「両親が急な病気で介護が必要になってしまったが、仕事と両立できるだろうか」
「介護なんてまだまだ先だと思っていたのに、いったい誰に相談すればいいのだろうか」
一般的に親の介護が始まるのは40〜50代と言われていますが、急な病気や事故により若くして両親を介護しなければならなくなった方も少なくありません。
今回は20代で親の介護をしなければならなくなった際の、介護の悩みや解決策を紹介していきます。
ポイントはひとりで抱え込まずに適切なアドバイスやサービスを受けることです。是非ご参考にしてください。
20代で親の介護をする人はどれくらい?
2019年に株式会社リクシスが発表した『ビジネスパーソン2500人を対象とした仕事と介護の両立に関する分析レポート』によると、20代のうち「33人に1人」は介護認定者を日常的にサポートをしながら仕事をしていると回答しています。
介護が本格的に始まる40〜50代と比べて高い割合ではないですが、近年は高齢出産やひとり親家庭の増加により、若いうちに両親に介護が必要となる可能性は今後高まることが想定されています。
また20代で親の介護が必要になった場合、どれくらいの期間親を介護をし続けなければいけないのか、そもそも誰に頼ればいいのか、何もわからないまま始まることが多いです。
事項では20代で親の介護が始まった方の具体的な悩みを紹介します。
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20代で親の介護が始まった人の悩み
本章では20代で親の介護が始まった方の具体的な悩みを紹介します。
仕事との両立が大変
まず第一に、仕事をしながら介護をする必要があります。出社する場合は日中親を一人にしてしまうことになり、もしものことがあった時にすぐに駆け付けられないという問題があります。
仕事との両立が厳しく介護離職を選択する方も少なくありませんが、20代だと頼れる配偶者や身内がいない、経済的基盤も整っていないため、仕事をしながら介護もしなければならない方が多いです。
大手の企業ならば、介護休業や労働時間の短縮などの制度が充実している会社もありますが、介護休暇の制度の存在を知らず一度も利用したことがない方や、職場の人に「仕事を辞めたら?」と心無い言葉を受けたという方もおります。
また仕事が終わった後も親の介護で身体が休まらなかったり、ストレスが溜まったりすると、介護鬱や病気を発症してしまう、ストレスのはけ口を親にぶつけてしまうなど介護事件の引き金になるケースもあります。
慣れない介護や家事に疲れる
実際に介護が始まると食事の準備や排せつ、入浴の補助などしなければいけないことが数多くあります。
介護の知識や経験のないなか、見よう見まねで介護をはじめてみるも上手くいかず、身体的な負担やストレスを感じることがあります。
日中は仕事に行き、休日も食事の準備や部屋の掃除を行うなど丸一日家を空けることができず、遠出やリフレッシュに行けないことが精神的な負担になることも多いです。
さらに、介護が長引いてくるといつまで親の面倒を見続けなければならないのかと、介護疲れや介護鬱に陥るケースが少なくありません。
行政や銀行などの手続きが多い
親の介護が必要になると、介護分野や障害分野において各種手続きが多く発生します。一例をあげるとするならば、
- 介護保険の手続き
- 介護サービスの手続き
- 医療関係の手続き
- 年金
- 医療任意保険
など様々な手続きが必要になる場合があります。介護保険を受ける場合は、要介護・要支援認定申請書、マイナンバーが確認できる書類と身分証明書、介護保険被保険者証など必要となる書類の準備が必要です。
また、親が銀行の口座を多数持っている場合何がどの口座から引き落とされるか、任意保険などはそもそも何に加入しているのかなど知らない場合も少なくありません。
20代で親の介護をする人への解決策
介護は一人で抱え込まず、様々な人に相談したり、協力して行うことが大切です。
20代で親の介護が始まった方にとっては、介護に関する事前の準備ができず「思っていた以上に早く始まった」と思う方が大半です。
20代で親の介護がうまくいった方の実体験は、もともと介護分野の勉強をしていたり、実務経験があったためそこまで深刻にならずに済んだという例も少なくありません。
そのため介護の悩みは一人で抱え込まず、家族はもちろん、プロや信頼のおける方に相談しましょう。具体的な解決策として3つが挙げられます。
- 親族や親友に相談する
- 介護サービスを依頼する
- 介護施設の入居を検討する
とくに介護施設については、「老人ホームの違いもわからないし、私の親にはどこがいいのだろうか」とお悩みの方も多いです。そんな時はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。
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親族や親友に相談する
まずは親族同士で相談しあうことが大切です。一人で負担を背負うのではなく、兄弟姉妹や親族で介護の役割を分担できるように協力し合いましょう。
「兄弟が家を出てなかなか帰ってこない」「親戚とのつながりがほとんどない」など家族に相談することが難しいならば、親友やケアマネージャーなどの話を聞いてくれる第三者に相談するのも大切です。
家族が近くにいたり、親の前だとどうしても介護の話ばかりしてしまいます。時には親友や同僚と何気ない会話をしたり、ケアマネやヘルパーさんに相談する時間を作るよう心がけましょう。
介護サービスを依頼する
介護保険で利用できるサービスが数多くあります。仕事をしている間、親が一人になって心配という場合は介護サービスを依頼しましょう。
一例を紹介すると、下記のような介護サービスがあります。
訪問介護
訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用すれば、日中仕事に出かけている間に食事や入浴の介助を行う身体介護や、掃除、洗濯食事の準備を行う生活援助を受けることが可能です。
デイサービス
デイサービス(通所介護)を利用することで、デイサービスセンターなどで入浴や食事、機能訓練を受けられる他、施設によってはレクリエーションも受けることができます。
住宅改修
介護保険をつかって要介護度に関わらず20万円を上限に自宅の改修工事を行うことも可能です(自己負担は1〜3割)。手すりの取り付けや段差の解消など、思わぬ事故や介護の負担を少しでも減らすことができます。
介護や家事に慣れていない20代が親の介護を一人ですべて行うのは負担が大きいです。介護サービスは積極的に活用しましょう。
介護施設の入居を検討する
仕事が忙しく、在宅介護との両立がどうしても難しい場合は介護施設への入居を検討するのも選択肢の一つです。
介護施設に入居することで日中親を一人にさせることなく、24時間専門家やスタッフがサポートしてくれるため、いざという時も安心して対応してくれます。
老人ホームにはたくさんの種類があるため、本項では「費用を安く抑えたい」「認知症」「自立・要支援者」向けにおすすめの施設ついて解説していきます。
- 特別養護老人ホーム
- グループホーム
- サービス付き高齢者住宅
それぞれの施設について紹介していきます。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、主に要介護者3以上の方が入居できる介護施設です。
国の補助金により比較的安い費用で入居できる上、24時間専門家がサポートしてくれるなど介護サービスが充実しています。また終身に渡って入居できることも特徴の一つです。
さらに、特定疾病により介護認定を受けた方であれば、64歳以下でも入居することも可能です。
グループホーム
グループホームは、主に要介護者2以上で認知症の診断を受けた方向けの介護施設です。
認知症の方が穏やかに生活できるように、少人数体制で細やかな対応をしていることが特徴です。医療機関との連携も整っているため、いざという時の対応も万全です。
サービス付き高齢者住宅
サービス付き高齢者住宅(サ高住)は、要支援者や自立している方でも入居できる介護施設です。
段差がなく手すりを設置したバリアフリーの設計であり、他の介護施設と違って入所者の意思により自由な生活がしやすいのが特徴です。ケアスタッフも常駐しているため安否確認なども行ってくれます。
「実際に施設を見てみないと生活のイメージができない…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため、予算や要介護度など条件に合わせてご希望に合った施設を入居相談員から教えてもらうことができます。
「まずは老人ホームについて少しお話を聞きたい」という方も、ご気軽に活用ください。
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親の介護を人に任せていいの?
20代という時期に親の介護をすることになってしまったら、介護サービスを利用するなど積極的にプロの力を頼ることが大切です。
親の介護を人に任せることに対して、罪悪感を抱く方は少なくありません。とりわけ就職やキャリア形成、人生設計などを考え始める20代という時期に、自分の人生と親の介護を天秤にかけてしまうのは無理もありません。
しかし「子供は親を扶養する義務がある」を、「親の介護は全部子供が行わなければならない」と解釈してはいけません。親の介護や通院に対して罪悪感を抱くのは少なからず誰もが抱いてしまうものですが、親があなたに望んでいることは、きっとあなた自身の幸せです。
施設や医療サービスを頼むことに身内や周りから反対もあるかもしれません。しかし、介護疲れや介護鬱により家族共倒れになってしまっては元も子もありません。周りの心無い意見は聞き流すように努力しましょう。
介護がつらいと感じた時に限らず、何か悩みを抱えた場合は誰かに相談し、悩みを一人で抱え込まないようにしましょう。
親の介護を一人で抱え込まないために
介護は家族だけでなく社会全体でおこなうものであり、そのために介護保険制度が存在します。
20代は仕事でも何でも積極的に人の力を借りられます。積極的に介護サービスを利用することを検討しましょう。
まずはお住まいの地域や市区町村の地域包括支援センターにご相談してみることがおすすめです。
その上で介護が始まった後も、介護保険制度や提供されているサービスについても、きちんと見直すことが大切です。
介護保険制度は優れた制度ではありますが、自分の状況が変わったり、制度を活用して負担の削減が不十分な場合は、介護施設などの利用を検討してみましょう。
仕事との両立が大変、慣れない介護や家事に疲れる、行政や銀行への手続きが複雑であることに悩む方が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
介護は一人で抱え込まず様々な人に相談したり、協力して行うことが大切です。積極的に介護サービスや介護施設の使用を検討しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。