や解消法について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

デメリット

混合介護のデメリットは、現行のルールでは介護保険サービスと介護保険外サービスとを「同時かつ一体的」に利用できない点です。

例えば、利用者Aさんが介護保険サービスでヘルパーBさんに食事を作ってもらっている場合に起こり得ます。

利用者Aさんが、一緒に家族分の食事も作ってほしいと思った場合、介護保険外サービスを利用すれば、家族分の食事作りも依頼できます。ところが、利用者Aさんは自分の食事を作ってもらうための介護保険サービスを利用中のため、ヘルパーBさんに家族の食事作りを依頼できません。

この場合の対策は「続けて利用する」です。介護保険サービスと介護保険外サービスは、「明確に分けるという条件の下」で連続して利用が可能です。

ただし、この場合にはヘルパーBさんは利用者Aさんの食事作りが終わったら、一旦事業者に戻る必要があります。そして事業所で介護保険を利用してAさんにサービス提供した記録を作り、その後、再度Aさん宅を訪問し、Aさんの家族の食事作りに取りかかる必要があります。

現状では国民の税金と介護保険料を財源とする公的介護保険制度の公平性を維持するために、混合介護は使いにくくなっているのが最大のデメリットです。今後の改善が望まれます。

介護保険外サービスを利用して介護負担を軽減しよう

今回は、介護保険外サービスの中身や利用方法、費用などについて解説してきました。

介護保険サービスでは対応できない部分をカバーしてくれる介護保険外サービスは、今後さらに社会の高齢化が進む中で必要とされるでしょう。

介護保険外サービスを提供する業者がさらに増え、利用者が増えれば、サービスの品質が上がり、価格もリーズナブルになれば介護する人の肉体的・精神的負担を減らすことが可能となります。

既存の介護保険サービスと今回の介護保険外サービスの中身をしっかりと把握して、今後の家族介護に役立ててみてはいかがでしょうか。

介護保険外サービスとは?

まず介護保険内サービスとは、介護が必要になった高齢者を国民全体で支える介護保険制度を利用して受けられるサービスです。65歳以上の高齢者や40〜64歳の特定疾患病患者のうち、要支援もしくは要介護認定を受けた人が一部負担で使えるサービスとなります。詳しくはこちらをご覧ください。

介護保険外サービスは誰が運営しているの?

介護保険外サービスには市区町村が運営している非営利目的の介護保険外サービスから、民間企業が実施している営利目的の介護保険外サービスまで様々な種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。

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