住宅型有料老人ホームは医療費控除の対象?費用を抑える工夫を紹介

住宅型有料老人ホームは医療費控除の対象?費用を抑える工夫を紹介

「住宅型有料老人ホームで医療費控除が使えるか知りたい」「入居してかかる費用を減らしたい」と考えている方はいませんか?施設に入居すると継続して費用がかかるため、少しでも費用を抑えたいものです。

この記事では、住宅型有料老人ホームで使える医療費控除について解説します。医療費控除以外にも費用を抑える工夫を紹介しますので、最後まで読んで参考にしましょう。

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デイサービスセンターここから阿品 管理者
所有資格:理学療法士
専門分野:リハビリ、生活支援
職業: 理学療法士

2006年に理学療法士免許を取得し、愛知県の西尾病院で臨床経験を詰み、訪問リハビリにも携わる。同病院で認知運動療法を学びながら学会発表も行う。愛知・東京の病院で臨床経験を詰み、東急病院ではグループ施設の老人ホームで機能訓練指導員を兼務する。2014年に地元広島に戻り、デイサービスセンターここから阿品の機能訓練士として勤務。2021年より管理者に着任する。様々な施設・形態でのリハビリ・生活支援経験を生かして地域高齢者の健康維持に取り組む。詳しくはこちら

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住宅型有料老人ホームで受けられる医療費控除

住宅型有料老人ホームで医療費控除が受けられる対象には条件があります。そこで、医療費控除が受けられるものを詳しく分類して解説します。

おむつ代など一見控除されにくいものも紹介しますので、医療費控除の対象となるサービスをきちんと把握して費用を節約しましょう。

施設での入居費や介護サービスは控除が難しい

施設で最も費用のかかる入居費や施設内で実施されるサービス費は医療費控除の対象外です。

具体的に住宅型有料老人ホーム内で提供されるサービスには以下のようなものがあります。

  • 見守りサービス
  • 掃除や洗濯など家事代行
  • 食事の提供
  • レクリエーション
  • イベントや行事
  • 健康相談
  • 緊急時の対応
  • 日常生活での困りごとの相談

ほかにも光熱費や通信費、理髪代、美容代、日用品、衣類の購入費用も医療費控除の対象外になるため注意が必要です。

医療費や外部の介護サービスは控除が可能

住宅型有料老人ホームの入居中に外部の医療・介護サービスを利用した場合は医療費控除の対象になります。

例えば、入居中にかかりつけ医へ定期受診し、支払った治療費や薬代は医療費控除が可能です。通院に使った交通費も控除の対象になります。

また、住宅型有料老人ホームの介護サービスでは生活が難しくなった際に、外部の介護サービスを利用する場合があります。

その場合、特定のサービスにおいて介護保険を利用した際の自己負担分が医療費控除の対象になります。具体的なサービスについては、のちほど詳しく紹介するため参考にしましょう。

住宅型有料老人ホーム入居中に必要なおむつ代や一部の介護サービスも控除可

医療費や外部の介護サービスにかかる費用以外にも控除可能なものを以下に示します。

  • 施設で利用したおむつ代
  • 研修を受けた介護福祉士による喀痰吸引を受けている場合の介護サービス費用

おむつ代は以下の2つの条件を満たす場合に控除の対象となります。

  • おおむね6カ月以上寝たきりの場合
  • 医師が発行した「おむつ使用証明書」がある場合

また、介護福祉士は研修を受けた場合に医療行為である喀痰吸引や経管栄養が可能です。施設で喀痰吸引や経管栄養を含む介護サービスを受けた場合は、費用の10分の1が控除の対象となります。

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医療費控除とは?

医療費控除とは1年間(1月から12月)にかかる医療費が所得の5%を超えた場合に、確定申告を行い税金を安くする制度です。所得の5%ですので次のような計算になります。

医療費控除の額=支払った医療費の合計ー(所得金額の合計×5%)

所得金額の5%といっても上限は10万円までと定められていますので、所得が200万円以上あれば、一律10万円以上の医療費を使えば控除の対象となります。

例えば、所得の合計が250万円で年間医療費が15万円だった場合、5万円の医療費控除が受けられます。

また、医療費の合計は控除を受ける本人だけではなく、配偶者やそのほか「生活を一にする」親族の医療費も合算できます。「生活を一にする」とは生活費を共通にしている実態があるといった意味です。

医療費控除の対象となるサービスは、非常に細かく分類されており、自分の受けたサービスが控除の対象になるのか悩みます。そこで、医療費控除が受けられるサービスを具体的に紹介します。

医療費控除が受けられる条件|介護サービス別

医療費控除が受けられる介護サービスと受けられない介護サービスをそれぞれ紹介します。

施設サービスでは医療費控除の対象となる介護サービス費の割合がサービスの種類によって異なります。

また、居宅サービスでは特定のサービスと組み合わせて利用しなければ、医療費控除の対象とならないサービスがあります。詳しく説明しますので確認しましょう。

医療費控除が受けられる介護サービス

医療費控除の対象となる居宅サービスを以下の表に示します。

医療費控除の対象となる居宅サービス
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 短期入所療養介護
  • 居宅療養管理指導
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護を利用する場合)
  • 看護小規模多機能型居宅介護(訪問看護を利用する場合)

これらのサービスを介護保険で利用すれば、自己負担分が医療費控除の対象になります。また、上記の居宅サービスで介護予防サービスに該当するものも控除の対象です。

次に上記のサービスと合わせて利用した場合に、医療費控除の対象となる居宅サービスを示します。

上記の表にあるサービスと合わせて利用した場合に医療費控除の対象となる居宅サービス
  • 訪問介護(ヘルパー)
  • 夜間対応型訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護を利用しない場合)
  • 看護小規模多機能型居宅介護(訪問看護を利用しない場合)
  • 地域支援事業(訪問型サービス・通所型サービス)

これらのサービスも介護予防サービスを提供する場合は、前述のサービスを併用した場合にのみ控除の対象になります。

施設サービスの場合は、控除となる介護サービス費の割合が施設の種類によって異なります。

介護サービス費の全額が医療費控除の対象 介護サービス費の1/2が医療費控除の対象
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 地域密着型介護老人福祉施設

施設によって全額控除されない場合があるので注意しましょう。

医療費控除が受けられない介護サービス

介護サービスの中には医療費控除が受けられないサービスがあります。

医療費控除の対象にならないサービス
  • 訪問介護(生活援助が中心の場合)
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホーム)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与

住宅型有料老人ホームは特定施設入居者生活介護に含まれるため、介護サービス費が医療費控除の対象になりません。また、看護小規模多機能型居宅介護や地域支援事業においても生活援助が中心の場合は医療費控除の対象になりません。

医療費控除が受けられる条件|医療・そのほかの費用

介護サービス以外に医療費控除が受けられるものとして、医療費や通院にかかった費用などがあります。

住宅型有料老人ホームへ入居中に医療機関を利用する場合に対象となるものがあるため、参考にしましょう。

医療費控除が受けられる医療・そのほかの費用

医療費控除が受けられる医療の例は以下のようなものがあります。

医療費控除の対象となる医療
  • 医師や歯科医師による診察や治療
  • 薬代
  • 出産費用
  • 出産
  • 治療に必要な松葉杖や装具、医療機器にかかった費用
  • 治療のためのリハビリ代
  • 治療のためのマッサージ代
  • 子どもの歯科矯正代
  • 保険適用外の歯の治療

あくまで治療としてのサービスが控除の対象ですので、リラクゼーションのためのマッサージは適応外となります。

ほかに医療費控除の対象となるのは以下のようなものがあります。

医療費控除の対象となるそのほかのもの
  • 入院中にかかった部屋代
  • 入院中の食事代
  • 通院費(公共交通機関の利用が基本)
  • おむつ代

通院費は公共交通機関が基本ですが、病状などが原因で利用できない場合や緊急性を要する場合はタクシーの費用も医療費控除の対象になります。おむつ代は前述の通り、必要な条件を満たした場合に控除可能です。

医療費控除が受けられない医療・そのほかの費用

医療でも美容整形や健康診断、予防接種などは医療費控除の対象になりません。

また、交通費でもタクシー代は先ほど紹介した例を除き控除不可です。自家用車で通院した場合のガソリン費も同様です。

また風邪などの病気の治療に関する薬は控除の対象ですが、ビタミン剤など健康増進や病気の予防を目的とした医薬品は控除の対象外です。以上のように医薬品や交通費といった項目は同じでも、詳しくみると控除できないものが含まれますので、しっかり確認しましょう。

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住宅型有料老人ホームで医療費控除を受ける場合の手続き

医療費控除に必要な手続きは以下の手順です。

  • 医療費の明細書や領収書を保管しておく
  • 医療費控除の明細書を記入する
  • 確定申告を行う

それぞれ詳しく解説しますので、手続きの参考にしましょう。

1.医療費の明細書や領収書を保管しておく

使用した医療費を証明するために明細書や領収書を直接提出はしませんが、処分せずに保管しておきましょう。

申請に必要な「医療費控除の明細書」に医療費を記入する必要があるためです。具体的には次のような書類を残す必要があります。

  • 病院や薬局もらう明細書
  • 介護サービスの領収書
  • 交通費をかいたメモ
  • 医療費通知や医療費のお知らせ

これらの書類は1年分をまとめて記入する必要があります。また、医療費の明細書は5年間の保管義務があるため、捨てずにとっておくようにしましょう。また、本人以外に家族やそのほかの親族の書類もまとめて控除の対象となるものは保管するように注意しましょう。

医療費通知や医療費のお知らせは健康保険組合から送付されますので、忘れずに保管しておきましょう。

2.医療費控除の明細書を記入する

医療費控除の明細書は平成29年より確定申告の際に提出が必要になった書類です。

その代わり領収書や明細書の提出が不要になりました。医療費控除の明細書は国税庁のホームページや税務署の窓口で手に入ります。

医療費控除の明細書は、保管しておいた医療費の明細書や領収書を確認しながら、かかった医療費や介護サービス費を記入し、医療費控除額を計算して記載します。医療保険者などから通知された医療通知書を添付すれば、記入を省略できます。

3.確定申告を行う

確定申告とは一年間の所得とそれにかかる税金を計算して、税務署に納める必要がある金額を報告する手続きです。

確定申告には以下の書類が必要です。

  • 医療費控除の明細書
  • 医療費通知書(添付する場合)
  • 確定申告書
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや通知カード、運転免許証など)

確定申告書は医療費控除の明細書と同様、税務署か国税庁のホームページで入手できます。また、提出の方法は税務署の窓口でする方法以外にも、郵送やインターネット上(e-tax)でもできます。会計ソフトやアプリを使えば、比較的簡単に提出書類が作成できます。

住宅型有料老人ホームでの費用を抑える工夫3つ

医療費控除以外にも住宅型有料老人ホームでかかる費用を減らしたいと思う方は多いのではないでしょうか。そのためには以下の3つの方法があります。

  • 医療費控除以外に費用軽減できる制度を使う
  • 介護サービスの利用を工夫する
  • 家族に協力してもらう

どのように費用削減になるのか詳しく解説します。

1.医療費控除以外に費用軽減できる制度を使う

医療費控除以外に費用の負担を軽減できる制度があります。具体的な制度と内容を表に示します。

制度の名前 制度の内容
高額サービス費制度 介護保険の自己負担額が所得に応じて設けられた上限を超えた場合に、超えた金額が補助される制度です。住民税非課税世帯では15,000〜24,600円、住民税課税世帯や現役並みの所得がある世帯は月額44,400円が自己負担額の上限となります。
高額医療・高額介護合算制度 医療費と介護サービス費を支払っていて、両方を合算した1年間(8月〜翌年の7月)の費用が上限を超えた場合に補助を受けられる制度です。年齢や所得に応じて自己負担の上限額が決められており、その金額を超えた分が支給されます。

これらの制度の利用は自治体の介護保険課などで対応してもらえます。負担の限度など条件によって細かく分けられているので、事前に窓口で確認するとよいでしょう。

参照:厚生労働省「サービスにかかる利用料|介護保険の解説」

2.介護サービスの利用を工夫する

住宅型有料老人ホームで医療行為や介護が必要になった場合、介護サービスの利用を検討します。

その際に、ケアマネジャーや相談員としっかり連携を図り、本当に必要なサービスを選択すれば、不要な支出の軽減につながります。

例えば運動が必要で外部のデイサービスを利用している場合、代わりに施設のレクリエーションに参加したり、DVDや書籍、かかりつけ医などからの助言を参考にして体操を習慣にしたりすれば、デイサービスの利用を減らせる可能性があります。

ほかにも、初期費用はかかりますが短期集中リハビリ等を用いたりして自分でできる家事を増やしてヘルパーの時間を減らしたり、介護が充実している住宅型有料老人ホームで高い費用をかけるのではなく、介護が充実してなくても在宅サービスをうまく活用しながら生活したりすれば出費を抑えられます。

3.家族に協力してもらう

家族に協力してもらうといっても費用を直接払ってもらうのではありません。

家事や食事、外出を支援すれば出費を減らせます。例えば洗濯をヘルパーや施設のクリーニングに頼んでいる場合に、家族洗濯にするといった工夫ができます。

買い物も施設の代行サービスやヘルパーを利用するのではなく、家族が入居者さんの様子を見に行く際に、必要な品物を聞いておけば持参できます。もちろん、一緒に買い物に出かけるのもよいでしょう。

住宅型有料老人ホームから医療機関が離れている場合は、タクシーで受診をすると支出が増えてしまいます。そこで家族が送迎に協力すればよいのです。家族の協力は、利用者さんにとっても嬉しいものですので、可能な範囲で行いましょう。

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住宅型有料老人ホームで医療費控除を活用して出費を抑えよう

住宅型有料老人ホームで受ける介護サービスには医療費控除は使えません。しかし、そのほかで利用できる医療費控除を把握して、出費を抑えるようにしましょう。

また、医療費控除以外にも住宅型有料老人ホームにかかる費用を抑える工夫はあります。できるだけ費用の負担を減らすためにも、今回の記事を参考にしましょう。

住宅型有料老人ホームの入居費用は医療費控除の対象ですか?

住宅型有料老人ホームの入居費用や介護サービス費用は医療費控除の対象になりません。しかし、外部の医療・介護サービスは医療費控除の対象になります。詳しくはこちらをご覧ください。

おむつ代や受診時の交通費も医療費控除の対象になりますか?

日々のおむつ代や通院費も医療費控除の対象になります。ただし、おむつ代はおおむね6ヵ月以上寝たきりの状態である場合や医師による「おむつ使用証明書」が必要ですので注意しましょう。また、通院費は公共交通機関は対象ですが、タクシーや自家用車のガソリン代は原則対象外です。詳しくはこちらをご覧ください。

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