介護付き有料老人ホームと特定施設の関係は?施設の分類や認定基準をわかりやすく解説

介護付き有料老人ホームと特定施設の関係は?施設の分類や認定基準をわかりやすく解説

親が入居できる介護付き有料老人ホームを探していると「特定施設」という言葉がたびたび出てくるのではないでしょうか。

しかし、「特定施設って何?」「特定施設という介護施設があるの?」といったように困惑している方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、介護付き有料老人ホームの特定施設とは何を指しているのか、また特定施設に入居するメリットやデメリット費用についても詳しく解説します。

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介護付き有料老人ホーム = 特定施設の指定を受けた有料老人ホーム

「介護付き有料老人ホーム」とは、「特定施設」の指定を受けた有料老人ホームのことです。

有料老人ホームには住宅型や介護付きなどがありますが、特定施設の指定を受けると「介護付き有料老人ホーム」という名称になります。つまり、住宅型有料老人ホームが特定施設の指定を受けると「介護付き有料老人ホーム」と名前が変わります

特定施設指定を受けられる介護施設の種類は、有料老人ホームのほかにケアハウスや養護老人ホームなどがあります。

介護施設における特定施設の立ち位置と種類について、以下の図をご覧ください。

特定施設の図解

「特定施設」が、介護施設のなかにあるカテゴリの一つであるのが分かると思います。

なお、特定施設の指定を受けていない介護施設が、「介護付き」と表記することはできません

参考:特定施設入居者生活介護 | 厚生労働省

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そもそも特定施設とは?

「特定施設」とは、正式名称を「特定施設入居者生活介護」といい、指定は都道府県が行います。

指定を受けるためには、一定の基準を満たさなければなりません。

そして、特定施設(国が定めた基準を満たした介護施設)には、入居できる方の条件によって「介護専用型」「混合型」「地域密着型」の3種類があります。

種類ごとに入居できる要介護度や施設の規模が異なりますのでご注意ください。

入居できる方の条件による3つの種類
種類 入居できる方 定員
介護専用型 要介護1〜5の方のみ 制限なし
混合型 自立・要支援1〜2・要介護1〜5の方 制限なし
地域密着型 施設と同じ市区町村に住民票がある要介護1以上の方 29人以下

「介護専用型」は、介護認定を受けた方だけが入居できる施設です。

「混合型」は、自立している方や介護が軽い方も一緒に入居できます。そのため、夫婦で介護の必要度合いが異なる場合でも同じ施設を利用できるのがポイントです。

「地域密着型」は定員29人以下の小規模な施設で、住み慣れた地域で介護を受けたい方に向いています。

また、特定施設にはサービスの提供方法によって「一般型」と「外部サービス利用型」の2つの区分もありますのでご紹介します。

サービス提供方法による2つの区分
一般型 施設のスタッフが介護サービスをすべて提供する。介護付き有料老人ホームの多くはこちらの形式。
外部サービス利用型 施設がケアプラン(介護の計画書)を作成し、実際の介護は外部の業者に委託する形式。養護老人ホームなどで採用されている。
【特定施設の種類:確認ポイント】
「介護専用型」は要介護1〜5の方のみ入居可能
「混合型」は自立〜要介護5まで幅広く入居できる
「地域密着型」は同じ市区町村の方限定・定員29人以下の小規模施設
介護付き有料老人ホームの多くは「一般型」でスタッフが直接介護を提供する

特定施設の認定基準

特定施設の認定を受けるには、国が定めた「配置基準」「設備基準」「運営基準」の3つをすべて満たす必要があります

一定の基準を満たした施設ということから、それだけ手厚いケアが受けられる可能性は高いです。

本章では、この3つの基準について詳しく解説していきます。

特定施設は、各自治体の介護保険事業計画に基づいてエリアごとの数が決められています。そのため、特定施設の基準に達していても指定を受けられない施設は多いです。特定施設でないからといって、サービスが充実していないとは限らないので覚えておきましょう。

配置基準

特定施設では、入居者が安全に生活できるよう、職種ごとに必要な職員数が法律で定められています。

職種ごとの配置基準
管理者 1人(他の業務との兼務可)
生活相談員 入居者100人につき1人以上(うち1人は常勤)
看護・介護職員(合計) 要介護者3人につき1人以上(夜間も常に1人以上確保)
看護職員 入居者30人以下は1人以上、30人を超える場合は50人増えるごとに1人追加
機能訓練指導員 1人以上(他の業務との兼務可)
計画作成担当者
(ケアマネジャー)
1人以上(入居者100人につき1人が目安)

「特定施設だとより医療が手厚くなりそう」といったイメージがありますが、配置基準が看護・介護職員の合計が「要介護者3人につき1人以上」となっている点に注意が必要です。

看護師ではなく介護職員の比率が多い場合もありますので、実際の職員や入居者に対する看護師の割合は施設に確認しておくのが安心です。

なお、特定施設では夜間は必ず職員が1人以上在籍しているということになります。夜中に体調が変化した場合なども安心して任せやすい環境といえるでしょう。

【配置基準:確認ポイント】
要介護者3人に対して看護・介護職員が1人以上配置される
夜間も常に職員が1人以上いる体制が義務づけられている
ケアマネジャーも必ず配置される

設備基準

特定施設の建物や設備には、入居者が安全・快適に生活できるよう国が定めた基準があります。

設備基準の主な内容
建物の構造 耐火建築物または準耐火建築物(火災に強い構造)
介護居室 原則個室・地下への設置禁止・適切な広さの確保
浴室 車椅子や体が不自由な方が使いやすい設備
トイレ(便所) 居室のある各階に設置・緊急時の設備も完備
食堂・機能訓練室 十分な機能が発揮できる適切な広さを確保
共用スペース 車椅子で円滑に移動できる空間・構造

介護居室が原則個室とされているのは、入居者のプライバシーを守るためです。

また、地下への居室設置が禁止されているのは、火災や水害の際に避難しやすい環境を確保するためとなります。

浴室やトイレは車椅子を使う方でも利用しやすい構造が義務づけられているため、介助がしやすい環境が整っているといえるでしょう。

【設備基準:確認ポイント】
介護居室は原則個室(プライバシーが守られる)
地下への居室設置は禁止(災害時の避難経路確保のため)
浴室・トイレは車椅子でも使いやすい構造が義務

運営基準

運営基準は、入居者が安心してサービスを受けられるよう、施設の運営方法や介護の提供ルールを国が定めたものです。

運営基準の主な内容
入浴介助 週2回以上の入浴または清拭(身体を拭くケア)を提供する
身体拘束の禁止 緊急時を除き、入居者を拘束することは禁止
介護計画の作成 入居者ごとに「特定施設サービス計画」を作成し、本人・家族の同意を得る
記録の保管 介護に関する記録を2年間保管する
サービス拒否の禁止 正当な理由がない限り、入居者へのサービス提供を拒否できない
契約の手続き 重要事項を書面で説明し、書面で契約を結ぶ

運営基準のなかでも「身体拘束の禁止」は入居者の権利を守るうえで重要なルールです。

転倒防止のためであっても、本人や家族の同意なく拘束することは原則として禁止されています。

また、入居者ごとに介護の計画書を作成することが義務づけられており、綿密な計画に基づいた介護サービスが提供されるのも特徴です。

【運営基準:確認ポイント】
週2回以上の入浴介助(または清拭)が義務づけられている
身体拘束は原則禁止(緊急時除く)
入居者ごとに介護計画書を作成し、同意を得てからサービスを提供する
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特定施設になれる介護施設

特定施設の指定を受けられる施設は、主に民間が運営している以下の介護施設が対象です。

  • 住宅型有料老人ホーム
  • サ高住
  • ケアハウス
  • 養護老人ホーム

各施設において、特定施設の指定されているとそうでない場合はどう違うのでしょうか。詳しく解説していきます。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、特定施設の指定基準を満たして都道府県の認定を受けると、「介護付き有料老人ホーム」として運営できます(名乗れます)。

特定施設の指定あり・なしの違い
指定あり
(介護付き有料老人ホーム)
指定なし
(住宅型有料老人ホーム)
介護の提供者 施設のスタッフが直接提供 外部の訪問介護事業者など
費用の仕組み 要介護度別の定額制 利用した分だけ費用が発生

住宅型有料老人ホームが特定施設の指定を受けていない場合、外部の訪問介護事業者を呼んで介護サービスを受けます。

介護サービスの量が少ない方は、利用分だけ費用を支払うため割安になることがあるでしょう。

一方、特定施設の指定を受けた施設では定額制のため、介護の量が増えても月額費用が変わりません

【住宅型有料老人ホーム:確認ポイント】
特定施設の指定を受けると「介護付き有料老人ホーム」と名乗ることができる
指定ありは定額制・施設スタッフが直接介護を提供する
指定なしは外部の介護事業者を利用し、利用量に応じて費用が変わる
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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、有料老人ホームの条件を満たすものであれば、特定施設の指定を受けることができます。

一般的なサ高住と特定施設指定のサ高住の違い
一般的なサ高住 特定施設のサ高住
介護の提供者 外部の介護事業者を利用 施設スタッフが直接提供
費用の仕組み 利用した分だけ費用が発生 要介護度別の定額制

サ高住は本来、安否確認と生活相談が付いた高齢者向け賃貸住宅です。そのため、特定施設の指定を受けたサ高住は少数です。

多くのサ高住は特定施設の指定を受けていないため、介護が必要な場合は外部の訪問介護事業者を自分で手配する必要があります。

特定施設の指定を受けたサ高住であれば、介護付き有料老人ホームと同じように施設スタッフから直接介護を受けられます

【サ高住:確認ポイント】
多くのサ高住は特定施設の指定を受けていない
有料老人ホームの条件を満たしたサ高住のみ特定施設の指定を申請できる
施設探しの際は「特定施設の指定あり・なし」を必ず確認する
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ケアハウス(軽費老人ホーム)

ケアハウス(軽費老人ホーム)も、本来は家事などの生活支援がメインの生活に不安のある高齢者向けの施設ですが、特定施設の指定を受けることができます。

国の助成があるため、有料老人ホームと比べて月額費用を低く抑えられるのが特徴の一つです。

特定施設の指定あり・なしの違い(ケアハウス)
指定なし
(一般的なケアハウス)
指定あり
(介護付きケアハウス)
介護の提供者 外部の介護事業者を利用 施設スタッフが直接提供
費用の仕組み 利用した分だけ費用が発生 要介護度別の定額制

特定施設の指定を受けたケアハウスは「介護付きケアハウス」とも呼ばれ、手厚い介護体制で生活を支えてもらえるでしょう。

ただし、ケアハウスはそもそもが生活支援のみを目的とした施設です。そのため、特定施設認定されているケアハウスの数は多くありません。

【ケアハウス:確認ポイント】
国の助成があり月額費用を抑えやすい施設
特定施設の指定を受けると施設スタッフが直接介護を提供できる
特定施設の指定を受けていないケアハウスも多いため、入居前に確認が必要
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養護老人ホーム

養護老人ホームは、「外部サービス利用型」の特定施設としてのみ指定を受けることができます。

養護老人ホームは、主に行政(市区町村)の措置によって入居する施設です。

特定施設の指定を受けた場合でも「外部サービス利用型」のみとなります。そのため、施設スタッフによる介護ではなく外部の事業者が介護サービスを担う点に注意してください。

施設スタッフは、主に安否確認・生活相談などをメインに担当します。

【養護老人ホーム:確認ポイント】
特定施設の指定は「外部サービス利用型」のみ取得可能
施設がケアプランを作成し、介護は外部の事業者が担当する
入居は行政の措置によるため、一般の方が直接申し込む施設ではない

特定施設に入るメリット・デメリット

特定施設のメリデメ

特定施設は、要介護度に応じた定額制の費用で24時間の介護を受けられる点が最大の特徴です。

また、介護保険を利用した定額でのサービス利用ができるところも魅力的です。

一方、介護がそれほど必要でない方には費用が割高になる場合があります。

入居を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解した上で判断してください。

メリット

特定施設には、要介護度が上がるほど費用面と介護体制の面で安心感が高まるメリットがあります。

介護付き有料老人ホーム(特定施設)の主なメリット
費用が定額制 要介護度に応じた一定額のため、介護量が増えても月額費用が変わらない
24時間の介護体制 夜間も職員が常駐しているため、いつでも介護を受けられる
終身利用が可能 認知症が進んだり要介護度が上がっても、同じ施設に住み続けられる(看取りまで対応する施設もある)
介護の手配が不要 施設スタッフが直接介護を提供するため、外部の訪問介護事業者を自分で手配する必要がない

介護費用の定額制とは、要介護度に応じて毎月一定の介護保険の自己負担額(1〜3割)のみを支払う仕組みです。

介護サービスを何回利用しても月額は変わらないため、介護が重くなるほど費用面での負担が一定に保たれます。

つまり、住宅型有料老人ホームでは利用した介護サービスの量に応じて費用が増えてしまうでしょう。

デメリット

特定施設では、外部の介護サービスとの併用ができないため、介護が軽度な方には費用が割高になる場合があります。

介護付き有料老人ホーム(特定施設)の主なデメリット
外部介護サービスと併用できない 特定施設の介護保険サービスと、外部の居宅介護サービス(訪問介護など)は同時に利用できない
介護が軽度だと割高になる可能性がある 介護サービスの利用量が少ない方は、利用した分だけ費用が発生する住宅型有料老人ホームより費用が高くなる場合がある
上乗せ介護費が発生する場合がある 3対1を超える手厚い職員配置の施設では、月額1万〜5万円程度の上乗せ介護費がかかる場合がある

特定施設では、基本的に自分のもっている介護保険を上限額まで使ってサービスを利用する仕組みになっています。

介護保険を利用した外部の介護事業者との契約はできませんのでご注意ください。外部の介護事業者と契約してサービスを使うことはできますが、すべて自費になります。

施設を選ぶ際は、必要な医療・介護サービスが施設内で対応できるかどうかを確認しておきましょう。

介護が現在軽度(要支援〜要介護1程度)の方は、都度利用分を支払う住宅型有料老人ホームなどの方が費用を抑えられる場合があります。将来の介護度の見通しについては、担当のケアマネジャーに相談した上で施設を選びましょう。
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特定施設と特定施設でない施設との費用の違い

特定施設と住宅型などの施設における費用の違いは、主に介護サービスを利用する際の介護保険の使い方です。

特定施設は、要介護度に応じて毎月一定額(パッケージ料金)がかかる定額制になります。そして、住宅型などの施設は、利用したサービス分だけ介護保険を使う従量課金制(出来高制)のイメージです。

特定施設と住宅型有料老人ホームなどにおける介護保険の使い方

特定施設における介護保険サービスの自己負担額は、入居者の要介護度に応じて毎月一定の定額制に定められています。そのため、施設スタッフによる介護サービスをどれほど多く利用しても、要介護度が変わらない限り月額の介護費用が変動することはありません。

対して、住宅型有料老人ホームなどでは、契約・利用した介護サービスの分だけ介護保険を利用します。サービスの利用が増えると、介護保険の支給限度額を超し自己負担となってしまうためご注意ください。

特定施設において、基準以上の手厚い人員配置(2対1など)を行っている場合、月額1万円〜5万円程度の上乗せ介護費用が別途発生する施設もあります。
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各介護施設の費用については、以下の記事もご覧ください。

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まとめ

特定施設(介護付き有料老人ホーム)と特定施設以外の施設(住宅型有料老人ホームなど)は、介護サービスの提供体制と費用体系が明確に異なります。

特定施設と特定施設以外の施設のおさらい
・特定施設:施設スタッフが直接介護を提供。介護保険サービスの自己負担額は定額制。
・特定施設以外の施設:外部の訪問介護事業所などが介護を提供。介護保険サービスの自己負担額は従量課金制。

特定施設は要介護度に応じた定額制であり、施設に常駐するスタッフが24時間体制で直接介護を提供します。特定施設以外の施設は利用したサービス量に応じた従量課金制であり、入居者は外部の介護事業所と個別に契約を結んで介護サービスを利用します。

施設への入居を検討する際は、入居者の要介護度と予算を明確にした上で、条件に合致する施設を選択する必要があります。要介護度が高く、毎月の介護費用を一定に保ちたい人は、特定施設を選択してください。要介護度が低く、必要なサービスのみを利用して初期費用や月額費用を抑えたい人は、特定施設以外の施設を選択してください。

希望条件に合う施設を探す際は、全国の老人ホーム情報を提供するケアスル 介護をご活用ください。ケアスル 介護の検索機能を利用し、入居者に最適な施設を比較検討してください。

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