• 在宅介護
  • 【公開日】2021-01-12
  • 【更新日】2023-02-24

介護タクシーと福祉タクシーの違いとは?目的から対象者、料金の違いを解説!

介護タクシーと福祉タクシーの違いとは?目的から対象者、料金の違いを解説!

遠方で高齢の親が一人暮らしをしている場合や一時的に在宅介護が出来なくなった場合などで利用したいサービスの一つに介護タクシーがあります。介護をしている人が本人の近くにいない場合で病院に行かなくてはならない場合などで利用したいサービスの一つです。

また、介護タクシーと似ているサービスとして福祉タクシーがあります。名称が似ていて、いったいどちらのサービスを使うべきか迷ってしまうという方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、介護タクシーと福祉タクシーの違いについて解説していきます。目的から利用対象者、費用の違いなどについても解説していきます。

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介護タクシーと福祉タクシーの違い一覧表

先ず最初に介護タクシーと福祉タクシーの違いを一覧表で解説していきます。

介護タクシー 福祉タクシー
目的 日常生活上または社会生活で必要な行為に伴う外出のみで要介護者の移動の乗り降りをサポートすること 公共交通機関を利用して移動することが困難な方に対して、冠婚葬祭や旅行などを目的とした移送をすること
対象者 要介護1~5の方 公共交通機関での移動が困難な方全般
費用 介護保険が適用されるため比較的安い 全額自己負担なので高額
車両の違い 車椅子やストレッチャーのまま乗車可能 提供している会社によって車両が異なる
家族の同乗 出来ない 出来る

 

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介護タクシーと福祉タクシーの違い①目的の違い

先ず最初に介護タクシーと福祉タクシーの目的の違いについて解説していきます。

介護タクシーの目的

介護タクシーの目的は、日常生活上または社会生活で必要な行為に伴う外出のみで要介護者の移動の乗り降りをサポートすることです。介護保険が適用されるのが特徴で、ドライバーも自動車の二種免許のほかに「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」という資格の取得が必要であることが法律で定められています。

また、「介護タクシー」は正式な名称ではなく、正式名称は「通院等のための乗車または降車の介助(通院等乗降介助)」とされており、このサービスを行うタクシーのことを介護タクシーと呼んでいます。そのため、利用の際は要介護1でケアプランへの記載がない場合は利用できないサービスとなります

介護タクシーは介護保険が適用されるタクシーとなっているので、旅行やレジャーなどのための利用はできないのが特徴です。あくまでも通院や補聴器やメガネなどの本人が現場に行かなければならない買い物や預貯金の引き出し等、最低限の利用目的でのみ介護保険を適用して使うことが出来るのが特徴です。

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福祉タクシーの目的

介護保険が適用される介護タクシーに比べて福祉タクシーは、社会福祉を目的に公共交通機関を利用しての移動が困難な方を対象にサービス提供されているものです。

あくまでも民間の事業者が提供しているサービスなので、福祉タクシーのドライバーは介護資格が不要で乗り降りのサポート等は法律上してはならないという決まりがあります。したがって、介護度が重く自立して乗り降りができない方は利用が難しいサービスとなっています。

また、福祉タクシーはあくまでも民間事業者が社会福祉という切り口で提供しているサービスとなるので、移動先は病院などの必要最低限の場所である必要はなく、旅行やレジャーなどでも利用することが出来ます

介護タクシーと福祉タクシーの違い②対象者の違い

介護タクシーと福祉タクシーの対象者の違いについて解説していきます。

介護タクシーの対象者

介護タクシーの対象者は要介護1~5の方でかつ、自宅・有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅、ケアハウスなどで生活をしている高齢者となります。要支援の認定しか受けていない方は利用の対象とはならないことに注意しましょう。

理由としては、介護タクシーの目的が一人で電車などの公共交通機関に載ることが出来ない人の移送をサポートすることとなっているので、要支援で自立した生活を送ることが出来る方は対象とはならないのです。

福祉タクシーの対象者

福祉タクシーの対象者としては、要介護認定を受けているか受けていないかに限らずすべての方が利用することが出来ます。したがって、利用目的や移動先に合わせて誰でも自由に使うことが出来ます。

介護タクシーとは違い全額自己負担で利用する介護保険外サービスとなるので、利用範囲が広く利用の選択肢も広いのが特徴となっています。

介護タクシーと福祉タクシーの違い③料金の違い

ここでは介護タクシーと福祉タクシーの料金の違いについて解説していきます。

介護タクシーの料金

介護タクシーの料金体系は、運賃、介護サービス費用、介護機器のレンタル費用を合計した金額となります。すべて介護保険が適用されるわけではなく、運賃と介護機器のレンタル費用は事業者に対して全額自己負担で支払う必要があることに注意しましょう。

運賃

また、運賃に関しても時間制料金と距離制料金の二つ料金体系があるのも特徴です。距離制料金としては一般的なタクシーのメーター料金で徴収するケースが多くあります。一方で時間制料金としては、30分ごとに1,000円などの体系で時間制で料金を徴収している場合もあります。

なお、「介護運賃」の認可を受けている訪問介護事業者においては通常の運賃の半額程度に抑えていることもあるので、介護タクシーの業者を選ぶ際は注意して選ぶようにしましょう。

介護サービス費用

介護タクシーを利用する際の介助に関する料金は自己負担1割の場合は1回当たり約100円程度です。したがって、往復で最低200円程度かかることが一般的となっています。

介護器具のレンタル料金

介護器具をレンタルする場合はレンタル料金が別途かかることになります。料金の目安としては、

  • 車椅子:0~1,500円
  • リクライニング車椅子:1,500~2,000円
  • ストレッチャー:4,000~6,000円

程度が一般的となっています。

そのほか介護タクシーの料金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

福祉タクシーの料金

福祉タクシーの料金体系としては、運賃とレンタル費用、貸し切り代や予約費用などの費用項目がすべて自己負担でかかることが一般的です。

福祉タクシーの運賃としては、普通車のタクシーメーター+1,000円などの料金体系が採用されていることが一般的です。特殊車両費や貸し切り代や予約費用などが別途かかることが特徴となっています。

レンタル費用

福祉タクシーでは、車いすやリクライニング車椅子、スロープなどのレンタル料金として一日単位で料金が加算されていくのが一般的です。

また、ストレッチャーがついているものなど寝台車両を利用する場合は車両費用として4,000円程度追加でかかることも少なくなく、メーター料金も通常の2割増しなどで徴収されることも少なくありません。

貸し切り代や予約費用

福祉タクシーの場合は冠婚葬祭やレジャー・旅行などの場合でも利用することが出来るので、貸し切り代として費用が掛かることもあります。目安としては2時間10,000~5時間25,000円程度となっています。

そのほかにも予約費用として500円程度費用が掛かったり、待機料が別途かかる可能性があるのも特徴となっています。

介護タクシーと福祉タクシーの違い④車両の違い

続いて介護タクシーと福祉タクシーの車両の違いについて解説していきます。

介護タクシーの車両

高齢者の通院をサポートする介護タクシーは、一般的な車両とは違って、乗車や降車をサポートするための設備が多数搭載されています。例えば車いすの人が乗り降りしやすいように、専用のリフトやスロープが付属したものや、寝たきりの人でも利用できる寝台車型のものもあります。

また、乗り降りがしやすいように、シートが回転するものもあり、車両の種類はさまざまであると考えましょう。車種も豊富であり、基本的には乗り降りがしやすいボックスタイプのものが多いですが、中にはセダン型で、通常のタクシーと同じ車種を使っていることもあります。

福祉タクシーの車両

福祉タクシーの車両に関しては厳密な決まりがあるわけではありませんが、介護タクシーと同様に車いすのまま乗車出来たりストレッチャーのまま寝たきりで乗車することが出来る車両が多いのが特徴です。

ただし、上述したように福祉タクシーの運転手は介護士として「介護職員初任者研修」を受けていないと乗り降りのサポートをするのは法律上できないので、介護タクシー程車両が充実している可能性は高くはありません。

介護タクシーと福祉タクシーの違い⑤家族の同乗

介護タクシーと福祉タクシーの家族の同乗の有無について解説していきます。

介護タクシーの家族の同乗

介護タクシーを利用する場合は家族は同乗することが出来ません。

というのも、介護タクシーはあくまでも介護保険サービスとして周りの介護者がおらず、通院な度移動の必要があるのにもかかわらず、一人では移動できない際に利用するサービスです。したがって、家族がいる場合は家族がその責任を果たす必要があるとの考え方から、家族の同乗はできないのが一般的です。

福祉タクシーの家族の同乗

福祉タクシーを利用する場合は家族も同乗することが可能となっています。

というのも、福祉タクシーはドライバーが乗り降りの介助をすることは法律で禁じられているので、介護者が自分で乗り降りができない場合はむしろ家族の介助が必要となるからです。

また、冠婚葬祭やレジャー・旅行などでの利用も福祉タクシーの目的となるので、当然家族も同乗して移動することが出来るのです。

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介護タクシーのメリット・デメリット

本章では介護タクシーのメリット・デメリットについて解説していきます。

介護タクシーのメリット

介護タクシーを利用するメリットとしては、次のものがあげられます。

  • 家族の介護負担が軽減できる
  • 引きこもりの防止など社会とのつながりも確保できる

通院時の家族による送迎が不要になることから、介護にかかる家族の負担を軽減できることが介護タクシーのメリットです。自家用車でも病院への送迎は可能ですが、時間的なコストがかかったり、乗り降りの際の介助など、身体的な負担も多くかかります。

そのため、これらのコストや労力が解消できる点も、介護タクシーならではのメリットといえるでしょう。他にも自費利用なら制限なしで乗車できるため、高齢者の引きこもり防止にも役立つ点は魅力です。

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介護タクシーのデメリット

介護タクシーのデメリットとしては、次の3つがあげられます。

  • 家族の同乗は原則できない
  • 料金が高額になることもある
  • 提供されるサービスは送迎と乗降の介助のみ

訪問介護の一環である介護タクシーは、原則利用者のみ乗車が可能です。そのため、家族の同乗はできず、利用者が1人で通院しなければならないことは覚えておきましょう。

また、介護タクシーでは利用する車両の設備や器具によって、料金が変動します。単純に乗車距離が長くなることで料金が高くなることはもちろん、ストレッチャーなどの介護器具の利用が増えるほど、コストは上がると考えましょう。

そのため、利用内容次第では、費用が高額になってしまうこともあるため注意しなければなりません。介護タクシーで提供されるサービスは、送迎と乗降の介助のみであり、病院内での付き添いなどはないため注意しましょう。

そのため、病院についてからのケアが受けられないこともあるため、利用を考えているならどこまでのサービスが受けられるかは確認しておくことが大切です。

福祉タクシーのメリット・デメリット

続いて、福祉タクシーのメリット・デメリットについて解説していきます。

福祉タクシーのメリット

福祉タクシーのメリットとしては次の3つが挙げられます。

  • 冠婚葬祭やレジャー・旅行などで利用できる
  • 地域の助成を得ることが出来る場合がある

福祉タクシーのメリットとして、冠婚葬祭やレジャー・旅行などでも利用することが出来る点が挙げられます。福祉タクシーは介護タクシーとは異なり。介護保険が適用されない代わりに利用目的が幅広く制限がないのが特徴です。

場合によっては福祉タクシーを利用する際に貸し切り代などが請求される可能性もありますが、老後の楽しみとして旅行やレジャーなどで利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

続いてのメリットは、福祉タクシーは地域の助成を受けることが出来る場合があることです。自治体によっては、介護保険が適用されない代わりにタクシーチケットなどの形で500円程度の利用券を複数枚交付している場合があります。

例えば、神奈川県相模原市であれば身体障碍者手帳の1級・2級などの市が認定した方に対して1枚500円の利用券を1カ月に6枚交付しています。

福祉タクシーのデメリット

福祉タクシーのデメリットしては、やはり利用料金が高いことが挙げられます。

というのも、福祉タクシーは介護保険が適用されないので全額自己負担となる他、運賃や特殊車両費などの形で通常のタクシーと比較して高い料金がかかるのが一般的です。

寝たきりの方を移送する場合は高額なレンタル料金がかかることも少なくないので、利用の目的が幅広いことなどと引き換えに料金が高くなることは福祉タクシーのデメリットと言えるでしょう。

介護タクシーと福祉タクシーの違いを知って使い分けよう

本記事では介護タクシーと福祉タクシーの違いを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

介護タクシーは介護保険が適用される一方で目的や移動先が限定的というデメリットがありますが、逆に福祉タクシーは費用が高い代わりに移動先などの目的が自由に設定できるというメリットがあります。

したがって、利用用途などによって使い分けるようにしましょう。

介護タクシーと福祉タクシーの違いは?

介護タクシーと福祉タクシーの最大の違いは、介護保険が適用されるかされないかです。介護タクシーは正式には訪問介護の一種であり、利用の際は要介護1でケアプランへの記載がない場合は利用できないサービスとなります。詳しくはこちらをご覧ください。

介護タクシーと福祉タクシーはどっちがおすすめ?

利用用途などによって使い分けることがおすすめです。介護タクシーは介護保険が適用される一方で目的や移動先が限定的というデメリットがありますが、逆に福祉タクシーは費用が高い代わりに移動先などの目的が自由に設定できるというメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

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