親の要介護度が急に上がったり在宅介護に限界を感じたりして施設介護を考え始めても、「特養」「サ高住」のどちらが合っているのか判断がつかない方は少なくありません。
「できるだけお金をかけず、自由に安心して暮らしてほしい」そう思っても、施設の種類が多くて何から調べればいいのか分からなくなりますよね。
そこで本記事では、特養とサ高住の違いを入所条件・費用・サービス内容・自由度・看取り対応という5つの軸で詳しく比較し、「こんな方は特養」「こんな方はサ高住」という判断の目安もご紹介します。


特養とサ高住とは?
特養は市区町村や社会福祉法人が運営する公的な介護施設、サ高住は民間企業が運営するバリアフリー賃貸住宅で、対象者も運営の仕組みも根本的に異なります。
特養は原則要介護3以上の方が対象であるのに対し、サ高住は自立から軽度の要介護の方まで幅広く入居できます。
特養(特別養護老人ホーム)とは
特養は、市区町村や社会福祉法人が運営する公的な介護施設で、原則65歳以上・要介護3以上の方が対象です。
特養は国が定めた基準や補助金のもとで運営されているため、事業者が自由に費用やサービス内容を設定できる施設ではありません。
食事・入浴・排せつの介助や生活支援、リハビリ、レクリエーションが中心のサービス内容で、約73%の施設が看取りにも対応しています。
全国で約20.6万人が入所を待っている状況で、入所を希望してもすぐには入れない場合が多くあります。
社会福祉士・元ケアマネージャーの桐島さんにお話を伺いました。

看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんにお話を伺いました。

・要介護1〜2でも、認知症の症状や家族による支援が困難といった事情があれば「特例入所」が認められる場合があります。
・希望してもすぐに入所できるとは限らず、待機期間を見越した準備が必要です。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは
サ高住は、自立から軽度の要介護の方向けに作られたバリアフリーの賃貸住宅で、安否確認と生活相談が基本サービスです。
サ高住は賃貸住宅としての性格が強く、家賃や共益費、状況把握・生活相談サービス費は事業者が自由に設定できます。
直接の身体介護や医療ケアは義務づけられていないため、介護が必要になった場合は外部の訪問介護・訪問看護サービスと個別に契約することになります。
その代わり生活の自由度が高く、外出や外泊の制限が少ない点が特養との大きな違いです。
【インタビュー情報】
桐島さん:サ高住は、基本的にはシニア向けの「バリアフリーの賃貸住宅(お部屋)」です。自立度が高い要支援や軽度要介護の方が、「今までの自宅での生活の延長線上」として選ぶのに適しています。施設が義務づけられているサービスは安否確認(見守り)や生活相談といった最低限のことで、直接の身体介護や医療ケアは行いません。その代わり非常に自由度が高く、玄関で職員に一言声をかければいつでも外出でき、中には施設から毎日仕事やアルバイトに通っている入居者の方もいらっしゃるほど、自宅に近い感覚で暮らせる場所です。

特養とサ高住の違いを一覧表で比較
特養とサ高住は、入居条件・費用・サービス内容のすべてで違いがあります。運営の仕組みが公的施設と民間賃貸住宅で根本的に異なるためです。
入居条件では特養が要介護3以上・サ高住が自立〜軽度、費用では特養が月9〜13万円台・サ高住が平均17.6万円と、それぞれ対極的な特徴を持っています。
入居条件の違い
特養は原則要介護3以上、サ高住は自立〜軽度の要介護の方が対象と、想定している介護度が大きく異なります。
特養は在宅生活が難しくなった方の受け皿という位置づけのため、要介護3以上という基準が明確に設けられています。
一方でサ高住は「今までの自宅での生活の延長線上」として選ばれる施設で、まだ身の回りのことがある程度自分でできる方が、1人暮らしへの不安をきっかけに検討するケースが多くなっています。
社会福祉士・元ケアマネージャーの桐島さんにお話を伺いました。

・要介護1〜2の方でも、認知症の症状が重い場合や家族の支援が難しい場合は特養の「特例入所」が認められることがあります。
・サ高住は施設ごとに受け入れ可能な要介護度が異なるため、事前に確認が必要です。

費用の違い
特養は月額9〜13万円程度と安価な一方、サ高住は月額平均17.6万円とやや高めで、入居金にも差があります。
特養の費用が安価なのは、国や自治体からの補助金が入っているためです。
ただし近年は特養でも居住費の実費負担を求める流れが強まっており、民間施設側も費用を抑える工夫を進めているため、両者の月額費用の差は以前ほど大きくありません。
サ高住は要介護度が上がって外部の介護サービスを使い込むと、介護保険の支給限度額を超えた分が全額自己負担(10割負担)になるため、想定より総額が高くなる場合があります。
看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんにお話を伺いました。

介護職員として10年間勤務され、現在は高齢者施設の紹介業を営んでいる和田さんにお話しを伺いました。

社会福祉士・元ケアマネージャーの桐島さんにお話を伺いました。


サービス内容の違い
特養は食事・入浴・排せつの介助から医療ケアまですべてを施設スタッフが包括的に提供し、サ高住は安否確認と生活相談が基本です。
看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんにお話を伺いました。

ケアアドバイザーである前北に話を聞きました。

【診断ツール】あなたの親はどっちが向いている?
要介護度・予算・緊急度の3つを選ぶだけで、あなたの親には特養とサ高住のどちらが向いているかがすぐに分かります。
ここまでの一覧表を踏まえたうえで、ご本人様の状況に当てはめて判断できるツールです。
診断は3つの質問に答えるだけで完了します。
- 診断結果はあくまで一般的な傾向に基づく目安です。要介護認定の内容や施設ごとの受け入れ状況によって、実際に入居できるかどうかは異なります。
- 実際に検討を進める際は、担当のケアマネージャーに相談したうえで、気になる施設を見学し、費用やサービス内容を直接確認することをおすすめします。
診断結果は、ここまで解説してきた入居条件・費用・サービス内容の違いをもとに算出されるものです。
あくまで施設選びの目安としてご活用いただき、実際の入居可否や最終的な判断は、担当のケアマネージャーや各施設への相談を通じて確認してください。
まとめ
特養とサ高住は、運営主体・入居条件・費用・サービス内容のすべてで異なる施設です。
特養は要介護3以上の方を対象とした公的な介護施設で、費用を抑えて終身利用できる一方、入所までに時間がかかります。
サ高住は自立〜軽度の要介護の方向けの民間賃貸住宅で、生活の自由度が高い一方、介護度が上がった際の費用や対応には注意が必要です。
本記事の診断ツールで出た結果は、あくまで施設選びの目安です。
実際に検討を進める際は、担当のケアマネージャーに相談したうえで、気になる施設を見学し、費用やサービス内容を直接確認することをおすすめします。

ケアスル 介護では、お住まいの地域の特養・サ高住を無料で検索できます。診断結果をもとに、まずは気になる施設を探してみてください。