親の一人暮らしが心配になり、住宅型有料老人ホームとサ高住のどちらにするかで迷う方は少なくありません。
どちらも自立から軽度の要介護の方が対象で、介護は外部の事業所と契約して受ける点も共通しています。
本記事では、入居条件・契約形態・費用・サービス内容・施設設備・生活様式の6つの観点で違いを比べます。
あわせて、メリット・デメリットと、向いている人の条件を整理するとともに、診断ツールを用いて、向いている施設の提示やそれぞれの施設のします。
住宅型有料老人ホームとサ高住の違い
暮らしに効く違いは、食事と生活支援が標準で付くか、居室に台所と浴室が付くかの2点です。
制度上の位置づけや契約の形も分かれますが、介護を外部の事業所と契約する仕組みは共通しています。
住宅型有料老人ホームの特徴
住宅型有料老人ホームは、有料老人ホームのうち生活支援サービスが付いた「住宅型」にあたる施設です。
有料老人ホームは介護付・住宅型・健康型の3類型に分かれ、住宅型では施設の職員が介護を行いません。
サ高住と比較すると、暮らしのうえでの違いは次のとおりです。
・食事と家事:3食の提供から掃除・洗濯まで施設の職員が担当し、自分で用意する場面がほぼない
・居室:18平方メートル前後でトイレと洗面のみ。浴室・食堂・機能訓練室は共用を使う
・1日の過ごし方:食事の時間が決まっていて、行事やレクリエーションで他の入居者と顔を合わせる
・費用の形:月額に食事と生活支援が含まれるため、あとから積み上がりにくい
・入居後の変化:介護が必要になったら訪問介護を追加して住み続ける
言いかえれば、身の回りのことを丸ごと預けて、共用スペースで過ごす暮らしになります。
一人暮らしで食事づくりが負担になっていた方は、入居した日から手間がなくなります。
一方で、居室にこもって自分のペースで過ごしたい方には窮屈に感じられます。
自室で調理したい、好きな時間に入浴したいという希望は、共用中心の造りでは満たしにくくなります。


サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の特徴
サ高住は、高齢者向けにつくられたバリアフリーの賃貸住宅です。
入居できるのは60歳以上の方、または要介護・要支援認定を受けている方で、配偶者などは同居できます。
住宅型と比較すると、こちらも暮らしの違いがはっきりします。
・居室:原則25平方メートル以上で、台所・浴室・水洗便所・洗面・収納が室内にそろう
・食事と家事:標準で付くのは安否確認と生活相談だけ。食事や掃除は使う分を追加で契約する
・1日の過ごし方:食事の時間や行事の決まりがなく、外出・外泊・来客も自宅と同じ感覚で続けられる
・費用の形:家賃と管理費に、使ったサービスの分が積み上がる
・入居後の変化:介護が必要になったら訪問介護を追加して住み続ける
言いかえれば、今の住まいをバリアフリーに替えて、見守りだけ付けた暮らしになります。
自室に台所と浴室があるので、料理や入浴のタイミングを自分で決められます。
一方で、身の回りのことを任せたい方には物足りません。
食事も掃除も自動では付いてこないため、必要なサービスを自分で選んで組み立てる手間が残ります。


ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
[簡単診断]住宅型有料老人ホームとサ高住、向いているのはどっち?
住宅型有料老人ホームとサ高住は条件が近く、比較表を見ただけでは決めきれない場合があります。
下の設問に答えると、6つの観点のうちどれを優先すべきかにもとづいて、向いている施設種別が表示されます。

住宅型有料老人ホームとサ高住、どっちがおすすめ?
家事を任せたいなら住宅型有料老人ホーム、自分のペースを守りたいならサ高住が候補になります。
月額費用はどちらも同じ水準なので、費用だけでは決め手になりません。
住宅型有料老人ホームがおすすめな人
住宅型有料老人ホームは、身の回りの世話を施設に任せたい方に向いています。
食事の提供や掃除、洗濯を施設の職員が担当するため、家事の負担がほぼなくなります。
・食事づくりや掃除を自分で続けるのが難しくなってきた
・他の入居者と話す機会やレクリエーションを求めている
・月額費用の中央値14万7,000円を目安に予算を組みたい
・候補となる施設の数が多いエリアで、立地や価格から比較したい
・入居後に要介護度が上がっても、外部の訪問介護を増やして対応したい
一人暮らしで食事を抜きがちだった方や、部屋の掃除が追いつかなくなっていた方に合います。
サ高住のように使うサービスを自分で選ぶ手間がなく、入居した日から生活が整います。

サービス付き高齢者向け住宅がおすすめな人
サ高住は、自宅での暮らし方をできるだけ変えたくない方に向いています。
居室に台所と浴室があるため、料理や入浴の時間を自分で決められます。
・身の回りのことは自分でできるが、一人暮らしの安否確認だけ備えたい
・外出や旅行、家族の来訪を今までどおり続けたい
・入居金の中央値12万円を目安に、初期費用を抑えて住み替えたい
・使う介護サービスを自分で選び、必要な分だけ契約したい
・25平方メートル以上の居室で、台所や浴室のある住まいを希望する
集団での行事より、一人の時間を大事にしたい方に合います。
住宅型と違って食事や生活支援は自動で付かないので、必要になった時点で足していく形になります。


住宅型有料老人ホームとサ高住のメリット・デメリット
2つの施設のメリットとデメリットは、次の4点に整理できます。
- 住宅型有料老人ホームのメリット:食事と生活支援が標準、行事の充実、施設数の多さ
- 住宅型有料老人ホームのデメリット:施設内で介護を受けられない、自由度の低さ、住み替えの可能性
- サ高住のメリット:住宅型より高い自由度、サービスの選択制、台所と浴室のある居室
- サ高住のデメリット:総額の読みにくさ、住宅ごとの差、交流の少なさ、住み替えの可能性
住宅型有料老人ホームのメリット
サ高住と比較したときの強みは、生活支援と人との関わりが最初からそろっている点です。
3つのメリットを順に見ていきます。
食事・掃除・洗濯まで標準で任せられる
住宅型では、3食の提供と居室の掃除、洗濯を施設の職員が担当します。
サ高住では同じ内容を任意サービスとして選ぶ必要があるため、手間と契約の数が変わります。
月額費用の中央値14万7,000円に食事と生活支援が含まれるので、あとから積み上がりにくくなります。
一人暮らしで食事を抜きがちだった方は、入居した日から3食が確保されます。
レクリエーションや娯楽、イベントが充実している
住宅型では、施設の職員が季節の行事や体操、趣味の会を企画します。
サ高住は行事の有無が住宅ごとに分かれるため、交流の量に差が出ます。
食堂で顔を合わせる機会も多く、一人暮らしのときに減っていた会話が戻ります。

数が多い分、予算や立地、条件に合わせて選択肢が豊富にある
住宅型有料老人ホームは民間の事業者が設置でき、社会福祉法人などに限られません。
そのため候補となる施設の数が多く、エリアや価格帯から絞り込めます。
入居一時金は中央値24万円ですが、平均は339万1,371円と幅があります。
初期費用をかけて月額を下げる施設と、初期費用をほぼ取らない施設のどちらも選べます。
住宅型有料老人ホームのデメリット
サ高住と比較したときの弱みは、暮らしの自由度が下がる点です。
3つのデメリットを順に見ていきます。
施設内で介護サービスを受けることができない
住宅型の職員が担当するのは、食事の提供と生活支援までです。
入浴や排せつの介助は、外部の訪問介護事業所と契約して受ける形になります。
介護付き有料老人ホームのように、施設の職員が24時間体制で介護を行う仕組みではありません。
夜間に介助が必要な回数が増えると、対応しきれない場面が出てきます。

集団生活が多く、サ高住より自由度が低い
食事は決まった時間に食堂でとる施設が多く、行事も共用スペースで開かれます。
居室にトイレと洗面しかないため、入浴の時間も施設の予定に合わせることになります。
サ高住のように自室で調理したり、好きな時間に湯船へ入ったりという過ごし方はできません。
※見学の際は、食事の時間帯と入浴の曜日・回数を確認しておくと判断しやすくなります。
要介護度が上がると退去しなければならない場合もある
要介護度が上がると訪問介護の利用回数が増え、介護保険の区分支給限度基準額を超えることがあります。
超えた分は全額自己負担となるため、月額費用が想定を上回ります。
医療的ケアの必要度が高まった場合は、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームへの住み替えを検討します。


サービス付き高齢者向け住宅のメリット
住宅型と比較したときの強みは、自宅の暮らしをそのまま持ち込める点です。
3つのメリットを順に見ていきます。
台所と浴室が居室にあり、自宅に近い生活ができる
サ高住の居室は原則25平方メートル以上で、台所・浴室・水洗便所・洗面・収納がそろいます。
住宅型のように浴室や食堂を共用で使う必要がなく、生活の時間を自分で決められます。
自分で味付けした食事をつくる、夜に湯船へ入るといった習慣も続けられます。
外出・外泊・来客の制限が住宅型より緩やか
サ高住は賃貸住宅なので、外出や外泊、家族の来訪の扱いが一般の住まいに近くなります。
住宅型では届け出や時間帯の決まりを設ける施設があり、ここに差が出ます。
一方で見守りは確保され、状況把握と生活相談が標準で付きます。
資格のある職員が少なくとも日中は常駐するため、一人暮らしの不安に備えられます。
使うサービスを必要な分だけ選べる
標準で付くのは安否確認と生活相談の2つで、食事や掃除は任意サービスです。
まだ自分でできることが多い段階では、住宅型より支払いを絞れます。
介護が必要になった場合も、訪問介護やデイサービスを外部の事業所と個別に契約します。

サービス付き高齢者向け住宅のデメリット
住宅型と比較したときの弱みは、費用とサービスが読みにくい点です。
4つのデメリットを順に見ていきます。
月額に含まれるサービスが少なく、総額が読みにくい
サ高住の月額に必ず含まれるのは、家賃と管理費、安否確認と生活相談です。
食事や掃除を頼むとその分が上乗せされるため、見積もりの金額から増えることがあります。
月額費用の中央値は住宅型14万7,000円、サ高住16万6,000円で、どちらも同じ水準です。
※施設検討時は、金額そのものより、何が月額に含まれているかを見比べてください。
食事や生活支援が任意で、住宅ごとの差が大きい
住宅型では食事と生活支援が標準ですが、サ高住は住宅ごとに内容が分かれます。
3食を提供する住宅もあれば、夕食のみ、または食事の提供がない住宅もあります。
※見学時は、食事の回数と生活支援の範囲、夜間の職員体制を必ず個別に確認してください。
同じ「サ高住」でも、住宅型に近い住宅と一般の賃貸に近い住宅の両方があります。
入居者どうしの交流が住宅型より少ない
サ高住には食事の時間や行事の決まりがなく、顔を合わせる機会が自然には生まれません。
住宅型で得られる会話の量を期待していると、入居後に物足りなさを感じます。
一人の時間を大事にしたい方には利点になりますが、話し相手を求める方には向きません。
要介護度が上がると退去しなければならない場合もある
標準で付くのは状況把握と生活相談で、介護そのものは含まれません。
夜間の介助や医療的ケアが増えると、外部サービスだけでは支えきれなくなります。
介護型と呼ばれる特定施設の指定を受けたサ高住であれば、住み続けられる場合があります。
※契約前に、退去を求める条件が契約書のどこに書かれているかを確認してください。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
住宅型有料老人ホームとサ高住の違い①:入居条件
サ高住は60歳以上または要介護・要支援認定という条件が決まっている一方、住宅型は受け入れる範囲を施設ごとに決めています。
医療的ケアの対応範囲は、どちらも施設ごとに分かれます。
年齢で迷う場面はほとんどありません。
違いが出るのは介護度で、住宅型は施設ごとに受け入れ範囲がまったく違います。
「自立の方だけ」の施設もあれば、要介護3以上を中心に受け入れる施設もあります。
サ高住は自立と要支援が中心で、要介護1〜2程度までなら入居できる住宅が多くなっています。
医療的ケアは、胃ろうや服薬管理までなら訪問看護と連携して対応できる施設があります。
一方でたん吸引や夜間の点滴など、夜通し医療職の手が要るケアはどちらも断られます。



住宅型有料老人ホームとサ高住の違い②:契約形態
住宅型は住まいとサービスをまとめて1つの契約にする一方、サ高住は住まいと介護等を別々に契約します。
この違いは、サービスだけをやめられるかどうかに表れます。
暮らしに効くのは、サービスの契約だけを外せるかどうかです。
サ高住は住み続けたまま食事や生活支援の契約をやめられます。
住宅型は住まいとサービスが一体なので、合わないと感じたら退去して住み替えることになります。
入居前に、退去の条件と返還されるお金の計算方法を、契約書と重要事項説明書で確かめてください。



住宅型有料老人ホームとサ高住の違い③:費用
入居一時金は住宅型のほうが高く、月額費用はどちらもおおむね同じ水準です。
月額で差がつくのは施設種別ではなく、月額に何が含まれるかです。
平均と中央値の差が大きいのは住宅型で、平均339万円に対して中央値は24万円です。
高額な入居一時金を設定する一部の施設が平均を押し上げるため、目安は中央値で見てください。
月額の中央値は住宅型14万7,000円、サ高住16万6,000円で、ほぼ同じ水準です。
掲載施設の内訳によって振れる範囲なので、施設種別の差としては読めません。
金額より、月額に何が含まれるかを見てください。
住宅型は食事と生活支援が入り、サ高住は使った任意サービスが上乗せされます。



ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
住宅型有料老人ホームとサ高住の違い④:サービス内容
住宅型は食事・生活支援・行事が標準で付く一方、サ高住は安否確認と生活相談の2つだけが標準です。
介護を外部の事業所と契約する点は、どちらも変わりません。
比べるべきなのは、施設種別の名称ではなく個別のサービス内容です。
3食付きのサ高住は、住宅型とほぼ同じ暮らしになります。
逆に、食事の提供がないサ高住は一般の賃貸住宅に近い暮らしです。
資料には「サ高住」としか書かれないため、食事の回数と掃除の頻度を必ず個別に確認してください。


住宅型有料老人ホームとサ高住の違い⑤:施設・設備
サ高住の居室は原則25平方メートル以上で台所と浴室が付く一方、住宅型の居室はトイレと洗面のみが中心です。
共用スペースの充実度は、住宅型のほうが高くなります。
同じ月額でも、お金のかかり方が居室に寄るか共用部に寄るかで分かれます。
サ高住は広い居室と水回り、住宅型は食堂や大浴場といった共用スペースに配分されます。
なお、サ高住も共用部分が広い場合は18平方メートル以上まで緩和されます。
国土交通省が示す25平方メートルは原則なので、実際の広さは物件ごとに確かめてください。


住宅型有料老人ホームとサ高住の違い⑥:生活様式
住宅型は食事の時間や行事といった日課に沿う一方、サ高住は自宅に近い過ごし方ができます。
人との関わりの多さと生活の自由度が、ちょうど逆の関係になります。
差が出るのは、1日の予定が施設側にあるか、自分の側にあるかです。
住宅型では食事と入浴の時間が先に決まり、その間に行事が入ります。
サ高住では予定を自分で組み立てるため、話し相手ができるかどうかは本人次第になります。
見学では起床から就寝までの流れを聞き取り、合う・合わないを判断してください。


まとめ:住宅型有料老人ホームとサ高住はどちらも生活を支援してくれる
住宅型は食事と生活支援が標準で付き、サ高住は台所と浴室のある居室で自分のペースを保てます。
介護を外部の事業所と契約する点は共通なので、家事をどこまで任せたいかが分かれ目です。
・家事:食事の回数と掃除・洗濯の範囲が月額に含まれるか、追加契約か
・居室:台所と浴室が室内に必要か、共用で足りるか
・費用:月額の中央値は住宅型14万7,000円、サ高住16万6,000円でほぼ同水準
・介護:夜間の職員体制と、要介護度が上がったときの退去条件
・契約:サービスの契約だけをやめられるか、前払金の返還はどう計算するか
施設種別の名前で絞り込むより、上の5項目を同じ形式で並べて比べるほうが判断は早くなります。
候補が2〜3件まで絞れたら、必ず見学して1日の流れを確認してください。
要介護度が上がったときの選択肢も、あわせて見ておくと住み替えの判断がしやすくなります。



ケアスル 介護では、入居相談員が希望する条件をうかがい、候補となる施設をご案内しています。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します