在宅で介護をしている場合、介護する側も介護される側も、互いに余計なストレスを溜めることなく心身ともに健康に介護生活を送りたいものです。
在宅で介護を受けている高齢者にぜひおすすめしたい介護サービスの一つが、ショートステイサービスです。ショートステイを上手に活用することによって、長期にわたる介護生活を気持ちよく過ごすことができるでしょう。
この記事では、ショートステイを活用するために知っておきたいサービス内容や宿泊する施設の選び方、具体的な利用方法まで詳しく解説していきます。
ショートステイとは
介護の現場ではもはや当たり前のサービスであるショートステイですが、これまで介護を行ったことがない方や介護とは縁が遠い生活を送ってきた方の中にはショートステイのサービス内容を正確に把握してない方もいるでしょう。
ショートステイサービスとは具体的にどのようなサービス内容なのでしょうか。ここからは、ショートステイのサービスの中身や利用可能な時間、サービスを利用できる対象者やショートステイのメリットやデメリットなどを解説します。
サービス内容
ショートステイは、介護認定を受けた要介護者が、一時的に介護施設に入所して介護サービスを受けることができる施設入所サービスを指します。
ショートステイは「短期入所生活介護」あるいは「短期入所療養介護」とも呼ばれています。「短期入所生活介護」とは、食事や排せつ、入浴などの一般的な生活介護や機能訓練、さまざまなレクリエーションサービスが受けられる福祉サービスです。
短期入所生活介護は、有料老人ホームや特別養護老人ホームといった介護老人福祉施設でサービスを受けることができます。
一方「短期入所療養介護」は、入浴や食事、排せつなどの生活介護サービスだけでなく、リハビリや医療ケアといったさまざまな医療サービスを受けられるショートステイを指します。短期入所療養介護では、介護職員だけでなく理学療法士や作業療法士、ドクターや看護師も配置され医学的な管理がなされています。
短期入所療養介護のサービスを受けられる施設は介護老人保健施設です。その他、療養病床が用意されている診療所や病院、老人性認知症疾患療養病棟のある病院などがこのサービスを提供しています。
短期入所療養介護について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
- 関連記事短期入所療養介護とは?利用までの手順から選ぶポイントを徹底網羅!カテゴリ:在宅介護更新日:2023-12-20
利用できる期間
ショートステイは、1日単位での利用が可能であり、1カ月につき連続して最長30日まで利用することができます。仮に介護保険の支給限度額を超過した場合、超えた分は全額自己負担となります。また、連続利用が30日を超えた場合、それ以降の利用に関して介護保険は適用されないことに注意が必要です。
また、ショートステイは介護認定期間の半数まで利用できます。介護認定期間は、新しく要介護認定を受けた際は通常6カ月となっており、更新した場合は12カ月となってます。介護認定期間が180日の場合、その半数である90日までショートステイの利用が可能となるのです。
仮に90日を超えて利用する場合には、あらかじめ市区町村に届け出が必要となります。介護者が病気や事故などのやむを得ない事情がある場合は、例外として延長が認められることがあります。その際は担当のケアマネジャーに相談することをおすすめします。
サービスの対象者
ショートステイサービスは高齢者なら誰でも利用できるわけではありません。サービスの対象者は要支援1か要支援2、もしくは1~5の要介護認定を受けた人もしくは、40歳~64歳の方で特定疾病により要介護と判断された人に限られています。
要支援の場合は、地域包括支援センターにショートステイを依頼することになり、要介護の場合は担当のケアマネジャーに相談することになります。
メリット
ショートステイの最大のメリットは、介護をする側もされる側もショートステイを利用することにより精神的にリフレッシュできる点です。
普段自宅で介護を受けている方にとっては将来お世話になる環境を体験できるいい機会であり、介護を行なっている家族にとっては介護から離れることができるため気分転換できるひと時となります。
自宅での介護は、介護を受ける側も介護をする側もいくばくかのストレスを抱えています。ショートステイを上手に活用することによって、互いにリフレッシュできるというメリットがあるのです。
デメリット
ショートステイには先述したメリットがある反面、いくつかのデメリットがあります。具体的には、以下の3つのデメリットがあげられます。
- 利用可能日数に制限がある
- 人間関係が希薄
- 予約が取りにくい
利用可能日数に制限がある
先述した通り、ショートステイは介護認定期間の半数まで利用が可能です。仮に体調の悪化などにより利用可能日数を超えて滞在した場合、超えた分の利用料は保険が適用されずに自己負担となります。
人間関係が希薄
利用施設にもよりますが、ショートステイは一時的な利用であることから同じ施設にいる方とコミュニケーションが取りづらく、限られた日数の中で人間関係を築くことが難しい特徴があります。
予約が取りにくい
ショートステイサービスは人気が高く、連休や週末などは予約が取りにくくなる傾向があります。ショートステイを利用する場合は、できるだけ早い段階で担当のケアマネジャーに相談し、日程を押さえておくと良いでしょう。
ショートステイ利用だけではなく入所まで考えているという方はケアスル介護がおすすめです。
入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらうことが出来るので、自分に合った施設を探すことが出来ます。
初めての老人ホーム探しで何から始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。
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ショートステイの利用を考えてみよう
自宅で介護をされている方の中には、ショートステイの存在自体は知っていても、利用の仕方が分からないことから一度もサービスを利用した経験がない方もいるでしょう。しかしショートステイは介護する側もされる側もメリットが多く、機会があれば利用を検討することをおすすめします。
ここからは、ショートステイを利用できる具体的な場面やその利用方法、ショートステイを実際に利用するまでの流れを紹介します。
活用できる場面
ショートステイは、介護を行なっている人と介護を受けている人それぞれの立場によって活用できる場面は異なります。
介護を行なっている人の場合、仕事や出張、冠婚葬祭や家族旅行、介護から離れてリフレッシュしたい場合にショートステイを活用できます。
介護を受けている人がショートステイを活用する場面としては、特養などの施設の入居待ちとしての利用や長期入居に備えた体験利用、退院後すぐ自宅で生活を送ることに不安がある方がリハビリを兼ねて利用する場合などがあげられます。
具体的な利用方法
ショートステイの利用方法は利用者によって異なります。毎月数日間必ず利用する方や週末に利用する方、子供の夏休みや冬休みのタイミングに合わせてショートステイを利用する方もいます。
ショートステイは、利用条件の範囲内であればどのような利用方法でも可能です。介護を行う方の家庭環境や仕事の状況、ライフスタイルなどに応じて柔軟に利用すると良いでしょう。
利用までの流れ
ショートステイを利用する場合は、最初に担当のケアマネジャーに相談します。多くの施設ではショートステイは3カ月前から予約を受け付けています。しかし人気が高い施設などは、できるだけ早めに予約しなければ希望の日程を押さえることができないので注意が必要です。
週末や連休、年末年始などは予約が取りにくい傾向があります。ショートステイの利用を検討してる段階で、早めにケアマネジャーに相談して予約することをおすすめします。
ショートステイを利用するまでの流れは以下の通りとなります。
- 担当のケアマネジャーに連絡
- ケアマネジャーが申し込み
- ケアプラン作成
- サービス利用開始
1.担当のケアマネジャーに連絡
ショートステイの利用を検討したら、担当のケアマネジャーに連絡して具体的な利用目的や利用時期、利用期間を伝えます。
2.ケアマネジャーが申し込み
ケアマネジャーは適切な入居施設を探し、担当者と連絡を取ります。こちら側の希望を伝え、互いの条件が合致したらショートステイの申し込みを行います。
3.ケアプラン作成
ケアマネジャーは事業者の担当者と共に、入居者のケアプランを作成します。本人の健康状態や予算、滞在日数などを考慮に入れながら、綿密なケアプランを作成します。
4.サービス利用開始
ケアプランを作成したら、事業者とショートステイの契約を交わします。その後予定日が訪れたら、施設に訪れて実際にサービス利用開始となります。
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ショートステイの選び方
一言でショートステイと言っても、ショートステイサービスを提供している施設は複数の種類があります。それぞれの施設ごとにサービス内容に違いや特徴があることから、ショートステイを利用する側は健康状態に合わせて最適な施設を選択することが大切です。
ここからは、ショートステイを行なっている施設の特徴や具体的な選び方を解説します。
提供施設は4種類
ショートステイのサービスを提供している施設は、以下の4つとなります。
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 介護老人保険施設
- 介護療養型医療施設
以下、それぞれの提供施設の特徴を解説します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人などが運営している介護施設となります。要介護3以上の方の入所が多い特徴があり、医療ケアが受けられるかどうかは施設でバラツキがあるため注意が必要です。
特別養護老人ホームでは介護保険が適用されることから気軽に利用しやすい反面、ベッド数が限られており予約が取りづらい傾向があります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは民間の会社が運営していることが多く、施設によって提供サービスの内容に違いがあります。
具体的には、看護師が滞在し医療サービスに重点を置いている施設や、理学療法士や介護福祉士などの専門スタッフを多数抱えている施設、レクリエーションや食事などに力を入れている施設などさまざまです。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は一般的に「老健」と呼ばれており、介護保険が適用される公的な施設です。長期間入院をしていた方が退院後に自宅に戻るまでの間に利用されることの多い特徴があり、入所中は介護や看護サービス、医療サポートを受けることができます。
老健はショートステイ専用ベッドを確保しているところが多く、予約は比較的取りやすい特徴があります。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は「介護療養病床」とも呼ばれており、比較的重度の要介護者に対して充実した医療処置や手厚いリハビリを提供する介護施設を指します。
介護療養型医療施設は医療法人が運営することから、医師や看護師などの医療的なサポートが手厚い特徴があります。多くの施設には多床室があるため、比較的少ない費用負担で利用できます。
費用はどれくらい?
さまざまな施設が提供しているショートステイのサービスですが、気になるのはその費用です。制度上は最長30日利用可能だとしても、費用が用意できなければそもそも利用すらできないのです。
ここでは、介護保険が適用されるものと介護保険が適用されないものに分けて、ショートステイを利用した際に負担する費用を解説します。
介護保険が適用されるもの
ショートステイを利用するにあたり、介護保険が適用されるものは利用料金です。利用料金とは介護サービス費のことであり、食事や入浴などの介助を受けるためにかかる費用となります。
ショートステイを1泊2日で利用した場合、一般的には、800~2,500円ほどの利用料金が発生します。
介護保険が適用されるショートステイには、短期入所生活介護と短期入所療養介護の2種類があります。短期入所療養介護の場合には医師や看護師による医療サービスが受けられることから、短期入所生活介護と比較して数百円程度利用料金が高く設定されています。
介護保険が適用されないもの
ショートステイを利用するにあたり、介護保険が適用されないものとして、食事や施設滞在費、レクリエーション費用、日用品や私物の購入費や日々の生活費などがあげられます。
これらの費用は施設や個人によって差があります。食事が豪華であり高級感のある充実した施設であれば、必然的に食事や施設滞在費などは高くなる傾向があるため気をつけましょう。
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ショートステイで介護以外の時間を確保しよう
今回は、介護サービスの一環であるショートステイサービスについて解説しました。在宅での介護は、介護をする側も介護を受ける側も精神的・肉体的にストレスがかかるものです。
しかし今回紹介したショートステイを利用すれば、介護のために全ての時間を費やす必要がなくなり、家族や仕事、プライベートの時間を確保することも可能になります。介護をする側も受ける側もリフレッシュできることから、ショートステイをうまく活用することにより長期にわたる介護生活を乗り切ることができるでしょう。
これまでショートステイを活用されたことがない方は、今回の記事を参考にして、まずは1度ショートステイを利用することをおすすめします。