グループホームへの入居を検討する際、食事内容やどこでどのように料理されるのか、また個別の事情にどこまで対応してくれるのかなどは知っておきたいことです。
そこで本記事では、入居者と職員が一緒に調理する「家庭的な食事」というグループホームならではの特徴をはじめ、調理担当者は誰なのか、食事形態の種類やアレルギー・治療食への対応などについて詳しく解説します。
グループホームへの入居を検討中の方や、親御さんの施設選びを進めている方はぜひ参考にしてください。

【写真付き】グループホームの食事例

出典:グループホーム ゆう
グループホームの食事は、施設の専用キッチンで作る家庭料理が基本です。
正月のおせち・ひな祭りのちらし寿司・クリスマスのケーキなど、行事に合わせた特別メニューを用意する施設も多くあります。

・1ユニット最大9名の少人数に合わせた家庭料理スタイル
・季節の食材・行事食(おせち・ちらし寿司など)を取り入れる施設も
・入居者のリクエストメニューに対応する施設もある
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グループホームの食事は誰がつくる?
グループホームにおける食事の用意は、主に以下の3つのパターンに別れます。
- 職員のみ
- 職員と入居者が協力
- 外部事業者に委託
基本的な傾向としては、認知症要望や生活支援の観点から職員と入居者が協力してつくるパターンが多いです。
また、グループホームごとに絶対のこのパターンしかないということはありません。基本的には職員と協力してつくるが、状況によっては職員のみがつくる場合もあります。
各パターンについて詳しく解説します。
職員が作る
入居者の安全管理や身体状況への配慮から、職員のみが調理を担当する場合があります。
グループホームでは、調理師の配置が義務づけられているわけではありません。そのため、職員が家庭料理の延長として調理を担当するケースがほとんどです。
入居者が料理を手伝うことができないグループホームは基本的にはありませんが、身体機能の低下が進んでいる方が多い場合は、実質職員のみが料理しているケースもあるでしょう。
職員と入居者が作る
職員と入居者が一緒に食事を作るスタイルは、多くのグループホームで見られる光景です。
入居者自身が担当できる作業を選び、自分のペースで調理に参加します。
なお、すべての入居者が絶対に料理しなければならないというわけでもありません。
あくまでも、できる状態の人が任意で参加する形となっています。
・入居者の状態に合わせた「できる作業」を柔軟に調整しているか
・無理に参加を促す雰囲気がなく、本人の意思が尊重されているか
・火気・刃物の安全管理はどのように行っているか
外部事業者に委託する
給食業者やケータリング会社から配食を受ける「外部委託」を選択している施設もあります。
外部委託の場合は、栄養や見栄えのよい食事を楽しめるでしょう。職員側では、献立や調理時間がなくなるため、入居者の個別ケアに時間を使えるというメリットがあります。
一方で、グループホームの特徴である生活支援の強度が下がる、家庭的な雰囲気が生まれにくい、といって点がデメリットです。
また、食べ物の固さやアレルギー対応の範囲などについては、施設で料理する場合に比べて柔軟でない可能性があるため注意してください。
食事が外部委託である場合、要望にどこまで個別対応してもらえるかを確認しておきましょう。
グループホームで食事を作るのが難しい場合は?
入居者・職員のどちらが調理を担えない状況でも、グループホームの食事は成り立ちます。
厚生労働省令が定めているのは「原則として共同で行うよう努める」という努力義務だからです。
難しい場合の対応は、以下の2つに分かれます。
- 入居者で料理が難しい場合:参加は任意。できる作業だけに関与度を調整する
- 職員で料理が難しい場合:入居者と工程を分担する。施設の調理体制を確認する
入居者で料理が難しい場合
入居者が調理に参加するかどうかは任意です。
根拠は指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準の第99条第3項にあります。
同項は「利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるものとする」と規定しています。
「努めるものとする」は努力義務を示す表現で、入居者全員に調理を求める規定ではありません。
身体状態や認知症の進行度は日々変わるため、施設は個々の状態に合わせて関与度を調整します。
調理そのものが難しくなっても、テーブルを拭く・盛り付けるといった作業で食事の場に関わることができます。
職員で料理が難しい場合
グループホームの職員に、料理が得意であることは求められていません。
同基準の第90条が事業所ごとに置くべきものとして定めている従業者は、介護従業者と計画作成担当者です。
調理師や管理栄養士の配置義務はなく、職員は調理の専門職として置かれているわけではありません。
さらに第99条第3項は、食事その他の家事等を原則として利用者と介護従業者が共同で行うと定めています。
職員が一人で1食を完成させることを前提にした規定ではありません。
第99条第1項が掲げる介護の目的も「利用者の自立の支援と日常生活の充実」であり、料理の出来ばえではありません。
そのうえで、調理に苦手意識がある場合の現場での進め方は以下のとおりです。
・献立を一人で決めない:入居者に希望を聞きながら決める(第99条第3項の「共同で行う」にあたる)
・工程を分担する:洗う・皮をむく・混ぜる・盛り付けるなど、入居者ができる作業を割り振る
・自分の施設の調理体制を確認する:全食委託・部分委託であれば、職員が担う調理の範囲は変わる
・抱え込まずに相談する:食事の関わり方は認知症対応型共同生活介護計画に位置づけられ、計画作成担当者が他の介護従業者と協議のうえ作成する(第98条第3項)
入居者が参加できる範囲は、前章の「職員と入居者が作る」で紹介した状態別の目安が参考になります。
施設として調理を担いきれない場合は、給食業者やケータリング会社への委託という選択肢もあります。
ただし委託の採否は施設の方針として決まるため、まず自分の施設がどの形をとっているかを確認してください。
グループホームにおける食事の重要性
グループホームの食事は、栄養をとるためだけのものではありません。
献立を相談し、一緒に台所に立ち、同じ食卓を囲む。
一連の流れが、そのまま一日の生活の中心になります。
指定地域密着型サービス基準も、利用者が「それぞれの役割を持って」家庭的な環境の下で暮らせるよう配慮することを求めています。
食事が担う役割は、以下の3つです。
- 生活リハビリ:手を動かし、段取りを考える機会になる
- コミュニケーションの場:会話が生まれるきっかけになる
- 健康維持:低栄養を防ぎ、食べる力の変化に気づける
生活リハビリ
台所に立つことは、それ自体がリハビリの時間です。
野菜を洗う、皮をむく、鍋をかき混ぜる、器に盛る。どれも手を動かし、段取りを考えながら進める作業です。
職員がすべて済ませるのではなく、このような日常動作を入居者に行ってもらうことで身体機能の低下を防ぐことができるでしょう。
また、包丁を持たなくても、器を並べる、テーブルを拭くといった動作も立派な生活リハビリの機会です。
コミュニケーションの場
グループホームは、もともと知らない人どうしが暮らす場所です。
入居定員は5人以上9人以下と決まっており、居間と食堂を同じ場所にすることも認められています。少人数のため、食卓がそのまま毎日の居場所です。
今日の献立をどうするか、昔はどんな料理を作っていたか。献立の相談や配膳の分担は、会話が生まれるきっかけになるでしょう。
健康維持
年齢を重ねると、食べる量も食べられるものも変わります。食が細くなれば、必要な栄養が足りなってしまいます。
特に不足しやすいのがたんぱく質です。日本人の食事摂取基準(2025年版)も、たんぱく質の目標量の下限を65歳以上で高く設定しています。
毎日顔を合わせる職員が食べる量の変化に気づけるのは、少人数のグループホームならではです。
グループホームで提供される食事には、認知機能の衰え防止はもちろん、他の施設と同じように健康的な食生活を続けられるという大切な役割があります。
グループホームの食事作りで意識されるポイント
グループホームの献立は、入居者の年齢と身体状況に合わせて調整されます。
指定地域密着型サービス基準の第97条第1項は、事業の方針を定めた規定です。
「認知症の症状の進行を緩和し、安心して日常生活を送ることができるよう」行うという内容になります。
日々の食事も、この方針のもとで健康維持の観点から作られます。
意識されるのは、以下の3点です。
糖分・塩分量を抑える
塩分と糖分は、控えめにすることが意識されます。
国が食塩の目標量を定めているのは、高血圧と慢性腎臓病の重症化を防ぐためです。
出典は日本人の食事摂取基準(2025年版)で、目標量は年齢と性別ごとに設定されています。
ただし現場で1食ごとに塩分量を計量するわけではありません。
1食単位ではなく、1日や1週間の献立全体で薄味に寄せるという考え方になります。
緑黄色野菜や大豆製品を使う
献立には、緑黄色野菜と大豆製品が意識して取り入れられます。
野菜については、健康日本21(第三次)が摂取量の増加を国の目標として掲げています。
大豆製品が使われるのは、たんぱく質を補いやすいためです。
たんぱく質の目標量は、65歳以上で50〜64歳より下限が高く設定されています。
いずれも、日々の献立のなかで不足しやすい栄養素を補う役割です。
通常よりも柔らかめに作る
食事は、飲み込みやすい形に整えられます。
加齢に伴い、噛む力と飲み込む力は低下します。
消費者庁によると、令和5年に「不慮の窒息」で亡くなった65歳以上は7,779人でした。
このうち気道閉塞を生じた食物の誤嚥によるものが4,215人で、窒息死の5割以上を占めます(出典=人口動態統計)。
食材を刻む・とろみをつける・一口大に切るといった調整は、この事故を防ぐために行われます。
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グループホームの食事で対応できること
グループホームでは、食事の固さ・量の調整・アレルギー・治療食への対応が可能な施設が多くあります。
ただし、対応できる範囲は施設ごとに異なるため、入居前にどこまで対応してもらえるかを確認しておきましょう。特に治療食やアレルギー対応は施設の体制によって差があります。
本章では、グループホームにおける「食事の固さ」「食事の量」「アレルギー・治療食」の対応の如何についてご紹介していきます。
食事の固さ
グループホームでは、入居者の嚥下機能に合わせて食事形態を変更できる施設も多くあります。
対応している主な携帯は以下の通りです。
グループホームは少人数のため、個別の食事形態に対応しやすい環境といえるでしょう
ただし、特にミキサー食・ムース食など加工に手間がかかるものについては、入居前に対応可否を確認しておくことをおすすめします。
・対応できる食事形態の種類(きざみ・ソフト・ミキサーなど)
・食事形態の変更に追加費用が発生するか
・嚥下機能の評価体制(医師・言語聴覚士との連携があるか)
食事量の調整
食事量の調整は、入居者の体調・体重・栄養状態に合わせて随時行われます。
少食・大食い・食欲の変動など、食行動の変化にも対応できる体制が整っている施設が多いです。
「食べたことを忘れて繰り返し要求する」「逆にまったく食べようとしない」といった場合も、施設の職員が日々の様子を観察して対応します。
アレルギー・治療食
アレルギーや治療食への対応は、施設が自施設で調理しているか外部委託かによって対応力が異なります。施設調理の場合は比較的柔軟に対応できますが、対応できる治療食の種類は施設ごとに確認が必要です。
また、治療食の対応には主治医の指示書が必要になるケースがほとんどです。施設が指示書をもとに献立を調整し、管理栄養士が在籍または連携している施設では個別の栄養計画を立てます。
外部委託の施設では、委託業者が治療食メニューを用意している場合もありますが、対応できる種類や細かい制限値(塩分〇g以下など)は業者ごとに異なります。
治療食が必要な場合は、施設へ対応可能かを確認してください。
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まとめ
グループホームの食事は、少人数制を活かした家庭的なスタイルが基本です。
調理担当者・食事形態の対応範囲・治療食への対応力は施設によって大きく異なるため、入居前に食事に関する条件を整理したうえで施設と具体的なすり合わせを行うことが大切になります。
本記事で解説した内容を以下にまとめます。施設見学・入居相談の際のチェックリストもご用意しましたので、ぜひご活用ください。
・調理担当者は誰か(職員のみ・入居者と協力・外部委託)
・対応できる食事形態の種類と、変更時の費用
・アレルギー・治療食の対応可否と、医師の指示書の必要性
・管理栄養士の在籍または連携体制の有無
・食事量・体重の変化を家族へ報告する体制があるか
グループホームの食事は、施設の規模・運営方針・スタッフ体制によって内容が大きく変わります。資料請求や見学だけでは把握しにくい部分も多いため、ケアアドバイザーへの相談を活用することで、条件に合った施設を効率よく探すことができるでしょう。
ケアスル 介護 では、食事形態やアレルギー・治療食への対応状況も考慮したうえで、入居者の状態に合ったグループホームをご提案しています。専門のケアアドバイザーへの相談は無料ですので、お気軽にご利用ください。
