グループホームのユニットとは? メリットや向いている人を解説!

グループホームのユニットとは? メリットや向いている人を解説!

「グループホームを探していたらユニットケアというものがあるけど、具体的にどんなケアが受けられるのだろう?」

グループホームは認知症の高齢者を対象に、施設内で家事を分担しながら自立した共同生活を送るという特徴がある施設ですが、その際に「ユニット」や「ユニットケア」という言葉で説明することが多いようです。

本記事では、グループホームにおけるユニットならびにユニットケアの意味、さらにユニットケアのメリットとデメリットなどを解説します。

これからグループホームを探そうと検討している方は、是非参考にしてください。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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グループホームのユニットとは?

グループホームにおけるユニットとは、複数の居室(個室)と居間、台所などで構成される生活空間のことを指します。

1つのユニットは5~9人で構成され、多くのグループホームが2つのユニットを設け、定員が18人程度の小規模で運営しています(厚生労働省によると、ユニット数は1つの施設に対して最大3つと定められています)。

少人数で生活することにより他の利用者やスタッフと顔なじみになれるため、認知症を抱えた方でも安心して生活を送ることができることから、多くのグループホームがユニットを採用しています。

居間や台所などの共用スペース以外の居室は全室個室となっているため、入居者のプライベートも確保することができます。施設によっては夫婦で入所できる2人部屋を備えているところもあります。

では、一般的な老人ホームとグループホームのようなユニットでは何が違うのか、次章にて解説します。

参照:厚生労働省 [認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)]

一般的な老人ホーム(従来型)とユニットの違い

一般的な老人ホーム(従来型)とグループホームのユニットとの大きな違いは、施設の作りが違うことです。施設の構造の違いを、以下の図で表しました。

一般的な老人ホーム(従来型)とユニットの違い

一般的な老人ホームは、多床室または個室が並び、食堂やトイレを共同で利用することが多いです。多床室の場合は居室内にキッチンやトイレがないことが多く、入所者が集団行動で生活するのが一般的です。

一方でグループホームのユニットでは、利用者ひとり一人に個室があり、居室内にトイレや洗面台が付いていることが多いです。ユニットごとにリビングやキッチンなどの共用スペースがあり、同じスタッフや利用者とともに生活を送ります。

なお、最近は従来型のような多床室タイプは少なくなり、他の老人ホームでも個室やユニット型を増やしています。ユニット型の老人ホームをお探しの方は、グループホームのみに絞らず、様々な施設を検討してみるのも良いでしょう。

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グループホームのユニットケアとは?

グループホームにおけるユニットケアとは、一般社団法人 日本ユニットケア推進センターによると下記のように定義しています。

自宅に近い環境の介護施設において、他の入居者や介護スタッフと共同生活をしながら、入居者一人ひとりの個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようにサポートする介護手法

引用:一般社団法人 日本ユニットケア推進センター [ユニットケアについて]

グループホームは、認知症や障害を抱えている方でも「自分らしい生活」を送ることを大切にしています

認知症を患っている人にとって、前章で述べたような従来型の老人ホームだと、集団生活に不安を覚えてしまう方も多いです。

そのため、グループホームではアットホームな環境で、ひとり一人に合った個別ケアを提供することを基本としています。

またグループホームでは洗濯や料理などの家事を、介護スタッフのサポートを受けながら利用者自身で行います。自身の力を活かして生活できる誇りと、自分らしい自立した生活は、認知症の症状を緩和する可能性があります。

グループホームのユニットケアのメリット

グループホームがユニットケアを行っているメリットとして、下記の3つが挙げられます。

  • 利用者同士でコミュニケーションが取りやすい
  • 利用者に寄り添った個別のケアを受けられる
  • 居室は個室であるため自分の時間を確保できる

ユニットケアを採用しているグループホームでは「自分らしい生活」を送ることができます。これらのメリットについて、順に詳しく解説していきます。

利用者同士でコミュニケーションが取りやすい

ユニットで共同生活を送るグループホームでは、少人数体制をとっているため他の利用者とコミュニケーションが取りやすいです。

従来型のような大きい老人ホームの場合、利用者の人数が多い上に入れ替わりも頻繁にあるため、認知症を抱えている高齢者にとってストレスになってしまうことがあります。

グループホームのユニットは定員も最大9人までとなっており、利用者やスタッフの入れ替わりも少ないため、新しい人を覚えるなどに苦労することなく、慣れ親しんだ人たちと落ち着いた生活を送ることができます。

利用者に寄り添った個別のケアを受けられる

グループホームの介護スタッフはユニットの利用者のみを担当するため、利用者ひとり一人に合った個別ケアを提供することができます。

規模の大きい老人ホームでも利用者の身体状態や介護度に合わせたケアは受けられますが、認知症の高齢者にとって、スタッフが頻繁に変わることに不安を感じることがあります。

その点、グループホームではいつも同じスタッフが接してくれるため、利用者にとっても安心してケアを任せられます。スタッフと利用者の距離が非常に近いことも、ユニットケアのメリットと言えます。

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居室は個室であるため自分の時間を確保できる

グループホームではユニットで共同生活を送る特徴がありますが、居室は個室であるため自分の時間を確保することもできます

多床室など、同じ部屋で他の利用者と生活することが苦手な方もおります。また共用スペースにも他の利用者がいるため、なかなかひとりの時間を作ることが難しいです。

グループホームのユニットでは居室は個室になっているため、他の利用者に合わせて生活することなく、自分のペースで過ごすことができます。自分らしい生活を送るという点で、グループホームの目的に沿っていると言えるでしょう。

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グループホームのユニットケアのデメリット

グループホームのユニットケアのデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 定員が少ないため即入所できないことがある
  • 利用者同士でトラブルが起こると、気まずい思いをする
  • 個室でいることに孤独を感じる人もいる

共同生活を送るユニットだからこそのデメリットもいくつかあります。こちらも順に解説していきます。

定員が少ないため即入所できないことがある

グループホームのユニットは定員を少人数としているため、施設によっては即入所ができないことがあります。

認知症の方でも安心して過ごせる少人数制を設けている反面、利用者の入れ替わりが少なく、数か月から長いと1年ほど待機期間を必要とするケースもあります。

認知症の人数は増加傾向にあるため、グループホームの需要は高まっているものの、現状は即入所できない可能性があることを考慮しておきましょう。

利用者同士でトラブルが起こると、気まずい思いをする

ユニットで共同生活を送るグループホームで、もし人間関係でトラブルが起こってしまった場合、気まずい思いで生活を送ることになります。

暴力や暴言などは認知症の行動心理症状でもあるため、施設側で可能な限り対応してもらえますが、そのようなトラブルが起きた後は、お互い顔を合わせるのも気まずいと感じてしまうこともあります。

もっとも、入所後にトラブルがなければ問題ないことではありますが、場合によっては別のユニットに転居するケースもあります。その際も新しい環境や利用者との触れ合いに戸惑ってしまうことも考えられます。

個室でいることに孤独を感じる人もいる

ユニットで生活する以外の時間を、個室で生活することに孤独感を感じてしまう人もいます。

個室はプライベートが確保できて安心できると思う人もいれば、多床室のように、同じ個室に他の利用者がいる方が、本人にとっては安心して過ごせると思うケースも少なくありません。

入所後も安心して過ごせる施設を選ぶことが一番であるため、施設を検討する際には、ご本人の希望を予め確認しておくと良いでしょう。

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ユニット型のグループホームに向いている人

ユニットで共同生活を送るグループホームに向いている人は、下記のような人が挙げられます。

  • 認知症・介護度が重い人
  • 介護度が軽い人
  • 利用者同士で濃い人間関係を望む人
  • 住み慣れた地域で生活したい人

グループホームは認知症介護の経験に長けたスタッフが寄り添ってくれるため、認知症や介護度が重い方でも安心して過ごすことができます。

また介護度が軽い人も、家事などを積極的に担当することで役割をもって生活をすることができます。

自分らしい生活を送るためにも、ほかの利用者と積極的にコミュニケーションを取りたい方や、ひとりの時間もきちんと確保したい方に向いていると言えます。

なお、ユニットでの生活に不安を感じるようでしたら、一度ショートステイや体験入居をおすすめします

ただし、グループホームのショートステイは施設に空き室がある場合のみ対応可能なことが多いため、空き室などの情報は頻繁にチェックしておくと良いでしょう。

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まとめ

本記事では、グループホームにおけるユニットならびにユニットケアのメリット・デメリットなどを解説しました。

ユニットとは、居室と共用スペースで構成される生活空間のことを指し、利用者同士で共同生活を送ることにより、自分らしい生活を営むことができます。

利用者も少人数であり、スタッフもいつも同じ方に対応してもらえるため、認知症のある方でも穏やかに生活することができます。反面、スタッフや利用者同士の距離が近いことが煩わしく感じてしまう方もいます。

グループホームを検討している方は、ユニットケアの特徴を把握したうえで、ご本人に合った施設を検討しましょう。

グループホームにおけるユニットとは何ですか?

ユニットとは、複数の居室(個室)と居間、台所などで構成される生活空間のことを指します。1つのユニットは最大9名であり、多くのグループホームが2つのユニットを設けています。詳しくはこちらをご覧ください。

グループホームのユニットは他の老人ホームと何が違うのですか?

大きな違いは施設の構造です。ユニットでは利用者一人ひとりに個室があり、共同生活を送るためのリビングやキッチンなどの共用スペースを設けています。詳しくはこちらをご覧ください。

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