高齢になると身体機能や認知機能の低下が見られるようになるため、親の介護が必要になる場合もあるでしょう。
軽度の要介護状態であれば負担は少なく済むかもしれませんが、寝たきりの状態、そしてわがままな性格である場合では、介護の負担はもちろん、思うようにいかないことへの苛立ちなどから身体的・精神的に大きなストレスを感じることもあります。
本記事では、寝たきりの要介護者がわがままを言う原因やそういったケースでの体験談や対処法などについて紹介・解説していきます。
親の介護に悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
寝たきりの要介護者がわがままを言う原因
寝たきりの要介護者の方がわがままを言う場合、以下のような原因が考えられます。
- 淋しさや不安
- 認知症
- もともとの性格
以下では、それぞれの原因について詳しく解説していきます。
淋しさや不安
寝たきりの要介護者の方がわがままを言うケースでは、要介護者本人が淋しさや不安を感じていることが考えられます。
寝たきりになってしまうと、身体機能や認知機能の低下が顕著に見られるため、状態が急激に回復するということも考えづらく、本人からすると自分がどうなっていくのか不安に感じるのは当然でしょう。
また、自分一人ではできることも少なくなりベッドの上で過ごす時間が長くなるため、人と接する機会も減り一人で過ごす時間が長くなります。将来を不安に感じている要介護者本人からすると、一人で過ごすことはとても不安で淋しいことなのです。
そのような気持ちを伝えることができればいいのですが、なかなか素直に伝えることができないという方もおり、そういった方は少しでも構ってもらいたいという思いが強く、わがままを言ってしまっていると考えられます。
認知症
過度なわがままを言うケースでは、認知症の症状が原因であることが考えられます。
認知症は、認知機能の低下から記憶障害や言語障害といった症状が見られる病気ですが、症状によっては感情をコントロールできなくなることもあり、そのようなケースでは自分の思い通りにいかない際に大声を出したり手を上げたりと、わがままを言うことも考えられます。
このように、認知症の症状によって以前の性格からは考えれない行動をとることもあるため、認知症の症状が原因である可能性も考慮するといいでしょう。
もともとの性格
要介護者がわがままを言うケースでは、もともとの性格が関係していることも考えられます。
要介護者本人が、もともとわがままなことを言う性格であった場合、自分の思い通りに行かないと嫌だという考えから、もしくは寝たきりになったことで自分の思い通りに行かないことへの当てつけとして介護者へわがままを言っているケースもあるでしょう。
このような性格というのは一朝一夕で変わるものではないため、もともとの性格が原因である場合は状況を劇的に改善するのは難しいかもしれません。
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寝たきりでわがままを言ってくるケースでの介護体験談
本章では、寝たきりでわがままを言ってくるケースでの介護体験談をご紹介します。
どのようなことに悩んでいるかを意識し、どのように対処するのが良いか考えてみるといいでしょう。
体験談①
酒の飲み過ぎがもとで、脳をやられて寝たきりで動けないのに 「散歩に連れて行け!それくらいしてくれてもいいじゃないか! 酒を飲ませないだと?!どうしてそんなひどいことができるんだ!!」と どんどんわがままになって、無理難題を母一人に押し付けてきます。
私は結婚して実家にそんなに行くわけではないので どうやって母を助けたらいいのか戸惑ってます。
(yahoo知恵袋より抜粋)
体験談②
母は休みの日には実家に出向いて掃除や母の世話をしています。
祖母は動けないのに「あっちに行きたい」などと言って、母に抱えさせようとします。
祖母は結構体重が重いので母が抱えるには無理だし、母は掃除とかで忙しいし、まず意味が分からないし、一度言い出したらしばらく同じことを言い続けてうるさいです。
祖母は母が帰ると言うと大声で泣きだします。泣かれても帰らなければならないので、とても困ります。
祖母は母に全く感謝していないようです。あまりにも祖母がわがままなので、母が「少しはありがとうぐらい言ってよ」と祖母に言うと、「世話されて当たり前だ」と言って、不機嫌になりました。
(yahoo知恵袋より抜粋)
寝たきりの要介護者がわがままを言うケースではどのように介護すればいい?
要介護者が寝たきりでわがままである場合には、どのように介護すればいいのでしょうか。
介護の現状などによっても対処法は異なりますが、以下のような方法を取ってみるといいでしょう。
- 地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談する
- 介護保険サービスを見直す
- 施設への入居を検討する
以下では、それぞれの対処法について詳しく解説します。
地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談する
要介護者がわがままで困っている場合、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談しましょう。
地域包括支援センターなどの高齢者についての相談窓口やケアマネジャーといった介護に関する専門家は、介護についての相談を受けることも多く、同様にわがままを言われて困っていた方の相談に対応していることが十分に考えられるため、その際の知識・経験などから適切な対応、今後の介護についてアドバイスをもらえるでしょう。
また、具体的なアドバイス以外にも、客観的な視点からの意見を聞くことで自分自身の考え方が変わり、結果として物事が改善に向かうこともあるでしょう。いつもお世話になっているケアマネジャーであれば、軽い愚痴のような話も受け入れてくれると思いますので、まずは今の状況や気持ちを正直に打ち明けてみましょう。
わがままを言われて困っている際には、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーなどの相談窓口、専門家に気軽に相談してみるといいでしょう。
介護保険サービスを見直す
わがままを言われて困っている場合、現在利用している介護保険サービスを見直してみるといいかもしれません。
例えば、現在は訪問介護・ヘルパーのような短時間の介護保険サービスを利用している場合、デイサービスのような日帰りの介護保険サービスを利用してみるといいでしょう。デイサービス以外にも、短期間の宿泊を伴うショートステイなどの介護保険サービスもあるため、介護による身体的・精神的負担を取り除くためにも、より長時間利用できる介護保険サービスの利用を検討してみるといいでしょう。
前述のデイサービスやショートステイは利用時間や利用形態こそ異なりますが、どちらも施設で生活するサービスになるため、それらのサービスから施設での生活に慣れた場合には、施設入居のきっかけにもなるでしょう。
これらのサービス以外にも、認知症対応型というような認知症ケアに特化した介護保険サービスなどもあるため、現状困っていることやどのようなサービスを望んでいるのかを明確にし、ケアマネジャーにケアプラン見直しを相談するといいでしょう。
施設への入居を検討する
要介護者からのわがままに困っている場合は、施設への入居を検討するのも1つです。
介護保険サービスの見直しなどもしたものの、これ以上は限界だと感じる場合には、施設への入居を進め、施設の方にお任せするのが良い可能性もあります。
同じように寝たきりの要介護者のわがままに悩んでいた方でも、施設に任せたことでお互いに余裕を持つことができ、会うときには笑顔で接することができるようになったという話も珍しくありません。
介護やわがままから身体的・精神的に追い詰められている際には、どんなこともマイナスに感じてしまう傾向にあるため、どんどん追い詰められてしまい、最悪の場合には要介護者に手を上げてしまうことも考えられます。
そういった精神的な落ち込みを感じる場合には、取り返しのつかない事態に陥る前に施設に任せ、距離を取ることで要介護者との関係を見直すことが大切でしょう。
もちろん要介護者本人が施設への入居を拒否するケースもありますが、そういったケースでの対応に慣れた施設スタッフやケアマネジャーなどが円滑な施設入所のために尽力してくれるため、まずは行動に移すことを意識しましょう。
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限界を感じたまま介護を続けることで起こる問題
寝たきりの要介護者のわがままなどに悩み、限界を感じながらも介護を続ける場合には、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 介護うつ
- 要介護者への暴言・暴力
以下では、それぞれの問題について詳しく解説します。
介護うつ
介護に限界を感じながらも続けている場合には、介護うつといった精神状態に陥ることも考えられます。
介護うつとは、介護による身体的・精神的疲労や過度なストレスが原因で発症するうつ状態を言います。
寝たきりの高齢者を介護する場合、自立してできることが少ないことから、多くの場面で介護が必要になるため、必然的に身体的・精神的負担が大きくなります。それに加え、要介護者がわがままである場合には、より多くの手間や時間が必要になることで負担も増えますし、介護が思うようにいかないことによる精神的ストレスも計り知れないため、介護うつになる可能性も十分考えられます。
介護うつになってしまった場合には、自身も長期の治療が必要になるため、生活自体が壊れてしまうこともあるでしょう。
このような事態を避けるためにも、介護うつに陥ってしまう前に前述の対処法などを取り、介護による負担やストレスを取り除くことを意識しましょう。
要介護者への暴言・暴力
介護に限界を感じながらも続けている場合には、要介護者への暴言・暴力といった行動を取ってしまう可能性があります。
特にわがままを言われるケースでは、日々の疲れやストレスから要介護者に対する苛立ちが抑えられないこともあり、その結果として暴力や暴言といった行動を取ってしまうことも決してない話ではありません。
頭ではダメだと分かっていても、ついカッとなってしまうこともないとは言い切れず、一歩間違えてしまうと取り返しのつかない事態になることもあるため、限界だと感じた際には早め早めに行動することが大切です。
まとめ
本記事では、寝たきりの要介護者のわがままについてを主に解説しました。
要介護者もただわがままを言っているのではなく、淋しさや不安といった気持ち、認知症の症状といった原因があることが多いです。
そのため、まずはわがままを言う原因を突き止め、適切な対処法を取ることが重要になります。
また、限界を感じてから行動するのでは、介護うつといった精神状態に陥る、要介護者へ暴言・暴力といった行動を取ってしまう事態も考えられるため、限界を感じる前に行動に移すことが重要です。
寝たきりの要介護者がわがままを言う原因としては、「淋しい、不安といった気持ち」「認知症の症状」「もともとの性格」といった要因が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
寝たきりでわがままな親の介護に悩んだ際の対処法としては、「地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談する」「介護保険サービスを見直す」「施設への入居を検討する」などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。