グループホームは、少人数制で認知症の方のみを受け入れている施設です。
家庭的な環境であることや認知症の進行を予防する取り組みをしていることなどから希望する方も多くいますが、そんなグループホームでもデメリットはあります。
この記事では、グループホームのデメリットについて、実際に入居した方の声もあわせてご紹介していくとともに、それぞれの対処法をあわせて解説します。
施設のパンフレットや見学だけでは分からないリアルな実態をお伝えしますので、グループホームを考えている方はぜひご覧ください。
グループホームの主なデメリットとその対処法
グループホームには、小規模な共同生活という特性上、入居前に知っておかなければ後悔につながるデメリットがいくつかあります。
主なデメリットは以下の3つです。
- 1人の時間が持ちにくい
- 入居者同士のトラブルが起こりやすい
- 状態が悪化すると退去になる可能性がある
それぞれのデメリットについて詳しくご紹介していきます。
1人の時間が持ちにくい
グループホームは5〜9名の少人数ユニットで共同生活を送る施設であるため、1人でゆっくり過ごす時間が確保しにくい環境です。
個室はありますが、食事・入浴・レクリエーションなど日中の大半は共用スペースで過ごすことが前提となっています。
グループホームの「家庭的な温かさ」は、入居者によってはストレスになり得る点です。入居者本人が他者との関わりを好むかどうかを、施設選びの前に改めて確認しておくことが重要です。
グループホームとその生活環境について、看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんにお話を伺いました。


対処法
入居前に本人の性格・生活スタイルをよく把握した上で施設を選ぶことが、最大の対処法です。
1人でいるのが好きな方の場合、グループホームが合わない可能性を視野に入れた上で、サービス付き高齢者向け住宅など個の時間が確保しやすい施設と比較検討することも選択肢の一つです。

②入居者同士のトラブルが起こりやすい
グループホームでは入居者全員が認知症を持っているため、他の施設では起こりにくいトラブルが発生しやすい環境です。
悪意のない行動であっても、他の入居者の生活を妨げてしまうケースがあります。
こうしたトラブルは施設スタッフが対処しますが、完全に防ぐことは難しい面もあります。施設の対応力を事前に確認しておくことが重要です。

対処法
見学時に「他にどんな方が入居しているか」を確認しておくのが主なな対処法です。
共用スペースの雰囲気や職員の関わり方を観察することで、「うちの親と合いそうか」という相性をある程度確認することができます。

③医療行為には対応できない所が多い
グループホームは看護師の配置が法律上義務化されていないため、提供できる医療ケアに限界がある施設が多いです。
入居時点では問題がなくても、状態が変化した場合に対応できなくなるリスクを理解しておく必要があります。
施設によって看護師を常勤配置しているケースとそうでないケースがあるため、入居前に「どこまで医療対応が可能か」を必ず確認しておくことが重要です。

対処法
医療ニーズが将来的に高まる可能性がある場合、入居時点で「状態が変化した場合の対応方針」を施設に確認しておくことが重要です。
胃ろうやインスリン注射など専門的な医療ケアが必要になった際の転居先候補も、あらかじめ検討しておくと安心です。

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実際にグループホームに入居した方が感じたデメリット
グループホームには、施設のパンフレットや見学だけでは分からない、実際に入居してみて初めて気づくデメリットもあります。
ケアスル 介護では、全国のグループホームを掲載しており、実際に入居された方やそのご家族の口コミや体験談を掲載しています。
なかでも、特に多かったネガティブな口コミは以下の3つです。
- 職員の入れ替わりが激しく、慣れた頃にいなくなる
- 私物が勝手に片付けられ行方不明になる
- 職員の対応が入居前後で変わる
職員の入れ替わりや私物の取り扱い、スタッフの対応変化といった点は、実際に入居した家族の口コミからしか見えてこない情報です。
本章では、それぞれのネガティブな口コミについて詳しくご紹介していきます。
ケアスル 介護に掲載されているグループホームとその口コミ・体験談を見る
職員の入れ替わりが激しく、慣れた頃にいなくなる
男性 / 80代前半 / 要介護2 | 埼玉県・グループホーム入居者家族
担当のケアマネージャーやスタッフが、こちらが覚えたり慣れてきた頃に変わってしまう。引き継ぎはされているようだが、対応の仕方に個人差があるので少し落ち着かない感じがある。
介護業界全体が人手不足の課題を抱えており、グループホームでも担当スタッフが頻繁に変わる施設があるでしょう。
スタッフが変わるたびに入居者・家族ともに慣れ直しが必要となり、対応の質にムラが生じることがあります。
職員の入れ替わりが頻繁な施設では、入居者が安心できる環境を維持しにくくなります。
施設のホームページや見学時には、職員の平均勤続年数も聞いてみるとよいでしょう。
私物が勝手に片付けられ行方不明になる
グループホーム入居者家族 | 和歌山県
何処に何を片付けたのか探さないと分からない事がやっぱり気になります。ゴミでも無いものを勝手に捨てるのはやり過ぎる傾向があって配慮が足りません。やることはやっていても何処に何をまとめるとか細かい配慮が足りない気がしてなりません。
グループホームでは職員が居室の清潔保持のために片付けを行うことがありますが、入居者の私物の取り扱いに対する配慮が施設によって差があることが体験談から分かります。
特に認知症の方であれば、物の場所が違っている、日常的に使う物がなくなるといったときに強いストレスを感じる方も多いです。
私物の取り扱いに関するトラブルは、施設側のルールと家族の希望がすり合わせられていないことで起きるケースもあります。
入居時に「物の片付けについての施設のルール」を確認し、大切な物についてはあらかじめスタッフへ伝えておきましょう。
職員の対応が入居前後で変わる
グループホーム入居者家族 | 静岡県
デイサービスではフレンドリーな対応だったが、入居後はスタッフの扱いが雑になった。
グループホーム入居者家族 | 大阪府
挨拶しても無視されることが多い。面談形式の意見交換会で疑問点を述べたが曖昧な返答しかなく、後の対応にも変化が見られなかった。
スタッフの対応が入居前後で大きく変わったという口コミもあります。
見学時やショートステイ時間は施設側も印象をよく見せようとするため、普段の対応をそのまま確認することは難しい面があるでしょう。
こうしたギャップを見抜くためには、一度の見学だけでなく複数回・異なる時間帯に訪問して日常の様子を確認しておくと安心です。
また、体験入居が可能な施設では積極的に利用することで、入居後のギャップを減らすことができるでしょう。
グループホームのメリット
グループホームにはデメリットをご紹介してきましたが、他の施設にはないグループホームならではの魅力的なメリットもたくさんあります。
以下の3つのメリットは、グループホームにしかないメリットと言えるでしょう。
- 家庭的で落ち着いた環境
- ケアが行き届きやすい
- 認知症の進行を予防するケアを受けられる
各メリットについて詳しくご紹介していきます。
家庭的で落ち着いた環境
グループホームは5〜9名の少人数制のため、大型施設にはない「家庭に近い落ち着いた雰囲気」の中で生活できます。
地域密着型であるため、住み慣れた地域での生活を継続できる点も大きな特徴です。
常に見慣れた入居者やスタッフと交流できるため、認知症の方でも混乱しにくく穏やかに暮らせる施設といえます。
ケアが行き届きやすい
グループホームは少人数ユニット制のため、スタッフが一人ひとりの状態・性格・生活リズムをよく把握した上でケアを行える環境です。
グループホームの人員配置基準は、日中は入居者3名に対してスタッフ1名以上となります。そのため、他の施設に比べて入居者一人あたりに関われる時間が長く、きめ細かい支援が可能です。
認知症の方の突発的な行動や些細な変化への対応なども余裕をもってできるため、安心して任せやすくなっています。
認知症の進行を予防するケアを受けられる
日常生活の役割分担や入居者同士のコミュニケーションが、認知機能の維持・低下防止につながると期待されています。
特にグループホームでは単に介護を受けるだけでなく、本人の「できること」を活かした支援が行われることで、認知症の進行をおさえるケアが積極的に行われていることも特徴です。
一人一人に合わせた認知症予防ケアに取り組めるのは、少人数制であるグループホームからこそできるものです。
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後悔しないグループホーム選びのポイント
グループホームを選ぶ際には、費用や設備だけでなく、入居環境の「相性」と施設の「日常の関わり方」を見極めることが大切になります。
本章では、入居後に「こんなはずじゃなかった」と感じないよう、あらかじめ確認すべき3つのポイントをまとめました。
他にどんな人が入居しているか(相性)を確認しておく
グループホームは少人数制のため、他の入居者との相性が日常の生活のしやすさに大きく影響します。
認知症を持つ入居者同士が共同生活を送る環境では、他の施設では起きにくいトラブルが発生することもあるため、見学時に入居者の雰囲気を意識して確認しておきましょう。
見学では担当者の説明だけでなく、実際に共用スペースに足を運んで入居者の様子をじっくり観察しましょう。
「ここはうちの親が馴染めそうか」という視点を持って見ることで、パンフレットには載っていないリアルな環境を把握することができます。
介護職員として10年間勤務され、現在は高齢者施設の紹介業を営んでいる和田さんに、入居者とその相性を考える大切さについてお話しを伺いました。


・見学時は担当者の説明だけでなく、共用スペースで入居者の様子を実際に観察する
・入居者の介護度・症状の傾向について施設担当者に直接確認する
・一度の見学だけで決めず、複数回訪問して雰囲気を確かめる
引きこもりを防ぐ日常の取り組みを確認する
グループホームでは、入居者が居室に引きこもりがちになることがあります。
識引きこもりの状態に対する対応方法は施設によって違うため、見学時に確認しておくと安心です。
引きこもりは認知症の進行を進める原因の一つと言われています。そのため、なかなか交流の機会をもてていない人に対して、職員がどのような働きかけをしているかも見れるとよいでしょう。

・毎日のスケジュール(体操・食事・レク等の時間割)を確認する
・共用スペースに自然と人が集まる雰囲気があるかどうかを見学時に観察する
追加費用を確認しておく
グループホームの月額費用には含まれない「追加費用」が別途発生することが多いです。そのため、実際の月々の支出が想定より高くなるケースがあります。
事前に追加費用の内容を把握しておくことで、入居後の金銭的な驚きを防ぐことができるでしょう。
「特別養護老人ホームのようにすべて込み」というイメージで入居すると、実際には予算オーバーになる可能性もあります。

・月額費用の内訳(含まれるもの・含まれないもの)を書面で確認する
・オムツ代・日用品費・理美容代などの目安額を担当者に質問する
・入居後に費用が上がった場合の上限や通知ルールを確認する
まとめ
グループホームは認知症の方に特化した少人数制の施設で、家庭的な環境や手厚いケアという強みを持ちます。
一方で、入居前に正しく理解しておかなければ後悔につながるデメリットもあるため注意が必要です。
本記事では、グループホームのデメリットを7つ解説し、それぞれの対処法と体験談をあわせてお伝えしました。
以下に、本記事で解説したデメリットと対処法を一覧で整理します。
グループホームの選び方で特に重要な3つのポイントは、「他の入居者との相性の確認」「追加費用を含めた月々の支出の把握」「引きこもり防止など日常の取り組みの確認」です。これらを入居前に押さえることで、入居後の後悔を大きく減らすことができるでしょう。