「グループホームではどのような一日の流れで過ごす?」
「グループホームでの生活が親に合うか心配」
グループホームへの入居を検討している方は、実際にどのような生活を送っているのか気になるのではないでしょうか。グループホームの特徴は、認知症の方が安心して暮らせるよう、認知症に特化したさまざまなサポートがある点です。
グループホームで生活すれば、認知症の進行の抑制や身体の機能維持が望めるでしょう。そこで本記事では、グループホームにおいての一日の流れや、グループホームへの入居に向いている方・向いていない方について解説します。
グループホームでの過ごし方を知ると、本人に合っているのかどうか判断しやすくなるでしょう。
グループホームの一日の流れを紹介
グループホームの一日の流れは、下記のとおりです。
朝 | 起床 | 着替えや排泄の介助をしてもらう |
---|---|---|
朝食 | 職員と入居者が一緒に朝食を用意する | |
歯磨き・服薬 | 毎日バイタルチェックを行う | |
自由時間 | テレビ鑑賞やレクリエーションなどをする | |
昼 | 昼食 | 職員と入居者が一緒に昼食を用意する |
入浴 | 週2回以上、入浴する | |
夕方以降 | おやつ | さまざまなお菓子を食べる |
夕食 | 職員と入居者が一緒に夕食を用意する | |
就寝 | 部屋に戻って就寝準備をする |
上記のように大まかな一日の流れはありますが、ご本人の生活リズムを尊重して、時間の過ごし方に自由度を持たせているグループホームがほとんどです。
朝食・昼食・夕食なども、ご本人のこれまでの生活を尊重し、活力や能力を引き出すために、入居者ができる範囲で一緒に準備をします。
全体的に自分でできることは入居者自身で行い、できないことを職員が手助けするような生活です。
それでは、それぞれのスケジュールについて詳しく解説していきます。
[起床]着替えや排泄の介助もしてもらえる
朝は職員が利用者に声かけして起床し、朝の準備へ誘導する流れです。これまでの生活でもおひとりおひとり、一日のスタートは違って当然です。起床時間は一律で決まっている場合もあれば、一人ひとり異なる場合もあります。
排泄の介助をはじめ、必要な方には下記のサポートを行う施設もあります。
- 着替え
- 洗面
- 整髪
ご自分らしさの尊重や尊厳・能力の維持のために、グループホームでは本人ができる作業は自分でやる方針です。ただし身支度を1人でできない場合は、職員が蒸しタオルで顔を拭いたり、起き上がるときの介助など、おひとりおひとりに合わせたお手伝いをします。
[朝食]朝食の用意は入居者も行う
食事は、入居者と職員が一緒に用意するケースが多いです。
食生活は生活の基本でもあります。ご本人による食事の用意はこれまでの生活の歴史の尊重になるため、ご本人らしいあり方が望めます。献立決めや食材の準備と調理、食事を盛り付けたり、配膳したり、可能な範囲で行います。
料理は難しいのではと思われるかもしれませんが、長年培った料理の腕は認知症でも失いにくい、体で覚えた技術であるため、料理ができなくなったという方でも、職員の声かけやサポートで対応できることも多いものです。入居者による食事作りが困難な場合は、職員が行います。食事の場所は食堂や個室など、施設やご本人の状態やご希望によって異なります。
ご飯でないと食べた気にならないという方もいれば、最近ではパン食の方も増えています。可能な限り、ご本人の希望に沿った献立で、ご自分らしい生活を尊重します。
食事は入居者が用意するとありますが、食事の準備や家事を強制することはありません。あくまでご本人らしい生活を送るために、家事を行っております。
家事が苦手な方には、他のアプローチでその人なりの生活の楽しみや張り合いを追求できます。
監修者:志寒 浩二(しかん こうじ)
[歯磨き・服薬]バイタルチェックは毎日行う
朝食を食べ終えたら歯磨きをし、服薬が必要な方には、薬の飲み忘れがないかチェックしながら介助します。
認知症の方は飲み忘れや飲み間違いを起こしやすいため、服薬は職員がサポートします。
またバイタルチェックといわれる、血圧・脈拍・呼吸などの基本的な健康状態の確認も欠かしません。ただしグループホームは看護師の配置が義務付けられておらず、異常がある場合は、提携している病院や利用者の主治医に連絡して相談します。
[自由時間]それぞれの時間を楽しめる
自由時間では、テレビ鑑賞・読書・カラオケなどそれぞれ好きなことをして過ごします。
ご本人がこれまで行ってきた習慣や趣味が続けられるよう、環境の調整やサポートを行います。やる気が出ない、行動を自分から始められないという症状をお持ちの方もいるため、そうした方にはご本人に合った活動やレクリエーションにも誘います。
レクリエーションは心身を活性化させるため、生活の張りになるでしょう。またしっかりと活動して体力を使うと、自然と夜に眠くなり、質の良い睡眠がとれる点もメリットです。
施設によっては、職員と一緒に外出し、買い物や散歩を楽しむ日もあります。
[昼食]昼食づくりも入居者と職員が行う
朝食と同じく、昼食も可能な限り入居者が職員と一緒に行います。
ほかの介護施設では職員のみで食事を準備しますが、グループホームでは、ご本人の個性や生活の歴史を尊重し、ご本人らしい生活を送っていただくことを目的としているからです。
昼食後は歯磨きをし、職員が介助しながら服薬します。
[入浴]入浴時間や回数も自由
体調不良でなければ、できるだけご本人の望む時間帯や頻度で入浴します。入浴は羞恥心を呼び起こし、認知機能が試される場面でもあるので、ご本人の気持ちに最大限配慮します。週二回以上を目安にしているところが多いですが、無理強いしてご本人の尊厳を損なうことがないようにします。体調を見て湯船に浸かるのか、シャワー浴にするのか、それも難しそうであれば清拭(せいしき)にします。
ほとんどの場合、個室入浴となります。ただし、施設によって設備に違いがあるため、グループホーム探しの際に本人の希望を聞いておくとよいです。個室入浴は職員と利用者の方1人での対応になるため、プライバシーが保たれます。
[おやつ]さまざまなお菓子が用意される
多くの施設では生活の楽しみとしておやつも取り入れています。洋菓子や和菓子、時には旬の果物などで季節を感じ、懐かしいお菓子で昔を思い出すのも楽しいものです。
行事のお菓子を食べると、施設内でも季節を感じられるでしょう。
施設によっては、職員と一緒に手作りするときもあり、グループホームにおいて楽しみな時間の一つです。またおやつは、食事の栄養や水分補給の補助としての役割も果たします。
[夕食]バランスのとれたメニューが楽しめる
朝食・昼食と同じく、職員と入居者が一緒に準備をします。5〜9人での共同生活で、職員やほかの利用者と一緒に作業することは、コミュニケーションをとる時間としても有効です。
基本的に献立が決まっていますが、持病がある場合は入居者の健康状態に応じたメニューを食べます。
夕食を食べ終えたら歯磨きをし、職員が介助しながら服薬します。
[就寝]消灯までの時間は自由時間
夕食を食べ終えたら各自の部屋やリビングで、消灯まで自由な時間を過ごします。
ご本人の生活習慣によっては、入浴をしていただくこともあります。このタイミングで職員がトイレ誘導やおむつ交換などを実施し、各自就寝の準備をしていく流れです。自分で着替えるのが難しい場合は、職員が介助しながら着替えます。
眠くなるまで時間がある場合は、消灯まで読書したり、テレビを見たりして自由に過ごしていてもよいです。
基本的に就寝時間を決めていない場合が多く、より自由に過ごせるでしょう。
グループホームへの入居を検討している場合は、ケアスル介護での相談がおすすめです。
ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合わせた施設を教えてもらうことができ、初めてのグループホーム選びでも安心して相談することができます。
グループホーム探しで失敗したくない方は、ケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。
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グループホームに向いている方の特徴
グループホームに向いている方の特徴は、以下のとおりです。
- 認知症に特化したケアを望む方
- 住み慣れた土地で暮らしたい方
- 人との関わりが好きな方
介護施設にはさまざまな種類があり、施設ごとに対象者や目的が異なります。グループホームの入居条件は認知症と診断された方です。
本人の健康状態や性格に合った施設を選ぶために、グループホームに向いている方の特徴に当てはまるかどうかチェックしましょう。
認知症に特化したケアを望む方
グループホームは認知症の高齢者を対象としているため、認知症に特化したケアを望む方に向いている介護サービスです。介護職員は認知症介護の知識を持っており、安心して生活できます。
グループホームでは、認知症の進行を穏やかにし、認知症とともに豊かな生活を行っていたd飼うため、サービスに取り組んでいる点が特徴です。
食事の準備や掃除など、できる範囲で身の回りの家事をするため、本来のご本人らしい生活が見込めます。
そもそもグループホームは、厚生労働省により「要介護者/要支援者であって認知症であるもの」と対象者を定めています。そのため、認知症でない方及び要介護または要支援を受けていない方は入居できません。
引用:『施設・居住系サービスについて』
住み慣れた土地で暮らしたい方
グループホームは、施設と同じ市町村に住民票のある方でないと入居できないため、住み慣れた土地で暮らしたい方に向いている介護サービスです。
住む家が変わるのは大きな変化になるため、住み慣れた土地であるだけでも、精神的負担を軽減できるでしょう。
特に「家族と離れたくない」「知らない土地で暮らすのは不安」と思う方にとって、家族や友人と離れずにすむ点はメリットです。
また、家族も気軽に面会しに行けます。ただし、認知症の方及び要介護または要支援を受けていないと入居できません。
人との関わりが好きな方
グループホームは共同生活になるため、人との関わりが好きな方に向いている介護サービスです。
最大9名からなる「ユニット」と呼ばれるグループに分かれて、家事や役割を分担して生活します。
協力し合いながら生活するため、日常的なコミュニケーションが多くとれるでしょう。特に食事は毎食協力して作るため、人とのかかわりを密に感じます。
少人数なので、馴染みのメンバーで生活できる点もメリットの一つです。普段から会話が好きで、人との関わりを好む方には、グループホームが向いています。
グループホームに向いていない方の特徴
グループホームに向いていない方の特徴は、以下のとおりです。
前提条件として、認知症でない方及び要介護または要支援の認定を受けていない方は、利用できません。
- 共同生活が難しい方
- 医療ケアが必要な方
グループホームの利用を検討している方は、本人の性格に照らし合わせて向いていない方の特徴をチェックしましょう。
共同生活が難しい方
グループホームでは5〜9人で共同生活を送るため、共同生活が難しい方には向いていません。
料理や掃除など、基本的に分担して家事を行います。性格的な面において、人とのかかわりが苦手な方や知らない人と一緒に暮らすのに抵抗のある方はハードルが高いでしょう。
また入居したとしても、ほかの入居者に迷惑をかけたり、感染症にかかっていたりすると退去になる場合があります。
本人に共同生活になると伝え、やっていけそうか話し合っておくと安心です。どのグループホームでも共同生活は必須になるため、本人の気持ちも確認しましょう。
医療ケアが必要な方
グループホームには看護師の配置が義務付けられていないため、高度で継続的な医療ケアが必要な方には向いていません。
看護師がいないと医療行為ができず、体調が優れなかったりケガをしたりすると、施設外の病院へ連絡して対応する流れになります。
点滴や注射など日常的な医療ケアが必要になる場合、グループホーム内では対応できないことがあります。また入居後に医療ケアの必要性が高くなった場合は、退去になる可能性もあります。
医療ケアが必要な方は、下記の記事を参考に、看護師の配置が義務付けられている施設を検討しましょう。
グループホームでの生活様式は施設によって違います。各施設ごとの特徴や生活の流れについて知りたい方はケアスル介護での相談がおすすめです。
ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合わせた施設を教えてもらうことができ、初めてのグループホーム選びでも安心して相談することができます。
グループホーム探しで失敗したくない方は、ケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。
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認知症に特化した介護を望むならグループホームを選ぼう!
認知症に特化した介護や認知症があってもご本人らしい豊かな生活を望むなら、グループホームが適しているでしょう。
料理や掃除などの家事もご自身のやり方で支援を受けながら行えます。また認知症の知識を持った職員がサポートしてくれる点もメリットです。
グループホームでの生活は比較的、ゆったりと自由がきくことがほとんどです。
健康的な生活を送り、身体を動かし、心身の活性化も期待できます。認知症の進行を穏やかにし、心身ともに安定した生活を目的としている介護は、グループホームならではの特長です。
ただし、グループホームは共同生活になるため、本人の性格や健康状態によっては難しい場合もあります。
グループホームを検討する際は、本人にグループホームの特徴を伝え、よく理解したうえで入居しましょう。
日中は、利用者3名に対して、1名以上の介護スタッフの配置が定められています。また、夜間においては介護職員が1人以上います。詳しくはこちらをご覧ください。
グループホームにもよりますが、重度の認知症でも、そのために高度な医療ケアが必要とならないのなら、退去しなくてはならない可能性が低いです。ただし、自分や他人を傷つけるような症状が出た場合には、一時的な入院などが必要になるかもしれません。詳しくはこちらをご覧ください。