ケアマネジャーから特別養護老人ホーム(以下、特養)を勧められ、介護付き有料老人ホームと迷う方は少なくありません。
最も大きな違いは運営主体で、費用・入居条件・入居までの期間に差が出ます。
特養は月7.5万円程度と安い一方、要介護3以上に限られ、入所申込者は20.6万人います。
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いを比較表で早わかり
- 特養と介護付き有料老人ホームのどっちが向いている?【診断】
- 特養と介護付き有料老人ホームの運営主体・法的位置づけの違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの費用の違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの入居条件の違い
- 特養と介護付き有料老人ホームで受けられるサービスの違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの個別ケアの手厚さの違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの医療体制・看取りの違い
- 特養のメリット・デメリット
- 介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いに関するよくある質問
- 特養と介護付き有料老人ホームのその他の違い9項目
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いのまとめ
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いを比較表で早わかり
- 特養と介護付き有料老人ホームのどっちが向いている?【診断】
- 特養と介護付き有料老人ホームの運営主体・法的位置づけの違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの費用の違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの入居条件の違い
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- 特養と介護付き有料老人ホームの個別ケアの手厚さの違い
- 特養と介護付き有料老人ホームの医療体制・看取りの違い
- 特養のメリット・デメリット
- 介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いに関するよくある質問
- 特養と介護付き有料老人ホームのその他の違い9項目
- 特養と介護付き有料老人ホームの違いのまとめ
特養と介護付き有料老人ホームの違いを比較表で早わかり
特養と介護付き有料老人ホームの違いは、大きく以下の6点に集約されます。
- 運営主体
- 費用
- 入居条件
- 入居までの期間
- 医療体制
- 居室
次の章で、他の観点も交えながら、違いを表で徹底比較します。
特養と介護付き有料老人ホームの違い一覧表
14項目を一覧にすると、構図がはっきりします。
特養は「安さと引き換えに待つ施設」、介護付き有料老人ホームは「費用と引き換えにすぐ入れる施設」です。
出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
出典:厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」、ケアスル 介護 独自調査レポート2026
14項目のうち、結論を左右するのは費用・入居条件・入居までの期間の3つです。
費用は月3万円から20万円以上、入居条件は要介護3以上かどうか、入居までの期間は待てるかどうかで分かれます。
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特養と介護付き有料老人ホームのどっちが向いている?【診断】
どちらが向いているかは、次の3つの条件で決まります。
- 要介護度が3以上か:3未満なら特養は特例入所の対象かどうかを確認する必要がある
- 入居までどれだけ待てるか:数か月以内に入居先が必要なら介護付き有料老人ホームが現実的
- 月にいくら払えるか:月10万円が上限なら特養、15万円以上を出せるなら介護付き有料老人ホームも候補になる
3つのうち1つでも特養の条件を満たさない場合、他の施設タイプも含めて探すほうが選択肢は広がります。
うちの親はどっち?向いている施設タイプ診断


特養と介護付き有料老人ホームの運営主体・法的位置づけの違い
運営主体と法的位置づけの違いは、次の3点です。
- 運営主体:特養は社会福祉法人・地方自治体、介護付き有料老人ホームは民間企業
- 法的位置づけ:特養は介護保険施設、介護付き有料老人ホームは居宅サービスの事業所
- 介護保険上の名称:特養は指定介護老人福祉施設、介護付き有料老人ホームは特定施設入居者生活介護
特養の運営主体と法的位置づけ
特養を運営できるのは社会福祉法人と地方自治体に限られます。
営利企業は参入できません。
介護保険上は「指定介護老人福祉施設」と呼ばれます。
介護老人保健施設・介護医療院と並ぶ介護保険施設の1つです。
人員や設備の基準は、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)で定められています。
同じ省令の第3条では、設備の基準も細かく定めています。
廊下幅は1.8メートル以上(中廊下は2.7メートル以上)、医務室は医療法上の診療所とすることが必要です。
介護付き有料老人ホームの運営主体と法的位置づけ
介護付き有料老人ホームは、株式会社などの民間企業が運営します。
都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設だけが「介護付き」と名乗れます。
指定がない有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームとして区別されます。
介護は外部の訪問介護事業所を利用する形になります。
基準は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第175条以降にあります。
介護保険上は施設サービスではなく、居宅サービスの扱いです。

特養と介護付き有料老人ホームの費用の違い
費用の違いは、次の4点で整理できます。
- 入居一時金:特養はなし、介護付き有料老人ホームは0円〜数百万円以上
- 月額の目安:特養は7.5万〜11.0万円+介護サービス費、介護付き有料老人ホームは10〜30万円
- 負担軽減制度:特養は負担限度額認定の対象、介護付き有料老人ホームは対象外
- 費用の決まり方:特養は国が基準額を定め、介護付き有料老人ホームは施設が価格を設定する
ケアスル 介護の掲載データでは、介護付き有料老人ホームの月額費用の中央値は19万6,380円でした。
内訳の中央値は家賃86,000円、管理費69,000円、食費66,000円です。
特養の費用
特養の食費・居住費には、国が定めた基準費用額があります。
2026年8月からの金額は次のとおりです。
多床室なら食費と居住費の合計は月7.5万円、ユニット型個室なら月11.0万円です。
ここに介護サービス費の自己負担(1〜3割)と日常生活費が加わります。
出典:厚生労働省介護保険最新情報Vol.1481(令和8年3月13日) ※金額は執筆時点(2026年9月)の情報です。

介護付き有料老人ホームの費用
介護付き有料老人ホームの費用は、入居時に払う一時金と毎月の月額費用に分かれます。
入居一時金は0円の施設もあれば、数百万円以上を設定している施設もあります。
月額費用の内訳(費目ごとの中央値)は次のとおりです。
中央値は費目ごとに別々に計算しているため、合計は月額費用の中央値と一致しません。
出典:ケアスル 介護 掲載施設データ(介護付き有料老人ホームの掲載プラン・2026年9月時点)
介護サービス費の自己負担(1割)は要介護2で18,120円、要介護3で20,220円、要介護5で24,210円です。

特養と介護付き有料老人ホームの入居条件の違い
入居条件の違いは、次の3点です。
- 要介護度:特養は原則要介護3以上、介護付き有料老人ホームは施設ごとに範囲を設定
- 年齢:どちらも原則65歳以上(特定疾病がある40〜64歳が入れる場合もある)
- 決め方:特養は入所検討委員会が必要度で判定、介護付き有料老人ホームは施設との契約
特養は申し込んだ順ではなく、介護の必要度が高い方から入所が決まります。
特養の入居条件
厚生労働省の通知では、入所判定の対象を「要介護3から要介護5までの要介護者及び、特例入所が認められる者」と定めています。
要介護1・2の方が申し込めるのは、通知が挙げる次の4つの事情に当てはまる場合です。
- 認知症で、日常生活に支障を来す症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
- 知的障害・精神障害等を伴い、同様の状態にある
- 家族等による深刻な虐待が疑われ、心身の安全・安心の確保が困難である
- 単身世帯などで家族等の支援が期待できず、地域の介護サービスの供給も不十分である
特例入所を申し込むと、施設は保険者である市町村へ報告し、対象者に該当するかの意見を求めます。
判定は施設の入所検討委員会が行います。
出典:厚生労働省指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について(平成26年12月12日老高発1212第1号)


介護付き有料老人ホームの入居条件
介護付き有料老人ホームは、受け入れる要介護度の範囲を施設ごとに設定できます。
自立の方から入れる施設もあれば、要介護3以上に絞る施設もあります。
介護保険の給付対象になるのは要介護1以上の方です。
要支援1・2の方は、介護予防特定施設入居者生活介護の扱いになります。
入居の可否は、施設の面談と健康診断書などの書類で判断されます。
認知症の症状や医療的ケアの内容によっては、受け入れができない場合もあります。

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特養と介護付き有料老人ホームで受けられるサービスの違い
どちらも施設の職員がサービスを提供しますが、サービスの決まり方が違います。
- 決まり方:特養は省令が最低ラインを細かく定め、介護付き有料老人ホームは指導指針と施設ごとの管理規程で決まる
- どちらも受けられる:入浴・排せつ・食事・着替えの介助、機能訓練(リハビリ)、口腔ケア、健康管理、生活相談
- 介護付き有料老人ホームで上積みされやすい:洗濯・掃除などの家事、安否確認、レクリエーションや行事の企画
そのため、特養はどの施設でも水準がそろいやすく、介護付き有料老人ホームは施設による差が大きくなります。
特養で受けられるサービス
特養は省令で、提供するサービスの中身まで具体的に決められています。
入浴は週2回以上、レクリエーション行事の実施、行政手続の代行までが義務です。
食事は栄養と本人の好みを考えたものを適切な時間に出し、できる限り離床して食堂で食べられるよう支援します。
床ずれ(褥瘡)が起きないよう、予防の体制を整えることも定められています。
健康管理は医師または看護職員が担当し、常に健康状態に注意します。
介護報酬は要介護度に応じた定額で、サービスを多く使っても自己負担は増えません。
裏を返すと、特養は最低ラインが法令で担保される一方、そこから上積みする仕組みがありません。
入居者から上乗せの費用を取ることができないため、どの施設もおおむね同じ水準になります。
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第13条〜第18条

介護付き有料老人ホームで受けられるサービス
介護付き有料老人ホームも、入浴・排せつ・食事・着替え・整容の介助を施設の職員が行います。
入浴は自分で入浴することが難しい人について週2回以上と定められています。
健康管理は看護職員が担当します。
特養と違い、医師の配置は義務ではありません。
介護保険の省令に定めがない部分は、有料老人ホームの指導指針が受け持ちます。
指針は提供サービスとして、介護・食事の提供に加えて洗濯や掃除などの家事の供与、安否確認、生活相談を挙げています。
レクリエーションについても、スポーツやレクリエーションのための健康・生きがい施設や図書室を設けることとされています。
何をどこまでやるかは施設が決めるため、外出行事やクラブ活動を設ける施設もあります。
さらに介護付き有料老人ホームには、基準を超えて職員を配置し、その分を上乗せ介護費として受け取る仕組みがあります。
そのため同じ「介護付き」でも、受けられるサービスの幅は施設ごとに違います。
どれだけ手厚くなるのか、費用はいくら上がるのかは、次の「個別ケアの手厚さの違い」で説明します。
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第185条〜第187条、厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」
特養と介護付き有料老人ホームの個別ケアの手厚さの違い
個別ケアの手厚さは、次の3点で差がつきます。
- 職員1人あたりの入居者数:基準はどちらも3対1だが、介護付き有料老人ホームは上乗せで手厚くできる
- 居住空間の単位:特養のユニット型は1ユニット10人程度の少人数単位でケアを行う
- 入居者の状態の幅:特養は要介護3以上に限られ、介護付き有料老人ホームは自立から要介護5まで幅がある
特養の個別ケア
特養には従来型とユニット型があります。
ユニット型では、1ユニットの入居定員を原則おおむね10人以下・15人を超えないと省令で定めています。
各ユニットには共同生活室を設けます。
床面積は入居定員1人あたり2平方メートル以上が標準です。
従来型は多床室が中心で、居室ごとではなくフロア単位でケアを行います。
ユニット型のほうが居住費は高く、月6.3万円と月2.8万円で3.5万円の差があります。
介護付き有料老人ホームの個別ケア
介護付き有料老人ホームは、人員配置を基準より厚くして個別ケアの時間を増やせます。
2.5対1や2対1をうたう施設は、その分を上乗せ介護費として設定しています。
省令では「常に1人以上の介護職員を確保すること」が求められています。
夜間も介護職員が常駐する体制です。
ケアスル 介護の掲載データでは、上乗せ介護費の中央値は月54,240円でした。
記載のあるプランは2,238件で、人員を厚くしている施設ほど月額も高い水準です。
・何対何の人員配置にしているか(2.5対1・2対1など)
・上乗せ分は月いくらか、要介護度で変わるか
・夜間の職員は何人体制か
2026年の基準改正では、介護機器を複数種類活用するなどの要件を満たす場合に、3対1の「1」を「0.9」として計算できる緩和が設けられました。
見学時は基準ではなく、実際の職員数を確認してください。
生活の自由度も、施設種別より施設の方針と価格帯で決まります。
外出のルールは、玄関の職員に声をかければ出入りできる施設から、家族の同伴が必要な施設まで幅があります。
介護付き有料老人ホームは全体としては外出のルールが厳しめです。
一方で相場より高い価格帯の施設では、コンシェルジュに声をかければ出かけられるところもあります。
特養と介護付き有料老人ホームの医療体制・看取りの違い
医療体制の違いは、次の3点です。
- 医師:特養は配置義務あり、介護付き有料老人ホームは配置義務なし
- 医務室:特養は医療法上の診療所として設置、介護付き有料老人ホームは規定なし
- 看護職員の人数:入居者50〜130人規模では特養のほうが多く求められる
医療的ケアが必要な場合は、施設種別ではなく実際の看護師の人数と夜間体制で判断する必要があります。
特養の医療体制・看取り
特養は医師の配置が義務づけられた施設です。
省令では「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」と定めています。
看護職員は入所者30人以下で1人以上、30人超50人以下で2人以上、50人超130人以下で3人以上が必要です。
医務室は医療法上の診療所でなければなりません。
ただし夜間の看護師配置は義務ではありません。
看取りに対応するかどうかは施設ごとに異なります。

介護付き有料老人ホームの医療体制・看取り
介護付き有料老人ホームには医師の配置義務がありません。
協力医療機関との連携や訪問診療で対応します。
看護職員は入居者30人以下で1人以上、30人を超える場合は50人ごとに1人を加えた数が必要です。
入居者60人の施設なら、特養は3人以上、介護付き有料老人ホームは2人以上となります。
胃ろうやたんの吸引が必要な場合、対応できるかは施設によって分かれます。

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特養のメリット・デメリット
特養を選ぶかどうかは、次の対比で判断できます。
- メリット:月額が抑えられる、入居一時金がない、負担限度額認定が使える、終身利用しやすい
- デメリット:入居待ちがある、要介護3以上に限られる、施設を選びにくい、多床室が残る
特養のメリット
最大のメリットは費用の低さです。
入居一時金がなく、多床室なら食費と居住費の合計は月7.5万円程度です。
住民税非課税世帯などが対象の負担限度額認定を使うと、負担はさらに下がります。
第2段階では食費が1日390円(月1.2万円)、多床室の居住費は0円です。
要介護度が上がっても住み続けられる施設が多く、住み替えの負担が生じにくい点もメリットです。

特養のデメリット
最大のデメリットは入居までの期間が読めないことです。
2025年4月1日時点の入所申込者は要介護3以上で20.6万人、うち在宅で待つ方が8.6万人でした。
要介護3未満の方は、特例入所の要件に当てはまらなければ申し込めません。
また、空いた施設に入る形になるため、立地や設備を比べて選ぶことは難しくなります。
既存の建物では4人部屋の多床室が残っています。
介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット
介護付き有料老人ホームは、次の対比で判断できます。
- メリット:空室があれば入居できる、要介護度の幅が広い、施設を比べて選べる、人員が手厚い施設がある
- デメリット:月額が高い、入居一時金が必要な場合がある、負担限度額認定が使えない、退去要件がある
介護付き有料老人ホームのメリット
最大のメリットは入居時期を自分で決められることです。
空室があれば、見学から契約まで進められます。
自立から要介護5まで受け入れる施設もあります。
要介護3未満で特養に申し込めない方の受け皿になります。
立地・築年数・設備・人員配置を比べて選べる点も、空いた施設に入る特養との違いです。

介護付き有料老人ホームのデメリット
最大のデメリットは月額費用の高さです。
月10〜30万円が目安で、特養の多床室と比べると月3万円から20万円以上の差が出ます。
負担限度額認定の対象は介護保険施設と短期入所に限られます。
介護付き有料老人ホームでは、食費・居住費の軽減を受けられません。
入居一時金を設定している施設もあり、契約時にまとまった資金が必要になる場合があります。
特養と介護付き有料老人ホームの違いに関するよくある質問
検索されることの多い質問は、次の4つです。
- どちらが安いのか
- 特定施設入居者生活介護とは何か
- 介護付き有料老人ホームから特養へ移れるのか
- 特養と有料老人ホーム全体の違いは何か
いずれも費用と入居のしやすさに関わる論点です。
特養と介護付き有料老人ホームはどちらが安いですか?
特養のほうが安く、月3万円から20万円以上の差が出ます。
特養は食費4.7万円+居住費2.8万円(多床室)で月7.5万円程度です。
介護付き有料老人ホームは月10〜30万円になります。
さらに特養は負担限度額認定の対象で、入居一時金もありません。
特定介護付き有料老人ホームとは何ですか?
正しい名称は「特定施設入居者生活介護」です。
都道府県から指定を受けた施設だけが「介護付き」と名乗れます。
指定を受けていない有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームに分類されます。
介護は外部の訪問介護を使います。
基準は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第175条以降に定められています。
介護付き有料老人ホームから特養へ移れますか?
移れます。
特養は複数の施設へ同時に申し込むのが基本で、空きが出た施設に入る流れです。
介護付き有料老人ホームに入居しながら特養を申し込み、空きが出た段階で移る方もいます。
ただし要介護5の方から優先して案内されるため、要介護度によって待機期間は変わります。
特養と有料老人ホームの違いは何ですか?
有料老人ホームには介護付き・住宅型・健康型の3種類があり、介護サービスの提供者が異なります。
介護付きは施設の職員が提供し、住宅型は外部の訪問介護を使います。
特養との比較で論点になるのは介護付きです。

特養と介護付き有料老人ホームのその他の違い9項目
ここから先は、特養と介護付き有料老人ホームの違いをもっと細かく知りたい方向けの内容です。
ここまでで判断がついた方は、まとめへ進んでいただいて構いません。
この章で扱うのは、次の9項目です。
- 入居難易度・待機期間の違い
- 費用の負担軽減制度の違い
- 人員配置基準の違い
- リハビリの違い
- レクリエーション・イベントの違い
- 居室・設備の違い
入居難易度・待機期間の違い
厚生労働省の調査では、2025年4月1日時点の特養入所申込者は要介護3以上で20.6万人、うち在宅で待つ方が8.6万人でした。
要介護度別では要介護3が8.7万人、要介護4が7.6万人、要介護5が4.3万人です。
前回の2022年度調査(25.3万人)からは18.4%減りました。
待機中にできるのは、状況の変化を高い頻度で伝えることです。
要介護度の更新は1〜2年に1回なので、月1回程度会うケアマネジャー経由で施設へ伝える方法もあります。
系列のショートステイやデイサービスを利用していると、考慮される場合もあります。
出典:厚生労働省特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)

費用の負担軽減制度の違い
負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)の対象は、介護保険施設と短期入所に限られます。
介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院が対象で、介護付き有料老人ホームは対象外です。
対象になるのは、世帯全員が市町村民税非課税で、預貯金額が基準以下の方です。
第2段階(年金収入等82.65万円以下)では、食費が1日390円、多床室の居住費が0円になります。
介護付き有料老人ホームで使えるのは、高額介護サービス費や医療費控除などの制度です。



人員配置基準の違い
介護職員と看護職員の合計はどちらも3対1ですが、職種ごとの配置義務に差があります。
栄養士・管理栄養士の配置義務がある特養に対し、介護付き有料老人ホームには規定がありません。
リハビリの違い
どちらも機能訓練指導員を1人以上配置する義務があります。
専従の理学療法士・作業療法士を置く義務は、どちらにもありません。
特養では機能訓練指導員が他の職務を兼ねることができます。
介護付き有料老人ホームでも同様に兼務が認められています。
本格的なリハビリを目的とするなら、リハビリ専門職の配置が義務づけられた介護老人保健施設が選択肢になります。


レクリエーション・イベントの違い
制度上の義務と、実際の中身は分けて見る必要があります。
義務があるのは特養のほうで、教養娯楽設備を備えて行事を行うことが省令で定められています。
介護付き有料老人ホームに省令の定めはありません。
ただし指導指針が、スポーツやレクリエーションのための健康・生きがい施設や図書室を設けることとしています。
実際の中身は逆になりやすい仕組みです。
特養は要介護3以上に限られ、上乗せの費用も取れないため、内容は体を大きく動かさないものが中心になります。
介護付き有料老人ホームは自立の方から受け入れる施設もあり、行事の内容が入居先を選ぶ材料になります。
外出行事やクラブ活動を設ける施設もあり、内容は施設ごとに大きな差が出ます。
見学で確かめたいのは、行事の数ではなく参加をどう募っているかです。
デイサービスが併設されている施設では、入居者にもそこへ通ってもらう方針のところがあります。
部屋にいる時間が長いと認知症が進むこともあるため、施設の側は外に出てもらおうとします。
本人の意思を尊重する施設と、引き出したほうが本人のためだと考える施設があり、方針は分かれます。

出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第16条、厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」
居室・設備の違い
省令では、どちらも居室の定員を原則1人と定めています。
特養の居室面積は入所者1人あたり10.65平方メートル以上です。
省令施行前からある建物には経過措置があり、「原則として4人」「収納設備等を除き4.95平方メートル」が適用されます。
経過措置があるため、4人部屋の多床室が残っています。
介護付き有料老人ホームは、一時介護室・浴室・便所・食堂・機能訓練室の設置が必要です。
建物は耐火建築物または準耐火建築物でなければなりません。
食事の違い
食費の扱いに差があります。
特養は基準費用額が1日1,545円(月4.7万円)と定められ、介護付き有料老人ホームは施設が価格を設定します。
ケアスル 介護の掲載データでは、介護付き有料老人ホームの食費の中央値は月66,000円でした。
特養の基準費用額(月4.7万円)より2万円ほど高い水準です。
特養には栄養士または管理栄養士の配置義務があり、介護付き有料老人ホームには規定がありません。
退居条件・住み替えやすさの違い
特養は介護保険施設のため、長期の入院などで契約が終了する場合があります。
介護付き有料老人ホームは、契約で退去要件を定めます。
住み替えの方向は、介護付き有料老人ホームから特養へ移る流れが中心です。
特養の空きを待つ間の住まいとして介護付き有料老人ホームを使う方もいます。
契約前には、どこまで対応できてどこからが退去になるのかを重要事項説明書で確認してください。


立地・施設の新しさの違い
特養は複数の施設へ同時に申し込み、空いた施設に入るのが基本です。
立地や築年数を比べて選ぶ余地は小さくなります。
介護付き有料老人ホームは民間の施設なので、駅からの距離・築年数・共用設備を比べて選べます。
家族が面会に通いやすい場所を条件にすることもできます。
特養の申込者数は都道府県で差があります。
要介護3以上の認定者に占める割合は全国平均8.6%、最も高い山梨県で21.3%でした。
特養と介護付き有料老人ホームの違いのまとめ
特養と介護付き有料老人ホームの違いは、次の3点に集約されます。
- 費用:特養は月7.5万〜11.0万円+介護サービス費、介護付き有料老人ホームは月10〜30万円
- 入居条件:特養は原則要介護3以上、介護付き有料老人ホームは施設ごとに範囲を設定
- 入居時期:特養は入所申込者20.6万人で待ちがあり、介護付き有料老人ホームは空室があれば入居できる
費用を最優先するなら特養、入居時期を優先するなら介護付き有料老人ホームという整理になります。
要介護度が3未満のときや、数か月以内に入居先が必要なときは、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も候補になります。

どの施設タイプが合うか迷う場合は、ケアスル 介護の相談窓口で条件に合う施設をご案内します。

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